高齢者施設の種類や特徴は?各施設の条件や選び方のポイントも解説

たくさんの種類がある高齢者施設。名前も似ているしどれがどんな施設なのか、入居の条件や費用など分からないという人が多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、主な高齢者施設の種類ごとにその特徴を紹介し、選び方についても解説してまいります。

ぜひ最後までご覧いただき、施設選びの参考にしていただればと思います。

高齢者施設の種類

高齢者施設というとデイサービスや老人ホーム等、さまざまな施設があります。

そもそもこの「老人ホーム」と高齢者の介護やサポートを行う「介護施設」にはどのような違いがあるのでしょうか。

この二つに実は明確な定義があるわけではないのですが、一般的には老人ホームは条件が幅広くさまざまな高齢者が利用できる施設、住宅のことを指し、介護施設は介護サービスを受けることが出来る高齢者向けの施設や住宅を指しているケースが多いように思います。

また、高齢者施設には大きく分けて公的な施設と民間の施設があります。

公的施設は設置の主体が社会福祉法人や医療法人、地方自治体で、費用が抑えられるため人気が高く、その分、すぐに入居できず待機が発生していることも多いです。

民間施設は民間の企業が運営している施設ですが、公的施設と比べ費用が高い分、サービスが充実してもらえるというメリットがあります。

高齢者施設:老人ホームの種類・一覧

老人ホームに括られる高齢者施設は、基本的に介護サービスが必要なく自立できる方が対象者となっていることが多いことが特徴です。

<軽費老人ホーム:公的>

軽費老人ホームは身寄りがおらず自宅で生活することが困難な人に向けた施設で、自立型ケアハウスとも呼ばれます。

その名の通り安い料金で利用でき、施設はバリアフリーの仕様。要支援1以上の入居者には食事や生活相談といったサービスが提供されます。

<養護老人ホーム:公的>

養護老人ホームは、軽費老人ホームと同様に身寄りがない人、そして経済的、環境的な理由により自宅で生活することが難しい65歳以上の高齢者を対象としています。

社会復帰や自立した生活を送れるようになることを目的として必要な訓練や指導、相談等を行ってくれますが、要介護の状態になると退去しなくてはならない点に注意しましょう。

<有料老人ホーム:民間>

有料老人ホームは一般的に元気で自立した60歳以上の方が対象です。介護が必要となった場合は外部の事業所と契約して利用する必要がありますが、健康型の有料老人ホームの場合は要介護の状態になると退去しなくてはなりません。

<サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)>

サービス付き高齢者向け住宅は高齢者向けの賃貸住宅です。普通の賃貸住宅との違いとして、バリアフリーに対応しており、見守り・安否確認や生活相談などのサービスが付いています。

施設によっては食事や掃除、洗濯といった家事などの生活支援を提供してくれるところもあります。

高齢者施設:介護施設の種類・一覧

介護施設は要介護認定を受けた方が利用できる施設ですが、種類によって入所、入居できる条件(要介護度など)が細かく設けられています。

<介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム):公的>

老健、特養とも呼ばれている施設で、常に介護が必要な状態であり、居宅での介護が困難な高齢者が入所できます。

条件は要介護3以上となっており、非常に人気が高いため入居待ちの方が多くいます。

<介護老人保健施設:公的>

入院していた病院を退院した後、症状が安定しているがまだ自宅に帰ることに不安がある人に向け、在宅復帰を目指して介護や看護、リハビリ等の医療ケアおよび生活サービスを受けることが出来る施設です。

要介護1以上が条件ですが、入所できる期間が原則3ヶ月と短期であることが特徴です。

<介護医療院:公的>

医療と介護の両方に対応するために2018年4月に新しく設置された介護保険施設です。

要介護1以上の要介護者を対象に、介護はもちろん医学管理、看取りといった医療機能も備えられています。

介護医療院の中には療養が中心のⅠ型と機能訓練や医療が中心のⅡ型があります。

<介護療養型医療施設:公的>

病院での治療が終わってもまだ療養が長期で必要な人に向けて介護や機能訓練、医療を受けることが出来る施設で要介護1以上の条件がありますが、上記の介護医療院にその機能は変わり2024年3月末をもって廃止されます。

<軽費老人ホーム:公的>

老人ホームの方でも紹介していますが、軽費老人ホームには介護型ケアハウスという種類もあります。

自立型とは違い特定施設入居者生活介護の指定を受けていて、外部の介護サービスを受けることが可能となっています。

<認知症対応型共同生活介護(グループホーム):民間>

よく耳にするグループホームは、要支援2以上の認知症と医師に診断された高齢者を対象とし、ユニットに分け少人数のグループとなって家族のような雰囲気の中で共同生活を送ることができる施設です。

