「できることは自分でやろう。」デイサービス(通所介護)の目的と役割とは?様々なサービスの種類とその特徴なども解説します。

ますます高齢化社会が進む日本。高齢者の自宅への引きこもりや、在宅介護での介護疲れによる家族の負担など、様々な問題を抱えています。高齢者の自立が大きな課題である今、注目されているのが介護保険サービスである通所介護、通称「デイサービス」です。この記事ではデイサービスの役割や種類、それぞれでできることについて解説します。

デイサービス(通所介護)の目的と基本的な役割

デイサービス(通所介護)とは厚生労働省によると、「利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的として実施する。」と書かれています。

具体的には食事や入浴といった日常生活における必要な支援や、生活機能を向上させるための機能訓練や口腔機能向上サービス、レクリエーションなどの高齢者同士の交流やグループ活動などを”日帰り”で提供し、利用者の自宅から施設までの送迎も行われます。

いわゆるQOL(クオリティオブライフ)の向上を目指す高齢者向けのサービスとなっており、施設には介護職員のほかに看護師、理学療法士、生活相談員、機能訓練指導員などのスタッフがいます。

基本的には国が介護保険を利用して要介護の方を支援、サポートが行われますが、各自治体によって要介護認定を持たない高齢者や要支援者に対しても介護予防を目的としてデイサービスが取り組まれています。

ただし、介護度によって料金が変わったり要介護者でしか受けられないサービスがあったり施設や事業所によって送迎可能な範囲も違います。

施設の規模なども様々ですので、利用を検討している場合には、お住まいの市区町村や地域、エリアの施設にサービス内容や費用などの情報を確認し、説明を受けたり資料をもらいましょう。

デイサービスの必要性

自宅で引きこもりがちになってしまう高齢者の方は、気力を奪われてしまったり耐えがたい孤立感を抱えてしまいます。このような周囲が気づきにくい社会的孤立である状況は深刻な問題です。

デイサービスでは職員や他の利用者といった他者と交流する機会が生まれることによってふたたび社会との繋がりを感じ、新たな環境から得られる刺激、そして楽しみや喜び、希望という感情は生きる力にも変わる大きな糧となるでしょう。

レクリエーションでは、例としてカラオケや麻雀等を楽しんだり、パソコンを教えてもらえる等様々なプログラムを用意した施設も増えており、新たな趣味を見つけることもできるかも知れません。

デイサービスで受ける自立支援により、できないと思っていたことがどうしたらできるようになるのかといった方法を知り、自分でできることも増えます。これは本人の自信にも変わりますし、生活の中で目標を持つきっかけにもなるでしょう。

また、家族にはあまり話せないような不安や悩みを相談する機会が得られるということも重要な点です。

一方で、外出をして自宅から離れデイサービスに通われている時間というのは、介護者の方の蓄積された身体的、精神的負担やストレスを軽減したりリフレッシュするためにも非常に大切な時間となります。

一人では車の運転ができず外に出ることができないという人にとっても、デイサービスは家への送迎つきですので安心です。

これだけではありませんが、以上のことから介護する側される側、双方にとってデイサービスで得られるメリットは大きく、良好な関係性の維持や自宅で過ごす時間を有意義なものへと変える効果も期待できます。

デイサービスの種類

一般的なデイサービスでは、上記であげたサービス内容で9時~17時までの1日型(7時間~8時間)が基本となっています。老人ホームなどのような入居をするものではありません。

しかし最近はこのような基本サービスのほかにも、施設によって様々な趣向を凝らしたサービスが用意されているところが増えています。

その中でもよくあるサービスをいくつかご紹介しますので、選び方の参考になればうれしいです。

利用可能範囲の施設ではどのようなサービスが行われているのか確認してみてくださいね。不安な場合はまずは見学や短時間の体験を利用して1日の流れや雰囲気などを見てみると良いでしょう。

認知症対応型デイサービス

認知症の方は感情が昂ってしまったり、大人数の中で時間を過ごすことが苦手だったりしてデイサービスに通所することが嫌だと感じる方が少なくありません。

そこで認知症の方を対象としているのが認知症対応型デイサービスです。

主なサービス内容は一般的なものと変わりませんが、定員が少なめに設定されているので介護職員からより手厚くサポートを受けることができます。

リハビリ特化型(機能訓練型)デイサービス

体力に不安を感じている方や健康のためにトレーニングしたい方、病院で十分にリハビリが受けらないと感じている方におすすめしたいのがリハビリ特化型のデイサービスです。

ここではプールやマシントレーニング、体操やエクササイズなどを短時間行ったり、理学療法士や作業療法士などの機能訓練士による専門的な運動療法やリハビリテーションが行われます。

基本的には入浴や食事といったサービスはなく機能訓練に特化しており、目安として3時間~5時間ほどの半日型デイサービスとなります。

短時間型(半日型)デイサービス

「長時間はいや…。短時間だけ利用したい。」という方や「食事の介助はいらない。お風呂だけサポートが欲しい」など、午前や午後の3~4時間程利用したいという方に向けたサービスです。

半日型デイサービスという名前でリハビリ特化型(機能訓練型)デイサービスと同じように、リハビリなどの機能訓練を行う施設もあります。

昼食は出ない場合が多いです。施設によって取り組み内容は様々ですので、事前に利用予定の施設に問い合わせすることをおすすめします。

お泊り(宿泊)デイサービス

日帰りでのサービスが基本となるデイサービスですが、お泊り(宿泊)サービスを行っている施設もあります。

日中に通常の1日型デイサービスを利用し、そのまま利用者が宿泊できるサービスとなります。

同居している家族が用事があって夜間不在となり一人で過ごすことが不安であったり、介護者の疲労軽減などのために利用されます。

ただし、日中のデイサービスは介護保険で利用可能ですが宿泊は介護保険の対象外となっており、自費での利用となるためご注意ください。

金額は施設によっても変わりますが、一般的には一泊5,000円前後の場合が多いようです。

療養型デイサービス

難病やガン末期患者の方など、重度要介護者を対象とした医療的ケアのあるデイサービスです。

看護師によるサポートを受けることができるため、デイサービスに通うことをあきらめていた方にも安心して利用していただくことが可能です。

朝から夕方まで1日型のサービス時間となります。

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