「家族が要介護5と認定されたけど、要介護5とは具体的にどんな状態なの?」
「要介護5の人はデイサービスに週何回通えるの?」
要介護認定の中で最も介護度の高い要介護5とは一体どのような状態なのか、また、どのような介護サービスを利用することができるのかといった質問を耳にします。
そこで今回の記事では、要介護5とは?デイサービスや介護サービスを利用した場合の内容は?といった疑問について解説します。
ぜひ最後までご覧いただき、皆様に役立ちますと幸いです。
要介護5の認定基準と状態
要介護5とは、介護認定において最も重度な(介護が必要な)状態にあることを示します。
具体的には、食事やお風呂、トイレなどの日常生活の他に、掃除などの家事についても介助が必要で、寝返り、立ち上がること、歩行も1人で行うことは困難です。中には寝たきりの状況にいる方もいます。
要介護5は脳卒中や認知症が原因となっているケースが多く見られ、意思の疎通が難しくなったり理解力の低下や徘徊のリスクも懸念され注意が必要です。
要介護5が受けられる介護サービス
介護サービスには自宅に専門のスタッフが訪問してくれるもの、施設に通うもの、入居するもの等さまざまなタイプのサービスがあり、それぞれ利用できる条件が異なる場合があります。
それでは要介護5の認定を受けた方が受けることができる介護サービスは、どのような種類のものなのでしょうか。以下に一覧でご紹介します。
<要介護5で受けることが可能な介護サービス>
・訪問介護
・訪問看護
・訪問リハビリ
・訪問入浴
・定期巡回、随時対応型訪問介護看護
・夜間対応型訪問介護
・通所介護(デイサービス)
・通所リハビリ(デイケア)
・療養通所介護
・認知症対応型通所介護
・地域密着型通所介護
・短期入所生活介護(ショートステイ)
・短期入所療養介護
・特別養護老人ホーム(特養)
・特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホーム等)
・介護老人保健施設(老健)
・介護療養型医療施設
・介護医療院
・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
・地域密着型特定施設入居者生活介護
・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
・小規模多機能型居宅介護
・看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
・福祉用具貸与
・特定福祉用具販売
以上のように、要介護5の方を対象とした介護サービスは非常に多くあります。
要介護5はデイサービスに週何回通えるの?
要介護認定を受けられた方を対象に人気の「デイサービス」は、在宅しながら事業所の送迎で日中の時間に介護施設に通い、食事や入浴などの介助の他に、レクリエーションへの参加や機能訓練などのサービス提供を受けることが出来る介護保険サービスです。
デイサービスは高齢者が可能な限り自立した生活が送れるよう、本人の身体だけでなく認知機能の向上、精神面のケア、介護している家族の休養も目的に含まれています。
(要支援1、2の方の場合は「介護予防・日常生活支援操業事業」という制度により、定められた利用限度額の範囲内でデイサービスを利用することが可能となっています。)
「週何回利用することが可能なのか?」という点ですが、これは判定された要介護度によっても異なり、要介護5の方の場合はほぼ毎日利用することが可能です。
ただし、デイサービスの利用にかかる費用は1回あたりの利用料で計算されますので、利用する回数が多ければ多い程、その分の費用がかかることになります。
要介護に認定されると利用料の自己負担分は支給限度額の1割となりますが、月額の料金の目安を確認し、毎月の支払いが可能かどうか家族や担当のケアマネジャーとよく相談をした上で利用回数を決めることをおすすめします。
要介護5の区分支給限度額
上記で説明したように、介護度に応じて介護保険で受けることができる上限金額が決まっており、それを「区分支給限度額」と呼んでいます。
要介護5の支給限度額は約36万2千円。この金額は5段階ある要介護の中で最も高い額となっています。
そしてこの限度額のうちの1割(所得が高い方の場合は2~3割)を利用者が自己負担することになります。つまり、要介護5の方の場合は約3万6千円程度の自己負担になるということですね。この上限額を超えた分は全額自己負担で請求されますので、高額にならないよう注意しましょう。
また、限度額は地域によっても多少違いますので、こちらの詳細な情報もお住まいの自治体の窓口、または担当のケアマネージャーに確認して下さい。
介護認定を受けるには?
それではデイサービス等の介護サービスを利用する際に必要となる介護認定を受ける基本的な流れについても簡単にご紹介します。
1.お住まいの市区町村の窓口、または地域包括支援センターに要介護認定の申請を行う
2.調査員による訪問調査を受ける
3.主治医による意見書の作成を依頼する
4.介護認定審査会による判定、結果の通知
5.結果を受け取り、地域包括支援センターまたは居宅介護支援事業所へ連絡
6.ケアプランの作成
7.利用する事業所と契約し利用開始
大まかな流れは以上のような形になりますが、申請方法や必要な提出物など詳細については居住する各自治体でご確認下さい。
また、デイサービス等の事業者を探す際には、契約する前に必ず見学や1日体験を利用して実際に施設をチェックすることが大切です。可能であれば複数の施設を見て検討していただくと安心です。