デイサービス(通所介護)が利用できる条件は基本的に要介護認定を受け、要介護度1~5に認定された高齢者となり、生活の中で必要な食事や排泄の介助の他、レクリエーションや機能訓練などを受けて身体機能の維持や改善、回復、介護予防や自立へのサポートを目的に介護サービスを受けることが出来ます。
中でも介護や介助が必要となる高齢者にとってはまず「入浴」が難しくなることが多く、お風呂を目的にデイに通うことを希望する方というのも少なくありません。
そこで今回の記事ではデイサービスで入浴のみを利用することは出来るのか、入浴介助の内容や設備、そしてその費用について紹介します。
目次
デイサービスで入浴のみの利用はできる?費用は?
結論として、デイサービスで入浴のみ利用することはできます。
というのもデイサービスの中には「入浴特化型」と呼ばれる入浴を中心とした介護サービスを提供している事業所があり、入浴介護(介助)のみを受けて施設の車の送迎にて帰宅することが可能です。
また、「半日型」デイサービスでは、午前か午後を選んで入浴を含めた必要な介護サービスを受けてこちらも短時間の利用で帰宅することが出来ます。
入浴特化型サービスとは
入浴特化型サービスのメリットとして、利用者が1日の中で自由に使うことができる時間が多くなる点があります。
入浴特化型サービスを実施している事業者は人数制限のある比較的小規模な施設が多く、レクリエーションや昼食の提供が無い場合は多いです。
また、デイサービスの利用を考えている高齢者の中には、レクリエーションが苦手だったり長時間デイサービスで過ごすことが嫌で通所をためらっている方も少なくありません。
そんな方にとって、必要な介護サービスのみを受けられるこのようなデイサービスは魅力ですし、介護を行う家族の負担を軽減させることも出来ます。
デイサービスで入浴のみを利用した場合の費用
デイサービスは介護保険サービスの一つです。基本の利用料は時間と要介護度によって決められており、入浴介助の加算分は1回あたりで決まっています。そしてそれぞれに介護保険が適用されます。
施設の規模によっても異なりますが、基本的には最も安い料金で要介護1の人が2時間以上3時間未満利用した場合に306円。最も高い料金となるのは、要介護5の人が4時間以上5時間未満の利用をした場合の645円となっています。
デイサービスの入浴の介助内容
デイサービスで行われる主な入浴介助の流れを以下に紹介します。
<入浴介助の大まかな流れ>
1.入浴前
入浴の前には必ず健康状態をチェックされます。血圧が高かったり、熱がある場合は施設の看護師や介護士の判断によって入浴が中止となる事もあります。
入浴できる場合は、ヒートショックを防ぐためにスタッフが暖房やシャワーを使って脱衣所や浴室内を温めてくれます。
2.入浴中の介助
入浴中は介護度や本人の状態によって介助の程度も違いますが、体や頭を洗ったり、浴槽に入る時の介助が行われます。入浴中も見守りや声掛けが行われ、体調に変化がないか観察してもらえます。
3.入浴後
入浴後は体を拭き、安全に着衣できるよう介助が行われます。水分補給を促し再度血圧や体温測定が行われ体調の確認をしっかりと行います。
デイサービスや介護施設のお風呂の種類
デイサービスのお風呂は施設によってその設備も異なります。必要な支援や身体の状態に合った入浴ができる設備のある施設を選ぶようにしましょう。
<個浴>
自宅のお風呂と同じように自分で浴槽に入るタイプです。脱衣所や浴室には手すりがついているので安心して入ることができます。
<大浴場>
銭湯のように大きなお風呂を導入しているデイサービスもあります。中には旅館のように温泉を引いている事業所もあり、そのような施設は非常に人気が高いです。
<リフト浴>
自分で浴槽にまたいで入れない高齢者に向け、椅子に座ったままリフトを利用してお風呂に入るタイプです。リフトを怖いと感じる方もいますが、職員が付き添うので安全に利用することが出来ます。
<機械浴>
自分で入浴することが難しい方や寝たきりの方でも安全に入浴をすることができるように配慮された機械式の入浴設備になります。チェアー式とストレッチャー式の2種類の方法があります。
チェアー式は椅子に座ったまま体や頭を洗うことができ、ストレッチャー式は寝たきりの方でもストレッチャーに寝たまま体や頭を洗ったり浴槽につかることができます。いずれも職員がしっかりと介助します。
まとめ
デイサービスでは入浴に特化した施設や半日型のデイサービスを選ぶことで入浴のみの介助を利用することが可能です。
デイサービスで気持ち良く入浴することによって、身体の清潔さ以外にも気持ちがリフレッシュできるという点もポイント。看護師や介護士の専門の資格を持ったスタッフが対応をしてくれますし、設備の整った施設であれば寝たきりの方でも安心して入浴することが可能です。
通所が難しい方の場合は、在宅したままヘルパーが訪問し入浴を介助してくれる訪問入浴や医療のケアが必要な場合は訪問看護といったサービスもありますので、必要な方はお住まいの地域の窓口へ相談して下さい。
介護施設にはこのように入浴に特化したところもあれば、リハビリに特化したデイケア、更に民間の会社による様々なサービスや事業を行っている会社もあります。サイトで検索して情報を得たり、気になる施設があればぜひ問合せをしてみて下さいね。