老人の安全のために導入したい見守りサービスの特徴と選び方

高齢者の両親や家族と離れて暮らしていたり、同居していても用事で外出し一人で留守番をお願いする際、「急に体調が悪くなったりケガをしたらどうしよう」「ちゃんと食事はできるだろうか」こんな心配をする人が多いと思います。

一人にさせるのが心配な老人がいる場合、同居したり老人ホーム等の施設へ入居させる等の解決方法はありますが、住んでいる環境を変えるというのは本人にとって大きな負担となるでしょう。

そこで活用したいのが「見守りサービス」です。

見守りサービスは暮らしはそのままに、本人や家族が安心して生活を送るための心強いサポートです。

そこで今回の記事では、数ある老人向けの見守りサービスの主な内容や、その中から選ぶ時のポイントについて解説します。

どうぞ最後までご覧いただき、参考にしていただければと思います。

老人向け見守りサービスの種類と特徴

老人向けの見守りサービスにはさまざまな種類がありますが、主なものとして訪問型、センサー型、カメラ型、アプリ型、宅配型、オート電話・オートメール型があります。

各種サービスの特徴を以下、説明してまいります。

訪問型の見守りサービス

訪問型はその名の通り、スタッフが定期的に自宅に訪れ、直接安否確認を行うサービスです。

訪問時には高齢者の方とお話をして食事の状況や健康状態の確認をしたり、何か悩みや心配事があれば相談にのってもらえます。

訪問ごとに記録がとられ、内容は家族に報告されます。

訪問型のみまもりサービスは主に水道、電気、ガスなどの会社や郵便局が実施しており、ある程度固定されたスタッフが担当する地域の巡回をしているため防犯対策にもつながります。

費用の相場は月に1回30分の訪問の場合は月額1,980円、60分で月額2,480円程度となっています。

他に厚生労働大臣から委託された相談員(民生委員)が担当している地域の中で介護や子育てに関する支援を行っており、高齢者に対して定期的に安否確認や声掛けといった活動、取り組みも行っています。

こちらは無料で利用が可能なため、心強い存在となるでしょう。

利用を希望する場合は、お住まいの自治体の窓口にお問合せ下さい。

センサー型の見守りサービス

センサー型は高齢者の自宅に専用の機器を設置し、センサーが感知して安否確認を行うことが可能です。

センサーが非常時と判断すると自宅までスタッフが駆けつけ、家族のスマートフォン等にも自動で通知がいくようになっています。

また、異常を感知するだけでなく長い時間「感知しない」状態も病気や転倒、転落によるケガで動けなくなっている可能性があるためチェックする必要があります。

機器を置く場所は一か所だけでなく、トイレや浴室などにも設置すると安心です。

費用の相場は契約料が約15,000円、月額の利用料が3,000円、機器代金が50,000円~となっており、訪問型と比べて初期費用が高い点がデメリットです。

その他にも火災やガス漏れ等のオプションサービスを提供している会社もありますので、予算や必要に応じて契約しましょう。

カメラ型の見守りサービス

センサーではなくカメラを自宅に設置して24時間・365日監視を行う見守りサービスです。

カメラ型のメリットは、カメラを通して遠方の家族がいつでも高齢者の状態を把握し、見守ることができる点です。

また、緊急時の呼びかけにも対応しています。

主に使用されているカメラは簡単に設置ができる簡易なタイプで、工事などは特に必要ありません。

多くの場合、録画機能も搭載されているので、リアルタイムに確認できない時や何か起こった際に家族側で過去の映像で確認することも可能です。

映像はスマートフォンだけでなくPCやタブレット等のデバイスにも対応しています。

セキュリティ会社が主体となってサービスを提供しているため、何かあった時に迅速に駆けつけてくれるという安心感もあります。

費用はセンサー型と同様に契約料と月額利用料、カメラの設置代等がかかり、契約料が50,000円前後、月額利用料が8,000円以上とセンサー型より更に高額な傾向にあります。

アプリ型の見守りサービス

最近はセンサーやカメラよりも手軽に導入できるアプリ型の見守りサービスも人気です。

スマートフォンの機能を使うため、位置情報で居場所の特定や動きの感知、緊急事態が発生した時のメッセージ送信、外出時や帰宅時の通知などがあり便利ですが、中にはスマートフォンを持ちたくない、操作に慣れないと感じる高齢者の方もいらっしゃいます。

とはいえ無料でできるサービスも多く、まずは見守りサービスを試してみたいという方には非常におすすめです。

宅配型の見守りサービス

お弁当等の食事の宅配の際に、高齢者の安否確認を行うのが宅配型の見守りサービスです。

訪問型と似ていますね。

宅配される食事は高齢者向けに作られており、柔らかさや味付け、食材なども健康に配慮されたメニューがほとんどです。

一人暮らしや一人で留守番をする際の食事の心配も一緒に解消できるので、家族にとっても安心でしょう。

ただし、基本は宅配サービスの延長でスタッフに専門の知識があるとは限らないため、介護や栄養に関するサービスは求めずあくまで「食事の提供と日常生活の会話や安否確認が出来るサービス」として利用するのがおすすめです。

費用としては週5回、1日2食とした場合、月額で約20,000円程が目安です。

オート電話・オートメール型の見守りサービス

紹介した見守りサービスの中では最もリーズナブルな料金で利用できるサービスです。

毎日決められた時間にサービスの提供会社から電話またはメールが高齢者に配信され、電話であればプッシュボタンで質問に回答し、メールの場合もスマホのボタンを押すだけの簡単な操作でその日の健康状態を選択肢の中から選んで返信するだけのシンプルな流れです。

もちろん家族はそのメッセージ内容を確認することができます。

費用は紹介の契約料と月額利用料がかかることが多く、契約料は2,000円程度、月額利用料は800円~1,200円程度と安価なケースが多いです。

老人向け見守りサービスの選び方

上記で紹介したそれぞれのサービスの特徴を元に希望に合ったサービスを選んでみると良いですが、それ以外にも契約する前に確認しておきたいポイントがいくつかあります。

本人の意向

見守りサービスを利用する上で一番大切なのが、親の意向を確認して尊重するということです。

家族にとっては心配であれこれサービスを導入したいものですが、常に監視されることへの抵抗や知らない人の訪問に対応することで生活リズムが崩れると感じる人も少なくありません。

無理強いせず、まずはサービスの内容をしっかりと伝え、その上で本人がどう思うか、どうしたいかということを聞いて話し合い、双方が納得した上で利用を開始するようにしましょう。

目的

見守りサービスを利用する目的や状況を整理しましょう。

見守りが必要な頻度や時間、カメラが必要か通知だけでも良いのか等を整理することで、利用するサービスが選びやすくなります。

アプリ等の手軽に利用できるサービスから始めて、状況が変化すればその時に最適なものをまた選ぶと良いでしょう。

費用

見守りサービスによっては費用が高額なものもあり、特に24時間対応や緊急時に駆けつけるサービスがある場合には料金が高くなる傾向です。

目的に合わせて内容を選ぶのが一番ですが、長期的に無理せず利用できることが大切なので予算に見合うサービスを検討しましょう。

専門家に相談する

以上のことを踏まえたところ何を選べば良いのか分からないという時には、自治体の窓口や地域包括支援センター、ケアマネジャー等の専門家に相談するというのも手です。

自治体が事業として提供しているサービスの案内もしてもらえますので、迷った時には相談してみましょう。

まとめ

以上のように老人向けの見守りサービスにはさまざまなタイプがあります。

安心、安全の備えとしてお客様の目的や状況に応じて上手にサービスを使いましょう。

本サイトでは他にも高齢者の介護に関連するさまざまな情報を発信しておりますので、ぜひ合わせてご覧いただければ幸いです。

要介護認定の等級とは?8段階に分けられる基準と申請の流れを解説します

デイサービス等の介護保険サービスを受けるためには要介護認定を受ける必要があります。

要介護認定には8段階の等級があり、その程度によって受けられるサービスは異なります。

また、要介護認定を受けることで自分自身や家族の身体の状況を知ることが出来るため、身体の機能を維持、向上、改善するための指針としても役立つでしょう。

そこで今回の記事では、要介護認定で定められている等級ごとの基準や特徴を中心に、介護認定を受ける流れについても合わせて解説します。

ぜひ最後までご覧いただき、皆様の参考にしていただければと思います。

要介護認定とは

要介護認定で判定される等級は、その人の介護の必要性の度合いを表します。

それを元に、介護保険サービスにてどの程度の介護や介助、支援を受ける必要があるのかを判断するのです。

要介護認定には「要支援」と「要介護」の2種類に分けられます。

更にその中で要支援1~2、要介護1~5、自立の合計8段階の等級に細かく分類されます。

要支援は基本的に一人で生活できるものの部分的な介助が必要な状態。要介護は運動機能の低下だけでなく、思考力や理解力の低下も見られる状態です。

基本的に要支援に認定されれば介護予防サービスを、要介護に認定されれば介護サービスを利用することが可能です。

そして要介護認定を受けてどの区分にも当てはまらない場合は「非該当、自立」と認定され、その場合は介護保険サービスを利用することは原則出来ません。

要介護認定の等級別で見る身体の状態

それでは次に、要介護認定で分けられる各等級ごとの心身の状態を以下、紹介します。

自立

一人で生活を送ることが可能で日常生活に支援や見守りが必要ない状態。

自立に認定されると介護保険の給付を受けられないため、介護サービスの利用を希望する場合は費用を全額自己負担する必要があります。

また、利用できる介護サービスにも制限があります。

要支援1

基本的な日常生活動作は自分で行えるが、一部の複雑な動作には見守りや手助けが必要な状態。

適切な介護や支援を受けることで要介護状態になることを予防することが期待できます。

要支援2

基本的な日常生活は自分で行えるが筋肉が衰え、歩行・立ち上がりが不安定になり、要支援1と比較して介助を必要とする場面が多くなります。

適切な介護や支援を受けることで要介護状態になることを予防することが期待できますが、介護が必要になる可能性も高いです。

要介護1

基本的には一人で生活できるものの要支援2と比べて運動機能は更に低下し、日常生活や立ち上がり、歩行に一部介助が必要となります。

また、思考力や理解力といった認知機能の低下や問題行動も少し見られる状態です。

要介護2

食事や入浴、排泄、掃除といった基本動作にも部分的に介助が必要で、要介護1よりもケアが必要です。

認知機能の低下や問題行動も見られます。

要介護3

日常生活の基本動作全般に介助が必要となります。

立ち上がる際や歩行時には杖や歩行器、車椅子を使用し、認知機能も低下して見守りが必要な状態です。問題行動も見られます。

要介護4

要介護3以上に全面的な介助が必要な状態で、認知機能の著しい低下や問題行動が見られます。

要介護5

介護なしでは生活することは出来ず、意思の疎通も困難な状態です。

要介護認定の等級は介護にかかる時間を基準に決められる

要介護認定の等級を判断する際、厚生労働省が定めた「要介護認定基準時間」という介護にかかる手間と時間を基準としています。

以下は要介護度ごとに定められた要介護認定基準時間の一覧になります。

 