施設のある市区町村に住民票のあることも条件です。

介助も受けられますが、基本的にはそれぞれが出来る範囲で家事などの役割を分担して行い、認知症の進行を遅らせるようにしています。

民間施設ですので施設によって要件やサービスの内容、費用も異なりますので確認しましょう。

<介護付有料老人ホーム:民間>

民間施設ですが介護保険を利用した介護サービスを24時間受けることができるという特徴があります。

介護や看護スタッフが常駐しているため、重度の要介護状態でも受け入れが可能で、施設によって看取りも可となっています。

ただし、サービスが手厚いものになればその分費用も高額になりますので注意しましょう。

この他に医療法人が経営している医療対応型の介護付き有料老人ホームもあります。こちらは要支援1から利用することが出来ます。

居宅サービスの種類・一覧

高齢者施設には老人ホームや介護施設といった施設サービスの他に、居宅サービスと呼ばれる自宅に居ながら利用できる介護サービスもあります。

施設に入居し外部の介護サービスと契約が出来る場合、以下で紹介するようなサービスを利用することになります。

<訪問介護>

ホームヘルプサービスとも言われますが、居宅サービスの中で最も利用されているのがこの訪問介護でしょう。

介護福祉士やホームヘルパー等の訪問介護員が居宅に訪問し、必要な介護や介助を行います。

その内容は身体介護と生活援助があり、主に食事や排泄、入浴、衣類の着脱といった日常生活に必要な動作の介助、そして掃除や洗濯、買い物といった生活介助があります。

<訪問入浴介護>

看護師や介護職員が専用の巡回入浴車で居宅まで訪問し、入浴介助を行う介護サービスです。

自宅の浴室に入ることが難しい人や、デイサービス(通所介護)に通うことが難しい人が利用しています。

寝たきりであっても対応してもらえますし、入浴する前には体温や血圧、脈拍など体調もしっかり確認してもらえるため安心です。

<訪問看護>

看護師や保健師が居宅に訪問し、医師の指示の元、医療処置にかかる管理や援助、世話を行います。

注射や点滴、服薬の管理、検査の補助なども行われます。

<訪問リハビリテーション>

こちらも医師の指示の元、理学療法士、作業療法士などリハビリテーションの専門家が居宅に訪問し、筋力を増やしたり日常生活の動作がしやすくなるよう訓練を行います。

自宅の環境を整備するためのリフォームなども相談できます。

<通所介護(デイサービス>

デイサービスは要介護認定を受けた高齢者が自宅か施設に通い利用できる介護保険施設です。

ケアマネジャーにプランを立ててもらい、ランチとおやつが提供され、入浴の介助や生活相談、機能訓練、レクリエーション等が行われます。

また、普段介護を行っている家族などがリフレッシュや休養するためという目的もあります。

<通所リハビリテーション(デイケア)>

デイサービスとは異なり、リハビリテーションがサービスの中心となるのがデイケアです。

医療機関と連携し、医師が認めた要介護者に限り利用することができます。

<短期入所生活介護(ショートステイ)>

同居する家族など介護をする者が体調を崩したり、用事で家を空ける、リフレッシュするといった時に要介護者が数日~1週間施設に入所して、生活に必要な世話や機能訓練を受けることができます。

医療ケアに重きを置いた「短期入所療養介護」もあります。

<小規模多機能型居宅介護>

デイサービスや訪問介護、ショートステイ等を組み合わせ、在宅で生活を続けることが出来るように支援を行うサービスです。

地域密着型のサービスとして2006年4月に制定された比較的新しい介護サービスです。

高齢者施設を選ぶ時のポイント

以上のように高齢者施設の種類はたくさんの数があり、このように一覧でざっくりと見てもどこに該当するのかよく分からないかも知れません。

自治体の窓口や地域包括支援センターに相談し、担当者やケアマネジャーにアドバイスを受けたり、気になり施設に連絡をして無料の見学や体験に参加することがおすすめです。

また、人気の高い公的施設は入居待ちが多く、エリアによっては数か月や数年待ちがザラにあります。

そのため、入居を希望する場合は早めに申し込むこともポイントになります。

一人暮らしの老人の安否確認はどうする?民間と行政によるサービスを紹介

日本は現在、超高齢社会。家族の構成も随分前から核家族の形が一般的になりました。

そのため、子どもと離れ、配偶者と死別などさまざまな理由で一人暮らしをしている老人の世帯や、家族と同居している場合も日中は子ども夫婦が共働きにより家におらず、一人で過ごさなければならない過程というのも増加しています。

