高齢になるとともに機能や食欲の低下により、食事の量が減ったり栄養バランスが偏りやすくなる傾向にあります。
しかし食事は健康な生活を送るためにとても重要なもの。
デイサービス(通所介護)では、利用者の方の健康を維持するために楽しく美味しく食事ができるようさまざまな工夫を行っています。
そこで今回の記事では、デイサービスにおける食事の役割や高齢者に対する食への取り組みについて解説します。是非最後までご覧ください。
目次
デイサービスの主な食事の役割と目的
デイサービスは基本的に日中の時間を施設で過ごします。そのため、食事は昼食とおやつが提供されます。
この食事はただ用意されている訳ではなく、デイサービスの利用者である高齢者の皆さんが、食事の楽しさを感じ、安心して食べることができるように考えられています。
デイサービスの事業として重要なこの食事について、具体的に主な役割や目的を以下、紹介します。
栄養バランスのよい食事
デイサービスに通う高齢者の中には、「歯が悪くなり硬いものが食べにくい、食べることが面倒」と感じ、結果、食べやすいものだけを食べていることで栄養が偏ってしまっている方が少なくありません。
そこでデイサービスでは、日頃不足している栄養の補給や健康を支えるために、バランスが整ったメニューを提供しています。
食への欲求を引き起こす
デイサービスの食事には、食欲が低下している高齢者の方に「食べたい」と感じてもらうこと、という大きな役割もあります。
また、食べたいという欲求が出てくるようになると施設の外でも積極的に食事をとるようになり、更に自分で食べる「自立」にもつながります。
そのためには、栄養バランスだけを意識して考えるのではなく、「美味しそう」と感じてもらえるような見た目(盛り付け)、彩り、味などの工夫を凝らした食事を提供するよう、デイサービスでは心がけています。
食事の時間を楽しく過ごす
デイサービスでの食事は身体をサポートすることだけでなく、心の面、つまり「食事は楽しい時間」だと感じてもらうことも重要な役割の一つです。
特に普段1人暮らしをされている高齢者の方にとっては、食事も1人でとることで孤独な気持ちを感じたり、食事を楽しいと思えない、あるいは食事を適当に済ませてしまう等といったケースが少なくありません。
デイサービスでは、他の利用者の方たちや職員、スタッフと会話やコミュニケーションをとりながら食事をすることが出来るので、楽しい時間だと感じてもらえるはずです。
また、楽しく食べることでより美味しく感じることができたり、食欲が刺激されてしっかりと栄養素を摂取できるという効果も期待できます。
デイサービスの食事の内容、特徴
デイサービスで提供される食事の内容とは、どのようなものなのでしょうか。上記で紹介した役割を果たすために工夫されている主な特徴をご紹介します。
個々に合わせた食事形態
デイサービスの利用者の皆さんは、それぞれ食材の食べやすさが異なります。せっかく栄養バランスを取り綺麗に盛り付けた料理であっても、利用者の方が食べにくければ意味がありません。
そこで、管理栄養士など専門の知識を持つスタッフが本人やその家族とお話し、食事に関する要望のヒアリングや問題点の見極めを行い、個々に合った形態の食事を提供するようにしています。
具体的には食材の大きさや柔らかさの調整になりますが、誤嚥の予防のためにも食べやすい状態で提供することは食事を美味しく楽しむために重要なポイントだと考えます。
食事のサポート
デイサービスの利用者の方の中には、咀嚼力や嚥下機能が弱くなり、1人ではうまく食べられないという方もいらっしゃいます。
そこで形態の調整の他に、食事の際のサポートもデイサービスでの大切な介護サービスの一つとなっており、安全に食事ができるよう配慮しています。
具体的には食べやすいよう食べる時の姿勢を調整したり、補助具の使用や介助を行います。
季節の食材やイベントを取り入れる
デイサービスの食事では、季節の食材や地域の特産物などを取り入れたメニューを提供されることが多くあります。
また、お正月やクリスマス、ひな祭りといった行事に合わせた献立やレクリエーションを実施する施設も多いです。
旬の食材は体にも良く、利用者の方に四季を感じてもらうことで会話がはずみ、より食事が楽しいと感じられるきっかけにもなります。
デイサービスはおやつもひと工夫
デイサービスでは、昼食以外に午後のおやつも提供されます。
おやつの時間は利用者の方にとって楽しみの一つでもあり、皆さん他の利用者と一緒にゆっくり会話をしながら楽しまれています。
また、おやつの内容も栄養バランスが考えられ、野菜やおから等のヘルシーな材料を使って作られたおやつがよく提供されています。
デイサービスは入所する前に食事の内容をチェックして選びましょう
どこのデイサービスを利用するか決める前に、必ず本人とご家族で見学や一日体験を申し込みましょう。
というのもデイの事業所によって食事の内容は異なるため、どのような食事が提供されているのかを前もって知ることはデイサービスの利用に際し非常に重要となるからです。
見学や体験で施設に訪問すると、月間の献立表を見せてもらうことができます。そこでどのようなメニューが出されるのかをイメージしたり、その日の食事とおやつをいただけるので、実際の味付けやサポートの方法を質問したり確認することが可能です。
また、塩分や糖分、食材の硬さなどについて特別な配慮が必要な場合には、事前に相談しておくことで入所前に施設側も準備しておくことが出来るためおすすめです。