デイサービスで朗読が行われる理由とその効果は?

デイサービスでの朗読で得られるさまざまな効果

デイサービス等の介護の現場ではレクリエーションの一つとして朗読を取り入れている施設が多くあります。

多くの方にとって子ども頃、お母さんや大人の人から絵本を読んでもらった経験があるかと思います。その小さな頃に読んでいた(読んでもらった)昔話や童話などの絵本に大人になってから触れることで、昔に戻るような懐かしい思い出が蘇りますよね。歌も同様です。

これは「回想法」という効果が期待できるもので、幼い頃に大切にしてもらった記憶を思い出すことで自分の存在意義や価値を再認識できたり、自信を取り戻すことができたり、頭の中で思い浮かべることで脳の血流が増え認知症の予防となったり、気持ちが穏やかになり孤独感を解消したり、他の利用者や職員、スタッフと思い出話を語らうことでコミュニケーションが生まれ人間関係が改善したり・・・と様々な効果を得ることが出来ます。

そのため、高齢者の方にとって朗読をすること、してもらうことというのは認知機能を向上させたり精神的に良い影響があるということで、デイサービスで行われることが多いのです。

デイサービスで朗読を行うポイントと注意点

デイサービスで職員が読み聞かせを行う場合、職員が絵本を持って複数の利用者に向け実施することになるかと思います。

全体に絵を見せるのはなかなか難しいですので、大きな声ではっきりと聞こえるように、そして感情をたっぷり込めて読むことを意識しましょう。

ただ読むだけでは音読です。感情を込めて読むことを朗読を言います。

また、高齢者の中には絵本の朗読をされることに対して「子ども扱いされている」と感じる方もいらっしゃいます。そのため、絵本の内容や絵柄の選択は慎重に行い選ぶ必要があります。

最近は読み聞かせ用として大型の絵本も販売されています。少し高額になってしまいますが、多くの方に向けて朗読を行う際にはおすすめです。

デイサービスの朗読におすすめの絵本6選

デイサービスで朗読を行う作品を選ぶ時、絵柄が幼稚ではなく大人が楽しめるストーリーであることが大切です。特に落語から来ているお話は高齢者の方に人気なのでおすすめです。そこで以下にデイサービスの朗読におすすめの絵本を6つ、一覧でご紹介いたします。

じゅげむ

小さな子どもからお年寄りまで、幅広い世代に人気で有名な落語のお話ですね。暗記している方も少なくありません。読み手の方はその長~い名を一気に読み上げるのが疲れてしまい大変かと思いますが、ぜひ頑張ってみて下さい!

まんじゅうこわい

落語でも有名なお話なので、ご存知の高齢者の方も多いかも知れません。街の若者たちが集まって「嫌いな物、怖い物」について話すのですが、そのうちの1人が「まんじゅう」を挙げて・・・オチも面白く皆さんつい笑ってしまう楽しいお話です。

ときそば

こちらも落語で有名なお話です。蕎麦屋の支払いを上手く誤魔化した男を見た別の男が真似をしようとして失敗するというお話です。同じストーリーで「ときうどん」という話もあります。

泣いた赤おに

涙なしでは読めない赤鬼と青鬼の友情の物語。大人になってから読むと子どもの時とは違った感想を抱くかも知れません。何が正しかったのか・・・等、利用者の方それぞれの答えを思案し語らうのもおすすめです。

モチモチの木

学校の教科書で読んだ方も多いかと思います。弱虫な豆太が「モチモチの木」そして「じさま」を通して本当の勇気を得るお話です。利用者の皆さんは「じさま」の視点から物語を見ることができるかも知れませんね。

耳なし芳一

目が不自由なびわ奏者である芳一がある夜、ゆうれいにびわの演奏を依頼されて・・・少しホラー要素のある有名なお話ですね。夏の朗読にいかがでしょうか?

まとめ

ご紹介したのはほんの一部ですが、以上のように絵本といっても実は大人や高齢者の方でも楽しむことができる作品が意外と多くあります。

実際に最近は大人向けの絵本も人気で、情報を掲載し紹介しているサイトやブログの記事も多くあります。ぜひ検索してその様なサービスを利用して楽しく絵本を発掘してみて下さいね。

「絵本は子どもが読むもの」という先入観は捨て、大人になった今だからこそ分かること、考えさせられることがあるという面を伝え、利用者の皆さんだけでなく職員にとっても新鮮な体験となる朗読会を開催しましょう。

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