そんな時、やはり高齢となった親が無事に元気で暮らしているかどうかが心配になりますよね。

そこで今回の記事では、主に一人暮らしをしている老人、いわゆる「独居老人」の安否確認について解説してまいります。

どうぞ最後までご覧いただき参考にしていただければと思います。

老人の一人暮らしの安否確認の必要性

高齢者が一人暮らしをしている場合に最も不安になる事は、やはり孤独死でしょう。

一人で生活をしている中で体調が悪くなったり転倒などによるケガをしてしまい、自分で病院に行ったり連絡することが出来ず、誰にも気付かれないまま病気やケガの症状が悪化して発見が遅れ、最悪なケースに陥る可能性は少なくありません。

また、自宅に引きこもりがちになり人と会わなくなり、食事もままならず精神的にも身体的にも弱ってしまったり、認知症を引き起こしてしまう可能性もあります。

そこで健康の管理や孤独死の防止のため、家族や近所の人、自治体など、周りの人が定期的に連絡や訪問を行い、本人の様子に変化がないか確認をしたり見守ることがとても重要です。

近くに知り合いがいない場合には、安否確認のサービスを行っている会社を利用することもおすすめです。

一人暮らしの老人の安否確認サービス

一人暮らしの高齢者の方を対象として安否確認を行うサービスには、いくつかのタイプに分けれます。

まず、高齢者本人が電話やメール、アプリ、SNS等を使用して定期的に連絡を入れるもので、費用も安く利用できます。

基本的にボタンを押すだけで簡単に通話できたり通知できるようスマホ等に登録をしてくれますし、毎日の安否を確認することが出来るため最初に導入する方が多くいる印象です。

次に、部屋の中にカメラや動き、異常を感知するセンサー等、安否確認システムを設置し遠隔でモニターを行い様子の確認をするタイプ。玄関にセンサーをつけて、帰宅を知らせてくれる機能があるものもあります。夜間や早朝といった時間にも24時間対応できるメリットがありますが、専用の機器や装置が必要となるため費用はやや高額になる傾向にあります。

そして安否確認として一番思い浮かぶ定期的に高齢者の方が住む自宅へスタッフが訪問し、直接本人の様子を確認するサービスですが、実際に訪問頻度はそれほど多くありません。

最後に、警備会社などが緊急時に緊急通報を受け駆けつけてくれるタイプのサービスで、こちらは他と比べて料金が高いことが多いようです。

見守りや安否確認サービスとしてではなく、例えばお弁当の配膳サービスや食材や日用品の定期的な配送サービスを月額で契約することで直接姿を見たり会話をして健康状態などをチェックしたりと安否確認としての役割を担うこともあり活用されています。

老人の一人暮らしを支援する方法は他にもある

高齢者の一人暮らしをサポートする方法は、上記のような安否確認サービス以外にもさまざまなものが考えられます。

例えば行政サービス。全国の自治体では一人暮らしはもちろん高齢者が孤立しないよう見守るための対策に取り組んでおり、ゴミ出しを代わりに行ったり、日常生活で必要な援助を行う事業を実施している場所もあります。

また、上記で紹介したような訪問サービスや緊急の時に通報できるシステムを民間の企業と連携してサービスを提供していたり、利用する際に助成金を出すという自治体もあります。

他に高齢者の生活相談を行う窓口を担う地域包括支援センターでは、ケアマネジャーや社会福祉士、保健師など介護のプロに老人の一人暮らしに関するさまざまな悩みを無料で相談し、アドバイスや必要な情報を受けることが可能です。

まとめ

以上のように、一人暮らしをしている老人の安否確認は日本の福祉の世界ではますます重要視される問題です。

費用はかかりますが手厚くサポートしてくれる民間のものを利用したり、住んでいる地域で安否確認のサービスを提供しているようならその制度使うなど、安心して暮らすことができるよう環境や状況に応じて選択しましょう。

老人が寝てばかりなのは病気が原因?正しい対処法は?

老人は寝てばかり。そんなイメージを持っている人はいらっしゃいますか?

「高齢になった親がいつもウトウトしている。」「最近寝てばかりで日中もぼーっとしてしまう。」

寝てばかりいる高齢者の家族がいる方やご本人にとって、これは老化によるものなのかそれとも何かの病気なのか?と不安になることもあるかと思います。

そこで今回の記事では、現在、高齢者の家族をケアしている方や老人ホームやデイサービス等の施設で介護・介助を行っている方に向け、老人が寝てばかりになってしまう原因や関わり方のポイント、注意したい点などについて解説してまいります。

どうぞ最後までご覧いただき皆様に役立ちますと幸いです。

老人が寝てばかりいる「傾眠傾向」とは?