要支援1:25分以上32分未満

要支援2、要介護1:32分以上50分未満

要介護2:50分以上70分未満

要介護3:70分以上90分未満

要介護4:90分以上110分未満

要介護5:110分以上

要支援と要介護を分かれ目となるポイント

要介護認定の等級の中で判断が分かりにくいのが要支援2と要介護1の部分です。

要支援になるか要介護になるかによって介護保険の支給限度基準や利用できるサービスに大きな違いが出てくるため、気になるところですよね。

その分かれ目となる目安は2つあります。

一つは認知機能の低下や認知症の有無です。

要支援は身体的な運動機能の低下だけが見られますが、ここに思考力や理解力といった認知機能の低下が見られると要介護と判定されます。

二つ目は、今の状態が半年以内に大きく変わる可能性があると主治医からの意見書や調査によって判断されると、要介護1の判定になります。

両方が当てはまる場合はもちろん、どちらか片方が当てはまった場合も要介護と判定される可能性は高くなります。

要介護認定を受ける方法

要介護認定を受けたい場合、介護者が住んでいる市町村の窓口に申請を行います。

費用はかかりません。

申請から判定までには地域にもよりますが平均1ヶ月程度、長くて2ヶ月程度かかるため、早めの申請をおすすめします。

認定結果については有効期限があり、新規の場合は6ヶ月。更新の場合は12ヶ月になります。

1.申請に必要なものを準備する

要介護認定の申請には、介護保険の被保険者証(第2号被保険者の場合は健康保険の保険証)とマイナンバーカードが必要です。

また、本人が申請出来ない理由がある場合は代理申請を行うことも可能で、その場合は家族、地域包括支援センターの職員、居宅介護支援事業者、介護保険施設に入居中の場合はそこの職員、入院中の場合は病院のソーシャルワーカーが代理人になれます。

2.調査

要介護認定の申請後、調査員(市区町村の職員か委託を受けたケアマネジャー)が申請者の自宅を訪問し調査を行います。

調査の内容は本人の心身状態、日常生活の様子、家族や住まいの環境について聞き取りが実施されます。これは全国共通です。

3.主治医の意見書

市区町村の依頼に基づき、申請者のかかりつけ医が作成します。

かかりつけ医がいない場合は市区町村が紹介する医師に診てもらうことになります。

これは要介護認定を更新する時にも受ける必要があります。

4.一次判定

一次判定はコンピュータによる判定です。

訪問調査での内容と主治医の意見書を対象に判定されます。

5.二次判定

二次判定は一次判定を元に保健、医療、福祉の専門家によって構成される介護認定審査会で行われます。

6.判定、通知

審査会による審査結果に基づいて最終的な等級が決まります。

結果は申請者本人に通知されます。

もしこの認定結果に納得がいかない場合は再審査請求を行うことが出来ますので、役所に相談しましょう。

また、それでも納得がいかない結果であればそれぞれの都道府県に設置されている介護保険審査会に不服申し立てを行うことが可能です。

まとめ

要介護認定の等級ごとの基準となる心身の状態について解説してまいりました。

要支援と要介護の違いには認知機能の低下の有無がポイントとなります。

また、要介護の認定を受けた後は個々の状態や希望に合わせたケアプランをケアマネジャーに作成してもらい、デイサービスや訪問介護といった適切な介護サービスを受けることが可能となります。

寝たきりであっても利用することが出来るサービスはたくさんありますので、高齢者が必要な介護を受けるためにも要介護認定を受けることをおすすめします。

当サイトではこの他、高齢者のサポートに関連する情報を発信しておりますので、ぜひ合わせてご覧いただければと思います。

要介護認定で受け取れる給付金は?判定基準や給付金の内容、認知症の場合についても解説

高齢者や障がい者等の介護が必要となった場合、本人やその家族にとって精神的、身体的なものだけでなく経済的な負担も大きくなります。

そんな時に活用したいのが「介護給付金」という制度。

実は意外と多くの人がこの給付金について正確な情報を知らず受け取れないまま介護生活を送っているようです。

そこで今回の記事では、介護によって受け取ることができる給付金の種類やその概要について解説します。

どうぞ最後までご覧いただき、参考にしていただければと思います。

介護で受け取れる給付金とは

介護給付金とは、65歳以上の高齢者や障がいを抱えた人々が安心して日常生活を送るために必要な費用を補助する目的で給付されるお金のことで、サービスや適切なサポートを受けられるよう支援する介護給付制度の一環として行われています。

介護保険の被保険者の負担を軽減し、介護サービスの費用を抑えられるというメリットがあります。

給付金を受け取れる対象は?

給付金は誰でも受け取れるというわけではなく、介護保険の被保険者として認定された人、または要支援、要介護認定を受けた人が対象者となっています。

具体的には介護保険に加入し、要介護1~5、要支援1~2の認定を受けている方です。

実際に給付を受けるには、ケアプランと呼ばれる介護サービス計画を作成する必要があり、ケアマネジャーが作成をします。

ただし給付金によっては年齢、介護保険の加入期間等の条件がそれぞれ決められているものもあります。

詳細な情報については、居住している自治体の窓口や介護保険制度を担当している機関に問合せを行い確認していただくことがおすすめです。

要介護認定で判定される身体状態の目安

それでは要介護認定で判定される介護度別の身体の状態はどのようなものなのか、一覧で紹介します。

<要支援1>

要介護状態とは認められないが、社会的支援を必要とする状態

食事や排せつ等はほとんどひとりでできるが、立ち上がりや片足での立位保持などの動作に何らかの支えを必要とすることがある。入浴や掃除など、日常生活の一部に見守りや手助けが必要な場合がある。

<要支援2・要介護1>

生活の一部について部分的に介護を必要とする状態

食事や排泄などはほとんどひとりでできるが、日常生活に見守りや手助けが必要な場合がある。立ち上がりや歩行などに不安定さがみられることが多い。問題行動や理解の低下がみられることがある。この状態に該当する人のうち、適切な介護予防サービスの利用により、状態の維持や、改善が見込まれる人については要支援2と認定される。

<要介護2>

軽度の介護を必要とする状態

食事や排泄に何らかの介助を必要とすることがある。立ち上がりや片足での立位保持、歩行などに何らかの支えが必要。衣服の着脱は何とかできる。物忘れや直前の行動の理解の一部に低下がみられることがある。

<要介護3>

中等度の介護を必要とする状態

食事や排泄に一部介助が必要。立ち上がりや片足での立位保持などがひとりでできない。入浴や衣服の着脱などに全面的な介助が必要。いくつかの問題行動や理解の低下がみられることがある。

<要介護4>

重度の介護を必要とする状態

食事にときどき介助が必要で、排泄、入浴、衣服の着脱には全面的な介助が必要。立ち上がりや両足での立位保持がひとりではほとんどできない。多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられることがある。

<要介護5>

最重度の介護を必要とする状態

食事や排泄がひとりでできないなど、日常生活を遂行する能力は著しく低下している。歩行や両足での立位保持はほとんどできない。意思の伝達がほとんどできない場合が多い。

介護給付金と予防給付金

上記で説明した介護給付金と似たものの中に「予防給付金」という制度があります。

介護給付金は介護が必要な人に対し介護にかかる費用の一部を補助するもので、他に介護サービスや介護用品の提供といったものもあります。

一方、予防給付金はというとその名の通り介護を予防する取り組みや健康を増進するための活動を行う方々に対し、その活動に関連する費用を助成する目的で設置された制度になります。

目的は異なりますが、大きく見ると高齢者や障がい者の方々の生活の質や健康を向上させるという意味で同じ様に重要な役割を持った制度と言えます。

介護給付金はいくらもえるの?

それでは皆様が気になるであろう介護給付金の額について説明していきましょう。

結論から申しますと、介護給付金の給付額は日本の介護保険制度において評価された7つの段階の区分によって異なります。

以下、詳しく紹介していきます。

<要支援1>

給付金は対象外。しかし予防給付等の一部のサービスが提供されるケースも。

<要支援2>

月額1,000~2,000円程度の給付金を支給

<要介護1>

月額5,000円程度の給付金を支給

<要介護2>

月額10,000円程度の給付金を支給

<要介護3>

月額20,000円程度の給付金を支給

<要介護4>

月額30,000円程度の給付金を支給

<要介護5>

月額40,000円程度の給付金を支給

以上の金額はあくまで目安であり、”程度”としているのは都道府県や市町村によって介護保険の条例が異なる場合があるためです。

概ね要介護度が1上がる度に給付金の額は10,000円程度高くなりますね。

介護認定の区分ごとの自己負担額は?

要介護認定で決定された区分ごとに、利用できるサービスに上限が設けられています(支給限度基準額)。

この限度額基準内であれば、利用したサービスに費用の自己負担は1割。それを超えるサービスを利用する場合は介護保険は使用できず全額が自己負担となりますので注意しましょう。

<各介護度区分の限度額>

要支援1:50,320円

要支援2:105,310円

要介護1:167,650円

要介護2:197,050円

要介護3:270,480円

要介護4:309,380円

要介護5:362,170円

自己負担額は所得によっても変わります。所得の合計が160万円未満(年金の収入なら280万円)であれば1割ですが、所得の合計が160万円以上の人は2割負担になります。

また、2018年8月からは更に所得が高額の人に対して3割へと変更されました。

介護給付を利用できるサービスの種類

以上で説明したとおり、介護給付はサービスに対しても支給されます。

給付対象となっている介護サービスには「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3つに分けられます。

それぞれの特徴としては、居宅サービスは自宅で介護を受けている方に向け提供されるサービスで、具体的には訪問介護、訪問入浴介護、通所介護、デイサービス、ショートステイといったものがあります。

施設サービスは介護施設に入所している方が対象で、介護老人福祉施設、介護療養型医療施設、介護医療院、介護付き有料老人ホーム等があります。

そして地域密着型サービスは自宅で暮らしている方も介護施設に入居されている方も対象となり、訪問看護や訪問リハビリテーション、居宅介護支援、地域包括支援センター等、お住まいの地域に密着したサービスのことを指します。

また、サービスによって運営の母体が違います。

<都道府県、政令市、中核市が指定・監督を行う介護サービス>

・居宅介護サービス

特定施設入居者生活介護

福祉用具貸与

・訪問サービス

訪問介護(ホームヘルプサービス)

訪問入浴介護

訪問看護

訪問リハビリテーション

居宅療養管理指導

・通所サービス

通所介護(デイサービス)

通所リハビリテーション(デイケア)

・短期入所サービス

短期入所生活介護(ショートステイ)

短期入所療養介護

・施設サービス

介護老人福祉施設

介護老人保健施設

介護療養型医療施設

介護医療院

<市町村が指定・監督を行う介護サービス>

・地域密着型介護サービス

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

夜間対応型訪問介護

地域密着型通所介護

認知症対応型通所介護

小規模多機能型居宅介護

看護小規模多機能型居宅介護

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

地域密着型特定施設入居者生活介護

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)

 

上記の他に、福祉用具(歩行を補助する歩行器や杖、シルバーカー、特殊寝台など)の購入やレンタル、住宅の改修(スロープや手すりを取り付ける工事など)、介護予防や日常生活支援総合事業もあります。

認知症でもらえる給付金はある?

