デイサービスや老人ホームで行われるレクリエーションの中でも、クイズやゲームなど脳を活性化させる脳トレは高齢者の方にとても人気があります。そこで今回の記事では、レクにおすすめの人気脳トレや、実施する際の注意点等をご紹介していきます。
目次
デイサービスで人気のおすすめ脳トレ系レクリエーション
それでは早速デイサービスや老人ホームで人気の脳トレできる高齢者向けのレクリエーションを幾つかご紹介してまいります。
特別な道具は必要なく、施設にあるものを使って楽しむことができる内容となっていますので、参考になれば嬉しいです。
参加者の人数やゲームの内容によって、個人にするかチームに分けるかといった対応を行ってみて下さい。
オノマトペクイズ
擬音語、擬態語である「オノマトペ」は、実は介護の現場でも非常に効果的な表現方法で、ただ単に説明するよりもオノマトペを入れた方が想像しやすいため、身体が反応しやすくなると言われています。認知症の患者さんにも効果的です。
そんなオノマトペを使ったクイズは、参加者の脳を刺激してより楽しんで行えると思います。
<問題例>
1.「雨」と言えば、どんなオノマトペがありますか?
※正解はないので皆さんにいくつか応えてもらう。
例:ザーザー、シトシト、バシャバシャ等
2.「鳥」と言えば、どんなオノマトペがありますか?
例:ピヨピヨ、チュンチュン、ピーピー等
このように、幾つかお題を出していきます。
ホワイトボードの左側にお題、右側に参加者の皆さんが出したオノマトペを書いていきましょう。
そして今度は、お題の文字だけすべて消してしまいます。
残されたオノマトペだけを見て、何のお題だったかを回答してもらいます。
お題の単語から想像してオノマトペを考えたり、他の参加者の回答やお題を思い出すことで脳が刺激され活性化につながります。
連想ゲーム
スタッフ、または参加者の一人がお題を決め、連想するキーワードをホワイトボードに書いてそれが何かを当てるゲームです。
<問題例>
次のキーワードは何を表しているでしょうか?
・うさぎ
・三
・丸
・夜
・ロケット
答え:月
最初は少ないヒントから始めたり、参加者のレベルに合わせ、お題は”都道府県”や”食べ物”など、カテゴリを絞っても良いでしょう。
回文作り
上から読んでも下から読んでも同じ言葉になる”回文”を自分で作成するのはとても脳を使います。
完成した回文を発表し、ホワイトボードに書いてみんなで声に出して読むことで、更に脳への刺激が期待できます。
文章もできるだけ意味のある内容となるようにするなど工夫も必要です。
最初は文字数の少ない言葉から、段々と長くしていくチャレンジも楽しいですね。
長めの回文ができたら、途中から穴埋めにして参加者の皆さんに応えてもらうのも良いでしょう。
例:イカ食べ〇〇〇?
答え:たかい
漢字ゲーム
漢字を使った脳トレは多くの高齢者の方に人気の高いレクです。
例えば、
・魚の種類の名前(難読漢字)
・花の種類の名前(難読漢字)
・四字熟語(読み・書き)
等、正解が分かった時にみんなが「あー!なるほど!」と唸ってしまうような少し難しい漢字にするのがポイントで、一層盛り上がります。
俳句や百人一首等が好きな利用者の方がいれば、一部を穴埋め問題にして出題しても楽しいでしょう。
お題となった漢字は実際に自分でも書くことでまた脳が刺激されますし、新しい知識にもなります。
計算ゲーム
高齢者の方にはそろばんを経験している方も多いので、「計算が得意!」という方もいらっしゃると思います。
参加者の方のレベルに合わせて、簡単な足し算や引き算から難題まで用意しましょう。
数字の計算は非常に集中力を使って取り組みますし、脳トレにはもってこいです。
ホワイトボードに書いてグループで考えても良いですが、紙のプリントを用意して一人一人が集中して計算するのもおすすめです。
単純な計算だけでなく、
40 □ 2=80
45 □ 3=15
のように、穴埋めにして記号を答える問題も楽しめます。
手指の体操
手や指を使った体操は認知症の予防や脳の活性化に効果があることは有名です。
全身の運動とは違い、椅子に座ったままできますし、指先を動かすことでリハビリにもなるのでレクに取り入れることはとてもおすすめです。
<指の体操>
1.片方の親指から順番に1本ずつ指を曲げていきます。
※指を曲げる時には声を出して1から数を数えましょう。
※他の指はできるだけ曲がらないように注意しましょう。
2.小指まで終わったらもう片方の手も行います。
3.可能であれば小指からスタートします。(カウントは5→1)
<後だしじゃんけん>
1.参加者がペアになって、後だしじゃんけんをします。
2.普通の後だしじゃんけではなく、「負ける」ように出します。
※他にも「あいこ」や「勝ち」等、条件を変えていきましょう。
カラオケ
音楽や歌のレクリエーションも非常に人気が高いですよね。
歌う時には肺や腹筋をたくさん使うので機能の向上や維持にもつながりますし、声を出すことでストレスの発散となり気持ちがリフレッシュしたり、若い頃に好きだった歌を歌うことで気持ちが若返ったりと、精神的にも良い効果があります。
歌には昔の記憶を思い出させる力があり、その歌の思い出を他の人に話すことで実は脳が活性化すると言われています。(「回想法」と呼ばれます。)
・ホワイトボードやプリントに書かれた歌詞を見ながら、カラオケ音源のCD等に合わせて歌う。
・一小節ずつ順番に歌っていく
・一度歌った歌の歌詞の一部を空欄にして思い出しながら歌う
等、頭を使うような様々なアレンジをしながら挑戦してみると、更に盛り上がると思います。
童謡から歌謡曲まで、参加者の方の趣味に合わせても良いでしょう。
ご紹介した物の他にも、介護福祉士の資格を持った方が監修したレクに役立つ脳トレゲームは沢山紹介されていますので、インターネットで情報を検索したり、探してみてください。
脳トレ系レクリエーションで気を付けること
準備や配慮を怠ると、利用者の方にとって楽しいはずのレクが辛い時間になってしまうことがあります。脳トレを目的としたレクリエーションを行う際に留意したいことを紹介します。
自尊心を傷つけないように
デイサービスの利用者の皆さんが楽しみながら行えるようにと実施されるレクリエーションですが、内容や状況、性格によってはそのレクを通してプライドが傷ついてしまったり、自信を失くしてしまう場合があります。
また、勝敗を決めるゲームでは参加者同士のトラブルにつながる可能性もあります。
そのようなことにならない為に、参加者一人ひとりについて職員が内容やレベルをしっかりと判断、配慮することが大切です。
参加は任意で
利用者の皆さんが楽しめるように企画するレクですが、体や心の状態は高齢者の方によってさまざまです。
それにより「参加したくない。」という方もいらっしゃるでしょう。
参加を無理強いすると嫌な気持ちで過ごさせてしまったり、デイサービスに通うのをやめてしまう方もいらっしゃいます。
施設側は無理矢理参加させるようなレクリエーションではなく、”参加したくなる”レクリエーション作り、雰囲気作りに努めたいものです。
また、決して無理強いはせず、断りにくいと感じている高齢者の方も気軽に参加の可否ができるような形で告知したり、日頃から相談しやすいようにコミュニケーションを取るようにしましょう。