デイケアとデイサービスはどちらも自宅から施設へ通いサポートを受ける通所タイプの介護保険サービスで、更に名前も似ていることから同じサービスであると混同される事が多いのですが、実際は対象者となる条件や目的など異なる種類のものとなります。
「デイケアとデイサービスは併用できるか」といった質問をもらう事も多いため、今回の記事ではその答えと、条件などのさまざまな情報を紹介し、解説いたします。
介護保険サービスを探す際、それぞれの違う特徴を踏まえ、自分に合ったよいサービスを選択するお手伝いができれば幸いです。どうぞ最後までご覧くださいませ。
デイケアとデイサービスの条件を満たせば併用できる
現在、デイサービス(別名:通所介護)を利用されている方の中には、病気やケガなどによってリハビリテーションや医療ケアが必要・・・という方がいらっしゃるかと思います。
逆にデイケア(通所リハビリテーション)を利用している中で、日常的な介護や介助をもっと受けたいという方もいるのではないでしょうか。
実はこの二つ、両方の利用条件を満たしていれば併用することが可能なのです。
そのため、要支援1~2の方はデイサービスの利用条件から外れますので基本的にデイケアのみとなりますが、介護予防サービスを利用したり、介護保険を利用せずに全額自己負担で利用ができるデイサービスもあります。
デイケアとデイサービスの移行も可能
例えばデイケアの利用によって効果があり、身体の機能が回復し、これ以上特別な医療ケアや専門的なリハビリが不要となったという場合、デイサービスへと移行することが可能です。
費用もデイサービスと比較してデイケアの方が高い料金がかかる為、経済的な負担を軽減する為にも状態が良くなれば移行はおすすめです。
逆にデイサービスを利用していたが、より手厚い医療ケアや専門的なリハビリが必要となった場合も、病院で医師の診断により認められればデイケアへ移行することができます。
併用ではなくこのような方法もありますので、状態や希望に合わせて検討してみて下さい。
デイケアとデイサービスの利用条件とは?
デイケアとデイサービス、両方の条件を満たすことで併用ができるとお伝えしましたが、それではそれぞれの条件とはどのようなものなのでしょうか。
以下にその違いについて簡単に紹介してまいります。
<デイサービス>
デイサービスでサービスの提供を受けるには、基本的に65歳以上の高齢者で要介護1~要介護度5の要介護認定を受けていることが必要です。
<デイケア>
デイケアの場合は、デイサービスの条件に加えて要支援1または要支援2の方でも利用が可能です。また、高齢者だけでなく精神疾患の患者も対象となります。
ただし、いずれも医師から「リハビリの必要がある」と診断された人という条件があります。
デイサービスもデイケアも、65歳以下で特定疾病が理由で要介護の認定が認められた場合には、介護保険サービスの利用が可能です。
デイケアとデイサービスのそれぞれの特徴と内容
デイケアは「医療ケア」、デイサービスは「介護」に特化した介護保険サービスで、どちらも自宅から施設へ通って日中の時間に日帰りで利用します。(送迎がつきます。)
デイサービスでは食事、入浴、排泄といった日常生活における動作の介助や介護を行ったり、運動で体力をつけたり、レクリエーションに参加して他の利用者や職員、スタッフ、地域の方と交流をしたり、口腔ケアや栄養ケア、身体機能や認知機能の向上、維持、回復、改善のための機能訓練を受け、利用者である高齢者が自宅や居宅などで少しでも長く健康で自立した生活を送れるようさまざまな介護の予防となる支援を行うことが主な目的です。
対してデイケアは個別で行われるリハビリを中心に実施され、専門的な医療ケアを提供する点が大きな特徴です。
ちなみにデイサービスの機能訓練は専門家や資格を持っていない人でも指導が行えます。
どちらにも看護師が常駐しますが、デイサービスは介護士が中心となり、他にも機能訓練指導員や生活指導員が配置されています。
デイケアの場合は医師やリハビリの専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など)がいます。
施設の数はデイサービスの方が多く、デイケアは少ない傾向にありますが、最近では機能訓練に特化した機能訓練型デイサービスや、認知症に向け対応したデイサービス等を運営する施設も増えています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
デイケアとデイサービスは両方の条件を満たすことで併用できることが分かりました。
サービスの概要や利用に関して分からないことや、申請について等は、担当のケアマネジャーや居住する市区町村の窓口に相談しましょう。
その他、入居タイプの介護施設や介護に関連したサービスは、有料老人ホームやグループホーム、サービス付き高齢者向け住宅、介護老人保健施設、訪問介護、訪問看護etc…と種類が多く、何が違うのか選び方が分かりにくいという問題があります。別で詳しく特徴や違い、メリット、デメリットについて説明している記事もありますので是非ご覧ください。