高齢者が生きがいを見つけられる施設やサービスを解説

高齢者の方の中には体を悪くしたり気力をなくしたりで家に引きこもりがちになる人が少なくありません。

そうすると社会との関わりが減り、生活が単調となり、生活の中の楽しみや生きがいを感じる機会がなくなってしまい、認知症の発症につながることもあるのです。

日本人の平均寿命はどんどん伸びていき、男性は81.05歳、女性で87.09歳と言われている現在。

いわゆる老人と呼ばれる65歳からも20年近くの時間があるわけです。

「もう高齢だから、歳だから」と言わず、老後を楽しく充実させるためには「生きがい」を持つことが重要でしょう。

そこで今回の記事では、高齢者の方が生きがいを見つけられる、感じられる施設や支援サービスについて解説してまいります。

ぜひ最後までご覧いただき、自分自身はもちろん高齢の親や家族がいる場合の参考にしていただければと思います。

高齢者は老人ホームに入居すれば生きがいを感じられる?

高齢者の施設と言えば老人ホームを思い浮かべる人が多いかと思います。

一人暮らしや高齢者の夫婦だけで自宅で暮らしている場合、意識して外出したり趣味を持って自分で楽しもうとしないと刺激がなく心身共に弱ってしまう傾向にあります。

それならば老人ホームに入居することで他の入居者と交流したり、ケガや病気、困ったことが起きた時に誰かにすぐ頼れる、相談できる環境にあることで安心できることから、日常生活に楽しみが見つかるかも知れません。

実際、施設によって高齢者が生き生きと生活を送り笑顔がたくさん見られるところもありますが、一方で雰囲気が暗い施設があることも事実です。

老人ホームは集団生活にも近いですし、個別の希望や要求にすべて対応するのは難しく、人間ですから他の入居者や職員との相性というものもあります。

施設の方針や環境も異なりますから、自分に合わないところだったら当然生きがいを見つけることは難しい状況だと言えるでしょう。

また、超高齢化社会である日本では、高齢者の数が年々増え続けるのに対し高齢者施設をいくら増やしても介護者や職員の人手不足という問題に陥っています。

採用してもスタッフ自身がやりがいを感じられなかったり、多忙すぎて疲弊し離職してしまうのです。

高齢者も働く人も生きがいを持つために、例えば趣味を見つけ楽しめる環境を作ったり、高齢者が昔の知恵を活かして若いスタッフに何かを教える機会を作ることができる施設を選ぶと良いでしょう。

高齢者が生きがいを見つけられる施設

老人クラブ

老人クラブとは60歳以上の方を対象に地域ごとに結成された組織で、高齢者自身で運営しています。

ボランティア活動や介護施設の訪問、ウォーキングや体操等の健康増進活動の他、生きがいを高めるためにカラオケや手芸、囲碁や将棋など趣味を楽しむ活動も実施されています。

お住まいの自治体の窓口やホームページで情報を調べ、興味があればぜひ加入してみてはいかがでしょうか?

老人福祉センター

老人福祉センター事業は施設のある自治体に居住する60歳以上の方が無料で利用できる施設で、お風呂や温水プール、ビリヤード、ラウンジ、談話室等施設によって設備は異なります。

その他、趣味や教養、健康に関連する講座などが行われることもあります。

利用を希望される際は自治体の窓口に確認し、利用登録をしてみましょう。

シルバー人材センター

シルバー人材センターは、高齢者が働くことを通じて生きがいを得たり、地域社会の活性化に貢献するための組織です。

仕事を持つことはこれまでの経験を活かしたり、新たなことを学んだり、人の役に立ち感謝されたりと自分の存在価値を感じ目標を持って生きていくこと、そして多くはありませんが収入が得られることで経済面にもメリットがありますので、働くことに意欲がある方にはぜひおすすめしたいです。

