居宅介護支援においてケアマネージャーに相談し介護施設への入所が決まると、通所系サービスでは送迎が実施されます。交通の便が悪かったり移動が難しい方にとっては非常に便利なサービスですよね。ただ移送するだけでなく、乗降の介助や準備の支援も行い、必要な知識や技術、資格の研修を受けている職員が担当するので安心してご利用いただけます。しかし中には送迎が不要な方や病院が発着となる場合もあるかと思います。
そこでこの記事では、介護サービス送迎において病院への送迎が可能なのか、送迎不要時、介護タクシーについての内容を簡単に説明致します。参考になると嬉しいです。
介護サービスの送迎
送迎で出来ることと出来ないこと
基本的にデイサービスや通所リハビリテーション(デイケア)、短期入所介護(ショートステイ)等の通所系の介護サービスを受ける際、自宅と施設の間の移動は事業所の車を使った送迎サービスを介護保険で受けることが出来ます。
送迎サービスは”居宅と事業所間がとなり、それ以外の場所での乗降は原則として認められていません。
ただし毎日訪れて食事や入浴といった生活の拠点となっている場所や家族の家、宿泊している場所といったような場合には利用者の自宅でなくても送迎が可能です。
デイサービスの利用者の方の中には、病院の受診後にデイサービスに行く又はデイサービスの後に病院を受診する予定がある方も多いかと思います。
これはやむを得ない場合は認められることがありますが定期はNG。定期的に通院する場合はデイサービスの利用日は避けて受診するようにしましょう。
送迎減算
利用者が自分で施設まで移動したり利用者の家族等が送迎を行ったり、別のサービス事業者が送迎を行うといった事業所の送迎を使わない場合は”送迎減算”の対象となります。
その中で2021年度の介護報酬改定において、通所系サービスの事業所から病院への送迎に係る乗降介助において送迎減算の算定が可能となりました。
これは訪問介護の通院等において利用者の身体的、経済的負担の軽減や利便性の向上といった目的によるものです。(訪問看護では居宅で看護を行う為送迎は行っていません。)
概要を簡単に以下でご紹介します。
<送迎減算の対象サービス一覧>
・通所介護(デイサービス)
・通所リハビリテーション(デイケア)
・地域密着型通所介護
・(介護予防)認知症対応型通所介護
<適用要件>
利用者の居宅と指定の事業所の送迎を行わない場合に片道ごとの送迎減算が適用される。
<送迎減算の単位>
片道につきマイナス47単位
<留意点>
・同一建物等減算の対象となっている場合は送迎減算の対象にならない。
・当該の通所介護事業所などの設備を利用した宿泊サービスを利用する場合でも、送迎をしていなければ送迎減算の対象となる。
・訪問介護においては居宅と事業所の間の病院から病院への送迎や事業所から病院への送迎に関して通院等乗降介助が認められる。訪問介護事業所が通所系サービスへの送迎を行ってこの加算を算定する場合に通所系サービスの送迎減算が適用されます。
詳細は厚生労働省による介護保険報酬に関連するサイトの案内をご確認下さい。
通院には介護タクシーがおすすめ
居宅から病院までの送迎は介護タクシーが利用出来ます。医療機関へ定期的に通院が必要となる場合は特に介護タクシーの利用がおすすめです。
一般的なタクシーと同じくらいのメーター料金で計算されることが多いですが、時間による運賃設定、距離による運賃設定をしている事業者もありますので事前に情報を確認しましょう。
また、以下の条件を満たすことで介護保険を適用することも可能です。
<介護保険の対象となる条件>
・自宅、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、ケアハウス等に居住している人
・要介護1~5に認定されている人
・移動する目的が日常生活上または社会生活上必要な行為に伴う外出である(例:病院、買い物、公的機関、選挙など)
デイサービス等の送迎と同様、乗降時の介助や外出準備の介助、その他病院のスタッフとのやりとりや支払い、薬の受け取り等のサポートも行ってくれる便利なサービスですので、ケアマネジャーに利用の相談をしてみてはいかがでしょうか。