外出支援とは?
「外出支援」とは、歩行ができなかったり体が不自由など、本人が1人で(または家族だけで)公共交通機関の利用できず、外出が困難な高齢者や障害をお持ちの方に対し、車椅子のまま乗り降りができる介護用のリフト付き車両を使って外出を支援するサービスです。
自治体や社会福祉法人が実施している事業から民間の事業者が実施しているものまであり、外出が難しい高齢者にとって非常に心強いサービスです。
高齢者の方にとって外で出るということは心身のリフレッシュや身体機能の維持や向上、介護予防や認知症の予防など、様々な健康への効果が期待できる大切な行為です。そのため、外出が困難な方も是非外出支援サービスを活用していただき、生活の中で少しでも外へ出る機会を確保していただきたいと思います。
外出支援を利用できる対象者は?
外出支援のサービスを受けることができる対象者は、基本的に以下の条件を満たしていることが必要になります。
・65歳以上の要介護者
・身体機能や認知機能の低下や居住地により公共交通機関の利用が困難な人
・自治体が提供しているサービスの場合はその地域に居住していること
その他、家族などが付き添える人、要介護3以上、住民税非課税世帯・・・等、様々な内容の条件が付いている場合があります。
民間企業が提供しているサービスの場合は、医師やケアマネジャーによる外出の許可が得られてさえいれば、基準や条件が設けられていないところがほとんどで様々な人が利用することが可能です。
外出支援は介護保険の適用外?
外出支援サービスは基本的に介護保険の制度が適用されません。
ただしケアマネジャーによるケアプランに組み込まれている場合は、ヘルパーによる乗降介助も頼める介護タクシーを介護保険で利用することができます。
また、車いすを常用し自走が困難な全身性障害者(上肢と下肢または上肢と体幹に障害がある身体障害者手帳 1 級、2 級の者)は、地域支援事業の移動支援サービスを利用することが可能です。
また、訪問介護を受けている場合は通院や日用品の買い物、デイサービスなどの施設見学、選挙や官公署への届出などの”外出介助”を介護保険を使って利用することができます。
外出支援サービスの利用料金は?
外出支援サービスが介護保険適用外となると、気になるのは料金ですよね。介護保険が適用される介護タクシーとそれ以外では料金にかなり違いがあります。
介護タクシーの場合、かかる費用は1時間あたり数百円、ガソリン代の実費のみなどかなり低価格で負担しやすい金額が設定されています。
しかし介護タクシー以外の自治体による外出支援サービスでは、家族など介助のための付き添い人が求められることがあったり、他にも移動範囲や場所、利用できる回数、曜日、時間帯、上限金額などが様々な条件が決まっているケースがほとんどなのがネックな点です。
(詳しくは各自治体の窓口や社会福祉協議会にお問い合わせください。)
民間企業による外出支援サービスでは条件があまり無くサービスの範囲はかなり広くなります。”トラベルヘルパー”と呼ばれる外出支援専門員による日帰りや宿泊を伴う外出支援サービスを提供している事業者もあります。
その代わり費用はやはり高くなり、例としては実費の運賃にプラスして介助料金が1時間5,000円程度必要であったり、1日2~3万円と設定されていたりします。また、更にヘルパーさんの交通費や旅行保険料が別途追加される為、全体でかなり高額になります。
デイサービス(通所介護)では外出支援を受けられるのか?
デイサービスでは介護保険サービスとして、利用者の方は施設の介護用車両を使って自宅と施設間を送迎してもらうことができます。もちろん職員やスタッフにより乗降介助も受けられます。また、あらかじめケアプランに位置付けられ、効果的に機能訓練等のサービス提供ができると判断された場合においては事業所の屋外でサービスを提供することも可能となります。
しかしこれらはあくまでも「デイサービスを利用する」という目的がある場合において提供されるサービスです。
デイサービスとは介護保険法において、”当該施設”において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生労働省令で定めるもの及び機能訓練やリハビリを行うこと(認知症対応型通所介護に該当するものを除く。)と定められています。
施設内でサポートを受けるものですので、例えば日帰り旅行など外出サービスのみを利用するという場合には、機能訓練等と関係のない「行事」としての外出という扱いとなり、原則として介護保険が適用されませんので注意が必要です。
外出サービスの利用を検討される際にはその可否においても自治体や事業所により異なりますので、各自治体の窓口やケアマネジャー、施設にご確認、相談をいただき、情報の案内を受けて下さい。