親や家族の介護が必要になったら、何が必要で何から始めたら良いのでしょうか。
突然はじまる介護に慌ててしまう方も多いかと思いますが、基本の知識だけでも持っておくことで、いざという時に必要以上に慌てることなく、落ち着いて進めることが出来るのではないかと思います。
そこで今回の記事では、「介護が必要になったらまずやるべきこと」についてを解説します。
これから介護がはじまる方はもちろん、将来のために知っておきたいという方にとってもおすすめの内容ですので、どうぞ最後までご覧いただき参考にしていただければ幸いです。
目次
介護が必要になったらやること1.介護の方法を決める
介護が必要になったらまずは自宅で介護をするのか、それとも施設に入居して介護を行ってもらうのかを考える必要があります。
どちらにするかによって、準備するものや流れが大きく変わるからです。
それでは選ぶポイントとしてそれぞれの特徴、メリットとデメリットを以下に紹介していきます。
在宅介護
在宅介護は同居する家族やヘルパーが訪問し、自宅で介護を行うことを言います。
環境が変わることがないため介護を受ける側にとっては精神的に負担がかからず、費用も抑えられるというメリットがあります。
ただその分、家庭の中で介護を行う家族にとっては身体的にも精神的にも負担が大きいこと、要介護者の状態に合わせて自宅をバリアフリーに改修する必要があるという点がデメリットとして大きいと言えます。
施設介護
施設介護は介護施設に入居して介護を受けることになります。
24時間365日、専門の職員、スタッフに介護や見守りの対応をしてもらえることが一番のメリットでしょう。家族も安心して預けられますし、介護の負担も解消されます。
一方でやはり在宅介護と比べて費用が高いこと、環境の変化により要介護者にとっては心身に大きなストレスがかかったり拒否反応を示す可能性がありますので注意しましょう。
介護が必要になったらやること2.各所への相談
次に介護が必要になったら必要となる手続きの流れについて説明していきます。
自治体や地域包括支援センター
介護が必要になったらお住まいの自治体にある担当窓口または地域包括支援センターに相談に行くこともおすすめです。
本当に介護が必要な状態なのか、在宅介護と施設介護どちらが良いのか、介護で利用できるサービスや支援にはどのようなものがあるのか等、不明な点や不安な点があれば何でも相談しましょう。
地域包括支援センターというのはあまり馴染みがないかも知れませんが、地域ごとに設置されており、65歳以上の高齢者を対象に介護や福祉、保健などの専門家が情報を提供したり相談を受けてくれる施設になっていますので、ぜひ活用してみて下さい。
医療機関
介護が必要になったら要介護認定を受け、認められると介護保険を利用することが可能となります。
介護保険サービスにはデイサービスなどさまざまな介護サービスがあり、費用の負担を軽減させることが出来ますので必ず申請しておきましょう。
その際、医師による意見書が必要になりますので、かかりつけの病院の主治医に事前に相談しておくと申請の際にスムーズに応じてもらえるでしょう。
主治医がいない場合には市区町村が指定する医師の診察を受けることになります。
介護が必要になったらやること3.要介護認定を受ける
上記で紹介した通り、介護が必要になったら介護保険を利用するために要介護認定を受けましょう。
申請は居住している自治体の役所または地域包括支援センターになります。
申請をすると市区町村から調査員が自宅に訪問し本人の状態を調査します。そして医師に意見書を作成してもらい、介護レベルがどの段階であるか専門家による判定が審査会で行われます。
要介護認定は「要支援」と「要介護」の区分に分けられ、軽い方から要支援1~2、要介護1~5と分かれており、介護度がどの段階にあるかによって利用できるサービスや利用料に対しかかる負担額の限度などが変わってきます。
申請してから結果が通知されるまでおよそ1ヶ月程度を要するため、早めに申請を行うことをおすすめします。
介護が必要になったらやること4.利用する介護サービスや施設を選定する
介護認定の認定を受けたら、担当のケアマネジャーに相談をしながらケアプランを作成してもらいます。
ケアプランとは介護サービスの計画書のことで、本人や家族の希望を聞き、目標を決めて具体的な介護サービスの内容を設定するものです。
利用または入居したい施設があれば、いきなり契約をするのではなく必ず見学や体験を申し込んで事前に直接施設を見るようにしましょう。
もちろん、どんな施設があるのかわからない場合はケアマネジャーに情報の案内してもらうことも出来ます。地域の事業所について理解が深いため、施設の概要や特徴、利用の条件など探す際に相談することをおすすめします。
そしていくつか実際に見てみてからどこに決めるかは比較検討の上、希望に合った施設を選び、ケアプランの内容に沿って事業者と契約を交わし、いざ介護が開始されます。
介護が必要になったら準備するもの
在宅介護にする場合、必要なものを先に把握しておくことでいざという時に慌てずスムーズに準備を進められます。
環境や状態によって必要なものは変わってきますが、ここでは基本的なものを紹介していきましょう。
まず自宅での生活をサポートするための福祉用具として、介護ベッド、車椅子、歩行器などです。
これらは購入だけでなくレンタルも可能で、介護保険が適用される場合もあります。
また、住宅に手すりを取り付けたり段差をなくすために工事を行う場合にも介護保険を適用できるケースが多くありますので必ず確認して下さい。
一方で施設に入居する場合、施設によって必要なものが異なりますので事前に確認をして必要なものだけ揃えていくようにしましょう。
多くの場合、排せつ関連のもの(紙おむつ、お尻拭き、尿取りパッドなど)食器(スプーン、おはし、お皿など)は自分たちで準備する場合が多いようです。
主な介護サービス、介護施設
介護が必要になったら利用したい主な介護サービスや介護保険施設について最後に紹介していきます。
介護サービスには「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」があり、「居宅サービス」には利用者の自宅で行う訪問サービス(訪問介護、訪問看護、訪問リハビリテーション等)、利用者が施設に通う通所サービス(デイサービス、デイケア)、一時的に短い期間だけ施設へ入所する短期入所サービス(ショートステイ、医療型ショートステイ等)があります。
「施設サービス」には特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設。
「地域密着型サービス」にはたくさんの種類があり、認知症に特化したサービスや施設などもあります。
いずれも食事や入浴、排せつなど、日常生活に必要な動作の介助を行ったり、介護予防や健康で自立した生活向け機能訓練などの支援を行ったり、病気や障害に対する医療的ケアを行ったりとその人の状況に合わせて適切なサービスを選択していくことが出来ます。