次に、認知症と診断された場合の給付金や支援制度について紹介していきましょう。

認知症の場合症状の進行に応じ必要な支援の内容は変わってきますので、医師から診断を受けた際は適切なサポートを受けるためにはお住まいの地域にある地域包括支援センターに相談するのが先決です。

そして、認知症になっても出来る限り自分で自立した生活を継続できるよう、さまざまな制度を活用していきましょう。

介護保険サービスでは、上記で紹介したように介護認定を受けた本人の生活の介助や、その家族の休息を設けるためのサービスです。

介護保険料は原則として年金から天引きされますが、40歳~65歳までの人の場合は健康保険料に加算されて徴収されています。

利用する際は市区町村の介護保険を担当する窓口に申請し、主治医による意見書や訪問調査を経て要介護度を判定してもらいます。

また、精神障害者保健福祉手帳を申請し取得することで、公共交通機関や公共施設の利用料金が割引されたり、税金の控除、減免といったサービスを受けることが可能です。

就労が困難となり経済的な困窮の恐れがある場合は生活保護を受けたり、生活福祉資金貸付制度を利用する方法もあります。

その他、特別障害者手当や家族介護慰労金、医療費の支援など、それぞれの要件を満たすことで得られる給付金がありますので、ぜひ自治体の窓口や地域包括支援センターに当てはまる制度はないか確認してみて下さい。

老人が食欲不振になる原因は?リスクや対策も紹介

高齢になると食が細くなり体重が減少してしまう人が少なくありません。

加齢により仕方のないこと、当たり前のこととして本人も周囲の家族も何となく受け入れてしまいますが、その原因や引き起こす恐れのある問題を理解しておく必要があります。

そこで今回の記事では、老人が食欲不振になる原因とそこから考えられる疾患、対策について解説してまいります。

どうぞ最後までご覧いただき、高齢者の健康のための参考にしていただければと思います。

老人が食欲不振になる原因は?

それでは早速、高齢者が食欲不振となってしまう主な原因を紹介します。

1.加齢によるもの

老人の食欲不振でまず考えられる原因は加齢です。

人は歳をとることで身体の機能が低下していきます。その中で内蔵の機能、胃や腸などの消化器官の衰えにより、食事をした後に食べ物が胃の中に長い時間残り空腹を感じなくなったり、唾液の分泌が減り口の中が不快になったり、咀嚼力(噛む力)や嚥下(飲み込む力)が上手く出来なくなり食べる意欲がなくなってしまうようになるのです。

加齢によるこのような変化は誰にでも訪れる自然現象であり特別な病気というわけではありませんが、食は健康に直結する重要な要素ですのでさまざまな工夫をして食事が出来るよう対策をすることが大切です。

また、次にご紹介しますが病気が潜んでいる可能性もありますので、食欲低下を感じるようならまずは病院を受診するようにしましょう。

2.病気によるもの

病気が要因で食欲不振となっている可能性もあります。

代表的な疾患には、胃がん、膵がん、胃・十二指腸潰瘍、慢性膵炎、肝硬変等の器質的な疾患です。

若いと腹痛などの症状が現れますが、高齢になると知覚の衰えにより痛みに気付きにくくなることがあり、自覚症状が出た時点でかなり病気が進行してしまっているケースもあります。

他にも認知症になると脳の機能が低下し食事が困難になることもあります。

そのため、食欲がないけど他の症状がないから大丈夫だろうと思わず、早めに検査を受け、適切な治療を受けることをおすすめします。

3.環境によるもの

日本では核家族化が進み、一人暮らしをしている高齢者が増えています。

年齢関係なく独りで食事をするのは味気なく楽しいと感じられない人は多いですし、自分が食べるだけのために調理や食事の準備をするのは負担が大きいと感じ、食事の内容が適当になってしまう

ことも少なくありません。

そのため、毎日ではなくても出来るだけ家族や友人と一緒にご飯を食べたり、あるいは外に出かけて外食をする等、環境を変える機会を作ることも大切です。

4.ストレスによるもの

何か精神的にストレスを抱えていて食欲不振となってしまっていることも考えられます。

介護を受けている方だと食事の介助をしてもらうことに気を遣ったり、食べ物をこぼしたりむせてしまうことにストレスを感じ、食事の時間が嫌になってしまうことも多いのです。

一人で心の中に溜め込み外に出せない人もいらっしゃいますので、周りの人は何か悩みや不安を持っていないか日々の様子を見ながら対応する必要があります。

老人の食欲不振が引き起こすリスク

それでは実際に食欲不振となり食べる量が減ってしまうとどのようなリスクを引き起こしてしまうのでしょうか。

低栄養

食欲不振が原因で低栄養となるリスクが高まります。

エネルギーやたんぱく質、ビタミン等、健康を維持するために必要な栄養素が不足すると、筋肉量が減って歩いたり立ったりといった日常生活に必要な動作や運動能力が低下し、活動量が減ってお腹が空かないというループに陥ります。

また、骨が弱くなって骨折しやすくなったり寝たきりや要介護の状態になってしまう可能性もあるため注意が必要です。

低血糖

最近、生活習慣病の予防やダイエットでも話題になる「血糖値」ですが、血糖値は食事によって上昇します。

低血糖とは、この血糖値が正常の範囲以下に下がり、眠気やめまい、疲労といった症状を引き起こし、それが慢性的に続くことで「フレイル」と呼ばれる健康障害が起こりやすい状態になるのです。

脱水

食欲不振により食事の量が減った高齢者の方は、食物に含まれる水分を体に吸収することができないため、脱水症状を引き起こしやすくなります。

脱水は心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる大きな病気の引き金になることがあるため、例え食事がとれなくても水分だけはしっかり摂取するように気を付けなければなりません。

薬の副作用

服薬している薬によっては食欲不振の副作用が現れることがあります。

服薬の中止や減量、他の薬へ変更してもらうことで改善されることがありますので、医師に相談しましょう。

老人の食欲不振への対策

高齢者の方が食欲不振となっている時は、無理に食べさせるのではなく食べられるような、食べたくなるような工夫をしてあげることが大切です。そこでいくつかおすすめの方法を紹介します。

盛り付けの工夫

食欲不振の時は見るだけでお腹いっぱい、という気持ちになり食欲がなくなる可能性があるため、盛り付ける際に完食できるくらい少なめ、品数も減らしてあげると良いでしょう。

全部食べなければというプレッシャーを感じずに済むこと、完食できた時に自信につながること等の効果が期待できます。もっと食べたいという時に追加していきましょう。

また、食欲を高めるような彩りになるよう見た目にも工夫するとよいでしょう。

環境づくりの工夫

食べる時の環境は食欲に影響します。

一人暮らしの高齢者の場合は、家族や友人と食事を食べる約束をしたり、外出して行ってみたいお店に食べに行ってみたり、デイサービス等の介護施設を利用して他の利用者と一緒に食事を摂るなど環境を変えてみると食欲が高まるかも知れません。

好きな物を食べる

高齢者の方が食欲がなくても好きなものなら食べられるかも知れません。

好きな食べ物なら楽しみながら食べられますし、もっと食べたいと意欲が沸いてくる可能性もあります。

とはいえ、毎食好きな物ばかりだと栄養のバランスが偏ってしまうこと、味覚が鈍くなって味が濃いめ、特に塩分が多くなりがちなので気を付けましょう。

タイミングの工夫

朝・昼・晩、決まった時間に食べることは生活リズムを整える上で大切なことではありますが、お腹が空いていないのに食事の時間だからと無理に食事の席につかせることは止めましょう。

お腹が空いていなければ少し体を動かしたり、本人が食べたいなと思ったタイミングに合わせて食事が出来るよう配慮すると前向きに楽しむことが出来ると思います。

生活改善

食欲を回復させるには、食生活だけでなく規則正しい生活や生活習慣の改善をさせることも重要です。

高齢になり運動量が減って運動不足になっている場合は、お散歩や家事などで毎日軽くでも体を動かすよう心がけると空腹を感じたり、リフレッシュにもなって精神にも良い影響あるでしょう。

また、十分に睡眠が摂れていない場合、疲労が蓄積して体調不良の原因になることがあります。特に高齢者は眠りが浅くなったりトイレが近く夜中に起きてしまう等の理由で睡眠不足になることもありますので気を付けましょう。

高齢者向け宅配弁当サービスを利用する

一人暮らし等で食事の用意が大変な高齢者の方には、高齢者の健康を考え、高齢者に必要な栄養やバランスを考え、食べやすいよう工夫されたお弁当や介護食を自宅まで配達してくれるサービスを利用することもおすすめです。

サイトで検索するとたくさんの業者の情報が出てきますので、配達エリアを確認しお試ししてみてはいかがでしょうか?

定期的な配達を契約すると安否確認としても活用することが出来ます。

老人の食欲がない時におすすめのメニュー

高齢者の方が食欲不振でも食べやすい食材や献立を紹介します。

まず、食欲がない時は冷たい物が比較的食べやすいとされています。そこでゼリーやプリン、ヨーグルトやアイスクリームは冷たいだけでなく柔らかくて食べやすいためおすすめです。ただし、糖分を摂り過ぎないよう気を付けましょう。

温かいものがほしい時はスープや味噌汁、もう少し食べられそうな時は、お粥やうどん、茶碗蒸しは胃腸に優しくエネルギー以外に水分補給も期待できます。

まとめ

老人の食欲不振は加齢による自然な現象でもあるため、本当は病気や精神的なストレス等の原因が隠れていても気付かれにくいことがあります。

放置するとさまざまなリスクを引き起こすことがあるため、最近食事の量が減ったな、食事を楽しんでいないなと感じたら病院を受診したり、何か心配なことはないか声をかけ心のケアをすることが大切です。

また、盛り付けや環境、タイミングやメニュー等を工夫することもポイントです。

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通話のみ利用できる老人向け携帯の選び方

最近の携帯電話は機能が多過ぎて、老人が使用するにはちょっと複雑ですよね。しかし、いわゆるガラケー用の3GサービスはKDDIもソフドバンクもすでに終了していて、残るNTTドコモも2026年3月末でサービスが終了しますので、スマホへ移行するのは避けられませんが、多機能なスマホでは使いこなせないと言うのが実情だと思います

実際、「使い方がわからない。通話のみできれば良い。」と、スマホを敬遠する高齢者も多くいらっしゃいます。

しかし2023年に行われた総務省による調べによると、日本のスマートフォンやガラケーを含めた携帯電話の保有率は8割以上となっており、今や「持っていて当たり前」の時代。