老人が寝てばかりいる状態は「傾眠傾向にある」とも言われます。

傾眠傾向とは意識障害の一種で、その特徴としては浅い眠りであること、呼びかけ等の軽い刺激によって意識を取り戻すこと、しかしそのまま放っておくと再度眠ってしまうといったことがあります。

老人が寝てばかりいる原因

老人が寝てばかりいるのは加齢によるものなのでしょうか?考えられる原因をいくつか紹介していきましょう。

寝てばかりなのは老化現象の一つ

寝てばかりいるという症状は、加齢によって表れる老化現象の一つです。

人は歳をとると脳や身体の機能や体力が衰えていき、元気に起きている時間というのは必然的に短くなっていきます。

いくら寝ても日中ウトウトしてしまったり、周囲の人に起こされてもすぐにぼーっとしてしまうことが増えていきます。

更にこの状態が進むと、うたた寝の時の眠りが深くなり周りが声をかけたり肩をたたく程度では起きないくらい眠ってしまったり、脳機能が低下することで幻覚が現れるケースも。

認知症の初期症状

認知症になると日中に眠り夜になるとはっきり覚醒するという昼夜逆転現象が起こりやすくなります。

夜しっかり眠れないため日中起きていられない。更に無気力になるという初期症状もあるため、周りから見ると「寝てばかり」という印象を持たれてしまうかも知れません。

過眠症

睡眠障害の一つに「過眠症」というものがあり、これは老人に限らずどの年齢の方でも起こる可能性があります。

過眠症になると夜しっかり睡眠をとっていても日中に猛烈な睡魔に襲われて眠り込んでしまうことがあります。

眠ってはいけないような場面でも発作のように強い眠気に襲われて突然入眠してしまう「ナルコレプシー」という病気もあるため、様子が気になったら早めに医療機関を受診しましょう。

慢性硬膜下血腫

脳疾患である「慢性硬膜下血腫」は、頭を打った時などに脳と硬膜の間に血種ができて脳を圧迫してしまう病気です。

この血種が大きくなると傾眠傾向の症状が現れ、気付かないまま放置すると時間の経過とともに頭痛や片側の麻痺、歩行障害等といった症状に進行していきます。

外科の手術が必要となるケースがほとんどなので早めの受診をしましょう。

パーキンソン病

パーキンソン病も睡眠に問題を起こしてしまう疾患です。

覚醒の維持に関係する神経伝達物質に異常な変化を起こし、夜に覚醒して不眠となり日中眠くなってしまったり、夜間の頻尿、薬の副作用なども原因となります。

内臓疾患

脳の他にも腎臓や肝臓といった体の代謝に関わる臓器に問題があると傾眠傾向などの意識障害を生じることがあり、適切な治療を受けることでおさまります。

眠くなるだけでなく発熱したり、時間が分からなくなったりといった症状が出る場合は一度内科を受診したり検査を受けてみることをおすすめします。

低血圧、低血糖

寝てばかり、というより食後のタイミングで眠気に襲われる場合は低血圧が原因である可能性があります。

食後は消化器系の器官に血流が集中するため、頭に血がまわらずフラフラとめまいがしたり、眠くなってしまうことがあります。その際はこまめに水分補給をして脱水を避け血圧が低下することを防ぎましょう。

また、食事によって急激に血糖値が上昇しインスリンが過剰に分泌されると、逆に血糖値が急降下して低血糖の状態となりだるさや眠気があらわれることがあります。その際は昼食を食べる量や食事の内容、特に糖質の量を見直しましょう。

治療として降圧剤を服薬していたり、糖尿病に罹患していて血糖値を下げる薬を服用している場合には医師に相談してみることも重要です。

薬の副作用

普段服用している薬の副作用として眠気を引き起こす場合も少なくありません。

脳細胞の興奮を抑える働きを持つ抗てんかん薬やアレルギーの際に飲む抗ヒスタミン薬は眠気の副作用を起こす成分が入っていることが多いため、使用している場合は調べてみましょう。

また、車の運転や危険を伴う作業を行う方、日中の眠気で日常の生活に支障をきたす心配がある方は医師や薬剤師に相談し、量の調整や眠くなる成分が入っていないあるいは少ない薬に変更してもらうと良いでしょう。

老人が寝てばかりいる時の注意点

日中に傾眠傾向があっても、一般的に「うたた寝」しているように見えるため最初は心配することも特になく放置してしまいがちです。

しかし寝ていて食事や水分をとらないことで栄養不足や脱水症状に陥ったり、動かないことで運動不足となり筋力や体力の低下を引き起こしたり、転倒や食事中の誤嚥などのリスクが考えられ注意が必要です。

