老人がよく寝るのは認知症の予兆?!高齢者に起こりやすい睡眠障害と対策について解説します

睡眠は健康に大きく影響する大切な時間。

ですが老人になると早朝に覚醒したり夜中に何度も目が覚めたりと寝不足を感じる方も少なくありません。

一方で「うちのおじいちゃん、おばあちゃんは日中もよく寝るから大丈夫。」という場合も、実は注意が必要なケースがあることをご存知ですか?

睡眠に大切なのは時間よりもその質。

今回の記事では、睡眠に不安を感じる本人はもちろんそのご家族、介護を行う方に向け、高齢者の睡眠障害やよく寝る「傾眠傾向」に潜む原因や疾患の可能性、対処法について解説します。

どうぞ最後までご覧いただき、皆様に役立ちますと幸いです。

老人の睡眠障害

人は加齢に伴い睡眠時間が短くなる傾向にあり、起床時間が早くなっていくものです。

下手に長く寝てしまうと体が重く逆に疲れてしまう、という方も多いでしょう。

また、眠りが浅く夜中に何度も目が覚める所謂「中途覚醒」に悩まされる高齢者も少なくありません。

また、一日中ウトウトして眠くなってしまう、話しかけて反応し起きてもまたすぐに眠ってしまうといった特徴のある傾眠傾向という症状が高齢者の方には多く見られます。

傾眠は昏迷、昏睡と段階を踏み進行していく意識障害であり、頭がぼーっとしてしまうことで話の内容や情報が理解できない、正常な判断が出来ないといったことだけでなく、意識のレベルによっては転倒や命に関わる事故などが起こる危険もありしっかりとしたサポートや治療が必要となります。

これらの高齢者の睡眠に関する問題にはいくつかの理由が考えられます。

体内時計の変化

睡眠には体温、ホルモン分泌といった生体機能が関係していますが、加齢とともにこの機能が早い時間にずれていくこと、そして深く眠るノンレム睡眠が減少し浅い眠りのレム睡眠が増加する傾向にあることで早朝覚醒や中途覚醒の頻度が増え、全体的に眠りが浅くなると言われています。

身体的な症状

加齢によってトイレが近くなるため、夜中でも尿意を感じて目が覚めてしまったり、足腰や肩、関節の痛みを抱えている人が寝姿勢の状態が続くことや寝返りを打った時に痛くて起きてしまうこともあります。

また、「むずむず脚症候群」と呼ばれる疾患により、特に夕方から夜間、入眠する時に足に虫が這っているいるような感覚や痒みを感じて寝つけないというケースもあります。

薬の副作用

普段薬を服用している方の場合、その副作用として眠くなりやすくなることがあります。

医師や薬剤師の指示に従い、眠くなりやすい薬を飲む際には外出や運転は避ける方が安心です。

また、眠くなっては困る場合はそのような成分が含まれていない、あるいは少ない薬を処方してもらうよう相談することもおすすめです。

体力、機能の低下

体力や神経伝達機能の低下により、すぐに疲れてしまい日中でも眠くなってしまうということもあります。

しかし急によく寝るようになった場合には他の病気の可能性も疑われるため注意が必要です。

脱水

脱水や栄養不足も傾眠や睡眠障害を引き起こす原因となります。こまめな水分補給を積極的に行いバランスのとれた食事をとることは、健康はもちろん良い睡眠にも重要な要素となります。

ただし、夜中にトイレに起きる回数が多い場合、寝る前に摂取する水分の量は調整しましょう。

認知症

アルツハイマー型認知症を発症すると昼夜逆転し睡眠不足を起こしやすくなります。

夜に眠れない分日中に傾眠を引き起こすため、居眠りしている原因が実は認知症の症状だった、ということも考えられます。

また、認知症による無気力から傾眠傾向になることもあります。

病気

睡眠障害をもたらす病気は認知症の他にもいくつか考えられます。

主に高血圧や低血圧、糖尿病、慢性硬膜下血腫、うつ病、パーキンソン病、場所や状況を問わず異常に眠気が強く突然眠ってしまうナルコレプシーなどがありますので、少しでも様子がおかしい場合は早めに医療機関を受診するようにしましょう。

老人の睡眠障害の対策

不眠、眠りが浅い、日中の眠気が強い、睡眠時間が短い、過眠など睡眠障害を予防・改善するために、効果が期待できる日常生活での対策について紹介します。

生活リズムを整える

まずは基本的な生活リズムを整えることが大切です。

朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びる。そこで自然に体を目覚めさせ、日中は散歩などの軽い活動を30分程度は行う。食事や入浴の時間もできるだけ毎日同じ時間にすると体内時計も整いやすくなります。

睡眠環境の改善

使っているお布団を心地よいものにする。枕や敷布団、マットレスを体に合ったものに変える等、睡眠環境を整えることも良い睡眠をとるために大切なことです。

また、就寝前のテレビやスマートフォンの利用、明るい電気などは目や脳の働きに刺激を与え興奮して目が冴えてしまい眠りにくくなるリスクが大きく、そのため寝る2時間前には避けることをおすすめします。

体調管理

睡眠障害の原因で紹介したように病気が原因であることも考えられるため、毎日の血圧測定や体温のチェックで体調を管理することも特に高齢者の方には重要です。

血圧の変化や発熱などは睡眠に関わらず病気になった際の早期発見にもつながります。

まとめ

以上のように老人になると睡眠に関連したトラブルが起こりやすくなります。

寝不足や眠りが浅いことで日中の生活に影響が出たり、よく寝るからといって問題がないわけではなく病気を引き起こしたり前兆となるケースもあるため、日頃から状態を確認することがとても大切です。

睡眠障害への対策のポイントは、起床時間や就寝時間、食事や運動などの生活のリズムと睡眠環境を整えること。

もしこれらに問題があるようなら見直しを検討し、改善を促す等、適切な対応を行いましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です