特にiPhoneやandroidといったスマホやiPad等のタブレット端末の普及は急速に拡大し、PCの代わりにインターネットを利用するモバイル端末として一家に一台、あるいは複数台所有している世帯が多く見られます。

携帯電話はどこにいても連絡の取れる方法であるため、拒否されつつも「安全確認のためにも親に持ってほしい」と言う家族からの声が多いのも事実。

そこで今回の記事では、お年寄りでも簡単に操作が可能な通話のみの携帯プランや機種、老人向けの便利なサービスについて解説いたします。

どうぞ最後までご覧いただき、ケータイを持つ際の参考にしていただければと思います。

これから携帯を持つ場合は通話のみでもスマホ・ガラホを選択

携帯電話の種類は大きく分けて「ガラケー」と「スマホ」に分けられますが、見た目の違いではなく、正確には3G回線を利用して通信を行う携帯のことをガラケーと呼びます。

そして3G回線はサービスの終了が決定しており、大手キャリアの状況としてauは既に終了、ソフトバンクは2024年1月で終了、ドコモは2026年3月に終了を予定しています。

そのためこれから新規でガラケーの契約を行うことは出来ません。

老人は古いものの方が安心でき、新しいものは触る前から「分からない、難しい」と決めつけて敬遠する傾向にあり、携帯に関しても同様です。

実際はスマホの方がディスプレイが大きく文字が見やすい、そしてタッチパネルで見たままに必要なものをタッチするだけで簡単に操作できるため実は老人向けと言えるかも知れません。

とはいえ見慣れないため取っつきにくいと感じている人には、「ガラホ」と呼ばれる見た目はガラケーで4G LTE回線を利用して通信を行うガラケーとスマホを混ぜ合わせたような機種も増えているためおすすめです。

老人向けおすすめ携帯

それでは以下、2024年3月時点でキャリアやサブブランド別に高齢者でも使いやすいおすすめの機種を紹介してまいります。

DoCoMo(ドコモ)

ドコモには「らくらくスマートフォン(らくらくホン・あんしんスマホ)」というシニア向けのシリーズがあり、高齢者や小さなお子様に人気となっています。

ボタンが一つのみと非常にシンプルで、初めてでも使いやすいのが特徴。また、ドコモショップではスマホ教室など使い方を教えてくれるイベントを開催しているので、使い方に困っている方やスマホへの乗換えが不安な方でも安心して挑戦することが出来ます。

ahamo(アハモ)

ahamoはドコモの格安プランであるブランドです。

その中でおすすめは「Galaxy A23 」。理由は「かんたんモード」に対応しているからです。

かんたんモードに設定すると画面の下に3か所の連絡先を登録でき、電話をかけたい時にワンタッチで発信することが可能になります。

通話のみできれば良いと考える高齢者の方にはピッタリの機能でしょう。

また、本体には防水や防塵といった機能も備わっており落下にも強いのが嬉しいポイントです。

KDDI・au

auでシニア向けに展開しているスマホは「BASIO」シリーズです。

アイコンが大きくて見やすく、ahamoと同じようにホーム画面の下に連絡先を3件まで登録することが可能です。

また、auで「BASIO」を購入し契約すると、毎日最初にスマホを操作した際に登録した相手へ「元気だよ」のメールを自動送信してくれるサービスがついてくるため、家族と離れて暮らしている高齢者に大変おすすめです。

POVO

auのオンライン専用ブランドであるPOVOは、機種というよりもプランに特徴があり何と基本料が0円。必要な分だけオプションをつければ良いので他の会社と比べ料金を安く抑えることが可能なのです。

通話のみ必要であれば「通話かけ放題」のプランをつけることで月額1,650円、5分以内の通話かけ放題であれば月々550円で利用できます。

また、他社からの乗り換えや契約に関する手数料も無料なため、初期費用が一切かからないというメリットもあります。

手続きはすべてオンラインで完結し、解約であっても契約者のメールアドレスのみ分かればOK。

もし利用者が亡くなってしまっても簡単に解約が可能です。

UQモバイル

UQモバイルはauの中の格安SIMブランドで、シニア向けとしては「AQUOS sense7」という機種があります。

防水、防塵、耐衝撃、更に劣化しにくい大容量のバッテリーを搭載していることから、壊れにくく長く使い続けられるという特徴があります。

マスクをしたまま顔認証でロックを解除できる点も非常に便利です。

また、60歳以上の方は24時間かけ放題を880円で利用できるため、POVOと比較して割安です。

SoftBank(ソフトバンク)

ソフトバンクではSHARPの「シンプルシリーズ」がシニア向けの機種となります。

大画面でアイコンや文字が大きく表示されるため高齢の方でも見やすく、電話やメールに関しても使いやすいよう配慮されている設計です。

また、ボタンを押すだけでサポートしてくれるオペレーターに相談することが出来るため、操作で分からないことがあった時にも安心です。

ワイモバイル

ワイモバイルはソフトバンクのサブブランドで、「かんたんスマホ」が発売されています。

こちらも操作が簡単なのはもちろん、高齢者の方にとって嬉しい歩数計の機能がついていたり、LINEやPayPay等、今や欠かすことのできないサービスも購入してすぐに利用可能です。

また、世界で初めて抗菌、抗ウイルス認証も獲得しており、アルコール消毒やハンドソープでの洗浄にも対応しているため、清潔に安心して利用したい方にもおすすめです。

楽天モバイル

楽天モバイルでは、シニア向けと謳っている機種の販売はしていませんが、初心者向けにシンプルな使いやすい機種の取り扱いがあります。

「AQUOS wish4」には「かんたんモード」が設定でき、シンプルなホーム画面に変更することが出来るのですがアイコンの大きさは小さめ。

また、通話内容を自動で録音してくれる機能があるため、大事な話の内容や聞き取りにくかった話を後から聞き返すことが出来ます。

見るからにシニア向けと分かるものではなくおしゃれでシンプルに使いたいという方にはおすすめです。

老人向け携帯を選ぶ時のポイント

高齢者の方が携帯電話を選ぶ時にチェックしておきたいポイントをまとめました。

画面がシンプル

ホーム画面に色々なアイコンが並んでいると、一体どれが何なのかわからずお年寄りは混乱してしまいます。

そのため、画面がシンプルで必要なアプリだけが並ぶ、またはボタンのあるものを選びましょう。 

画面が大きい

画面やアイコン、文字の小さいものはお年寄りには見にくいため、画面はできるだけ大きくアイコンや文字が大きく表示されるものを選ぶことは重要です。

また、明るさを調整を簡単に出来る事も見やすさのポイントとなります。

操作が簡単

電源や通話、スピーカーの音量調整等、よく使うボタンが押しやすく操作するボタンが大きいと安心して使えます。

スマホの場合、ほとんどの機能はボタンをタップすれば使えるものが多いですが、それでも機能が増えるとその分複雑になってきますので実際に店舗で自分で触ってみて選ぶと良いでしょう。

充電がしやすい

意外と盲点となりがちですが、携帯の充電ケーブルの差し込み口が小さいと高齢者にとって充電の度に大変な作業が強いられます。

そのため、差し込み口が大きかったり置くだけで充電できるモデルがおすすめです。

音声入力に対応している

スマホに機種変更した場合、最初につまずくのが文字入力の方法でしょう。

慣れるまではハードルが高く苦手と感じる高齢者の方はかなり多いです。

そこで音声入力を行えるものを選ぶと、上手く文字を入力でき無い時も簡単に長い文章を作成することが可能です。

迷惑電話防止機能

迷惑電話のブロックや着信拒否といった機能が利用できることも大切です。

キャリアや機種によってそれぞれサービスの利用方法が異なりますので、家族やカスタマーサポートスタッフに設定してもらうようにしましょう。

緊急時のサポート機能

最近のスマホには、救急車などへの通報や現在の居場所を表示するGPSが備わっているものが多いため、高齢者の方やそのご家族にぜひ活用していただきたい機能です。

また、上記で説明したようにシニア向け携帯にはよく使う連絡先をホーム画面に登録することが出来る機種が多いため、緊急時、何かあった時にすぐ連絡できるものを選ぶことも大切です。

老人が携帯利用をする際の注意点と対策

高齢者の方が携帯を利用する際に注意したい点とその対策について紹介します。

アプリへの課金

スマホは無料で使えるサービスがたくさんありますが、使用する中で広告が表示されたり、これ以上の期間またはサービスを利用する場合は有料になる、というケースも非常に多く、よく分からずクリックてしまい知らない内に課金されるようになってしまった、というご相談はとても多いのです。

中には高額請求を行うために偽サイトに誘導する広告やメッセージが届く問題もあるため、分からないものはクリックしないよう注意することが重要です。

こまめにスリープ状態にする

多くのスマホは電源ボタンを押すと画面が暗くなりスリープ状態にすることが出来ます。

スリープにすることで、その後画面に誤って触れてしまっても誤操作を防ぐことが出来るのです。

使わないまま一定の時間が経てばスリープ状態になりますが、その間に誤操作してしまうことも考えられるため、操作が終わったらスリープにすることを習慣化するよう、最初は意識して行うようにしましょう。

通話後は必ず切る

通話をした後に切り忘れて高い通話料を請求されてしまった、ということにならないよう、最後に必ず通話を終了するボタンを押すように気を付けましょう。相手から切った場合は操作は不要ですが、お互い忘れてしまった場合は大変です。

LINEのように通話料が無料のアプリも多くありますので、そのようなサービスを使って通話することもおすすめです。

データ通信に気を付ける

基本的にスマホでインターネットを使用し通話やメッセージ、カメラで撮影した写真のやりとり、動画の視聴等を行うとデータ通信料がかかります。

通話のみ利用する場合はあまり問題になることはないかと思いますが、契約しているプランによって一定の通信を行うと速度制限がかかったり、代金の支払いが高くなる場合があるため注意が必要です。

また、本体のデータ容量を最大まで使ってしまうと新たなデータの保存が出来なくなったり通信速度が遅くなることもあります。

そのため、自宅にWi-Fiが接続できる環境にある場合は、ネットを使用する前に必ず設定を済ませておくようにしましょう。

また、データを多く使う予定がある場合は、最初からデータ容量を無制限に利用できるプランを契約すると良いかと思います。

サービス対象のエリアかどうかを確認する

契約するキャリアがお住まいのエリアをサービスの対象となっているか、音声の品質はどうか、申し込みをする前に念のため確認しておきましょう。

対象エリアであっても建物の位置によっては電波が入りずらくなっていることもあります。

老人向けのおトクな割引サービス、キャンペーン

携帯各社では「シニア割」等、60歳以上の方に対して基本料や通話料などの割引やキャンペーンを実施し、通常よりも安い料金で契約できることがよくあります。

また、新規契約や機種変更、他社からの乗り換えなど条件によって適用される割引、家族で使用すると適用される「家族割」等もあります。

どのスマホにするか迷った時は、費用を抑えお得に利用できるプランを持った会社を選んでみるのもおすすめです。

まとめ

最近の携帯はスペックが高く便利になった反面、高齢者にとっては操作が難しくなりました。

しかし、シニア向けの端末やサービスもありますので、高齢者の方が携帯を持つ時は今回ご紹介したようなものを選ぶと快適に使用できるかと思います。

また、新機種や新機能も常に発売されていますので、最新の情報や価格、詳細につきましては各会社に確認して検討するようにして下さい。

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老人が喜ぶプレゼントはどんなもの?