老人が寝てばかりいる時の対処法

以上のように老人が寝てばかりいるのにはさまざまな理由が考えられます。

正しい対処法の知識を持ち適切な対応をすることで、改善や予防が出来る可能性が高くなるとともに、本人や家族が安心して過ごしやすくなります。

話しかける、出かける

周囲の人は日中、ウトウトしてしまう前に出来るだけ自分から話しかけて会話やコミュニケーションをとる機会を増やしてみましょう。

天気の良い日には外に連れ出してあげ、散歩や買い物に行って外で過ごすことも運動不足の解消やストレス発散にもなりおすすめです。

また、日中に活動をすることで夜ぐっすり眠ることができるようになるという効果も期待できます。

短時間の昼寝

次に、思い切って昼寝の時間を設けるということも一つの方法です。とはいっても、長く昼寝をしてしまうと結局夜の睡眠に影響が出てしまいます。

そのためしっかりと時間を決め、30分程度の短い時間におさめることが大切です。

医師に相談

傾眠傾向の原因を説明した通り、老人が寝てばかりの時には病気が隠れている可能性もあります。

早期発見、早期治療を行うことで回復も早くなりますから、出来るだけ早めに気付いてかかりつけの医師に相談することをおすすめします。薬の種類や副作用についても合わせて確認してみて下さい。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

寝てばかりの老人を見ていても、単に加齢によるものだけだと感じ、素人にはそれが病気によるものだと判断することは難しいでしょう。そのため、ある程度原因の可能性を知っておくことが大切です。

放置してしまうと初期の段階で病気を見逃したり、悪化してしまう恐れがあるため、気になった時には病院を受診し、医療の力を頼る必要があります。

また、日中は出来るだけ話しかけたり外へ出かけたりといった行動をすると夜の睡眠の質が良くなり、日中の眠気の改善に大きな効果が期待できます。

このサイトでは、他にも高齢者向けの介護サービスや健康の暮らしのサポートに役立つ情報を発信しておりますので、お探しの方は是非他の記事もあわせてご覧ください。

老人向けレクリエーションの種類や目的は?実施の流れや注意点も解説

デイサービスや有料老人ホーム等の介護施設では老人向けのレクリエーションが実施されています。

レクリエーションには身体の機能の維持、向上、改善や心のケア等、心身に対しさまざまなメリットがあり目的を持って行われます。

そしてそれをいかに楽しく参加してもらえるかが実施する側の職員、スタッフにとっては重要な課題。

そこで今回の記事では、高齢者向けのレクリエーションの種類とその目的、実施への注意点について解説してまいります。

どうぞ最後までご覧いただき、参考にしていただければと思います。

老人向けレクリエーションの種類と主な目的

介護施設などで実施されている高齢の人向けのレクリエーションはいくつかの種類に分けられます。

以下、主なレクリエーションの種類とそれぞれの目的について紹介します。

脳トレ

頭を使う脳トレ系のゲームは、その名前の通り脳の活性化、認知機能の維持、改善の目的があります。

具体的な人気のゲームは文字や数、漢字の穴埋めや計算、間違い探し、連想ゲーム、伝言ゲーム、しりとり、クイズ、パズル等があります。

運動

体を動かすゲームは筋トレや身体機能の維持や向上、リハビリの目的があります。

ラジオ体操や音楽に合わせたリズム体操、柔らかいボールや軽い玉を使った室内で出来るボーリング、風船バレー、新聞紙ちぎり等があります。

音楽

利用者の高齢者は音楽が好きな人が多く、みんなで歌を歌う、簡単な楽器を演奏する、音楽鑑賞する等が人気です。

音楽により感情が動き、精神の安定、癒しといった効果が期待できます。

手遊び

手指や手先を使うと認知症の予防になるとよく言われますよね。実際に手や指を動かすことは脳の活性や日常生活を送る上で必要な手指の機能の維持、向上に効果的で、座ったまま行えるため足や腰が弱い人でも安心して参加出来ます。

折り紙や塗り絵、お手玉、手芸、工作など趣味にもつながるような内容のものが多くあります。

創作

創作系のレクリエーションには、俳句や短歌、絵描き、料理等があります。手や指先を動かす他に想像したり考えながら行うため脳を刺激し活性される効果も期待できます。

回想

昔の記憶を思い出す、という行為は心身に非常に良い影響があると考えられています。

脳の活性化はもちろん、子どもの頃や若い頃の楽しかった思い出、好きな人、友人、家族、頑張ったこと等を思い出すことで不安や孤独感が和らいだり、今の自分に自信を持つことができ生き生きとしてくるでしょう。

