「定年退職を迎えて何もやることがなくなった。」
「趣味もなく生活に楽しみがなくこれからの人生に不安を感じる。」
「何か趣味がほしいけどどうやって見つければ良いか分からない。」
高齢者の方からこのような声を耳にすることが少なくありません。
長年頑張ってきた仕事をやり遂げ、子どもも自立してようやく自由な時間を過ごすことが出来る!と思いきや、実際にそんな時を迎えてみると毎日何もすることがなく、気付けば1日中横になっていたりぼーっとテレビを見て過ごし、何となく気力や体力の低下も感じている…といった方も多いようです。
せっかくの老後の生活を充実させるためには、やはり趣味や人生の生きがいを持つことが大切です。とはいえ、これまで特に趣味を持っていなかった人にとってはその見つけ方も分からないでしょう。
そこで今回の記事では、高齢者の方が元気に長生きするための生きがいの見つけ方について解説します。
どうぞ最後までご覧いただき、ご本人はもちろん家族に高齢者がいる皆様の参考にしていただければと思います。
目次
高齢者が生きがいを持つ重要性
高齢者の方が生きがいを持つことで得られるメリットはたくさんあります。
以下、具体的な効果を紹介します。
認知症の予防
高齢者の方が生きがいを持つと、外出や人と会い交流する機会が増える傾向にあります。
人に会って会話をすることで脳に良い刺激を与えて活性化し、孤独感も解消されることから認知症の予防に繋がります。
また、内閣府の調査によると新しい友人をたくさん持っている人ほど生きがいを感じやすい傾向にあると言われています。
運動不足の解消
人は高齢になるにつれて身体的にしんどくなったり気持ちが億劫になったりして自宅に引きこもりがちになることがあります。
しかし生きがいが出来ると気力が沸くため、自然と外へ出て歩いたり行動する時間が増えます。
そのため、高齢者に起こりがちな運動不足を解消し健康や長寿、介護の予防に良い影響を与えることにつながるでしょう。
うつ病の予防
60歳から65歳を過ぎると会社の定年や家族、友人との別れ等、環境や生活に大きな変化が起こりやすい時期に入ります。
このような変化に対し知らず知らずにストレスが溜まり、「老人性うつ」を発症してしまう高齢者の方も少なくありません。
生きがいを持つことはうつ病を罹患するリスクが大幅に減らす効果があると言われています。
自分が好きなこと、趣味を楽しむ時間を日常に持つことで、ストレスを解消したり気分転換を上手に行うことが出来るのです。
高齢者の生きがいの見つけ方
それでは具体的に生きがいをどのように見つけたら良いのか。その方法についていくつかのアイディアを紹介します。
習い事を始める
民間の習い事はもちろん、カルチャーセンターやお住まいの市区町村でも高齢者向けのさまざまな講座や習い事が実施されています。
掲示板や広報誌、役所や地域包括支援センター、公民館、健康センター等の施設で募集の告知がされていますのでぜひチェックしてみて下さい。
高齢者に人気の高い習い事には、ゲートボールやテニス等のスポーツの他、お茶や料理、手芸、お茶、囲碁、ピアノや大正琴、俳句等があります。
新しいことを習い始めると目標ができるのでそれに向かう向上心が芽生え、生きがいにつながりやすくなります。
また、同じ習い事をする仲間と交流を深めやすく、新たな人間関係を構築するきっかけにもなるでしょう。
何がやりたいか分からない場合は、若い時に好きだったことや興味があったこと、いつかやりたいと思っていたことを思い出し、挑戦してみることもおすすめです。
もう一度働く
超高齢化社会である日本では、現在深刻な人手不足に悩む企業が増えています。
その中でシニア向けの求人も意外と多く出ていることをご存知でしょうか。
それまで仕事が生きがいだったという方の中には、定年後の自分が社会から必要とされていないのではと自信をなくされるケースがあります。
しかしもう一度働くことで再び社会とつながりができ、自信を取り戻し生きがいにつながる可能性があるのです。また、収入が得られる点もメリットです。
もう一度働いてみたい!と感じているなら、高齢者に特化した求人サイトやシルバー人材センターに登録をおすすめします。
また、過去の経験を活かしてフリーランスとして活動するという選択もあります。
ボランティア活動に参加する
生きがいの見つけ方として、仕事ではなく地域のボランティア活動に参加するという方法もあります。
ボランティアでは同年代の知り合いが増えるのはもちろん、地域のさまざまな世代の人との関わりが生まれます。
パトロールや登校補助など子どもたちと関わりを持つ活動は喜びや楽しさを感じられるでしょう。
感謝されることや地域に貢献しているという充実感を日常生活の中で得られることは自信にもなりますし、近くに仲間が出来ることで何かあった時に誰かに相談できたり、健康面での変化に注意してもらえるためメリットがり、心の安心にもつながります。
ずっとやりたかったことに挑戦する
現役時代は仕事や家事が忙しくて、あるいは子育てが忙しくて出来なかったこと、諦めてしまったことが多かれ少なかれ一つはあるのではないでしょうか?
