何歳までできる?老人の一人暮らしの現状とリスク、対策とは

一人暮らしの老人が珍しくなくなった昨今。

超高齢化社会や核家族化が進む日本では、多世代で暮らすことが多かった頃と比べて一人暮らしをする老人が大幅に増加しています。

しかし、食事はしっかりできているのか、病気やケガをした時はどうするのか等、老人の一人暮らしは本人や家族、近所の方にとっても心配が尽きませんし、実際にさまざまなリスクが考えられます。

そこで今回の記事では、老人の一人暮らしにおける問題や利用できるサービス、具体的な相談先、そして一体何歳まで一人暮らしが可能なのか?等、高齢者とその家族が安心して暮らしていくための情報について解説してまいります。

最後までご覧いただき、皆様に役立ちますと幸いです。

老人の一人暮らしは何歳までが限界?日本の現状について

事情により家族と離れ一人暮らしをしている老人の方は、何歳までその生活を続けることが可能なのでしょうか。

総務省統計局の調査によると、日本は平均寿命が長く、令和元年の調査では男性が81.41歳、女性は87.45歳となっています。

しかし、この年齢まで自立して元気に暮らせているというわけではありません。

健康寿命で言いますと、男性は72.68歳、女性は75.38歳と、平均寿命までのおよそ10年前後は何らかの原因により日常生活を送ることに支障が出たり介護が必要な期間があるのです。

また厚生労働省の調査によると、65歳以上の高齢者の一人暮らしの割合は28.8%とかなり高い数値であることが分かります。

そしてこの状況は今後更に増加していくと見込まれ、2040年には男性で20.8%、女性で24.5%の高齢者が一人暮らしになると予測されています。

健康寿命を過ぎても一人暮らしを続けている老人は多く、その理由としては事情により施設の入居が難しかったり住み慣れた家、場所、地域から離れたくない、また約7割の高齢者が「自宅で最期を迎えたい」というアンケートもあることから、身体的につらくても自宅で暮らすことを選択しているという方も少なくないでしょう。

老人の一人暮らしの問題点

以上のように多くの老人が一人暮らしをしている現状ですが、老人が一人暮らしをすることで考えられる問題やリスクにはどのようなものがあるのでしょうか。以下に説明していきます。

病気やケガをした時の対応が遅れる

まず考えられるリスクや不安としてあげられるのが、病気やケガなどが起こった時に気付かれず対応が遅れてしまうという点です。

加齢とともに病気にかかりやすくなりますし、足腰が弱り転倒をしてケガをすることも増えます。

対応が遅れて症状が慢性化や悪化してしまったり、突然に起こった場合には自分で助けを求められず発見が遅れる可能性は十分に考えられます。

認知症の発症・進行

現在、65歳以上の日本人のうち認知症患者は約600万人いるといわれています。そしてこの数は増加傾向にあり、もはや他人事ではありません。

また、一人暮らしにより人と交流することが少なく1日自宅に引きこもりがちになると、ますます認知症の発症リスクが高まります。

家族と同居していれば、日常の様子の変化から認知症ではないかと気付いてもらえる機会がありますが、一人暮らしの場合は自覚がない限り認知機能が低下しても気付かず、そのまま進行しています恐れがあります。

認知症が進行することで、お金の管理や服薬の管理、栄養のとれた食事、入浴、排せつ等、日常生活に必要な動作が出来なくなっていき、健康状態の維持が難しく他の病気を発症したり、トラブルや事故に巻き込まれる可能性もあるため非常に心配です。

災害時の対応・避難が難しい

日本は地震や台風などの災害の多い国。毎年どこかしらで大きな自然災害が発生しています。

その際、一人暮らしの高齢者は避難のための情報を得ることや避難行動が遅れやすく、その後の安否確認や避難所への移動などが難しくなるケースが少なくありません。

賃貸住宅が借りられない可能性

一人暮らしを続けたくても、賃貸住宅に暮らしている高齢者の場合、経済状況から家賃の滞納の不安やや健康上の理由により賃貸の継続を断られてしまうという問題も発生しています。

そのため、もしもの時に備え、今から利用できるサービスや支援などを調べておくことが非常に大切です。

一人暮らしの老人をサポートするサービス

以上のように老人の一人暮らしにはさまざまなリスクや不安が伴うため、その対策として行政や民間企業が提供している支援やサービスを活用しながら少しでも安心して安全に暮らしていくことをおすすめします。

介護保険サービス

要介護認定を受け認定されることで、介護保険制度を利用してさまざまな介護サービスを受けることが出来るようになります。

例えばデイサービス(通所介護)や訪問介護、訪問リハビリ等。本人の身体の状態や目標によって、希望も考慮しながら必要な介護サービスを受け、一人暮らしをしていく上のQOLを上げていきましょう。

要介護認定を受けるには自治体の窓口やお住まいの近くの地域包括支援センターに相談しましょう。ケアマネジャーや社会福祉士、保健師など、福祉や介護に関する専門家が相談になり、さまざまなサポートを行ってくれますよ。

見守りサービス、安否確認サービス

自治体や民間企業による見守りサービスや安否確認サービスを利用することもおすすめです。

家に訪問して声かけをしてくれるものから、専用の機器による監視システムを用いて動きがしばらくない時に部屋の中での様子を確認してもらえたり、緊急時に自分でボタンを押して緊急通報ができるものもあります。

自治体や運営会社によりサービスの内容は異なりますので、こちらも地域包括センターで相談してみると良いでしょう。

食事の配達サービス

老人の一人暮らしで心配な事のひとつである日々の食事。

外への買い物や台所での調理が困難な場合、栄養不足に陥ってしまう不安があります。

そこで高齢者向けの食事を宅配してくれるサービスを利用すると、負担をかけずに栄養バランスの整った食事をとることが出来るので安心です。

高齢者向けなので食材の固さや塩分の調整などにも対応してもらうことも可能ですし、毎日または週に数回、定期的に配達員さんと顔を合わせることで、何かあった時に気付いてもらえやすいというメリットもあります。

その他の支援サービス

一人暮らしの老人に向け独自の支援サービスを行っている自治体も多くあります。

上記で紹介した安否確認サービス等の他にも、外出支援や買い物代行、金銭の管理、部屋の掃除など。

また、今はさまざまな民間の事業者が生活に必要なサポートを行うサービスを提供していますので、費用はかかりますが必要な時のために事前に知っておくと安心です。

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