写真や映像、音楽など、レクリエーションを通して昔のことを思い出し、それを他の参加者に話し会話することでより効果を高めることが可能です。

外出

普段は施設の中で行われるレクリエーションですが、たまに近隣へ外出し、外でレクリエーションが実施する施設もあります。(要介護度による)

景色や季節の移ろいを見ながら散歩することは運動不足の解消やストレス発散にもなりますし、買い物をすれば生活機能の訓練にもなります。

花見や温泉、コンサート、動物園、水族館に行ったり、近くの幼稚園や保育園、小学校など子どもたちと交流するイベントや、お祭りなど地域の行事に参加するといった例があります。

レクリエーションを実施する前の準備

介護施設でレクリエーションをスムーズに進行するためにはしっかりとした事前の準備が欠かせません。

1.参加者の情報集め

まず、安全にレクリエーションを実施するために、参加する方の健康の状態や介護度、筋力、体力、持病などを調べて把握することが大切です。

合わせてレクリエーションの内容を選ぶ時に役立つ参加者の趣味や得意なこと、好きなもの、過去の職業なども知っておくとよいでしょう。好みを取り入れ内容を決めることでレクリエーションに興味を持ってもらいやすくなったり、開催中に盛り上がる話題作りにもつながります。

他にレクリエーション中に体調不良となった際の対応方法や転倒、参加者同士のトラブルが起こらないよう防止する対策を考えることも重要です。

2.使用する道具の準備

老人向けのレクリエーションは紙やホワイトボード、ペンなど用意する物が少なく簡単なものが多いですが、その場で道具が無かったり足りないといった問題が発生すると盛り上がりに欠けてしまいます。

道具は人数分あるか、予備はあるか、衛生的か、ケガにつながらないかといったことも配慮して道具を確認し揃えておきましょう。

3.進行のシミュレーションと配置決め

実際にどのような流れで進めていくのか、一度スタッフみんなで一連の手順をシミュレーションを行いましょう。

その中で問題点が見つかることもあります。

ルールの説明は分かりやすいか、文字の大きさや見え方、声の大きさや聞こえ方は問題ないか、お題の順番などを確認し、スタッフと参加者の距離やテーブル、椅子の位置も決めておきます。

老人向けレクリエーションを実施する際のポイントと注意すること

1.積極的な声掛けを行う

レクリエーション中は、スタッフから参加者に積極的に声を掛けることを意識し、応援したり褒めていきましょう。

掛け声によりレクリエーションを楽しめますし、参加して良かったという気持ちになり盛り上がります。

また、その時は特定の人だけでなく全員に満遍なく声かけをすることが大切です。

2.接し方やお題に気を付ける

介護施設に限らず、たまに高齢者の方に対して小さな子どもを扱うような言葉使いで話されている方を見かけます。

本人に悪気はないのでしょうが、相手は年上の人生の先輩であり敬意に欠けますし、高齢者の中にはそのような扱いに傷つく方もいらっしゃいます。

また、レクリエーションのゲームやクイズの難易度も、気を遣うあまり易しすぎるものにしてしまうと「馬鹿にされている」と感じられる可能性もあります。

問題のレベルを落とすというよりも、ヒントの出し方を工夫することをおすすめします。

参加者の皆さんの尊厳を守ること、気持ち良くレクを楽しんでもらうように気を付けましょう。

3.開催者側も楽しむ

レクリエーションを盛り上げるコツは、スタッフも一緒に楽しむことです。

自分が楽しんでいなければその雰囲気が現場にいる参加者にも伝わり、結果的に楽しんでもらえない残念なレクになってしまいます。

笑顔を忘れず、声を明るく一緒に楽しんでいることが伝わるよう意識しましょう。

4.失敗しても良い雰囲気作り

参加する方の中には失敗することや人と競うことを嫌がる方も少なくありません。また、緊張している人もいるでしょう。

そこで最初にわざとスタッフが失敗してみせて笑える場を作ってみてはいかがでしょうか?

また、勝ち・負けを強調するようなレクではなく、グループやチームで協力したり、みんなが理解できるような内容、ゆっくり答えが出せるような進行、みんなが楽しめるテーマと雰囲気を提供しサポートすることが一番大切です。

5.無理強いしない

そもそも介護サービスのレクリエーションは強制ではなく任意での参加です。

そのため、多くの人に「参加したい」と思ってもらえる企画や普段のコミュニケーションで思ったことを素直に言ったり悩みを気軽に相談できるような良い関係を作ることが重要になってきます。

それでもレクが苦手な人はいますので、各個人の意思を尊重し、嫌がる利用者の方を無理に参加させることはやめましょう。

まとめ

以上のように、高齢者向けのレクリエーションには、脳、体、心を動かし加齢による機能の低下を防ぐ目的で行われていますが、同じように参加者が少し難しいと感じる程度の挑戦を楽しみながら行えることが大切です。

