介護老人保健施設”老健”とはどんな特徴のある介護施設なの?

”老健”とは『介護老人保健施設』の略称で、介護施設の中の一つです。

介護施設は非常に種類が多く名称も似ているためなかなかどれがどのような施設なのか分かりにくい問題がありますが、今回の記事ではこの”老健”について簡単に解説させていただきます。

介護施設を探されている方に役立ちますと幸いです。

介護施設の”老健”とはどんなところ?

老健とは自宅に戻ることが目的の介護施設である

他の介護施設と大きく異なるのは、老健は「自宅に戻ることを目的とした施設」であるという点です。そのため退所までの期間がだいたい3~6ヶ月と限定されています。

介護施設の中でも非常に人気が高い特別養護老人ホーム(特養)は、費用が安く終身(看取り)までという長期に渡って充実した医療、看護、介護のサービスを受けられるというメリットがありますが、その分全国にかなりの数の待機者がいます。

それに比べ老健では1人1人の入所期間が短期なため比較的にすぐ入所できる傾向が高いようです。

老健で提供されるサービスの内容は

老健は入院していた病院から退院しそのまま在宅で生活することが困難な状況で介護を必要とする高齢者に対し、在宅への復帰を目指したケアや療養、自立を支援するために利用される施設です。

厚生労働省より”リハビリテーションを提供する機能維持、改善の役割を担う施設”として位置付けられ、充実した医療、看護、介護のサポートを受けることが可能。

その為、人員配置では介護支援専門員(ケアマネジャー)、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、介護職員、相談員といった非常に多い職種の職員、スタッフが連携して配置されていて安心できます。

医師は入所者100人に対して1人以上常勤、看護師や介護職員は入所者3人に対して1人以上等、他の施設と比べて多く配置され、医師による医学的管理の下医療ケアを受けたり、看護師が24時間常駐しているケースも多く、その場合は夜間でもインスリン注射や痰の吸引、経管栄養等の医療行為にも対応出来ます。

また専門職による指導の下、リハビリや訓練を行い回復を目指すことに力を入れているという特徴もあります。

介護サービスでは、入浴や食事、排せつ等、状態に合わせた身体の介助、ベッドや居室の清掃、洗濯等の生活支援、専門の栄養士が利用者ごと個別でそれぞれの病状や状態に合わせた食を監修した栄養管理etc…各分野のサービスに魅力があります。

老健で利用できる介護保険のサービス

老健は日常生活への復帰が目的の介護保険法で定められた介護保険サービスの一つですが、通所リハビリ(デイケア)やショートステイといった他の介護保険サービスを利用することも可能です。

老健の主な設備

老健は生活を送るための居室(従来型個室・多床室など)の他にリビング、食堂、浴室、レクリエーションを行う部屋、トイレ、機能訓練室、洗面所、調理場、洗濯場、汚物処理質などの共有スペースが設置されています。

多床室は2人~4人で入居する大部屋タイプで月額が安くなっています。また、認知症の方向けのグループホームのようなユニット型個室というものもあり、10人前後のユニットを作って家族のような雰囲気で生活できる設定のタイプも増えています。

老健に入所する基準

老健の入所条件は原則として65歳以上で要介護1以上の介護認定を受け、病状が安定して入院の治療が不要かつリハビリを必要とする高齢者が対象となっています。

特定疾病によって要介護認定を受けている方であれば65歳以下でも利用が可能です。

申し込みの流れは要介護認定を申請し訪問による調査を受けた後、いくつかの施設を実際に見学して検討したらケアマネジャーに相談し入所の申請をします。その後、本人や家族と面談、決められた書類の提出を行い、施設側から入所の判断がされたら契約となります。

手続きの方法や詳細については、お住まいの地域の自治体でご確認下さい。

老健でかかる費用

老健は公的な機関なので入居する際の初期費用が無料です。必要な月額費用には居住費、食費、介護サービス費、サービス加算などが含まれます。

一部を除いて医療控除の対象となりますし、所得に応じて減免措置も設けられている為、所得が少ない方でも経済的な負担を抑えることが可能です。相場としてはひと月15万円程度となっています。

まとめ

老健は他の介護施設と異なり、在宅復帰を目標とした医療ケアやリハビリが受けられる短期入所型の施設となります。

ちなみにデメリットとしては老健はあくまでも医療ケアやリハビリがメインの為、他の介護施設のような娯楽イベントが少ない傾向にあります。

生活の質を高めたい、楽しみたいと希望されている方は、有料老人ホームを探す方がおすすめです。

また、介護保険法に基づいて、老健に入所中は医療保険の適用が受けられません。薬は施設内にいる薬剤師から処方してもらうことが出来ますが、介護報酬で賄っているため服用している薬が多かったり高額な薬を継続して服用する場合には入所を断られる可能性もあります。

介護施設の違いを知って、比較しながら自分に合ったサービスが受けられる介護施設を選び、心身がより健康に過ごせるよう参考になれば嬉しいです。

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