通話のみ利用できる老人向け携帯の選び方

最近の携帯電話は機能が多過ぎて、老人が使用するにはちょっと複雑ですよね。しかし、いわゆるガラケー用の3GサービスはKDDIもソフドバンクもすでに終了していて、残るNTTドコモも2026年3月末でサービスが終了しますので、スマホへ移行するのは避けられませんが、多機能なスマホでは使いこなせないと言うのが実情だと思います

実際、「使い方がわからない。通話のみできれば良い。」と、スマホを敬遠する高齢者も多くいらっしゃいます。

しかし2023年に行われた総務省による調べによると、日本のスマートフォンやガラケーを含めた携帯電話の保有率は8割以上となっており、今や「持っていて当たり前」の時代。

特にiPhoneやandroidといったスマホやiPad等のタブレット端末の普及は急速に拡大し、PCの代わりにインターネットを利用するモバイル端末として一家に一台、あるいは複数台所有している世帯が多く見られます。

携帯電話はどこにいても連絡の取れる方法であるため、拒否されつつも「安全確認のためにも親に持ってほしい」と言う家族からの声が多いのも事実。

そこで今回の記事では、お年寄りでも簡単に操作が可能な通話のみの携帯プランや機種、老人向けの便利なサービスについて解説いたします。

どうぞ最後までご覧いただき、ケータイを持つ際の参考にしていただければと思います。

これから携帯を持つ場合は通話のみでもスマホ・ガラホを選択

携帯電話の種類は大きく分けて「ガラケー」と「スマホ」に分けられますが、見た目の違いではなく、正確には3G回線を利用して通信を行う携帯のことをガラケーと呼びます。

そして3G回線はサービスの終了が決定しており、大手キャリアの状況としてauは既に終了、ソフトバンクは2024年1月で終了、ドコモは2026年3月に終了を予定しています。

そのためこれから新規でガラケーの契約を行うことは出来ません。

老人は古いものの方が安心でき、新しいものは触る前から「分からない、難しい」と決めつけて敬遠する傾向にあり、携帯に関しても同様です。

実際はスマホの方がディスプレイが大きく文字が見やすい、そしてタッチパネルで見たままに必要なものをタッチするだけで簡単に操作できるため実は老人向けと言えるかも知れません。

とはいえ見慣れないため取っつきにくいと感じている人には、「ガラホ」と呼ばれる見た目はガラケーで4G LTE回線を利用して通信を行うガラケーとスマホを混ぜ合わせたような機種も増えているためおすすめです。

老人向けおすすめ携帯

それでは以下、2024年3月時点でキャリアやサブブランド別に高齢者でも使いやすいおすすめの機種を紹介してまいります。

DoCoMo(ドコモ)

ドコモには「らくらくスマートフォン(らくらくホン・あんしんスマホ)」というシニア向けのシリーズがあり、高齢者や小さなお子様に人気となっています。

ボタンが一つのみと非常にシンプルで、初めてでも使いやすいのが特徴。また、ドコモショップではスマホ教室など使い方を教えてくれるイベントを開催しているので、使い方に困っている方やスマホへの乗換えが不安な方でも安心して挑戦することが出来ます。

ahamo(アハモ)

ahamoはドコモの格安プランであるブランドです。

その中でおすすめは「Galaxy A23 」。理由は「かんたんモード」に対応しているからです。

かんたんモードに設定すると画面の下に3か所の連絡先を登録でき、電話をかけたい時にワンタッチで発信することが可能になります。

通話のみできれば良いと考える高齢者の方にはピッタリの機能でしょう。

また、本体には防水や防塵といった機能も備わっており落下にも強いのが嬉しいポイントです。

KDDI・au

auでシニア向けに展開しているスマホは「BASIO」シリーズです。

アイコンが大きくて見やすく、ahamoと同じようにホーム画面の下に連絡先を3件まで登録することが可能です。

また、auで「BASIO」を購入し契約すると、毎日最初にスマホを操作した際に登録した相手へ「元気だよ」のメールを自動送信してくれるサービスがついてくるため、家族と離れて暮らしている高齢者に大変おすすめです。