レクを成功させるためにはいくつか注意しなければならない点があり、参加者の背景や状況、状態、何が好きか等を聞いておき、計画を立てレクの内容を決めること。競い合うよりも出来るだけたくさんの人が飽きずに楽しいと思えるよう雰囲気を作り盛り上げること。難易度は参加者に合わせて適度なレベルで、やり方は簡単なもの。実施中は参加者それぞれの様子を観察し、安全に進行すること。参加者が傷ついたり自信をなくさないよう気を付けること等を意識しましょう。

老人が思い込みが激しいのは認知症が原因?良い対処法は?

「親が高齢になり、何だか思い込みが激しくなった。」「老人の被害妄想が強く対応に困ることがある。」

こうしたお悩みや経験はありませんか?

実際、年齢を重ねるごとに思い込みが激しく頑固な人が増えていくような気がします。

周りの声に聞く耳を持たず訳の分からない言動や振る舞いを続けられると、家族や介護スタッフ等周囲の人は振り回され、生活や業務に支障をきたす可能性がありますよね。

しかしその思い込みの激しさには、認知症などの病気が隠されているかも知れません。

そこで今回の記事では、老人が思い込みが激しい原因やその対処法について解説いたします。

ぜひ最後までご覧いただき、参考にしていただければと思います。

老人が思い込みが激しい主な原因と症状

高齢者の方が思い込みが激しくなる要因として最も考えられるのは、「認知症」の初期症状によるものです。

認知症になると認知機能が低下し物忘れが激しくなるのですが、初期の場合はその矛盾を埋め納得するために本人が情報を補完、つまり作り話をすることがあります。

また、自分の記憶力や身体的な機能、能力の衰えを自覚し不安や焦り、健康への不安が生じ、もしそれが知られたら見捨てられるかも、嫌われるかも知れないと恐怖を感じたり、お金や物が無くなったらどうしようと執着するようになります。

そして「私は嫁からいじめられている。」「この家を追い出される」「夫(妻)が浮気をしている。」等の被害妄想に陥ったり、本当は自分がどこにしまったのかを忘れてしまっているだけなのに、それが理解できず誰かに財布や大切な物を盗まれたと思い込んで騒いでしまうのです。

住まいの場所や環境の変化があった際に症状が悪化するケースも多いです。

中には「自分はオリンピックに出た。」「有名な歌手だった。」等、自分がすごい人間だというような事実ではない妄想を話すケースもあり、その場合は何かしら今の生活に不満や不安を抱いていることが考えられます。

このような心の負担から思い込みはますます激しくなり、幻覚、幻聴、妄想といった症状につながっていきます。

認知症の種類と違い

認知症の症状には行動症状と心理症状があり、感情のコントロールが効かず特に怒りや衝動が抑えきれなくなったり、無気力、気分の落ち込み、うつ状態、妄想、徘徊、睡眠障害、幻覚、子ども返り等が表れます。

認知症とひと言で言ってもいくつか種類があることを知らない方は意外と多くいます。

代表的なものとして「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「血管性認知症」「前頭側頭型認知症」の4つがあり、アルツハイマー型は所謂物忘れから始まってゆっくりと進行していく特徴があり、レビー小体型認知症は認知機能が大きく変化し、幻視やパーキンソン症状を伴い症状の波が激しいといった特徴があります。

認知症により思い込みが激しい老人への対応方法

認知症によって思い込みが激しい症状が表れている方に対し、対応を誤ると更に病状が進行するキッカケになってしまったり、関係が悪化することになりかねません。

そこでおすすめの対処法を以下に紹介します。

否定しない

認知症患者はわざと嘘や作り話をしている訳ではありません。本人も自分の矛盾に気付き苦しみ、それを埋めるための行動であるため、否定されることで想像以上に傷ついてしまうでしょう。

そのため、まずは「そうですね。」「そうだったんですね。」と共感し話を聞いてあげること、受け入れる姿勢を見せることが大切で、そうすることで安心し、機嫌が良くなったり穏やかになる場合があります。

周囲に理解を求める

認知症であることを知らない人にとっては、妄想による話や振る舞いを不快に感じたりトラブルに発展してしまう可能性もあります。

出来ればそうなることを防ぐために前もって近所の人など接する可能性のある人に対して事情を説明し、理解を求めることが必要となります。

専門家に相談する、助けを求める

物やお金を盗られたと責められたり、妄想により否定的な言動や行動を取られ続けられると、家族や介護者も精神的に疲れ、大きな負担を強いられることになります。

無理して自身が潰れてしまわないよう、辛くなる前に地域包括センター等の相談窓口へ相談したり、デイサービスや老人ホーム等の介護サービスや施設を利用して休息できる時間も持つ、他のスタッフに担当を代わってもらうといった対応もとても重要です。