お年寄りへのプレゼント選び。どんなものなら喜んでもらえるか悩みの種ですよね。

そこで今回の記事では、老人へのプレゼントとして人気上位の商品や祖父、祖母それぞれにおすすめのプレゼントのアイディアをご紹介します。

最後までチェックしていただき、プレゼントを探す際の選び方の参考にしていただければと思います。

老人へプレゼントを渡す日

老人へ日頃の感謝を伝えるためのプレゼント。何でもない日に贈るのももちろん素敵ですが、せっかくなら記念日に合わせて渡してみてはいかがでしょうか?

プレゼントを贈るのに最適な記念日を以下に紹介します。

・誕生日

・敬老の日

・父の日/母の日

・両親/祖父母の結婚記念日(金婚式・銀婚式など)

・長寿祝い(還暦・古希・喜寿・傘寿・米寿・卒寿など)

・退院のお祝い

・クリスマス

この他にも、まだ現役で働いている方なら昇進祝いや、入院などをしている方へのお見舞い等、贈り物をするシーンは意外と多くありそうです。

老人が喜ぶプレゼントの予算は?

プレゼントの予算はプレゼント選びにおいて悩むポイントの1つ。関係性や贈る側の年齢、お祝いの内容によっても異なりますが、自分にとって負担になり過ぎず無理のない、相手に気を使わせない価格におさめることが大切です。

相場としては1,000円~5,000円の間が良いでしょう。

高齢者の方にとってプレゼントの品物以上に、気持ちのやりとりの方がよりうれしいと感じられるかと思います。

老人が喜ぶプレゼント トップ10

老人へのプレゼントを贈る日として最も多い敬老の日のプレゼントにおいて、ギフトモールの売上データをもとにギフトのプロの方がランキングを発表しておりましたので、そのランキングを参考に高齢者の方がもらって嬉しいプレゼント、トップ10に入った商品の一覧を紹介します。

 

・和菓子

老人の方への食べ物のプレゼントとして人気の和菓子は、豊富な種類の中からお好みに合わせて選ぶことができること、見た目が美しいこと、そして予算内で選べるものが多くおすすめです。

普段、甘い物を食べないという方にはフルーツが入った大福や甘さ控えめのヘルシーなお菓子を選ぶとよいでしょう。和菓子は洋菓子と比べて賞味期限が長いものが多いという点も選ばれるポイントです。

 

・食器

毎日の食事に使う器も年配の方に喜ばれるプレゼントです。

名前やメッセージを入れるサービスを行っている会社やお店もありますので記念になりますし、健康の要である食事をする度に大切な家族や知人からもらった器を目にすることで、幸せを感じ食事もより美味しく楽しむことが出来るのではないでしょうか。

 

・グルメ

普段はなかなか食べられない肉や魚介類等のグルメギフトも喜ばれます。

高級レストランで食べるようなメニューを自宅でゆっくり味わえるのも良いですよね。

北海道の海鮮ギフトやうなぎ、和牛等が人気です。

 

・雑貨

実用的な日用雑貨のプレゼントは、気軽に受け取ってもらえるものもたくさんあるのでちょっとした贈り物におすすめです。

老眼鏡を入れるメガネケースやタオル、ハンカチ、扇子等に名入れを施してもらえば日用品に特別感が出ます。

 

・マグカップ、タンブラー

お茶やコーヒー、紅茶、スープ、お酒など、プレゼントを贈る方が好きなドリンクに合わせたコップもおすすめです。

最近は真空断熱で冷たい飲み物は冷たく、熱いものは熱く保冷保温効果のあるタンブラーも人気で喜ばれます。

デザインもさまざまなので、選ぶ楽しさもありますね。

 

・健康グッズ

老人へのプレゼントならではの健康グッズも人気の高いプレゼントです。

肩こりや首こり、腰痛向けのマッサージ器や低周波治療器、血圧計もおすすめです。昔ながらの「孫の手」も、実はいまだに人気の高い商品です。

 

・寝具

健康で長生きするためには、睡眠環境を整えることが大切です。

そんな願いを込め、その人にフィットする枕やシルク等の肌触りの良い素材のパジャマ、シーツ等のプレゼントはいかがでしょうか?

快適に寝るサポートにおすすめです。

 

・生活家電

生活家電は本当に便利なものが増えましたね。

高齢者の方にとって、家事の負担が軽くなる家電はQOLが上がり日々の生活をサポートしてくれる力強い助っ人となってくれます。一人暮らしをしている方にもおすすめです。

中でも人気なのは布団乾燥機や空気清浄機、お掃除ロボットやコードレス掃除機です。

 

・椅子

座っていることの多いシニアの方には座椅子も喜ばれます。

リクライニング機能や回転するもの等、好みやライフスタイルに合わせて選びましょう。

 

・洋菓子

和菓子よりも洋菓子派の方には、少し華やかでおしゃれなスイーツがおすすめ。

老人が喜ぶ抹茶味のケーキやプリン、彩り綺麗な季節の果物のゼリー、アイスクリームの詰め合わせセット等、洋菓子は歯が悪い高齢者でもソフトで美味しく食べられるものが多いの魅力です。

おばあちゃんが喜ぶプレゼント

それでは次に”おばあちゃん”が喜ぶプレゼントに絞って紹介します。

 

・花

贈り物の定番として女性に人気のフラワーギフトはおばあちゃんにも人気のプレゼント。

花束やミニブーケ、長持ちするブリザードフラワー等、花といってもさまざまな種類があります。

ぬいぐるみ付きやバルーン付などかわいい凝ったアレンジや包装もありインテリアのアクセントにもなります。

目に入るたびにやさしい気持ちや明るい気分にさせてくれるお花のプレゼントはいつでも嬉しいものですね。

 

・ファッション小物

おしゃれなおばあちゃんにはファッション系のプレゼントもおすすめです。

大人の女性に似合う上質な生地のものや冬の防寒、夏の日除けに役立つもの等も人気です。

UVカット機能付きの帽子、上品なカシミヤのストール等はいかがですか。

また、国産にこだわり、日本製の服や小物を選んであげると高齢者の世代の方に喜ばれます。

 

・キッチン用品

お料理好きのおばあちゃんにはキッチン用品もおすすめです。

有名なブランドのルクルーゼの鍋や野菜を簡単に細かく刻めるチョッパー、食材と調味料を入れるだけで料理が完成するワンダーシェフや圧力鍋など、使いやすくて便利なグッズがたくさんあります。

 

・バッグ

外出する機会の多いおばあちゃんには軽量でおしゃれなバッグはいかがですか?

出来れば両手のあくショルダータイプのバッグや、旅行や買い物に使用できるカートタイプのものもおすすめです。

お出かけが楽しみになるようなバッグをぜひ贈りたいですよね。

 

・コスメ

どんな年代になっても、女性は綺麗になると嬉しいもの。

あまりお化粧をする機会がなくなったというおばあちゃんでも、コスメをプレゼントしてお化粧をしたらウキウキしてくるはず。

肌への刺激が少ない優しい自然素材の成分で作られたコスメは特にお年寄りにおすすめです。

おじいちゃんが喜ぶプレゼント

それでは次におじいちゃんに喜ばれる主なプレゼントを紹介します。

 

・趣味のグッズ

シニア世代の男性はゴルフや将棋、庭仕事、釣り等、趣味に打ち込む人が多く、それぞれに役立つアイテムをプレゼントすると喜ばれます。

いつも使っているものとは違うオリジナルなデザインのものを探してみましょう。

HOWTO物のDVDなんかもおすすめです。

 

・靴

ちょっとした贈り物であれば本革の高級な靴よりも健康のためのウォーキングや趣味のお散歩に、歩きやすいシューズもおすすめです。

しかし靴はその人の足に合ったものを選ぶことが重要なので、出来れば一緒にお店に行って試してみてもらってから購入すると良いでしょう。

 

・お酒

お酒が好きなおじいちゃんには少し良いお酒や、お酒を入れる素敵なグラスをプレゼントするのはいかがでしょうか。

色の美しい琉球ガラスや切子グラスがおすすめです。

老人が喜ぶその他のプレゼント

以上でご紹介したプレゼントの他にも、環境や状況に合わせてさまざまなプレゼントが考えられます。

例えば、ペットを飼っているのであればペット用品、動物好きの方ならねこや犬をモチーフとした商品、車好きならカーグッズ、スマホ、アート、文房具、温泉のチケットや陶芸の体験etc…

また、好きなものを本人に選んでもらえるカタログギフトという手もあります。

そしてわざわざ販売されている商品を購入しなくても、手作りのプレゼントというのもとても喜ばれるでしょう。

例えば子どもが描いた似顔絵や家族みんなで書いた寄せ書き、素敵なフォトフレームに入れたみんなで撮った写真など、きっと喜ばれるはずです。

老人が喜ぶプレゼント、どこで探す?

プレゼントを買いに行く場所はデパート等のショッピング施設ももちろん良いですが、取り扱っている商品の種類やカラー、サイズが限られていてぴったりのプレゼントを探すことが出来ないこともあるでしょう。

そのため、やはりおすすめなのはネットショッピングです。

お店を探し回る手間が不要で、家にいながらたくさんの商品の中から厳選してプレゼントを選び注文することが可能ですし、無料でラッピングやメッセージカードに対応してくれるショップも多くあり、希望の住所に指定した日付や時間に届けてもらえるため非常に便利です。

加えて一定の金額以上の購入で送料が無料になるケースも多いですよね。

まとめ

いかがでしたか?

