小さな子どもが主に親に対して、自分の相手をしてもらうために気をわざと引く言動を繰り返すことがよくありますが、これを大人になっても行っている人のことを世間では「かまってちゃん」と呼んでいます。
そしてこのかまってちゃん、意外と老人の方にも多いのです。
自分の話を聞いてくれる人がどこかにいないか探してるため、たまたま近くにいて突然老人から話しかけれ困惑した経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
老人と話すこと自体には悪い印象がなくても、一方的にいつまでも話が終わらないと相手をするのは難しくなります。
今回の記事では、老人がかまってちゃんを起こす原因と対処法について紹介します。
どうぞ最後までご覧いただき、高齢者とコミュニケーションをとる時の参考にしていただければと思います。
目次
老人のかまってちゃんの特徴と原因
老人のかまってちゃんには子どもや若者とは違い、老人特有の特徴を持っています。
まず、若い頃から元々の性格として他者に依存的であることがあげられます。
自分で決断し行動することが出来ず、何でも人に任せてきたようなタイプの人は高齢になっても自分のことをやってもらうために人を呼び出したり引き留める行為を行います。
寂しがり屋で日々、孤独を感じていることで介護施設や病院の待合室、バス停などさまざまな場所で延々と話しかけることもあります。
他にも承認欲求が強く自分の話をしたがるタイプも多く、人に褒められたい、認めてほしいという理由から自分の若い頃の話や自慢話をしたり、求められていないのに若者へ教えや説教を続けたり、相手の感情を汲み取ることが出来ずに自分の欲求だけで一方的に会話をぶつけることも。
いずれも相手が満足する反応や対応をしてくれないと不機嫌になったり、誰か他に聞いてくれる人を探して話しかけ問題に発展してしまうような傾向が見られます。
老人のかまってちゃんで病が隠れているケース
上記のように性格的なものでかまってちゃんの行動を起こしている一方で、老化により記憶や認知機能の低下や病気が原因でかまってちゃんになっている可能性もあります。
例えば「老人性うつ」により寂しさや落ち込みが強かったり、落ち着きがなくなったり、自分で判断や決断ができないといった症状が出ていたり、「認知症」によって何度も同じ話をしつこくしてきたり、突然怒ったり泣いたりといった感情を爆発させて周りを振り回したりといったことも考えられます。
もし態度や言動にこれまでと変化があり気になる点、不安になる点があれば、病院を受診することも重要です。
老人のかまってちゃんの対処方法と注意すること
老人のかまってちゃんは過度な要求が多く、介護施設や病院の場合はその対応に追われて業務に支障が出たり、医師や職員、スタッフ、家族に大きな負担がかかり、身体だけでなく精神的に辛い状態になりがちです。
そこで周囲の人の負担軽減だけでなく本人のメンタルの安定のためにも、適切な対処法を知ることが大切です。
1.否定しない
しつこく話しかけられたり引き留められたりすると、ストレスや疲れが溜まって嫌な気持ちになることもあるでしょう。
しかし感情的になったり相手を否定してしまうと、高齢者の方が更に感情がたかぶってヒートアップしてしまい話がこじれる可能性があります。
真剣に話の内容を聞けなくても良いので否定をせず優しい声や言葉を使ってゆっくりと話を聞いてあげている姿勢を見せてあげることで、受け入れてもらえたと思って安心につながり、話が早めに終わるかも知れません。
2.質問しない
病院の待合室や街なかでしつこく老人から話しかけられる場合、おそらく話したいという衝動が抑えられずに話しかけてきていて返答を求めているわけではないため、迷惑ならば無理に反応せず軽い相槌のみにしたり、質問形式で返さないという対応がおすすめです。
自慢話の場合も同様です。
3.役割を持たせる
老人のかまってちゃんの中には、心配されたくてわざと「私なんてどうせ・・・」と言うような自虐的な発言を繰り返す方もいます。
最初は心配をしても、ずっと続くと聞いている側もうんざりしてしまいますよね。
かと言って否定せずにいるとどんどん落ち込んで暗くなり、うつのようになってしまう可能性もあります。そのため、出来るだけ本人の自己肯定感を下げないように対応したいところです。
ボランティアや町内会、地域行事などへ参加を促し、社会と関わった時間を持たせること、老人クラブやデイサービス等の介護サービスを利用して新たな環境や人間関係を築く機会を作ること、家族と暮らしている場合は生活の中で掃除やゴミ捨て等の役割を与えることなどが効果的。
他の参加者や利用者と一緒に食事をしたり、リハビリやレクリエーションを通して身体機能の改善や健康にもつながり気持ちが満たされることで、かまってちゃんの行動もおさまっていくでしょう。
4.問題の解決策を考える
本人が家族や介護スタッフに向け、話の中で自身が抱いている不満を訴えたり心配なことを打ち明けている場合、面倒だと避けたりせずそれをどうすれば解決できるのかを考える必要があります。
支離滅裂であったり話があっちこっちに飛んでいる場合は、気になるポイントだけでも書き出しておき、他の家族やスタッフとお互いの情報を共有して話し合いましょう。
まとめ
以上のように老人のかまってちゃんには性格的なものから病気まで様々な原因があって、家族、介護スタッフ、赤の他人とそれぞれの視点によって対応の方法は違うものになります。
かまってちゃんの程度によっては生活に支障が増え、相手をすることも簡単ではありません。家族だけでうまく対処できない場合は負担で押しつぶされてしまう前に自治体の窓口やケアマネジャー等に相談の上、介護施設や医療機関などを探すことも必要です。
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