外出や移動が困難な高齢者や障がい者の皆様が行きたい場所、必要な場所に行けるようにサポートする移動支援事業として「外出支援サービス」があることをご存知でしょうか。
この記事では、外出支援サービスの簡単な概要と、デイサービスにおける外出支援についてご紹介して参ります。
目次
外出支援サービスとは?
目的
外出支援サービスとは、歩行や移動が困難で介護や看護、医療を必要とする高齢者や視覚障害者や身体障害者の方が、外出をする際に車いすやストレッチャーに乗ったままでも移動できる送迎車両を使って移動のサポートを行うサービスです。
社会的孤立の予防にもつながります。
自治体の外出支援センター等による介護保険制度のサービスと、介護保険外の民間企業によるサービスがあります。
対象者
外出支援の一般的な対象者の基準は、
・おおむね65歳以上の高齢者で要介護認定を受けた人および身体障害者
・身体機能、認知機能の低下や居住地により公共交通機関の利用が困難な人
・事業者が所在する同一の地域に居住している人
等があります。
サービスを提供している自治体や社会福祉法人によって介護度の指定や家族同伴等の条件が異なる場合がありますので、詳細な情報や概要についてはご確認下さい。
内容
■自治体、社会福祉法人による外出支援
自治体や社会福祉法人が中心となって、利用者が外出をする際の移動をサポートします。
主に介護タクシーや車いす等に対応できる業務用の車を使い、外出支援の専門資格を取得しているガイドヘルパーや介護スタッフによる介助を受けて移動します。
(それ以外はケースにより家族の付き添いが必要な場合もあります。)
片道対応も可能で、料金も負担しやすい金額に設定されています。
ただし、「自宅から半径〇キロメートル以内」「平日のみ」等、移動できるエリアの範囲や利用回数、利用日時、上限金額等が各自治体によって決められている為、依頼方法と合わせて事前に問合せをしておきましょう。
■民間企業による外出支援
民間企業が運営しているサービスの場合は自治体とは違い、料金は高くなりますがその分サービス内容は充実しており、個別の希望に応じ幅広く対応可能となります。
介護タクシーの他、トラベルヘルパーと呼ばれる外出支援専門員による外出支援サービスを行っているところもあり、宿泊を伴う外出、旅行にも対応している為、非常に頼れる便利なサービスです。
訪問看護サービスの一環として行っている会社もあります。
デイサービスにおける外出支援
デイサービスは事業所内サービス
デイサービス(通所介護)は、介護保険法8条7項において「原則”当該施設”において入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生労働省で定めるもの及び機能訓練を行うこと。」と規定されています。
つまり、デイサービスの介護保険サービスは室内において提供されるものであり、事業所の外で提供されるサービスは介護保険サービスの対象にはなりません。
条件を満たした場合のみ可能
しかし、以下の条件を満たすことで事業所の外でのサービスもデイサービスの提供時間として介護報酬の算定が認められるということが厚生労働省より発出されています。
1.あらかじめ通所介護計画に位置付けられていること
2.効果的なリハビリや機能訓練等のサービスが提供できること
また、屋外でサービス提供を予定している場合には、事前に利用者本人またはその家族に対して説明を行い、理解と同意を得た上で実施することが必要となります。
内容に変更があった場合も同様です。
その他、自治体によって条件の違いがある場合がありますので、お住まいの地域の案内をご確認下さい。
デイサービスでの主な外出サービス
デイサービスでの外出は普段と違った場所に行くことで健康増進やストレス解消等、利用者や職員にとっても良い効果を得られる可能性が高いものです。
・季節感を感じる為に春のお花見、秋の紅葉など季節の行事
・生活機能向上に向けた買い物(個別機能訓練加算/介護予防通所介護の場合は生活機能向上グループ活動加算)
・運動機能や筋力の向上、維持を目指した散歩
等が職員の付き添いにより行われることが多いです。
体調が優れない時や外出を希望しない場合は相談の上、無理をさせないように気を付けましょう。
注意点
外出サービスや外での活動を行う場合は実地指導対策も必要です。
厚生労働省より、外出支援、外出サービス(レクリエーションやリハビリテーション)を実施する際に留意すべき点も発出されています。
その掲載内容は、
1.外出当日の利用者の内、外出組と残留組に分かれる場合にはそれぞれに十分な人員配置をすること。
2.計画に位置付けたものとして外出サービスについても評価を行うこと。
このように、デイサービスで外出支援を行う場合にはその条件と上記のような留意点をしっかり守って安全を確保し、利用者が安心して取り組めるよう実施することが大切です。