老人が喜ぶプレゼントにはどんなものが良いのか分からない、という人は多いですが、こうしてみると意外とたくさんの候補がありますよね。

また、本人と日常でコミュニケーションを取る中で、どんなものを欲しいと思っているのかリサーチしておくと良いでしょう。

しかしプレゼントで大切なのは「ありがとう」という気持ちをしっかり伝えることであり、その気持ちが一番喜ばれることでしょう。

本サイトでは他にも高齢者や介護に関連した情報をたくさん発信しておりますので、ぜひあわせてご覧ください。

老人向け介護施設の種類と選び方の基準

介護施設や老人ホームは種類が非常に多く名称も似ているため、何がどんな施設なのか、違いや特徴を把握することはとても難しいものです。

そのため自分自身や家族の状況や目的に合った条件に該当する施設を絞り探した方が効率的でしょう。

そこで今回の記事では、高齢者の状態によって向いている施設を分類し、それぞれの大まかな費用や条件についての概要をまとめ一覧で紹介します。

また、施設選びについてのポイントも合わせて解説しますので、どうぞ最後までご覧いただき参考にしていただければと思います。

老人向け介護施設の種類

介護施設、老人ホームの中で主なものを以下に紹介します。費用についてはあくまで目安です。詳細はご希望の施設にお問合せください。

 

・特別養護老人ホーム(特養)

初期費用:0円

月額:6~15万円

入居条件:要介護度3以上

 

・介護付き有料老人ホーム

初期費用:0~数千万円

月額:15~35万円

入居条件:要介護度1以上

 

・住居型有料老人ホーム

初期費用:0~数千万円

月額:15~35万円

入居条件:自立から可能

 

・グループホーム

初期費用:0~数百万円

月額:15~30万円

入居条件:要支援2以上

 

・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

初期費用:0~数十万円

月額:10~30万円

入居条件:自立から可能

 

・介護老人保健施設(老健)

初期費用:0円

月額:9~20万円

入居条件:要介護度1以上

 

・介護医療院(介護療養型医療施設)

初期費用:0円

月額:10~20万円

入居条件:要介護度1以上

 

・ケアハウス(軽費老人ホームC型)

初期費用:0~数百万円

月額:7~20万円

入居条件:自立から可能

 

・シニア向け分譲マンション

初期費用:数千万円~数億円

月額:数十万円

入居条件:自立から要支援2まで

老人向け介護施設を選ぶ基準

上記の施設の概要を見ていただいても分かるように、介護施設は初期費用で選ぶか、毎月かかる料金で選ぶか、入居条件で選ぶか、といったことが選択する上で大きな要件になるかと思います。

この他にも認知症でも入居や利用が可能か、終身(看取り)が可能かといったことも状況によって入ってくるでしょう。

そこで次は介護施設の種類をそれぞれの各要素ごとに分類していきましょう。

費用

介護施設や老人ホームには、入居する時に支払う必要がある入居一時金と、月々支払う月額料金があります。

特に入居一時金は0円の施設から数億円までと非常に幅広く、探す施設を絞る際の参考となるでしょう。

負担する費用は運営が国の介護保険の制度や自治体などの公的な機関の場合は安く、民間の場合は高い傾向にありますが、民間は公的と比較してサービスの内容や設備が充実しています。

ちなみに入居一時金が0円の施設はその分、月額の費用が高くなる傾向にあるためしっかりと確認しましょう。

それでは相場から見て費用が安い→高い順に記載していきます。

<安>

特別養護老人ホーム

介護付き有料老人ホーム

住宅型有料老人ホーム

グループホーム

サービス付き高齢者向け住宅

介護老人保健施設

介護医療院

ケアハウス

シニア向け分譲マンション

<高>

要介護度

介護施設は入居できる状態として介護度を設けているところがほとんどです。要介護認定を受けて認定を受けることで入所が可能となる施設がある一方で、健康で自立している方が対象で介護が必要な状態になると利用が不可となり退去しなければならない施設もあるため注意が必要です。

また、外部の介護サービスと契約が可能か、配置される職種や医療機関との連携の有無をチェックすることも大切です。

<自立向け>

住宅型有料老人ホーム

サービス付き高齢者向け住宅

ケアハウス

シニア向け分譲マンション

<要支援以上>

特別養護老人ホーム

介護付き有料老人ホーム

グループホーム

介護老人保健施設

介護医療院

認知症の有無

認知症の患者に対しては、介護施設に適切な対応ができる専門の知識を持った職員やスタッフが常駐している必要があります。

中でもグループホームは認知症と診断された高齢者を対象とした専用の施設で、家庭的な環境の中でほかの入居者と一緒に共同生活を送ることが出来ますが、一方で医療ケアが必要な場合は入居できないケースもあります。

以下に紹介する介護施設はそのすべてが認知症の受け入れをしているというわけではなく、一部の施設では対応していないこともありますので必ず事前に確認して下さい。

・グループホーム

・特別養護老人ホーム

・介護付き有料老人ホーム

・住宅型有料老人ホーム

・介護老人保健施設

・介護医療院

看取りの有無

看取りに関しても施設によって対応が可能か異なりますし、その種類は限定されていて数としては少ないと言えます。

その中で介護医療院はすべての施設で看取りが可能となっています。

以下の施設に関しては、認知症と同様に施設によっては対応出来ないところもありますので、あらかじめ確認して下さい。

・介護医療院

・特別養護老人ホーム

・介護付き有料老人ホーム

・住宅型有料老人ホーム

・介護老人保健施設

・グループホーム

特定施設

行政に運営の届出をし、介護保険法によって定められた基準を満たし、更に都道府県知事または市区町村から事業指定を受けた施設を「特定施設」と呼びます。

行政からのお墨付きがあるということで、介護施設に対し不安のある方には大きな選択肢となるでしょう。

入居者はケアマネジャーにケアプランを作成してもらい、それを基に介助やリハビリ等を行います。

特定施設の対象となるのは、

・有料老人ホーム

・サービス付き高齢者向け住宅(一部)

・ケアハウス

・養護老人ホーム

であり、特定施設の指定を受けている有料老人ホームはパンフレットやホームページ等に「介護付」と名乗ることが可能となります。

老人向けの在宅介護サービスの種類

以上のような入居するタイプの介護施設の他に、居宅(居室)で在宅しながら利用できる介護サービスもあります。

必要なサービスを身体の状態に合わせた方法で受けられるので、自宅で暮らすことを希望される方におすすめです。

訪問介護(ホームヘルプサービス)

訪問介護はヘルパーが自宅に訪問し、買い物や掃除、入浴、洗濯、排泄、衣服の着脱等、日常生活に必要な生活支援を行ってくれるサービスです。

基本は要介護1~5に認定された方が対象のサービスですが、要支援認定を受けた場合は「介護予防訪問介護」という形のサービスを利用することが可能です。

夜間対応型の訪問介護と併用することで24時間体制で介護や介助を受けることも出来ます。

訪問看護

訪問看護は看護師や理学療法士などの専門家が自宅に訪問し、担当の医師の指示に基づいた医療的な処置、補助、健康の管理、食事の指導、口腔ケア、膀胱カテーテルといったその人の健康状態に合わせた医療サービスを提供します。

要支援1から要介護5まで幅広い方が利用可となっていて、訪問介護よりも医療に力を入れている点が大きな違いとなっています。

訪問入浴介護

その名の通り自宅での入浴をサポートとしてもらえるサービスで、看護師や介護士が訪問します。

要支援1から要介護5までの自宅の浴槽での入浴が困難な人が利用できます。

また、入浴だけでなく身体を拭くサービスも可能です。

訪問リハビリテーション

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が自宅に訪問し、離床、寝返り、起き上がり、歩行など、身体や言葉などの機能を回復するための訓練やリハビリを通して自立に向けた支援を行ってくれるサービスです。

要支援1から要介護5までの人が利用可能です。

居宅療養管理指導

他の訪問サービスと違い、こちらは医師が直接自宅に訪問し栄養管理や指導を行ってくれるサービスです。

生活習慣病の持病のある人、入院や入所の判断が必要な要支援1から要介護5までの人が対象となっています。

通所介護(デイサービス)

通所介護は一般的にデイサービスと呼ばれ、多くの高齢者に利用されている人気の介護保険施設です。

事業所の車で自宅から施設まで送迎があり、機能訓練やレクリエーション、食事や入浴等の介助を受けることが出来ます。

介護というよりは日常生活の向上を目指したサービスで、定期的に外出することで気分転換やストレス、運動不足の解消となったり、普段介護を行う同居の家族が休息できる時間を作る役割もあります。

基本的に65歳以上の要介護1~5の方が対象となっています。

通所介護の中には地域密着型通所介護という名の定員が18人以下の少人数、小規模な施設があったり、認知症のケアに特化した認知症対応型通所介護というサービスもあります。

通所リハビリテーション(デイケア)

通称デイケアと呼ばれるサービスで、主治医が決めた施設に通いながらリハビリを受ける施設です。

デイサービスよりも医療的ケアが中心となっていて、要支援1から要介護5の方が対象です。

短期入所生活介護(ショートステイ)

ショートステイは介護施設に短期的に入所して利用できる施設で、1日から利用可能です。

デイサービスで行われるようなサポートを宿泊しながら受けられるため、家族が外出しなくてはならなかったり休息が必要な場合などさまざまな理由や緊急時に高齢の家族を一人で家に残すことなく安心して見てもらうことが出来ます。

ショートステイには医療型もあり、医療的なサポートをしてくれる施設もありますので健康状態に不安な方はこちらを利用できるか相談してみると良いでしょう。

小規模多機能型居宅介護

訪問、通所、宿泊の3つの中から利用者の希望に応じ、サービスを提供してもらえます。

内容は生活支援や機能訓練、介護となり、要支援1から要介護5までの方が対象です。

ちなみにこちらのサービスを利用している間は訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、福祉用具以外のサービスを併用して受けることが出来ないため、注意しましょう。

老人向け介護施設の中で気を付けたいポイント

介護施設の中には特別な条件が必要な施設もあります。

例えば認知症の方を対象とし、5~9人を一つのユニットとして共同で生活を行うグループホームは、施設のある市区町村に住民票を持っていることが必要です。また、一つの事業所に設置できるのは3ユニット(最大27人)までと決まっています。

また、入居費用が安く人気の特別養護老人ホームには、部屋のタイプがユニット型個室の新型と、従来型個室、多床室の旧型があり費用は異なること、そして地域によっては申し込んでも待機が多く長期に及ぶケースもあります。

介護老人保健施設は病院と自宅の中間となり、退院をした後、すぐに在宅での生活が難しい要介護1以上の方が入居し、在宅への復帰を目指す施設であるため、原則、入居できる期間は3~6ヶ月とされています。

サービス付き高齢者向け住宅については60歳から入居が可能なバリアフリー構造の賃貸住宅になります。安否の確認や生活に関連するさまざまな相談が出来るといったメリットがあり、普通のマンションと変わらないような自由な生活を送ることができ、一人暮らしはもちろん、夫婦での入居も可能です。

しかし一般的なサ高住では介護度や認知症が進んで場合、暮らし続けることは出来ません。

その際は特定施設の指定を受けた介護型のサ高住に住み替えを検討されることをおすすめします。

老人が体操で得られる効果と注意点は?基本の体操も紹介します。

デイサービス等の介護施設では、自立への支援やケアを行う中で機能訓練やレクリエーションの一貫として「体操」を取り入れている施設が多くあります。

老人が体操を行うことには多くのメリットがあり、ぜひ習慣として取り組んでいただきたいところ。

そこで今回の記事では、高齢者が体操を行うことで得られる効果や実施する際の注意点について解説いたします。

どうぞ最後までご覧いただき、参考にしていただければと思います。

老人が体操で得られる効果

老人が体操を行うことで得られると言われている効果には以下のようなものがあります。

・身体機能の維持、向上、改善

・運動不足の解消

・認知症の予防

・QOL(生活の質)の向上

・介護予防

・孤立感の解消

等。体操は身体的な効果だけでなく、参加している他の利用者や仲間たちと一緒に行うことによって精神面にも良い影響をもたらします。

また、機能低下を予防することで同居する家族の介護による負担を軽減させることにもつながります。

運動やトレーニング、リハビリをやるとなると億劫に感じてしまう方でも、体操なら気軽に始められそうですよね。

体操のメリット

なぜ、老人に体操を良いと言われているのでしょうか。その理由は上記のさまざまな効果の他にもいくつかあります。

まず、特別な道具を用意しなくても気軽に、そして簡単な方法で実施できる体操がたくさんあること。

もちろんタオルやボールなどの道具を使った体操や椅子や床に座ったまま出来る体操、寝ながら出来る体操もありますので、その人の状態や希望に合わせて強度を変えたりさまざまなバリエーションの中からメニューを組むことが可能な点も大きなメリットと言えます。