POVO

auのオンライン専用ブランドであるPOVOは、機種というよりもプランに特徴があり何と基本料が0円。必要な分だけオプションをつければ良いので他の会社と比べ料金を安く抑えることが可能なのです。

通話のみ必要であれば「通話かけ放題」のプランをつけることで月額1,650円、5分以内の通話かけ放題であれば月々550円で利用できます。

また、他社からの乗り換えや契約に関する手数料も無料なため、初期費用が一切かからないというメリットもあります。

手続きはすべてオンラインで完結し、解約であっても契約者のメールアドレスのみ分かればOK。

もし利用者が亡くなってしまっても簡単に解約が可能です。

UQモバイル

UQモバイルはauの中の格安SIMブランドで、シニア向けとしては「AQUOS sense7」という機種があります。

防水、防塵、耐衝撃、更に劣化しにくい大容量のバッテリーを搭載していることから、壊れにくく長く使い続けられるという特徴があります。

マスクをしたまま顔認証でロックを解除できる点も非常に便利です。

また、60歳以上の方は24時間かけ放題を880円で利用できるため、POVOと比較して割安です。

SoftBank(ソフトバンク)

ソフトバンクではSHARPの「シンプルシリーズ」がシニア向けの機種となります。

大画面でアイコンや文字が大きく表示されるため高齢の方でも見やすく、電話やメールに関しても使いやすいよう配慮されている設計です。

また、ボタンを押すだけでサポートしてくれるオペレーターに相談することが出来るため、操作で分からないことがあった時にも安心です。

ワイモバイル

ワイモバイルはソフトバンクのサブブランドで、「かんたんスマホ」が発売されています。

こちらも操作が簡単なのはもちろん、高齢者の方にとって嬉しい歩数計の機能がついていたり、LINEやPayPay等、今や欠かすことのできないサービスも購入してすぐに利用可能です。

また、世界で初めて抗菌、抗ウイルス認証も獲得しており、アルコール消毒やハンドソープでの洗浄にも対応しているため、清潔に安心して利用したい方にもおすすめです。

楽天モバイル

楽天モバイルでは、シニア向けと謳っている機種の販売はしていませんが、初心者向けにシンプルな使いやすい機種の取り扱いがあります。

「AQUOS wish4」には「かんたんモード」が設定でき、シンプルなホーム画面に変更することが出来るのですがアイコンの大きさは小さめ。

また、通話内容を自動で録音してくれる機能があるため、大事な話の内容や聞き取りにくかった話を後から聞き返すことが出来ます。

見るからにシニア向けと分かるものではなくおしゃれでシンプルに使いたいという方にはおすすめです。

老人向け携帯を選ぶ時のポイント

高齢者の方が携帯電話を選ぶ時にチェックしておきたいポイントをまとめました。

画面がシンプル

ホーム画面に色々なアイコンが並んでいると、一体どれが何なのかわからずお年寄りは混乱してしまいます。

そのため、画面がシンプルで必要なアプリだけが並ぶ、またはボタンのあるものを選びましょう。 

画面が大きい

画面やアイコン、文字の小さいものはお年寄りには見にくいため、画面はできるだけ大きくアイコンや文字が大きく表示されるものを選ぶことは重要です。

また、明るさを調整を簡単に出来る事も見やすさのポイントとなります。

操作が簡単

電源や通話、スピーカーの音量調整等、よく使うボタンが押しやすく操作するボタンが大きいと安心して使えます。

スマホの場合、ほとんどの機能はボタンをタップすれば使えるものが多いですが、それでも機能が増えるとその分複雑になってきますので実際に店舗で自分で触ってみて選ぶと良いでしょう。

