デイサービス(通所介護)の利用をはじめて検討される場合、どのように探し、選んだらよいのか分からず不安な方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回の記事ではそのような方に向け、デイサービスの選び方として「サービス内容」と「規模」を取り上げ、それぞれの特徴やメリット、デメリットを中心に分かりやすく解説して参ります。
ぜひ参考にしていただき、皆様の最適な施設選びに役立ちますと幸いです。
目次
デイサービス基本的なサービス内容と利用条件
デイサービスの選び方をご紹介する前に、まずはデイサービスで提供される主なサービスの内容と利用するための条件について簡単に説明していきます。
実際にデイサービスを探す際に大切な要素となる「利用目的」を考える上で必要な知識となりますので、ぜひ今一度ご確認ください。
<デイサービスの基本的なサービス内容>
・食事、おやつの提供、介助
・入浴の介助
・健康チェック
・レクリエーションの開催
・その他、生活介護やケア
・機能訓練
<デイサービスの利用条件>
・要介護度1~5
・65歳以上の高齢者(※特定疾病に認定された40歳以上64歳以下の方も利用可)
・利用する事業所の送迎の範囲内に自宅がある
・医療行為が不要(※施設によっては可能な場合もあります)
デイサービスで提供される介護保険サービスを踏まえ、まず本人や家族が何を求めるのか、何を目標にするかを考えていただくことが大切です。分からない場合は担当のケアマネジャーが相談にのってくれますので気軽に聞いてみましょう。
なおデイサービスの施設によってサービス内容や条件に違いがある場合がありますので、詳細は各事業所にご確認ください。
デイサービスの選び方:サービス内容で選ぶ
それでは次に、具体的なデイサービスの選び方をご紹介していきます。
まずはじめに「サービス内容」から。
最近は他社とは違う独自のサービスや特化したサービス等を持ってサービス内容を充実させた施設が増えてきており、人気も高くなってきています。
以下は主な「特化型サービス」を持つデイサービスの種類です。
リハビリ特化型デイサービス
通常と比較して特にリハビリに力を入れているデイサービスです。
通常デイサービスは1日利用ですが、リハビリ特化型デイサービスは食事の提供がない午前または午後の半日コースを設けている所も多くありますので、必要なサービスだけ利用して長居はしたくない、という方にも向いています。
トレーニング用のマシンも設置されており、利用者の身体の状況や目的に合わせて利用できるため、筋肉や身体機能の向上、改善、維持、介護予防にも効果的です。
また事業所によって理学療法士や作業療法士等の専門の職員が配置されているため、専門的なリハビリを受けられるという点が大きなポイントです。
趣味特化型デイサービス
通常のデイサービスでもレクリエーションを通じて趣味を楽しめる機会はありますが、体操や脳トレと言った内容が多く見られます。
趣味特化型デイサービスではより幅広い趣味の活動に対応しており、まるでカルチャーセンターのような利用をすることが可能となります。
もちろん扱っている内容は事業所によって異なりますが、主に以下のような内容を実施しているところが多いようです。
・カラオケ
・囲碁、将棋、麻雀
・フラワーアレンジメント
・編み物
・ビーズ、刺繍
・水彩画
・絵手紙
・書道
これらはただ趣味を楽しむためだけでなく、手先を動かしたり、頭や体を使って趣味を通して身体機能、脳機能を高める目的があります。
また、他の利用者と交流しコミュニケーションをとることで孤立感の解消や生きがい、施設に行く楽しみを見つける等、精神的にも良い影響が期待できます。
長時間型デイサービス
一般的なデイサービスの利用時間は9時~17時の間となっている場合が多いですが、長時間型のデイサービスでは夕食の提供があり夜間まで利用することが可能となっています。
介護者の仕事や用事の関係で外出し帰宅時間が遅い場合や、リフレッシュや休養を取るといった理由でも是非ご利用いただきたいとても便利なサービスです。
また、宿泊ができる「お泊まりデイ」というショートステイサービスを行っているデイサービスもありますので、利用範囲内にこのよなデイサービスがあるかどうかを調べておくとイザという言う時に安心です。
ただし注意点として宿泊は介護保険が適用されないこと、ベッドの空きがない場合は利用できないということがありますので頭に入れておきましょう。
認知症対応型デイサービス
その名の通り、認知症の診断を受けている方を対象としたデイサービスです。
