通所介護施設(通称デイサービス)は、介護の仕事の中でも働きやすく人気の職場と言われています。とはいえサービスや仕事の内容は施設によって様々。そこで今回の記事では、デイサービスで働く主なメリットとデメリットについてそれぞれ解説します。
目次
デイサービスで働くメリット
まずはデイサービスで働くメリットからご紹介します。
夜勤がない、残業が少ない
デイサービスのサービス提供時間は事業所によって異なりますが、基本的に朝9時から午後5時の間の日中の時間帯で設定しているところがほとんどです。
利用者の方は訪問介護とは異なり自宅から日帰りで通うため、施設への車での送迎がその前後に含まれますが、介護職でよく耳にする「夜勤」というものがデイサービスにはありません。
また、職員のミーティングやレクリエーションなどのイベント準備、片付け等で少し勤務時間が延びることはあるかも知れませんが、基本的には残業も少ないのが一般的です。
その為日常生活のスケジュールが立てやすく、仕事と自分のプライベートを両立させて生活を充実させたい方や、家族との時間を大切にしたい子育て中のお母さんにとって、とても働きやすい職場と言えます。
資格・経験不問
「介護の仕事に興味があるけれど資格や経験がないから不安。」という声をよく耳にします。
そのような心配のある方はデイサービスの求人に応募することがオススメ!
デイサービスの利用者は他の介護施設と比べて要介護度が低い方が多く、デイサービス会社の求人情報や採用情報を検索して条件を探すと”無資格・未経験者OK”という事業所が多いことが大きなポイントです。
もちろんデイサービスで働きながら資格取得を目指して勉強や経験を積むこともできますので、初めて介護職へチャレンジするという方にとって、デイサービスの求人を受けることはメリットの一つと言えるでしょう。
コミュニケーション能力を活かせる、磨ける
デイサービスで働く上で必要なのは、資格や経験、知識ももちろん大切ですが、それ以上にコミュニケーション能力や協調性、観察力、気配りといったスキルになります。
というのも、デイサービスは”自立支援””介護予防””健康維持””機能向上”が主な目的であるため、利用者やその家族の立場、気持ち、生活に寄り添ったサポート、支援、心身が安心できるサービスの提供が求められるからです。
普段から「人と接することが好き」「困っている人によく気づく」「みんなで何かを成し遂げることに生きがいを感じる」「人と楽しむことが好き」「社会に役立ちたい」といった希望や特性がある方にとっては、利用者や職員との交流を通してその力を存分に発揮して活用し、活躍できる適した仕事だと思います。
幅広い仕事を経験できる
デイサービスでは、浴室での入浴や食事、排泄の介助といった生活介護やリハビリ等の機能訓練のほかにも、利用者の方のお話相手となったり、様々なレクリエーションやイベントの企画・実施、それに加えて送迎業務の対応とバリエーションに富んだ幅広い業務を行います。
その為、単調なルーティン作業が苦手という方や新しい経験をしたいという方、介護の仕事を一通り経験してみたいという方にとって、デイサービスでの仕事は非常にやりがいのある仕事となるでしょう。
体力の負担が少ない
介護職といえば「体力がきつい。腰が悪くなる。」とよく言われていますが、先ほどもお伝えしたようにデイサービスの利用者は要介護度が低くある程度自立した高齢者の方が多いという特徴があります。
そのため、デイサービスでは介護者の身体の負担は軽減され、他の介護施設で働く方と比べて少ないというメリットがあります。
体力に自信がなくて介護職を始めるのに不安がある、という方も非常に多いと思いますが、そのような方に向けてもデイサービスでの仕事はチャレンジしやすい職場だと言えます。
デイサービスで働くデメリット
それではデイサービスで働くデメリットはあるのでしょうか?働く前に気を付けておきたい点や頭に置いておくと良い点もしっかりお伝えしておきます。
人間関係のストレスが溜まりやすい
コミュニケーション能力が発揮できる仕事ということは、つまり人間関係が非常に大切な仕事であるということです。
利用者やその家族だけではなく、レクリエーションの回数やイベントが発生する頻度が高いので職員やスタッフと一緒に企画したり実行する機会も多く、利用者の方にとってより良い時間と効果を提供する為にみんなで協力して取り組めるチームワークが重要となります。
その為、意見を出し合ったり、連絡をマメにとり確認しながら一緒に作業を進める中でどうしても人間関係に疑問が生じたりストレスを感じやすい、トラブルが起こりがちという点が注意すべき事となるでしょう。
しかりながらみんなで成し遂げた時の達成感や喜びはとても大きいものですし、苦手な人とどう接するか、克服するかということを考え実行してみる事はコミュニケーションスキルを更に磨くチャンスとも言えます。
ただし、人には合う、合わないがありますし、どこの職場にも接するのが難しい人というのはいるものです。心の健康のケアもとても大切なものですので何か悩みがある際には必ず他の仲間や上の方に相談し、改善方法を考えたり、トラブルを予防するようにして下さいね。
給与が低い
デイサービスは夜勤や残業が少ないというメリットをあげましたが、その分の手当がない為、他の夜勤や24時間体制の入居型の施設(有料老人ホーム等)と違い給与額が低い傾向にあります。
これは働く方が勤務時間と収入のどちらを重要視するかによって分かれます。
先ほどもお伝えした通り、給料は低いけれど仕事と家庭の時間を両立することが可能であったり、体力の負担が少なかったりというメリットの面がありますので、どちらを希望しているかを事前に条件や採用情報の概要、施設見学で雰囲気を見ることも含めて比較し検討してみることをおすすめします。
運営会社によって介護福祉士やケアマネジャー等の資格取得や経験によって給料がアップするケースも多いので、より高い収入を目指すことも可能です。