「同居している高齢者の家族の部屋が臭い」「在宅介護で介護特有のにおいが気になる」等、介護を始めたばかりで老人から発せられる独特な匂いに関する悩みや疑問をお持ちの方は少なくありません。
しかし臭いというのは人の尊厳にも関わり指摘しにくい問題です。そのため言われた人は大きなショックを受けるでしょう。
そこで今回の記事では、なぜ老人の部屋が臭いのか、その原因や在宅介護などで直面するさまざまな「ニオイ」の対策や方法について解説していきます。
現在は問題なくても、知っておけばいざという時に困らずに済みますので、どうぞ最後までご覧いただき参考にしていただければと思います。
老人の部屋が臭い原因は何?
高齢者の主なにおいの種類とその特徴について紹介していきます。
加齢臭
年齢を重ねるにつれて出てくる臭いの代表と言えば「加齢臭」です。
中高年特有の臭いで、よく「古本や枯草、古い畳に似たにおい」と表現されることがあります。
加齢によって汗や皮脂が酸化・分解されて出来る「ノネナール」という物質が臭いの原因で、更年期以降はどんどん強くなると言われています。また、ストレスも加齢臭を強くする要因の1つとされています。
口臭
年を取るにつれて唾液の分泌量が減り、口腔内が乾燥しやすくなることで雑菌が繁殖し臭いが発生します。
特に高齢者の場合、食事の時の噛む力や飲み込む力が低下し口の中に食べ物のカスが付着しやすく口臭の原因となったり、虫歯や歯周病があっても歯医者さんになかなか行かず口臭へとつながるケースが多くあります。
口臭は寝ている間にたくさん吐き出されるため、部屋全体に臭いが充満してしまうんですね。
排せつ臭
介護を行っている場合に気になるのは尿や便の排泄臭です。
おむつやポータブルトイレを使用している場合は特に深刻な悩みとなるでしょう。
排泄に関しては高齢者本人が悩んでいる場合が多いため、指摘したりすると深く傷つけてしまう可能性が高い反面、介護者や一緒に暮らす家族にとって大きなストレスとなる場合があるため、配慮が必要な問題となってきます。
すぐ出来るニオイの対策
以上のようにいくつかの原因で高齢者はニオイを発しやすい状況にありますが、仕方ないことだと放置してしまうと本人はもちろん、家族の生活にも支障が出たり生活の質を低下させかねません。
以下はすぐに取り組めるニオイの対処法です。ぜひ臭いにお悩みの場合はお試しください。
部屋はこまめに換気
部屋が臭う場合、やはり定期的に換気することが大切です。
最低でも1日1回は窓を開けて外の綺麗な空気を取り込みましょう。
室内で排泄をしている場合は、排泄の後にその都度少し窓を開けておいたり、冬場など寒くて窓が開けられない場合は空気清浄機や介護・ペット・タバコの臭い対策にも使える脱臭機なら時間や気温を気にせず利用できるためおすすめです。
消臭剤の活用
部屋用の置き型の消臭剤はドラッグストア等でたくさん販売されているため、手軽に購入することが可能です。使い方も気になる場所に置くだけと簡単です。
さまざまな商品がありますが、香りの強い芳香剤は避け、無香料や香りの弱い爽やかなもの、芳香ではなく脱臭のみのタイプを選ぶことがおすすめ。
また、部屋を掃除しても下着やシーツをこまめに取り替えてもなかなか臭いが取れないという相談がありますが、壁やベッド、カーテン等に臭いが付着しとれない可能性があります。
その場合、ファブリック用や空間用の消臭スプレーがおすすめです。
空間用のスプレーは「今すぐ悪臭を消したい!」という時にシューっとスプレーするだけで高い効果を実感できるため、臭いがきつく辛いという時は是非使ってみて下さい。
その際、人のいる方に向けて噴射しないようにすること、本人の前で行うと「臭い」と感じていることがあからさまなため、出来れば本人が在室している以外の時間に行うようにしましょう。
加齢臭向けや介護臭に特化した商品もありますので、臭いの原因によって探してみると良いですよ。
食生活の改善
日常の食事は臭いに大きな影響をもたらします。
例えば加齢臭であれば皮脂の酸化を抑制するために食事を見直すことが有効で、出来るだけ動物性脂肪を控え、ビタミンCやビタミンE、アントシアニンを含んだ食品を積極的に摂ると良いでしょう。
また、肉類やにんにく、香辛料などをたくさん摂りすぎると、口臭だけでなく体臭や排泄臭の原因になることもあります。
好きな食べ物であれば無理に減らすとストレスになってしまうので、「食べ過ぎない。他の食品もバランス良く食べる。」ということを意識してみましょう。