健康な人はデイサービスを利用できない?誰でも利用できる介護保険外サービスについて解説します

健康な人はデイサービスを利用することは出来ない

「母は健康だがデイサービスを利用している友人から食事や入浴のサービス、レクリエーションの話を聞き、楽しそうだから行ってみたいと言われたが利用は可能か?」

といったご家族からのお問合せや相談は少なくありません。

その答えとしては、デイサービスとは介護保険サービスの1つであり、自立の支援や機能の維持、向上、改善を目的とした訓練を行う施設で、要支援や要介護の認定を受けた方(基本的に要介護度1以上の方)がケアマネジャーにケアプランを作成してもらい契約した介護施設に通う通所型の介護サービスです。そのため、介護認定を受けていない方は原則利用する事ができません。

そこで健康な人でも利用ができる介護サービスの種類や概要について簡単に説明します。デイサービスを利用したいと感じる健康な人に向け、少しでも役立ちますと幸いです。

健康な人がデイサービスに行きたい理由と高齢者サロンのすすめ

健康であるにも関わらずデイサービスに行きたいという理由としては、友達を作りたい、趣味を見つけたい、人と交流したい、健康的なメニューの料理を食べたい、健康を維持したい等といったことが挙げられます。

確かに高齢になると自宅に引きこもりがちになり身体は健康でも精神的に良いとは言えませんし、上記のような欲求があるにも関わらず実行する機会や環境がないのは勿体ないですよね。

そこでおすすめなのが、介護予防事業として地域で運営されている「高齢者の集い・高齢者サロン、老人クラブ」を探して参加してみることです。

これらは介護認定を受けていない健康な人でも参加ができ、年齢も制限せず誰でも参加できるグループもあります。

活動内容は様々ですが、デイサービスのように簡単な体操や運動を行ったり、レクリエーションや仲間とのおしゃべりで人と交流する場を提供しています。

おおむね月に1回程度実施され時間も1日のうち数時間程と利用者と運営に負担なく安心して継続できる頻度となっており、自由に参加することができます。

健康な人でも利用できる介護保険外サービス

介護サービスにはデイサービスやデイケアなどの介護保険サービス以外にも、介護保険を適用させない「介護保険外サービス」というサービスもあります。

介護保険外サービスも高齢者サロンと同様、介護認定を受けていない健康な人も利用することができるのが特徴です。

介護保険外で提供できるサービス

介護保険サービスは生活介助と身体介護が含まれ、”生活援助”を提供することは出来ません。一方で介護保険外サービスではこの生活援助をメインに提供しています。具体的にどのようなサービスなのか、主なものを以下に一覧としてご紹介してまいります。

・散歩や趣味を目的とした外出介助

・金銭の管理や契約書の記入などのお手伝い

・同居する家族の援助として洗濯、掃除、調理、買い物、布団干しなど家事援助

・正月や誕生日などのために手間をかけて行う特別な調理

・大掃除、家屋の修理、家具の移動や修繕、窓拭き、草むしり、花木の水やり

・犬の散歩などペットのお世話

・車の洗車、掃除

・食事の手配、来客へのお茶出し 他

介護保険外サービスの種類

介護保険外サービスを提供している事業者は非営利のものから民間企業まで大きく分けて5つあり、それぞれ実施する主体によって利用方法や費用、内容は異なります。

条件や希望に応じて利用しやすいサービスを検討し選びましょう。

市区町村による高齢者在宅サービス

全国の各市区町村が独自に行っているサービスです。対象者は主に一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯。もちろん要介護者も利用できます。

おむつの購入や配送、訪問理美容、寝具の洗濯、配食、移送・送迎、緊急通報などのサービスを格安または費用の助成をし提供しています。

介護予防・日常生活支援総合事業

こちらも全国の市区町村で2017年にスタートした地域支援事業です。

対象者は要支援者と心身の状態を客観的に把握するために用意されたチェックリストを受けて該当した方になります。

地域包括支援センターによるケアマネジメントが必要となり、1~3割の自己負担で訪問による生活援助や通所による活動援助のサービスを受けることができます。

介護サービス事業者によるサービス

介護保険サービスを提供している事業者による介護保険外サービスです。

すべて自己負担となりますが、介護認定を受けていない高齢者の方も生活援助や身体介護、デイサービスのお泊まりデイなどを利用することができます。

社会福祉サービス

社会福祉協議会やシルバー人材センターが実施する有償のボランティア事業です。

家事の支援サービスや介護援助サービスなどが利用できますが内容はさまざまなので、お住まいの地域にあるそれぞれの事業所または地域包括支援センターに問合せて確認してください。

民間企業による介護サービス

民間企業による介護サービスや高齢者支援サービスも多くあります。市区町村が実施しているサービスと比較して料金は高くなりますが、その分サービスの内容は豊富で緊急時にも利用しやすく便利といったメリットもあります。基本的に誰でも利用することが可能です。

地域包括支援センターやサイトで情報を集めてみましょう。

介護保険外サービスの職員、スタッフ

介護保険外サービスは介護保険サービスと同じように介護士やヘルパー等の介護職の者がサービスを提供しますが、訪問介護サービスにおいて有資格者が足りていない場合に限り、無資格者でも介護サービスの提供をすることができるようになりました。

ただしこれはコロナウイルスの問題による対策のため、緊急で対応された措置です。今後はまた禁止となる可能性がある点をお伝えしておきます。

健康な人が介護サービスを受ける効果

デイサービスではなくても健康な人が介護保険外サービスや高齢者サロンを利用することで得られる(期待できる)効果としては、楽しみや生きがいを見出す。社会参加への意欲を高める。仲間や居場所ができる。閉じこもりを防ぐ等があります。

体を動かすことで自宅で過ごすよりも身体活動量が増え介護予防になったり、人と会話し笑い合うこと、レクやプログラムで脳を使うことで認知症の予防になります。

また、施設に通うサービスの場合は定期的に外出するスケジュールがあることで生活にメリハリが生まれ、身だしなみにも気を配るようになるでしょう。

血圧の測定や食事、健康チェック等の健康指導が行われることも多いので、自分の健康に気を付けケアしようという気持ちが生まれ実際に健康的な生活を送れるようになった、という声もあります。

中には栄養や健康に関連する講座を開いているグループや会社もあり、現在の状態を理解する、知識を得る機会もあります。

まとめ

以上のように、デイサービスを利用したいと考える健康な人でも受けられる介護保険外サービスや楽しく参加できるサロンはたくさんありますが、あまり広く認知されておらず知っている人が少ないといった状況です。

サービスについて何か心配や不安を感じる場合や利用する本人に合ったサービスを選ぶためにも、前もって現場を見学したり一度体験した上で利用を決めることが大切です。

この他にもデイサービスやリハビリがメインのデイケア、ショートステイ、有料老人ホーム、グループホームといった入居型の介護施設についても記事もアップしておりますので合わせてご覧くださいませ。

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