定員が12名以下の少人数で、認知症に関する専門知識を持つ職員が配置されているため、認知症を発症していても安心して利用することができる施設です。
認知症の方が共同生活を送るグループホームに併設されているケースもあり、慣れた環境の中でサービスを受けることが出来るという点も大きなメリットでしょう。
こちらは地域密着型サービスですので、事業所のある市区町村に住民票がある方が対象となっています。
デイサービスの選び方:規模で選ぶ
デイサービスの選び方として、「規模で選ぶ」というものもあります。
そこで大規模な施設、小規模な施設、それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介していきます。
大規模な施設
大規模なデイサービスは1日20名以上が利用します。
メリットとしては利用者もスタッフも多いため、気の合う友人を作りやすかったり、集団でレクリエーションが行われるためワイワイ過ごすことが好きな方にとってはとても魅了がありますし、それぞれが希望する過ごし方をとりやすいといったことがあげられます。
一方で、アットホームな雰囲気が好きな人には合わなかったり、他の利用者やスタッフの名前と顔を覚えることが大変といったデメリットがあります。
小規模な施設
小規模なデイサービスの1日の利用者は9名以下です。
少人数ならではのメリットとして、利用者一人ひとりに対しきめ細やかな対応が期待できること、大人数が苦手という方でも家庭のような雰囲気で落ち着いて過ごせること、利用者やスタッフ全員と顔なじみになれるのでより親密に関係を築けるといったことがあります。
しかし一方で、もし合わない人がいたり施設の雰囲気に馴染めないと、通いづらくなってしまうという可能性もあります。
契約する前に必ずチェックしたいポイント
以上のようにデイサービス選びの方法にはいくつかありますが、一般的なデイサービスであっても特化型であっても、条件や内容を調べいきなり決めてしまう前に共通して必ず事前に行っていただきたいのが「見学・一日体験」です。
ほとんどの施設で無料で実施しており、電話での申し込みが可能です。
お住まいの場所にもよりますが、一箇所だけでなくできれば複数の施設を候補に上げて直接施設に行き、どちらがよいか比較・検討の上で選択していただくことがおすすめです。
そしてその際に以下のポイントをチェックするようにして下さい。
設備、職員や他の利用者の雰囲気
デイサービスの選び方として最も重要なポイントとも言えるのがこちらの項目です。
施設の設備や清潔感、働くスタッフや他の利用者の雰囲気は実際に通う上で大切な情報となりますのでしっかりとチェックしましょう。
スタッフは明るく丁寧で親しみやすいかどうか、他の利用者との関係性はどうか、設備は綺麗にされているか等はホームページや資料だけでは知ることが出来ません。
直接目で見て肌で感じ、自分に合う・合わないを見極め判断することは重要です。
食事の内容
デイサービスの選び方として、提供される食事もとても大切な要素です。
こちらは特に施設によって違いが出やすいため、見学や一日体験で実際に食べてみて、温かさや味付け、柔らかさ、介護度に合わせ個別に対応してもらえるかどうかの他に、ひと月の献立表も見せてもらいどのようなメニューなのか、好みに合った内容か等を確認してみましょう。
ちなみにデイサービスで提供される食費は実費での負担となり、1食ごとに設定された料金は運営している施設によって異なるため、月にかかる費用はいくらになるのかも必ず確認し施設選びの際に検討材料にしましょう。
入浴
デイサービスの入浴設備には一般浴、個浴、機械浴がありますが、どのような設備があるかは施設によって違いますので、こちらも施設選びの上でチェックしておきましょう。
特に介護度の高い人の場合は、車椅子のまま入浴できるリフト浴があるか、寝たままで入浴できる機械浴があるかどうかは重要となってきますので、このような設備が整っている施設を選ぶことをおすすめします。
もちろん一日体験の中で実際に利用することが出来ますので、サポートの方法も快適かどうかチェックしてみましょう。
まとめ
いかがでしたか?
デイサービスとひと言で言っても、施設によってさまざまな特徴や種類があることがお分かりいただけたかと思います。
せっかく同じ介護施設に通所するならば、自分の状態や希望に合った施設に通った方が気持ちも楽しく、効果も得られやすくなるでしょう。
特化型のサービスを持つ施設も増えていますので、是非探してみてくださいね。
また、不明な点があれば施設や担当のケアマネジャーに質問し、納得した上で決めるようにしましょう。