デイサービス利用者の脱走で事故!?脱走した場合の対応や注意点は?脱走防止の対策はあるの?

デイサービス(通所介護)や老人ホーム等、介護施設で時々聞かれる「利用者の脱走」。家族にとっても非常に心配となる問題です。そこでこの記事では、実際に介護の現場で起こっている脱走の原因や介護施設でとるべき対応や注意点、脱走防止の対策についてご紹介します。

利用者が介護施設から脱走する原因とは?

脱走を防止するためにも、まずはどんな理由から利用者の方は脱走してしまうのかを考えていきましょう。

認知症患者の方の徘徊行動

最も多いケースが認知症の方の徘徊によるものです。自宅ではなく馴染みのない場所(この場合はデイサービスや老人ホームなどの介護施設)では強い不安や違和感、居心地の悪さを感じ、安心できる場所(自宅や子供の頃に過ごした学校、公園等)に戻ろうとする気持ちから起こる行動だと言われています。

そして認知症の方の脱走は思わぬ事故や事件に巻き込まれる可能性が高い為、特に注意が必要です。

実際に交通事故や行方不明による死亡事故は発生しており、遺族からの訴訟で施設側の責任として賠償命令がくだった事例もあります。

職員は「少し目を離してしまった。」という油断が、利用者の命に関わる可能性があることを常に心に留めておく必要があります。

また、捜索中に発見できた場合も静止しようとすればするほど力づくで何としてでもその場から出ていこうとしてしまう為、無理に押さえつけずに”一緒に行きますよ”という体で一緒に歩き、ある程度落ち着いてきたら施設に戻るよう誘導することが大切です。

利用拒否の気持ちがある

認知症の方でなくても、デイサービスや介護施設の利用を嫌がる高齢者の方もいます。

しかし介護環境や家族の事情によりどうしても施設を利用しなければならないこともあり、そういった場合に外へ脱走してしまうケースが起こりやすいです。

利用を嫌がる理由にも様々あり、馴染みのない場所に行くことへの不安、自宅にいたい、施設での人間関係がうまくいかない、他人に介護されることの嫌悪や申し訳なさ等多岐に渡ります。

そういった利用者の方の気持ちを無視して無理に滞在させることで、「早く帰りたい、ここから離れたい。」という気持ちが強くなり脱走という行動に繋がってしまいます。

利用者の方が「帰りたい」と呟いていたり、そのような素振りをしている場合には、いつも以上に注意して目を離さないよう見守ることが大切です。

介護施設から脱走者が出た時の対応方法は?

それでは実際に脱走者が出てしまった時にとるべき対応とはどのようなものがあるのでしょうか?

まずは捜索と関係者への連絡を

全職員に脱走を知らせ、施設内と施設外の捜索にすぐにうつります。他の利用者に対応する職員ももちろん残す必要がありますから、事前に脱走時のマニュアルや人員配置はしっかり決めておきましょう。

また、職員の数が足りていない場合は休日中の職員や地域の方々などに迅速に捜索の協力を仰ぐことも重要です。

警察へ通報する

突然のことでどうしたら良いのか分からない、大事にしたくないといった気持ちや、責任問題を回避する為に通報が遅れるケースもあります。

しかし職員での捜索で見つけることが出来なかった場合は事故や事件に巻き込まれる可能性が高まるため速やかに警察へ通報する必要性があります。

施設の環境や職員の数などでも変わってきますが、どの段階になったら警察へ通報するのかといったことも事前にしっかりマニュアル化しておきましょう。

介護施設からの脱走を防止する対策とは?

脱走を防ぐためにできることはなんでしょうか?今すぐできる基本的な対策をご紹介します。

施設の出入口のセキュリティ

当然ながら施設のすべての出入口を確認し、セキュリティを強化することが必要です。人が抜けられる大きさの窓があれば、格子を立てる等の対策も重要です。

ただし完全に施錠をするような形をとってしまうとまるで施設の中で監禁のようになってしまい、利用者の方の自由な行動が妨げられ、精神的にも不安を煽ってしまいます。

そのため、職員がしっかり利用者を見守れる体制作りや、出入口にセンサーを取り付けるなどの対策を行うことが大切です。

近隣地域との協力関係

地域の皆さん、特に近隣住人やお店の方々と両行な関係を作っておくことも対策として非常に重要です。

脱走者が出た際、職員だけでは捜索の手が足りない場合が多く、地域の方々の協力が得られることで早く見つけられる可能性はぐんと高まります。

普段から地域と気持ちよく交流できるようなイベントなどを企画するのも良いでしょう。

精神的ケア

認知症の方や利用拒否の利用者の方がどのような不安を感じているのかを知り、どうしたら不安を和らげられるのかを検討し実施することは、脱走防止に繋がるだけでなく気持ちよく介護施設を利用できるようになるという効果も期待できます。

ご家族とも相談しながら利用時間を短くしたり、利用者が楽しめるような企画を行ったり、状況に応じて利用者に何か役割を作ることで施設での居場所を作り、有意義な時間に感じてもらえる場合もあります。

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