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介護保険が適用されるサービスとは
介護保険サービスとは、要介護認定により要介護1~5または要支援1~2の認定を受けた65歳以上の高齢者と、40歳から64歳までの特定疾患の患者が1割の自己負担で受けられる介護サービスのことを言います。
(収入の多い人の場合、2割~3割の負担となる場合があります。)
介護保険サービスにはさまざまな種類があり、大きく分けて居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスという3つに分類されます。
居宅サービス
居宅サービスは名前の通り、居宅で暮らしながら介護サービスの提供を受けることが可能です。
居宅サービスには、訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅に訪問し、掃除や買い物等の生活支援や、食事や排せつ、入浴等の介助(介護)、健康管理や衛生管理指導等の看護、リハビリといった内容のサービスを提供します。
提供されるサービスによって、訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーションと呼ばれています。
通所サービス
通所サービスは日帰りで自宅から通いながら日中を施設で過ごし、日常生活に必要な介護や介助、機能訓練、リハビリ、レクリエーション、食事等が提供されるサービスでデイサービス(通所介護)とデイケア(通所リハビリテーション)があります。スタッフや職員による施設の車で送迎が付いており、基本は介護福祉士が同乗しますので通行手段のない方や移動が困難な方でも利用することが出来ます。
短期入所サービス
短期入所サービスはショートステイと呼ばれ、施設で一定期間宿泊しながら必要な介護や看護などを提供してもらう介護サービスです。
家族の方が不在の時や休養が必要な際に利用されるケースが多いです。
また、短期入所療養介護と言って診療所や病院などで医師や看護師、理学療法士、作業療法士等の資格を持った専門職の方による医療ケアも提供されるものもあります。
複合型サービス
訪問、通所、泊りを組み合わせて利用できるサービスとして小規模多機能型居宅介護というものがあります。
利用者や家族の状況に合わせて必要なサービスを選択できるため非常に便利です。
また、小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせた複合型サービスというものもあり、要介護度が高かったり医療的ケアを必要としている人におすすめのサービスです。
施設等で生活しながら受けられる介護保険サービス
以下のように施設へ入居するタイプの介護保険サービスというのもあります。入居条件についてはそれぞれの施設により違います。
・特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホーム等)
・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
・介護老人保健施設(老健)
・介護療養型医療施設
・介護医療員
地域密着型サービス
2005年に新たに設置された制度で、介護が必要となっても住み慣れた地域で暮らし続けられるよう支援するために、事業所のある市区町村にお住まいの要介護者、要支援者を対象としてサービス提供されます。
こちらも様々な種類がありますが、主に小規模多機能居宅介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護、看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)、地域密着型通所介護、夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護があります。
生活環境を整える介護保険サービス
高齢者の方の自立した生活を目指すために、福祉用具のレンタルや購入費を支給したり、住宅の回収が必要な場合に回収費を支給するサービスがあります。
・福祉用具貸与
・特定福祉用具貸与
・居宅介護住宅改修
デイサービスの利用料金は?
介護保険サービスの一つであるデイサービスですが、実際にかかる自己負担額の目安は1回の利用につき1,000円~2,000円未満となっています。
デイサービスでは介護保険が適用されるサービスと適用されないサービスがあり、その合計額が自己負担額として請求されます。
多くの施設の場合、ひと月ごとに料金を合算して請求書を送付しています。
介護保険が適用されるサービス
利用料:デイサービスの施設に滞在する、送迎、レクリエーション等。利用者の介護度と利用時間によって必要な単位が定められています。地域によって多少異なりますが、1単位=約10円で設定されています。
サービス加算:施設によって異なりますが、特定の条件や個別機能訓練や栄養改善、入浴介助といったサービスを受ける際の人員体制に対して追加で請求される料金です。
介護保険が適用されないサービス
食費:多くのデイサービスでは昼食とおやつが提供され、各事業者が自由に値段を設定しています。通常は500円~1,000円の場合が多いようですが、こちらは介護保険が適用されず実費が請求されます。
日用品:施設で用意している歯ブラシやおむつといった日用品を使用した場合、実費が必要となります。数百円程度ですが、自分で自宅から持ち込むことでその分の費用は抑えられます。
介護保険サービス利用者への居宅介護支援
ご紹介したようなこれらの介護保険サービスの利用者に対し、厚生労働省で定められた介護に関連する専門の知識を持つケアマネジャーが利用者となる本人が自立した生活を送ることができるようにといった目的でサポートを行うサービスを居宅介護支援と言います。
(なお、居宅介護支援は要介護1~5の判定を受けた方に向けたサービスで、要支援1~2の方は地域包括支援センターが窓口となり介護予防支援を受けることが可能です。)
支援の流れとしては、調査を行い要介護認定を受けた後、担当のケアマネジャーが選定され、本人と家族の希望や心身の状態、困っていること等を相談しながら介護サービスの一覧表、ケアプランと呼ばれる計画表の作成が行い、そこで必要な介護サービスや身体や認知の機能の維持・向上のためのプログラムが決まったら、どの介護施設と契約をするかを比較検討しながら選び、介護保険サービスの実施を開始します。
適切な介護サービスが受けられるよう居宅介護支援を是非ご利用ください。
まとめ
今回の記事では、介護保険を使って行われているサービスの情報やその特徴、申請や方法について簡単に紹介しました。
適切な介護保険サービスを受けることは身体的、精神的にメリットが大きく、人との交流による孤立や不安の解消や介護の予防の他に家族の負担軽減にもつながり、高齢化社会の日本において重要な事業の一つです。
しかし種類が多く地域によっても異なる部分もあり理解が難しいため、気になるサービスや不明な点があれば自治体の窓口や専門家に確認し、説明を受けて自分に必要なサポートを受けるようにしましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。皆様の参考になれば幸いです。