高齢になるにつれて、あるいは家族に高齢者がいる場合、認知症が心配になってきます。
超高齢化社会である日本では、近い将来3人に1人の高齢者が認知症になると言われており、そうなる前に何とか予防したいものですよね。
爆発的に流行した「脳トレ」や「頭の体操」は、子どもたちだけでなく老人たちのボケ防止として今もデイサービスや老人ホーム等の高齢者が利用する施設や集まりで人気です。
そこで今回の記事では、老人のボケ防止にゲームが効果的である理由を解説すると共に、おすすめのゲームや実施のポイントについても紹介します。
ぜひ最後までご覧いただき、認知症の予防の参考にしていただければと思います。
目次
老人のボケ防止にゲームが効果的な理由
認知症予防に効果がある取り組みとしてゲームが推奨されているのには、きちんとした理由があります。
以下に紹介していきましょう。
ゲームで脳が活性化する
ゲームとひと言で言ってもさまざまな内容や種類のものがありますが、共通することは「脳を使う」ということです。
例えばルールの説明を聞いて理解すること。一生懸命に思い出そうとすること。推測すること。相手の発言を聞いて考えること。手指や体を動かすこと等。これ等の作業や動作にはすべて脳が使われます。
難しい話や問題を理解しなければならない場合は疲れてしまい続けられませんが、ゲームであれば楽しみながら思考し、それを継続することで認知機能が鍛えられて認知症の予防へとつながるのです。
人とのコミュニケーションが生まれる
レクリエーションで行われるゲームでは、ほかの利用者や入居者の方も参加しているため、自然とコミュニケーションを取ることになります。
普段自宅にこもりがちだったり、家族以外の人と接することが無い方の場合、孤独や不安を抱えているケースが多く、認知症の症状を発症する引き金になってしまうことがあります。
そんな中、ゲームを通して人と会話したり笑い合ったりすることで気持ちが前向きになったり、孤独感を解消したり、人と接する楽しみを改めて感じられるため、脳によい刺激を与え認知症の予防へとつながります。
ストレス発散になる
ストレスも認知症の要因となる可能性があります。
年齢を重ねるにつれてストレスを発散する方法が分からなかったり、相談できる相手がいなかったりすると、一人でどんどん抱え込み家で塞ぎこんでしまいがち。
対策としてはやはりこまめに発散し心と体のバランスを整えることが大切です。
そこで毎日ではなくてもゲームに参加することで、みんなと楽しい時間を過ごして気持ちが軽くなりストレスが軽減する効果が期待できます。
生きがいが見つかる
認知機能や身体機能の低下とともに、生活における希望や気力をも低下することで認知症を発症しやすい状態に陥ってしまいます。
介護施設や集会などでゲームに挑戦することは自分に自信を得られるきっかけになりますし、同時に次の目標も生まれ同じ目的を持った仲間と会うことが楽しくなるでしょう。
老人のボケ防止におすすめのゲーム6選
無理なく楽しめる高齢者向けの主なゲームについて簡単な概要の説明とともに紹介していきます。
どれも用意が必要な道具が少なく、費用も安いため手軽にできるものばかりです。
連想ゲーム
連想ゲームは高齢者の方でもルールを知っていることが多く、さまざまな問題を提示できるので人気のゲームの1つです。
例えば、「北海道といえば?」という問題なら、大きい、とうもろこし、ラーメン、夜景、熊、ラベンダー等たくさんの答えが出てきますね。
思いついた人から手をあげて答えても良いですし、順番に答えていくというものでも良いです。
出た答えはスタッフがホワイトボードに見やすく書いていくと良いでしょう。
連想ゲームはとにかく「思い出す」という頭を使う行為により脳を活性化させます。
また、テーマに沿った思い出や記憶を思い出し、昔の懐かしい気持ちが蘇ったり他の人と話すきっかけにもなります。
パズルゲーム
ジグソーパズルはルールもなく座って一人で黙々と集中して取り組めるため、例えば他の人と一緒にゲームをやることが嫌だったり、人前で話すのが苦手という方にも行ってもらいやすいものです。
パズルのピースを探すことは色や形、空間の判別や推測を行い脳が活性しますし、パズルをはめる作業は指先を使う細かな作業が伴うため更に効果的。身体能力の向上も期待できます。
難易度は個々の能力や状態に合わせてレベルを変えましょう。
クイズ
大勢で楽しめるゲームで、参加者の趣味や好み、レベルに合わせて正解の条件など自由にテーマや問題を決められるのが良いですよね。
特に人気のクイズゲームは、四字熟語、漢字や数字の穴埋め、都道府県当て、歌の歌詞を当てるゲームです。
思い出した時の達成感は気持ち良く、思わず声をあげてしまうくらい盛り上がることも多いです。また、知らなかった知識の学習にもなります。
風船ゲーム
通常はボールを使うバレーやテニスといったスポーツを、ボールではなく風船に置き換えて行います。ラケットの代わりにうちわや新聞紙を使って下さいね。
ボールと違いゆっくり動きますし、安全に楽しむことが可能なためおすすめです。
また、体を動かす遊びは良い運動になり、日頃の運動不足の解消や機能訓練のトレーニング、リハビリとしての役割も持ち、楽しんで身体機能を向上したり体を鍛えることができますね。
間違い探し
間違い探しは2つのイラストや写真を見比べて異なる部分を探すゲームですが、一方をの情報を記憶しながら探すので集中力や記憶力、観察力、思考力が鍛えられる頭脳に最適なゲームです。
間違い探しの本を購入することが出来ますが、サイトで検索をすると間違い探しのイラストを無料でダウンロードできるサービスが結構出てきますのでチェックして活用すると良いかと思います。
知育玩具を使ったゲーム
知育用の玩具というと子供が遊ぶものというイメージが強いですが、認知症予防として遊べるおもちゃも開発されています。
様々なパターンの平面に描かれた見本を見ながら、立体で同じ形を作る木製の積み木やブロック、ボードゲーム、テーブルゲーム等の商品があります。
難易度が高いものもあり、大人でもついつい夢中になってしまう面白いゲームが多いです。
介護の現場で行う際は、グループに分けてみんなで挑戦するのもおすすめ。
また、幼児から小学生くらいのお孫さんがいらっしゃれば、ぜひ一緒に遊んでみてはいかがでしょうか?誕生日のプレゼントにもおすすめです。
まとめ
以上のように、ゲームは老人のボケ防止に非常に有効で、男性も女性も関係なく出来るので介護の現場や高齢の両親がいる場合など、是非取り入れることをおすすめします。
安心してゲームに参加できるよう丁寧に対応し、気軽に質問ができる関係を作ることも大切です。
この他にも、介護や高齢者の健康、生活に関連した記事をアップしていますので、是非合わせてご覧いただき役立ちますと幸いです。