老人が体操を行う際の3つの注意点

高齢者の方が楽しく、安全に体操を行えるよういくつか注意したい点を紹介します。

体操の前に健康状態をチェックする

体操は体に良いものの、体調が悪い時に行うと症状を悪化させてしまう恐れがありますので注意が必要です。

そのため、体操を行う前には毎回必ず血圧や体温等、健康状態のチェック(バイタルチェック)を行いましょう。

体操中の変化もチェックする

体操をする前は問題がなくても、始まってから体調を崩したり痛みが出るケースもあります。

そのため体操を行っている間も状態を常に確認し、声かけも行いながら必要に応じて体操の内容を変更したり、場合によっては中止する等の対応を行いましょう。

体操の目的を決める

体操の効果をより高めるためには、それぞれの人の状態や目標に合わせたメニューを組むことが大切です。

体を柔軟にしたい、上半身を鍛えたい、体幹を鍛えたい、下半身を強化したい等、最初に目的を決めることで具体的にどんな体操をするべきか内容を決めやすくなります。

老人におすすめの基本的な体操

それではすぐに始められる高齢者向けの主な基本の体操をいくつか紹介します。ぜひお試しくださいね。

首の体操

椅子に姿勢良く座り手を軽く膝に置く、または立った状態で腰に手をあて、首をゆっくりと前、後ろ、右、左に倒します。

それぞれ10回程度を目安に行いましょう。首を倒す際は、ゆっくり息を吐きながら倒すとよりストレッチ効果が得られます。

首の柔軟性を高めることは肩こりや首こりの解消の他、咀嚼や嚥下機能を改善させる効果が期待できます。

肩の体操

椅子に姿勢良く座り手を軽く膝に置く、または立つ場合は腰に手をあてた状態で息を吸いながら両方の肩を力を込めて上へ上げます。次に息を吐きながら両肩の力を抜いて下にストンと落としましょう。

それぞれ5回程度繰り返します。

肩の体操は上半身の柔軟性を高め、衣服の着脱や風呂で頭や体を洗う動作をスムーズにさせる等の効果が期待できます。

脚の体操

椅子に腰をかけて片足を前に伸ばします。そのまま体を前にゆっくり倒していき、前に出した方の足首、ふくらはぎ、膝裏、太ももの裏の伸びを感じましょう。

心地よく伸ばしたら反対側の脚も同様に行います。

慣れてきたら前に出す足のつま先を天井に向けてみましょう。

この体操は腰痛の予防や姿勢の改善にも効果がありおすすめです。

口腔体操

まずは口を閉じ、そこから「パッ」と声を出して大きく口を開きます。次に舌を上あごにつけ「タッ」と声を出します。次は「カッ」と声を出してのどの動きを感じ、最後に舌を巻いて前歯の裏につけて「ラッ」と言いましょう。

「パタカラ体操」と呼ばれるもので、食べ物を食べる時に必要な筋肉を鍛えたり、表情筋を鍛えることが出来ます。

足指の体操

椅子や床に座って足の指をギュッと丸めグーの状態にします。次に足の親指を上に上げてチョキにします。そして最後は全部の指を思い切り開いてパーにします。

これを5回程繰り返しましょう。

足指の体操はしっかりと歩くために必要な足裏のアーチを保ち、外反母趾や偏平足を防ぎます。

老人向け体操の探し方

高齢者向けの体操は、雑誌やインターネットサイトの他に、Youtubeなどでも多くのコンテンツが紹介されています。新しいものも随時更新されますし、動画だと動きが分かりやすくて良いですよね。

体の仕組みを理解している作業療法士や理学療法士、介護士など専門の知識を持った人がクリエイターや監修を行っているチャンネルを参考にすることをおすすめします。

老人の食事で注意すべきこと。介助のポイントも解説します

老人が健康で長生きするために「食事」は非常に大切な要素になります。

何を食べるのか、どのように食べるのか。

高齢者ならではの食事で注意したいこと、気にかけなければならないことは多いため、介護をされている方にとっては悩みの種だったりしますよね。

そこで今回の記事では、高齢者の食事に関して意識したいポイントや注意点を解説します。

どうぞ最後までご覧いただき、皆様に役立ちますと幸いです。

老人の食事はなぜ注意が必要なのか

高齢者の食事に気を付けなければならないのはなぜなのでしょうか。その理由として主なものを以下に紹介します。

身体機能の低下

高齢になるにつれて腰や膝など身体の機能が低下していきますが、実は「食べる」という行為に必要な機能も低くなるのです。

まず、歯が減ってしまったり、顎の筋力が低下して咀嚼、つまり食べ物を噛む力が弱くなります。

そのため硬い繊維のある肉などが噛み切れなくなったり、硬い食べ物が噛めなくなって軟らかいものばかり食べることで更に噛む力が衰えてしまいます。

また、唾液の分泌量が減って噛んだ食べ物をうまく飲み込めず誤嚥を起こしやすくなるため、水やお茶等の水分を飲んだだけでむせてしまう老人を多く見かけます。餅などを食べる際は注意が必要です。

更に舌や口の中にある味蕾(みらい)という味覚を感知する部位が加齢により減少し、味覚が鈍くなるという現象も生じてきます。

そのためしっかり味がついているのに薄いと感じ濃い味を好み、健康に悪い影響を及ぼしたり、味がわからなくなることで「おいしい」という感覚が減り、食欲や食事の量が減ってしまうこともあります。

栄養バランスの偏り

一人暮らしや、同居している家族が仕事などで外出していて日中を一人で過ごしている老人の中には、食事の支度が面倒でつい手軽に食べられるパンやカップ麺、お茶漬け等で済ませ食生活が乱れてしまう人が多くいます。

好きなもの、食べやすいものだけを食べるという人もいるでしょう。

すると結果として、必然的に栄養バランスが偏り、不足する栄養素が増えていきます。

中でもビタミンやミネラル、たんぱく質や食物繊維といった高齢者に特に必要とされる栄養素が不足がちになってしまうのです。

老人の食事に必要なこと

食事で十分な栄養が摂取できなくなると、病院で点滴を打ったりサプリメントで補う方法がありますが、やはり一番重要なのは「口から食べられるようになること」です。

というのも、食べるという行為は味覚だけでなく視覚や臭覚も使い、顎や喉など体の力も使うため、脳への刺激になり認知症や老化の予防につながります。

他にも口の中で噛むことで唾液が分泌され口内環境を改善したり、胃や腸等の消化器官を働かせることも出来ます。

口から食べることの重要性を頭に入れ、具体的に高齢者に必要な食事の量や栄養素についても説明します。

老人に必要な食事量(カロリー)

1日に必要な摂取カロリーは年齢と性別によって異なります。

65歳~74歳:男性2050~2400kcal、女性1550~1850kcal

75歳以上:男性1800~2100kcal、女性1400~1650kcal

体格や活動する量よっても必要な量は変化しますが、大まかに上記の数値を目安に摂取することが推奨されています。

老人に必要な栄養素

加齢により骨が弱ったり骨密度が減っていく傾向にありますので、骨を形成するためのカルシウムはとても大切です。

また、筋肉を作るために必要なたんぱく質も必要で、不足すると疲れが取れなかったり太りやすくなるといったことが起こります。

最近、高齢者だけでなく日本人全体に不足が指摘されているビタミンDも、カルシウムを吸収を促進するため大切な栄養素です。

ビタミンDは日光を浴びることで体内に生成されるのですが、特に高齢者は外に出る機会が減って家の中に引きこもりがちになり、不足しやすくなる傾向にあるのです。

一方、摂り過ぎに注意しなければならない栄養素もあります。

まずは塩分です。

先に述べたように味覚が鈍り濃い味を好むようになったり、カップ麺等のインスタント食品やコンビニ弁当などを食べる頻度が増えると塩分は簡単に過剰摂取な状態になってしまいます。

塩分を摂りすぎると高血圧や腎臓などの病気を引き起こす原因となりますので、特に注意しなければなりません。

老人が食べやすい食事、調理法

以上のように高齢者の方は必要な栄養素を含むバランスの取れた食事をとることが大切ですが、無理に食べると喉に詰まらせてしまったり、食事がストレスになってしまうリスクにつながりかねません。

そのため、食べやすくなるよう食材の特徴や種類ごとに調理を工夫することをおすすめします。

例えば、食材を一口サイズにカットする。肉は叩いて薄く延ばしたり、噛み切りにくい脂は取り除くか切り目を入れて噛みやすくします。

野菜は皮をむき長めに茹でて軟らかくします。繊維のある根菜は、繊維に対し垂直に切ると噛みやすくなります。すり身にして他の食材と混ぜ、つみれのようにするのもおすすめです。

また、飲み込みやすくするために食材をミキサーにかけて細かくしたり、料理に片栗粉などを使ってとろみをつけたりゲル剤でゼリー状にすることもおすすめです。

老人が食べやすい食品、食べにくい食品の内容

高齢者が食べやすいメニューを考える上で、食べやすい食品と食べにくい食品の情報を知っておくと良いかと思います。

<食べやすい食品>

おかゆ、パンがゆ、カレー、シチュー、スープ、肉団子、つくね、豆腐、ヨーグルト、ゼリー、アイス

<食べにくい食品>

キャベツ、レタス、ふき、ごぼう、タケノコ、はんぺん、こんにゃく、かまぼこ、ハム、海苔、酸味のある果物

老人の食事を介助する時のポイント

本来、食事は毎日の生活の中の大きな楽しみの一つです。

高齢者の方が安心して安全に、おいしく楽しく食事ができるようサポートを行うために、以下の項目を確認して食事を提供するよう心がけましょう。

意識の状態は問題ないか

食事の時にぼーっとしていると誤嚥などが起こりやすく危険です。声掛けなどをして目を覚ましてから食事にするか、日頃から生活リズムを整え決まった時間に食事をとるようにしましょう。

姿勢が曲がっていないか

正しい姿勢で食べないと誤嚥の危険や食事に集中できないといったリスクが生じやすくなります。

顎を軽く引いて少し前屈みになる姿勢が食べやすい姿勢です。テーブルの高さは腕を載せた際に肘が90度に曲がる程度がよいです。

ベッドで寝た状態で食事をする場合は、頭の下にタオルやクッションを入れて調整しましょう。

環境を整える

テレビやラジオがついたまま食事をすると集中できません。また、部屋が暗いと手元がよく見えず料理の見た目を楽しんだり、箸やスプーン等を使って自分で上手に掴むことが出来なくなります。

