老人が思い込みが激しいのは認知症が原因?良い対処法は?

「親が高齢になり、何だか思い込みが激しくなった。」「老人の被害妄想が強く対応に困ることがある。」

こうしたお悩みや経験はありませんか?

実際、年齢を重ねるごとに思い込みが激しく頑固な人が増えていくような気がします。

周りの声に聞く耳を持たず訳の分からない言動や振る舞いを続けられると、家族や介護スタッフ等周囲の人は振り回され、生活や業務に支障をきたす可能性がありますよね。

しかしその思い込みの激しさには、認知症などの病気が隠されているかも知れません。

そこで今回の記事では、老人が思い込みが激しい原因やその対処法について解説いたします。

ぜひ最後までご覧いただき、参考にしていただければと思います。

老人が思い込みが激しい主な原因と症状

高齢者の方が思い込みが激しくなる要因として最も考えられるのは、「認知症」の初期症状によるものです。

認知症になると認知機能が低下し物忘れが激しくなるのですが、初期の場合はその矛盾を埋め納得するために本人が情報を補完、つまり作り話をすることがあります。

また、自分の記憶力や身体的な機能、能力の衰えを自覚し不安や焦り、健康への不安が生じ、もしそれが知られたら見捨てられるかも、嫌われるかも知れないと恐怖を感じたり、お金や物が無くなったらどうしようと執着するようになります。

そして「私は嫁からいじめられている。」「この家を追い出される」「夫(妻)が浮気をしている。」等の被害妄想に陥ったり、本当は自分がどこにしまったのかを忘れてしまっているだけなのに、それが理解できず誰かに財布や大切な物を盗まれたと思い込んで騒いでしまうのです。

住まいの場所や環境の変化があった際に症状が悪化するケースも多いです。

中には「自分はオリンピックに出た。」「有名な歌手だった。」等、自分がすごい人間だというような事実ではない妄想を話すケースもあり、その場合は何かしら今の生活に不満や不安を抱いていることが考えられます。

このような心の負担から思い込みはますます激しくなり、幻覚、幻聴、妄想といった症状につながっていきます。

認知症の種類と違い

認知症の症状には行動症状と心理症状があり、感情のコントロールが効かず特に怒りや衝動が抑えきれなくなったり、無気力、気分の落ち込み、うつ状態、妄想、徘徊、睡眠障害、幻覚、子ども返り等が表れます。

認知症とひと言で言ってもいくつか種類があることを知らない方は意外と多くいます。

代表的なものとして「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「血管性認知症」「前頭側頭型認知症」の4つがあり、アルツハイマー型は所謂物忘れから始まってゆっくりと進行していく特徴があり、レビー小体型認知症は認知機能が大きく変化し、幻視やパーキンソン症状を伴い症状の波が激しいといった特徴があります。

認知症により思い込みが激しい老人への対応方法

認知症によって思い込みが激しい症状が表れている方に対し、対応を誤ると更に病状が進行するキッカケになってしまったり、関係が悪化することになりかねません。

そこでおすすめの対処法を以下に紹介します。

否定しない

認知症患者はわざと嘘や作り話をしている訳ではありません。本人も自分の矛盾に気付き苦しみ、それを埋めるための行動であるため、否定されることで想像以上に傷ついてしまうでしょう。

そのため、まずは「そうですね。」「そうだったんですね。」と共感し話を聞いてあげること、受け入れる姿勢を見せることが大切で、そうすることで安心し、機嫌が良くなったり穏やかになる場合があります。

周囲に理解を求める

認知症であることを知らない人にとっては、妄想による話や振る舞いを不快に感じたりトラブルに発展してしまう可能性もあります。

出来ればそうなることを防ぐために前もって近所の人など接する可能性のある人に対して事情を説明し、理解を求めることが必要となります。

専門家に相談する、助けを求める

物やお金を盗られたと責められたり、妄想により否定的な言動や行動を取られ続けられると、家族や介護者も精神的に疲れ、大きな負担を強いられることになります。

無理して自身が潰れてしまわないよう、辛くなる前に地域包括センター等の相談窓口へ相談したり、デイサービスや老人ホーム等の介護サービスや施設を利用して休息できる時間も持つ、他のスタッフに担当を代わってもらうといった対応もとても重要です。

まとめ

以上のように、老人の思い込みの激しさというのは認知症の初期症状である傾向が高く、認知症の症状について知ることで対応がしやすく、トラブルの防止にもつながります。

そのためには相手と日頃からコミュニケーションをとって様子をチェックし、何か変化を感じる時があったら適切な対応方法でケアをすることが大切です。

また、自治体の窓口や地域包括支援センターなどでは認知症の患者や家族を支援するためさまざまな情報を提供し適切なアドバイスをくれるはずなので、必要なサービスを探し受けるようにしましょう。

本サイトは高齢者や介護に関連する情報を介護者やご家族に向け掲載しています。ぜひ必要な情報を選び合わせてご覧いただければと思います。

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