充電がしやすい

意外と盲点となりがちですが、携帯の充電ケーブルの差し込み口が小さいと高齢者にとって充電の度に大変な作業が強いられます。

そのため、差し込み口が大きかったり置くだけで充電できるモデルがおすすめです。

音声入力に対応している

スマホに機種変更した場合、最初につまずくのが文字入力の方法でしょう。

慣れるまではハードルが高く苦手と感じる高齢者の方はかなり多いです。

そこで音声入力を行えるものを選ぶと、上手く文字を入力でき無い時も簡単に長い文章を作成することが可能です。

迷惑電話防止機能

迷惑電話のブロックや着信拒否といった機能が利用できることも大切です。

キャリアや機種によってそれぞれサービスの利用方法が異なりますので、家族やカスタマーサポートスタッフに設定してもらうようにしましょう。

緊急時のサポート機能

最近のスマホには、救急車などへの通報や現在の居場所を表示するGPSが備わっているものが多いため、高齢者の方やそのご家族にぜひ活用していただきたい機能です。

また、上記で説明したようにシニア向け携帯にはよく使う連絡先をホーム画面に登録することが出来る機種が多いため、緊急時、何かあった時にすぐ連絡できるものを選ぶことも大切です。

老人が携帯利用をする際の注意点と対策

高齢者の方が携帯を利用する際に注意したい点とその対策について紹介します。

アプリへの課金

スマホは無料で使えるサービスがたくさんありますが、使用する中で広告が表示されたり、これ以上の期間またはサービスを利用する場合は有料になる、というケースも非常に多く、よく分からずクリックてしまい知らない内に課金されるようになってしまった、というご相談はとても多いのです。

中には高額請求を行うために偽サイトに誘導する広告やメッセージが届く問題もあるため、分からないものはクリックしないよう注意することが重要です。

こまめにスリープ状態にする

多くのスマホは電源ボタンを押すと画面が暗くなりスリープ状態にすることが出来ます。

スリープにすることで、その後画面に誤って触れてしまっても誤操作を防ぐことが出来るのです。

使わないまま一定の時間が経てばスリープ状態になりますが、その間に誤操作してしまうことも考えられるため、操作が終わったらスリープにすることを習慣化するよう、最初は意識して行うようにしましょう。

通話後は必ず切る

通話をした後に切り忘れて高い通話料を請求されてしまった、ということにならないよう、最後に必ず通話を終了するボタンを押すように気を付けましょう。相手から切った場合は操作は不要ですが、お互い忘れてしまった場合は大変です。

LINEのように通話料が無料のアプリも多くありますので、そのようなサービスを使って通話することもおすすめです。

データ通信に気を付ける

基本的にスマホでインターネットを使用し通話やメッセージ、カメラで撮影した写真のやりとり、動画の視聴等を行うとデータ通信料がかかります。

通話のみ利用する場合はあまり問題になることはないかと思いますが、契約しているプランによって一定の通信を行うと速度制限がかかったり、代金の支払いが高くなる場合があるため注意が必要です。

また、本体のデータ容量を最大まで使ってしまうと新たなデータの保存が出来なくなったり通信速度が遅くなることもあります。

そのため、自宅にWi-Fiが接続できる環境にある場合は、ネットを使用する前に必ず設定を済ませておくようにしましょう。

また、データを多く使う予定がある場合は、最初からデータ容量を無制限に利用できるプランを契約すると良いかと思います。

サービス対象のエリアかどうかを確認する

契約するキャリアがお住まいのエリアをサービスの対象となっているか、音声の品質はどうか、申し込みをする前に念のため確認しておきましょう。

対象エリアであっても建物の位置によっては電波が入りずらくなっていることもあります。

老人向けのおトクな割引サービス、キャンペーン

携帯各社では「シニア割」等、60歳以上の方に対して基本料や通話料などの割引やキャンペーンを実施し、通常よりも安い料金で契約できることがよくあります。

また、新規契約や機種変更、他社からの乗り換えなど条件によって適用される割引、家族で使用すると適用される「家族割」等もあります。

どのスマホにするか迷った時は、費用を抑えお得に利用できるプランを持った会社を選んでみるのもおすすめです。

まとめ

最近の携帯はスペックが高く便利になった反面、高齢者にとっては操作が難しくなりました。

しかし、シニア向けの端末やサービスもありますので、高齢者の方が携帯を持つ時は今回ご紹介したようなものを選ぶと快適に使用できるかと思います。

また、新機種や新機能も常に発売されていますので、最新の情報や価格、詳細につきましては各会社に確認して検討するようにして下さい。

当サイトでは他にも高齢者や介護に関連する情報を発信しておりますので、合わせてご覧いただければと思います。

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