デイサービスで体操が行われる目的は?効果や基本の体操もご紹介

デイサービスを含めた介護施設では、さまざまなレクリエーションが実施されています。その中で体操を取り入れたレクを行っている施設は多く、利用者からも人気が高いようです。

そこで今回の記事では、デイサービスで体操を行う目的やその効果について解説します。

レクリエーションを企画において役立ちますと幸いです。

デイサービスでなぜ体操を行うの?

高齢になると体力や筋肉の力が低下し思うように身体を動かすことが出来なくなり、慢性的な運動不足に陥りやすい傾向にあります。また、それにより脳の刺激が減って認知機能も低下し認知症を引き起こす要因にもなりえます。

とは言え高齢者が激しい運動を行うとケガや転倒の恐れもあり問題となりますので、もっともおすすめな運動として「体操」を介護の現場で取り入れる事業所が多いのです。

効果を得るには続けることが大切ですが、体操は体への負担が少ないため高齢者の方でも継続しやすく、気軽に取り組んでもらえるという特徴があります。

デイサービスの体操で得られる効果は?

身体機能の維持・向上

体操は、加齢に伴う身体機能の低下を防ぎ、日常生活の質(QOL)を保つために最も重要です。

メリット具体的な効果
筋力の維持・向上定期的な体操により筋萎縮を防ぎ、立ち上がり、歩行、階段昇降などの日常動作に必要な力を保ちます。
転倒・骨折リスクの軽減筋力やバランス能力が向上し、転びにくい体を作ります。骨折による寝たきりを防ぐために極めて重要です。
柔軟性・関節機能の改善ストレッチにより関節の可動域が広がり、姿勢の改善や、腰痛・膝痛などの運動器のトラブルの軽減が期待できます。
心肺機能の向上有酸素運動を取り入れた体操は、心肺機能を高め、全身の血流を改善し、生活習慣病の予防につながります。
フレイル(虚弱)の予防・改善健康と要介護の間の状態であるフレイルからの改善を図り、健康寿命を延ばします。

認知機能の維持・活性化

体操は、脳への刺激となり、認知症の予防にも効果的です。

  • 認知症の予防:運動は脳の血流を促進し、脳神経の活性化を促します。
  • 「頭の体操」効果:数を数えながら、または右と左で違う動きをするなど、認知課題と全身運動を組み合わせるコグニサイズのような体操は、記憶力や注意力の改善に特に有効です。
  • 意欲と活力の向上:体を動かすことで気分がリフレッシュし、抑うつ気分を軽減し、生活への意欲を高めます。

精神的・社会的なメリット

集団での体操は、心の健康と社会とのつながりにも良い影響を与えます。

  • 社会的孤立の解消:地域の体操教室や施設でのグループ体操に参加することで、他者との交流の機会が増え、孤立感を軽減できます。
  • コミュニケーションの促進:仲間との共同作業や会話が生まれ、精神的な安定と生活の楽しみにつながります。
  • QOL(生活の質)の向上:体力や体型に自信が持てることで自己効力感が高まり、生きがいや満足感のある生活を送りやすくなります。
  • 介護負担の軽減:高齢者自身が健康を維持・向上することで、家族や介護スタッフの介助負担を間接的に減らすことにもつながります。

継続することが大切ですので、無理なく、ご自身の体力や興味に合った体操を見つけて楽しむことが最も重要です。

デイサービスで行われている基本の体操の流れ

それではデイサービスで高齢者向けによく行われている体操の基本的な内容を具体的に紹介します。上から順番に部位別で行いますが、基本的に立ったままでも椅子に座ったままでも行える簡単な動きですのでぜひレクリエーションの最初の取り組みに加えていただければと思います。

姿勢を整え、ゆっくり深呼吸を行いながら始めてください。

手首・足首の体操

両手を軽く握ってくるくるとまわし、足首も伸ばしたりつま先を床につけたままゆっくりと回すことで血行が良くなり柔軟性を高め、歩行の際の負担が軽減されたり転倒の予防にも効果があります。

難しければ両手を前に出してぶらぶらと揺らしたり、グーパーの動きを繰り返してストレッチする方法もおすすめです。

首・肩の体操

首をゆっくりとまわし、時計回りと反時計回り両方行ったら次は肩をゆっくり上げ下げします。

すると首や肩まわりの血行が促進し、つらいコリに効果があります。

胸の体操

両手を胸の前で合わせ手のひらに力を込めて押しあいます。こうすることで大胸筋という胸の筋肉を鍛えることができます。次に背中側で腕を組み、胸を大きく後ろに反らす運動を行いましょう。

このような体幹のストレッチは、肩甲骨や背中の筋肉をほぐし肩こりの解消に効果があります。日頃猫背の姿勢になりやすい方にも姿勢の改善としておすすめの体操です。

足の体操

椅子に座った状態のまま片方の足を前に伸ばし、つま先を上にあげて更に足指をグーパーします。ふくらはぎが伸び、足首やつま先の筋肉を鍛えると歩く時に力が入りやすくなり転倒予防にもなります。

足がつならないようゆっくりと様子を見ながら行うように注意してください。

腰の体操

椅子に座った状態でお腹にタオルやクッション等を置きます。そのまま前屈みの姿勢になったら次に腰に手を当てて後ろに身体を反らします。

腰が伸びるのを意識しながらゆっくり行いましょう。また、少しでも痛みがある場合は腰痛が悪化してしまいますので中止し、決して無理しない範囲で行ってください。

デイサービスでおすすめのその他の体操メニュー

上記で紹介した基本の体操以外にも、参加する人の能力や介護度に応じたトレーニングを組み合わせて提供することもおすすめです。

ボールを使った体操

直径15cm程のビニール製のボールを用意し、椅子に座った状態で両手に持ち、手のひら全体でゆっくりとボールを潰すように10秒程力を入れていきます。これを何回か繰り返します。

次に太ももの間にボールをはさんで、ゆっくりと足を閉じていくように10秒ほど力を入れます。こちらも何回か繰り返しましょう。

ボールを使うことで上半身も下半身も動かし、同時にお腹に力を入れることで腹筋も一緒に鍛えることが可能なのでおすすめです。

音楽を使った体操

高齢者の方に人気のある歌や音楽の情報を事前にヒアリングし、体操を行う際にCDやDVD、動画サイトで流しながら音楽に合わせてストレッチや体操を行うと、より楽しみながら取り組むことが出来ます。歌いながら体を動かすのも元気が出そうでおすすめです。

まとめ

デイサービスで行われている体操は、高齢者の方が心身の健康を維持・向上するための大きな効果が期待でき、国からも推奨されています。

全国の自治体が考案した体操動画を紹介するサービスが以下の厚生労働省が運営するサイトで公開されていますのでチェックしてみてはいかがでしょうか。

ご当地体操マップ

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