「老人は頭が頑固な人が多くコミュニケーションが取りずらい」「実家の両親が最近怒りやすくなった」「年を重ねると共に他人の言うことや意見に耳をかさなくなっている気がする。」
高齢になった親や周囲の老人に対し、このように感じることはありませんか?
今まで穏やかで柔軟な性格だったのに急に頑固になってしまい何かあったのか、病気ではないのかと心配や不安に駆られている方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回の記事では、年齢を重ねるごとに頑固になっていく原因やその対策、コミュニケーションのポイントについて解説してまいります。
どうぞ最後までご覧ください。
目次
老人が頑固になるのは「脳の老化」のせいだった!?
歳をとると足腰が弱ったり、目が見えにくくなったり、耳が遠くなったりと身体的な機能の低下が見られますが、判断力や理解力が弱ったり物覚えが悪くなったりと認知機能の機能の低下も現れてきます。
この認知機能の低下、いわゆる脳の老化によって、他人や自分のこと、そして新しい物事を理解することが難しくなり、段々とその思考や行動自体を負担に感じてきてしまうのです。
そうなると、上手くいかないこと、負担の大きいことにエネルギーを費やすことをやめ、自分が既に知っていること、正しいと思っていること以外は取り込まないようにする=頑固者になっていくのです。
特にこの世代の男性や会社で上の立場にいた男性は、過去の自分の立場や人からの見られ方にこだわる人が多く、歳を取って出来なくなってきた自分や人から何かを教えられる立場になったことに強い抵抗を示す方も多いため、より頑固になる傾向が高いようです。
老人が頑固になるのは「認知症」の症状である場合も・・・
老人が頑固になる上記以外の理由として、「認知症」が原因であるケースもあります。
認知症の初期症状には「性格の変化」という特徴がよく見られます。
認知症というと本人は何も分からなくなってしまうと思われがちですが、実際は自分自身の変化に不安や戸惑いを感じる方が非常に多く、忘れてしまうこと、新しい物事が覚えられないことなどを隠したい、受け入れたくないといった思いから周囲には頑固になったと感じられる振る舞いをするようになります。
また、認知症になると感情のコントロールが困難になるため、これまでには見られなかったような態度や暴言等が出てしまうこともあります。
家族や身近な人は、このような違和感や異常を感じたら早めに病院を受診させることが重要です。
頑固になった老人への対処法は?
老化や認知症により頑固になった高齢者とコミュニケーションを取ることは、なかなか難しいものです。
しかしそれで周りが接することをやめてしまっては、ますます頑固さが強く進むことでしょう。
日本は超高齢化社会という問題もあり、高齢者とコミュニケーションを取ることが必要な場面は今後ますます増えていきます。
そこで老人の頑固さが少し和らぐ、落ち着くような、よい方法はあるのでしょうか?以下に紹介していきます。
1.否定しない、感情的にならない
老人が頑固になる理由で説明した通り、なぜ頑固になっているのかは本人が無意識にでも心の中で一番分かっています。
そのため、何度言っても分からなかったり失敗してしまったりしても、周りがそのことを感情的に怒ったり否定することはやめましょう。
たとえ物事が理解できなくなっても意思は消えていませんしプライドもあります。心理的に拒否されると、そこからコミュニケーションを取ることは更に難しくなります。
人生の先輩として敬う気持ちを忘れず、まずは注意などをする前になぜ頑固な態度をとるのかを考え、出来なくなったことを手助けする寄り添う気持ちを持って接すると、それは必ず本人に伝わりますのでこれを続け、すると「この人は私を否定しない。」と感じ、次第に心を開き話を聞いてもらえやすくなる可能性があります。
2.話す時はゆっくりと丁寧に
早口だったり声が小さかったり言葉が足りなかったりすることで、相手が何を言っているのか分からないと感じそれ以上聞く耳を持たなくなってしまうケースもあります。
そのため、話し方や速度、声の大きさ等に注意することも必要です。
なるべくゆっくりと、わかりやすく話すことを意識し、返事を焦らせたりイライラするような態度を出さないように気を付けましょう。
また、座っている方を相手に話をする時は自分もしゃがんだり座ったりして目線を合わせることも大切です。
立ったまま見下ろす形で話されると威圧感を与えたり、見下しているような印象を与えてしまうため、目線の高さを合わせて安心して話せる状態を作りましょう。
3.新しい体験の楽しさを伝える
頑固になった老人の中には、若い頃の成功体験が忘れられずいつまでもそこにこだわっている方が少なくありません。
そしてそれは結果tとして「新しい経験で失敗することへの恐れ」にもつながっている場合もあります。
過去の栄光は過去の栄光として素晴らしい思い出として残し、まだまだ新しい体験の中で発見する楽しみや喜び、成功があることを分かってもらうことで新たな生きがいを見つけられるのです。
新しい人間関係、初めて食べる料理や食材、初めて行く場所などでも良いでしょう。
大きな成功でなくとも、日々の中で新たな「好き」を見つける小さな発見を楽しめるようサポートしてあげましょう。
自分たちで行うことが難しい場合は地域で行われている高齢者サークルへ参加したり、民間の高齢者向けサービスを利用することがおすすめです。
インターネットのサイトや地域包括支援センター等で情報を集めることが出来ます。