会話を楽しんだり適度な明るさを保ち、食事をする環境を整えましょう。

口内環境を清潔に

歯磨きはもちろん、不具合がある場合は歯医者さんで治療をして口の中をケアすることも大切です。

歯がなかったり歯周病、歯肉炎で歯茎が弱って思うように食べられないことが原因で食欲が減るケースもあります。

いつも清潔で健康的な口腔環境でいられるよう口の中を定期的にメンテナンスする習慣を付けましょう。

好みの味付けにする

高齢者は濃い味が好みになる傾向にありますが、薬味や出汁を使う等、塩分が高くなりにくくなるよう工夫をしたり、自宅での介護でレシピに悩んだり食事の用意が難しい時にはレトルトで売られている介護食を活用してみることもよいでしょう。

さまざまな種類が豊富にあり、コンビニやスーパーで取り扱っている店舗も多いためすぐに探すことができおすすめですし、希望の味付けやメニューを聞くとコミュニケーションのきっかけにもなります。

まとめ

以上のように、高齢者の食事には栄養の偏りが起こりやすく心身の健康に影響するため、調理法を工夫したり環境や口内の状況に合わせ適切な対策を行い、必要な栄養素を摂取し食事を楽しめるようにしなければなりません。

もし自宅での介護で高齢者の食事に関して不安や悩み、質問がある場合には、自治体の窓口や地域包括支援センター等で相談をしてみましょう。専門の知識をもったスタッフが必要な情報やアドバイスをくれるはずです。

また、要介護認定を受けている場合にはデイサービスを利用し、栄養バランス等を考えた食事の提供や必要な介護サービスを受けることもおすすめです。

老人の一人暮らしを楽しむために必要なこと

老人の一人暮らしのことを「独居老人」と呼ぶことがありますが、そこには少しネガティブなイメージがありますよね。

おじいちゃん、おばあちゃんから孫まで、家族みんなで暮らしていた頃と時代は変わり、現代の日本では親と子の世帯が別々に住む核家族化や少子高齢化、更には独身率も増加傾向にあることから、結果、一人暮らしをする高齢者が増えているのが現状で、今後も多くなっていくことが予測されています。

老人の一人暮らしには心配や不安な面も多いため、さまざまな周囲の協力と対策が必要ですが、一人暮らしを楽しみ、生き生きと暮らしている高齢者の方もたくさんいらっしゃることも事実。

今回の記事では、老人が安全に、そして本人も周りも安心して一人暮らしを行えるような生活や考え方のポイント、取るべき対策、注意点等を解説してまいります。

どうぞ最後までご覧いただき、参考にしていただければと思います。

老人が一人暮らしを楽しむために必要なこと

老人が一人暮らしをする理由には、同居する家族がいない、家族はいるが同居はしたくない、家族が遠方におり住み慣れた家、地域から出たくない等、さまざまな状況があります。

老人が一人暮らしと聞くと何となく可哀想と思ってしまいがちですが、自らの希望で一人暮らしをしている方も実は少なくありません。

現在、65歳以上の単独世帯は769万世帯であり、女性が男性よりも2倍以上多い割合となっています。実際、女性の方が長生きであるためでしょう。内閣府が行った「令和3年版高齢社会白書」の一人暮らしの高齢者に対するアンケート調査によれば、「今のまま一人暮らしでよい」と回答した方が約7割強ととても多いのです。

とはいえ体調を崩してしまったり一人で健康的な生活が送れないのであれば、一人暮らしを続けることは難しいですよね。

そこで必要となるのが「QOL」です。

最近は医療や看護、介護の現場だけでなく、一般的にも広まっている言葉で「クオリティオブライフ」つまり「生活の質」という意味があります。

老人が一人暮らしを楽しむためには、このQOLを高めることが重要なのです。

それではQOLにはどのようなことが影響するのか、以下に一覧で主なものをまとめてみました。

<老人の一人暮らしを支えるQOL>

・健康状態(体力、認知機能、日常生活の動作の向上など)

・経済状況(所得、貯蓄、就労など)

・社会とのつながり(地域の活動、習い事など)

・生活環境(身近に頼れる知人がいる、安定して暮らせる住まいがあるなど)

以上の要素が高まることで、一人暮らしはもちろん人生が充実し、幸福感が得られると言われています。

食事が適当になってしまったり、自宅に引きこもって体を動かさなかったり、ストレスを抱えていたりするとQOLは下がっていき、一人暮らしを続けたくても続けられない状況を招いてしまうことになります。

老人の一人暮らしで抱える問題

高齢者の方が一人暮らしを希望していたり楽しく生活を送っている場合でも、やはり高齢であることで抱える問題や不安は出てきます。

前もってそれらの知識を得ておくことは必要な対策を知ることにもなります。

<病気、孤独死>

誰しも加齢とともに病気やケガをしやすくなるものです。

誰かと同居している場合は、助けてもらったり介助してもらうことが可能ですが、一人暮らしの場合、病気をしたりケガをしてしまうとそうもいかず、普段なら出来ることも対応できない事が出てきます。

また、最悪の事態として孤独死の恐れもあります。

<介護>

今は身体や心に問題がなく元気に過ごすことが出来ていても、今後いつ体が動かなくなるか分かりません。認知症が発症する可能性だってあります。

介護が必要になった時、しっかりと支援を受けられるように介護費用の負担についてもあらかじめ考えておくことが重要です。

心身に不安があると外で人とコミュニケーションをとる機会も減り、生きがいがなくなったりと症状が悪化してしまうケースもあるのです。

<災害、犯罪>

日本は地震など災害が多い国。一人暮らしの場合、災害時は非常に不安かと思います。

そんな時に備え、普段から地域の住民や自治体、行政とつながることがとても大事です。

災害の他にも、高齢者を狙った振り込め詐欺や悪徳商法などの犯罪は年々増加していることにも注意しなくてはいけません。

<お金>

会社をリタイアし年金だけで生活していく老後。やはり経済的な面に不安を抱える高齢者は多いです。

健康で自立して生活出来るならばまだしも、ケガや病気をして治療や入院をしなければならなくなったり、介護が必要になった場合、その分の費用もかかるようになります。

お金の計画や金銭管理についてもどうしていくのかを考えておきましょう。

老人の一人暮らしを支える対策

高齢者の皆様が安心、安全に生活するためには、さまざまな支援やサービスを活用していくことが大切です。

<介護サービス>

老人ホーム等に入居をしなくても、訪問介護や訪問リハビリ等、自宅で暮らしながら専門のサポートを受けることが出来ます。

また、通所介護(デイサービス)を利用すれば外に出る機会ができ、他の入所者や施設のスタッフと交流することが良い刺激になります。仲の良い人ができたり趣味や生きがいが見つかると、生活する上で楽しみが増えるでしょう。

これらは介護保険制度のサービスになりますので、要介護認定を受け、要介護の認定をされることが必要となります。地域包括支援センターや自治体の窓口に相談をしてみて下さいね。

<見守り・安否確認サービス>

自治体などによる公的機関や民間企業が実施している見守り、安否確認サービスを利用することも安心につながります。

センサーを設置して室内を監視するシステムや、電気、水道の検針員が訪問する際に声かけを行ったり、お弁当や日用品の配達と合わせて確認を行う等さまざまな形のものがあります。

特に食事を届けてくれるサービスはおすすめで、高齢者の一人暮らしは食生活が乱れ栄養不足になってしまうケースが少なくありません。

食事の用意をする手間や火を使うリスクを抑え、栄養のバランスの取れた食事が取れるというメリットもあります。

他にセキュリティ会社による緊急時の駆けつけや緊急通報を行うサービスもあります。

老人が一人暮らしをする時の物件選び

高齢になって一人暮らしをする場合、元々一人暮らしをしていた方、子どもが独立して家を出た、夫婦で住んでいたが配偶者が亡くなった等、さまざまな状況があります。

持ち家がありそのままそこで暮らすのであれば問題点はあまりありませんが、例えば広すぎて移動や掃除が大変なので自宅を売却するケースや、賃貸でもファミリータイプからシングルタイプに引っ越す方もいるでしょう。

そこで高齢者が賃貸物件を探す際、若い人とは違う重視したいポイントを紹介します。

<家賃の支払い>

多くの高齢者の場合、家賃や生活費は預貯金と年金から支払っていくことになります。

長い目で見て支払いに問題がないかを考え、無理のない範囲内で物件を探しましょう。

体が元気であれば高齢者の方を募集しているアルバイト等もありますので収入を得ることも出来ますが、ケガや体調不良で休んだりいつまで続けられるかは不確定な要素ですので、収入がなくなっても住めそうな家賃の物件を選ぶ方が安心です。

<バリアフリー>

加齢により自分が思っているより足が上がらなくなったり、体力が低下していくことを考え、生活しやすい間取りや造りであるかも大切な要素です。

段差が多かったり、部屋までの階段が多かったり、お風呂が入りづらかったりすると転倒の恐れやQOLの低下にもつながってしまいます。完全なバリアフリーである必要はありませんが、動きにくいな、生活しにくそうだなと感じる部屋は避けた方が良いでしょう。

<周辺環境>

近くに家族や親族、友人など誰か気軽に頼れる人が住んでいる、相談できる行政機関の窓口がある、買い物に必要なお店や病院があるかどうかも、物件選びの時に考える必要があります。

また、お出かけに必要な交通手段についても事前に確認しておきましょう。

最近は家が遠い方や移動が困難な方など、高齢者の方に対して商品を配送してくれるサービスを提供しているスーパーや訪問診療をしてくれる病院も多いため、便利なエリアから離れて暮らす場合はそのようなサービスやサポートについて調べておくことをおすすめします。

<高齢者向けの賃貸住宅>

賃貸物件の中には高齢者を対象にしたものもあります。

そのような物件はバリアフリーや高齢者に嬉しい設備、サポートが始めから整っていることがほとんどですので、一人暮らしに不安を感じる場合に特におすすめです。

ただ、公的に運営されている物件と民間企業が運営している物件があり、家賃やサービス内容はそれぞれ違いますのでよく調べて検討して下さい。

老人の一人暮らし、その後の選択肢

高齢者の方がさまざまな原因により一人暮らしに限界を感じたら、施設に入居するという選択もあります。

施設にもたくさんの種類があり、各施設によって入居できる条件は異なりますが、医療ケアや介護のサポートを受けられる施設が多く、個室を選べば一人暮らしのようにプライベートな空間を持ちながら他の人やサポートしてくれる人が常に近くにいてくれるという安心感も得られます。

気になった事業所があればぜひ積極的に無料の見学や体験に参加してみましょう。

日本は福祉のサービスが思っている以上に手厚いですから、ぜひご自身に合ったサービスを選択してみて下さい。