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デイサービスとグループホームの違い
「サービス」か「住まい」か
デイサービス(通所介護)とグループホームの最も大きな違いは、”その施設が住まいとなるのか、サービスを受ける場所になるのか”という点です。
デイサービスは自宅で日常の生活を送りながら”日帰り”でデイサービスの施設へ通い、食事や入浴といった日常生活に必要なケアや支援をしたり、他の利用者と交流したり、自立した生活を送る為の身体の機能の維持、向上を目的とした機能訓練やリハビリを行います。
施設と自宅の移動は施設の職員やスタッフが専用の車で送迎するので、家族の負担も軽減されます。
一方でグループホームの場合は、在宅での介護が難しくなってきた方が暮らしを送る「住まい」が施設になります。数人の入居者同士で協力して共同生活を送りながら、常駐する介護士や看護師から入居している施設内で介護や看護、生活支援等のサービスの提供をケアマネージャーによって作成されたケアプランを元に24時間体制で受けることが出来るので夜間も安心です。
デイサービスとグループホームの『利用者の条件』の違い
デイサービスとグループホームには利用者の条件の違いもあります。
デイサービスを利用する条件は施設ごとの特色により異なる場合がありますが、原則としては以下の条件を満たす必要があります。
・要介護度が1~5の要介護認定を受けている
・医療行為が不要
・施設の送迎の範囲内のエリアに自宅がある
グループホームへへの入居は、大きく分けて以下の条件を満たしている方が対象となります。
・年齢が65歳以上の高齢者
・要介護1~5、または要支援2以上の認定を受けている
・医師から認知症の診断を受けている
・グループホームの施設と同じ市区町村に住民票がある
グループホームは比較的生活に必要な動作を自分で行える認知症の方に向けた介護施設である点がポイントです。
デイサービスとグループホームの『費用』の違い
デイサービスとグループホームはどちらも介護保険サービスですが、かかる費用の違いもあります。
デイサービスは利用日数や利用時間、要介護度によって1時間ごとの料金が定められますが、一般的に1回につき約1,000円~2,000円程。要支援の方の場合は「介護予防通所介護」という制度を利用して月額制で利用することが可能です。
グループホームは入居一時金と呼ばれる初期費用と毎月払う月額費があります。入居一時金は敷金のようなもので、施設により異なりますが平均して8万円前後。月額費には生活費のほかに介護サービスやサービス加算といった料金も含まれ、すべて含めて平均して15万円前後という方が多いようです。
グループホームに入所するとデイサービスに通えない
グループホームは介護保険のサービスの中で「地域密着型サービス」に分類されます。
これは介護が必要になっても住み慣れた地域で生活が送れるよう地域で支援を行う、という特徴があり、運営を行う事業所は各市区町村が指定をし、その地域に住民票のある人のみが原則として利用が可能なサービスです。
グループホームは先述した通り施設の中で食事や入浴の介助や機能訓練を受けることが出来る為、外部のサービスであるデイサービスに通うことは不可とされています。
ほかにも同様の理由から、特別養護老人ホームや介護老人保健施設に入所している場合もデイサービスの利用は認められていません。
デイサービスが利用できる老人ホームの種類
それではデイサービスが利用できる老人ホームについてもご紹介します。
・サービス付き高齢者住宅(サ高住)
一般型のサ高住に入居しているという条件はつきでデイサービスを利用することが可能です。介護型の場合は柔道の要介護者の方も入居可能で、施設内で介護サービスを受けることが出来る為、外部のデイサービスは利用できません。
・有料老人ホーム
こちらも「住宅型」の場合はデイサービスの利用は可能ですが、「介護付き」に入居されている場合は不可となります。
まとめ
今回の記事ではデイサービスとグループホームの主な違いを紹介させていただきました。
利用を検討している方はそれぞれの施設の選び方の参考にしていただければ嬉しいです。
最近介護施設では利用者の趣味に合わせた豊富なサービスの提供に取り組み、魅力のある施設が増えています。
高齢になると外出や人との交流が少ない状況になるケースが高くなります。これらに関連して認知症を悪化させたり健康に影響が出ることがあるので注意が必要です。
そのため、デイサービスやグループホームを利用することで適切な生活介護を受け心身の充実をはかり、機能の悪化を予防する効果を得られます。
施設を探す際は出来るだけ本人も一緒に施設へ訪問し、見学をすることをおすすめします。見学や1日体験は多くの施設で実施されており、電話で気軽に予約を取ることが出来ます。
資料やサイトの情報だけでは分からない実際の雰囲気や設備、職員の対応、行われるサポートの内容やレクリエーションを体験し1日の流れを知ってもらうことで新しい環境への不安なイメージを取り除くことが出来ますし、受け入れ側にとっても事前に状態を知っておくことが出来る為、どちらにとってもメリットにもなります。また、不明な点を質問し直接説明を受けて確認できる場にもなりますよね。
契約する時は担当のケアマネジャーや家族と相談しながら、いくつか複数の施設を比較した上で希望にあった施設を選ばれると良いと思います。