会員になるための登録が必要ですので、お住まいの市区町村に問合せしましょう。

カルチャーセンター

さまざまな講座や体験ができるカルチャーセンターも生きがい探しにおすすめの施設です。

講座の内容によっては幅広い世代の人と一緒に学ぶことができて刺激になりますが、不安な方は高齢者向けのカルチャーセンターや高齢者向けの講座内容を選ぶと良いでしょう。

デイサービス

デイサービスは65歳以上で要介護認定を受けた高齢者が利用できる日帰りの介護保険サービス施設です。

食事や入浴等の介助や補助、機能訓練を受けられる他、職員や他の入居者と楽しむレクリエーションも開催されます。

新しい仲間が出来たり、身体の機能が向上し介護予防につながり体が動かしやすくなったりすると気持ちも前向きになりさまざまなことを楽しみ、挑戦する力が出てくるはずです。

こちらも施設の設備やサービスの内容が施設ごとに異なりますので、いくつか候補を見つけたら見学や一日体験を申し込んで自分に合った施設と契約しましょう。

地域の交流と社会参加を目的とする場

介護認定の有無にかかわらず、地域社会とのつながり役割を見つけたい高齢者に最も重要な場所です。

種類主な特徴と生きがいにつながる活動
地域包括支援センター高齢者の生活を支える地域の拠点。各種相談のほか、地域のサークルやボランティア活動の情報提供や紹介を行っています。
老人クラブ高齢者自身の自主的な組織。趣味・教養・スポーツ活動や、地域への奉仕活動(清掃、見守りなど)を通じて、リーダーシップや役割を持つ機会を提供します。
高齢者サロン / 通いの場地域の住民が主体となって運営する交流の場(公民館、集会所など)。お茶会、手芸、軽い体操、地域の子どもとの交流など、気軽な集まりを通じて孤立を防ぎます。
公民館・生涯学習センター趣味のサークル活動(書道、絵画、パソコンなど)や、地域の講師による生涯学習の講座が豊富にあり、新しい知識や技術を学ぶことで生きがいにつながります。
ボランティアセンター高齢者が持つ経験やスキルを活かせる有償・無償のボランティア活動を紹介。社会貢献を通じて自己肯定感や生きがいを見つけられます。

高齢者向けの住まいや介護施設

入居型の施設でも、レクリエーションや外部との交流を通じて生きがいづくりを重視しているところが多くあります。

施設の種類生きがいづくりの特徴
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)自立~軽度の要介護者向け。自由度が高く、趣味活動やサークル活動を自ら企画・実行しやすい環境が整っています。
住宅型有料老人ホーム外部の介護サービスを利用。施設内で多様なレクリエーション趣味の教室を提供し、入居者同士の交流を促しています。
軽費老人ホーム / ケアハウス自立した生活に不安がある高齢者向け。生活援助が中心ですが、地域ボランティアクラブ活動が盛んな施設が多く、活動の場を見つけやすいです。
デイサービス(通所介護)自宅から日帰りで通う施設。レクリエーション、趣味活動、機能訓練を通じて、定期的な外出と人との交流の機会を提供します。
認知症グループホーム少人数での共同生活。家事や料理などを入居者が可能な範囲で役割分担することで、「生活の場」と「役割」を見出すことを重視しています。

生きがいを見つけるための重要な視点

施設を選ぶ際は、以下の点に着目すると、その方が生きがいを見つけやすい環境か判断できます。

  1. 活動の多様性:単なる「暇つぶし」のレクリエーションだけでなく、趣味、学び、創作活動、役割など多様な活動があるか。
  2. 地域との連携:外部のボランティアや地域住民との交流機会があるか、地域行事への参加を促しているか。
  3. 役割の提供:参加するだけでなく、活動の企画や準備など、高齢者自身が**「支える側」**として活躍できる機会があるか。

まずは、お住まいの地域の地域包括支援センター市区町村の高齢者福祉担当窓口に相談してみることをお勧めします。地域の集まりやサークルの情報を多く持っています。

まとめ

以上のように、高齢者の方が生きがいを見つけられる施設をいくつか紹介させていただきました。

各自治体では高齢者が生きがいを持って生活できるようさまざまな制度や施設を設けています。

介護や認知症予防の対策としてもおすすめですので、ぜひ興味があるものがあれば利用してみてはいかがでしょうか。

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