それが何だったのか思い出してみて下さい。そしてそれに挑戦するチャンスが今巡ってきたのです。
例えばずっと行ってみたかった場所へ旅行する、ずっと入りたかったレストランで食事する、買いたかったものを買うl取りたかった資格の勉強をする等。
その中に生きがいとなるものが見つかる可能性があります。
家族との時間を増やす
何か特別な趣味を持たなくても、家族と過ごす時間を増やしそこに癒しや楽しみ、喜びを感じるというのも十分な生きがいになります。
特に孫がいる場合には孫に会いに行ったりお世話を手伝ったりすることは大きな喜びを感じ、生きることに対し前向きな気持ちを与えてくれるでしょう。
他にも配偶者を喜ばせるために何か企画したりプレゼントを考える気持ちも、日々の生活の中で充足感をもたらすと思います。
家族が遠方で暮らしている場合は、最近はスマホやタブレットで無料で手軽にテレビ電話を利用できるので、使い方を教わって使ってみることをおすすめします。
生きがいにつながりやすい「趣味」
ほかにも、「趣味」を通した生きがいの見つけ方もあります。
そこで次に、高齢者の方が生きがいを見出しやすい趣味の一部を紹介します。
カラオケ
歌うことや音楽が好きな高齢者の方はカラオケを趣味にするのはいかがですか?
最近のカラオケ店ではシニア向けの割引サービスを設けているところも多く、お得に利用することが可能です。
仲間と一緒に楽しんでも良いですし、友人がいなくても一人カラオケを歓迎しているカラオケ店はたくさんあるため、尻込みせずに気軽に楽しみましょう。
また、採点機能も付いているため「もっと上達したい」と目標を持って練習したり、のど自慢のイベントへ参加することを目標に頑張ってみるのも良いと思います。
園芸
園芸は女性だけでなく、定年後ガーデニングや家庭菜園に目覚める男性が意外と多くいらっしゃいます。
何かを育てるという作業は毎日成長を感じられるため生きがいになりやすいでしょう。
丁寧に育てた結果、美しい花が咲いたり立派な野菜が実ったりすることで大きな達成感も感じられます。
写真
最近は立派な一眼レフを持っていなくても、スマホで高画質な写真を撮影することが出来ます。
季節の花や孫、何気ない日常もカメラのレンズを通して見てみるとまた違った景色が見えるかも知れません。そしてそれを残すことで大切な思い出にもなります。
SNSへ投稿したり、写真のコンテストへの参加も良いですね。
高齢者の生きがい探しは無理をしないことも重要
以上のように高齢者の方が生きがいを見つけることは心身に良い影響を与えますが、だからと言って「生きがいがない、見つからない」と焦ったり落ち込む必要はありません。
大きなことをしなくても、日々の生活の中で出来ることの中から小さな楽しみを探してみる、程度のことからでも十分です。
また、趣味には高い費用がかかるものもありますが、長く楽しく続けるために資金面も余裕を持って計画を立てたり、無料や割引のサービスを活用したりとあまりお金のかからないことを趣味にすることも重要です。
運動や体を動かす趣味では、体力や身体機能の状況を考慮し無理せず適度なレベルで楽しみましょう。
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