まとめ

以上のように、老人の思い込みの激しさというのは認知症の初期症状である傾向が高く、認知症の症状について知ることで対応がしやすく、トラブルの防止にもつながります。

そのためには相手と日頃からコミュニケーションをとって様子をチェックし、何か変化を感じる時があったら適切な対応方法でケアをすることが大切です。

また、自治体の窓口や地域包括支援センターなどでは認知症の患者や家族を支援するためさまざまな情報を提供し適切なアドバイスをくれるはずなので、必要なサービスを探し受けるようにしましょう。

本サイトは高齢者や介護に関連する情報を介護者やご家族に向け掲載しています。ぜひ必要な情報を選び合わせてご覧いただければと思います。

老人の「かまってちゃん」は何かの病?原因と対処法を解説

小さな子どもが主に親に対して、自分の相手をしてもらうために気をわざと引く言動を繰り返すことがよくありますが、これを大人になっても行っている人のことを世間では「かまってちゃん」と呼んでいます。

そしてこのかまってちゃん、意外と老人の方にも多いのです。

自分の話を聞いてくれる人がどこかにいないか探してるため、たまたま近くにいて突然老人から話しかけれ困惑した経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。

老人と話すこと自体には悪い印象がなくても、一方的にいつまでも話が終わらないと相手をするのは難しくなります。

今回の記事では、老人がかまってちゃんを起こす原因と対処法について紹介します。

どうぞ最後までご覧いただき、高齢者とコミュニケーションをとる時の参考にしていただければと思います。

老人のかまってちゃんの特徴と原因

老人のかまってちゃんには子どもや若者とは違い、老人特有の特徴を持っています。

まず、若い頃から元々の性格として他者に依存的であることがあげられます。

自分で決断し行動することが出来ず、何でも人に任せてきたようなタイプの人は高齢になっても自分のことをやってもらうために人を呼び出したり引き留める行為を行います。

寂しがり屋で日々、孤独を感じていることで介護施設や病院の待合室、バス停などさまざまな場所で延々と話しかけることもあります。

他にも承認欲求が強く自分の話をしたがるタイプも多く、人に褒められたい、認めてほしいという理由から自分の若い頃の話や自慢話をしたり、求められていないのに若者へ教えや説教を続けたり、相手の感情を汲み取ることが出来ずに自分の欲求だけで一方的に会話をぶつけることも。

いずれも相手が満足する反応や対応をしてくれないと不機嫌になったり、誰か他に聞いてくれる人を探して話しかけ問題に発展してしまうような傾向が見られます。

老人のかまってちゃんで病が隠れているケース

上記のように性格的なものでかまってちゃんの行動を起こしている一方で、老化により記憶や認知機能の低下や病気が原因でかまってちゃんになっている可能性もあります。

例えば「老人性うつ」により寂しさや落ち込みが強かったり、落ち着きがなくなったり、自分で判断や決断ができないといった症状が出ていたり、「認知症」によって何度も同じ話をしつこくしてきたり、突然怒ったり泣いたりといった感情を爆発させて周りを振り回したりといったことも考えられます。

もし態度や言動にこれまでと変化があり気になる点、不安になる点があれば、病院を受診することも重要です。

老人のかまってちゃんの対処方法と注意すること

老人のかまってちゃんは過度な要求が多く、介護施設や病院の場合はその対応に追われて業務に支障が出たり、医師や職員、スタッフ、家族に大きな負担がかかり、身体だけでなく精神的に辛い状態になりがちです。

そこで周囲の人の負担軽減だけでなく本人のメンタルの安定のためにも、適切な対処法を知ることが大切です。

1.否定しない

しつこく話しかけられたり引き留められたりすると、ストレスや疲れが溜まって嫌な気持ちになることもあるでしょう。

しかし感情的になったり相手を否定してしまうと、高齢者の方が更に感情がたかぶってヒートアップしてしまい話がこじれる可能性があります。

真剣に話の内容を聞けなくても良いので否定をせず優しい声や言葉を使ってゆっくりと話を聞いてあげている姿勢を見せてあげることで、受け入れてもらえたと思って安心につながり、話が早めに終わるかも知れません。

2.質問しない

病院の待合室や街なかでしつこく老人から話しかけられる場合、おそらく話したいという衝動が抑えられずに話しかけてきていて返答を求めているわけではないため、迷惑ならば無理に反応せず軽い相槌のみにしたり、質問形式で返さないという対応がおすすめです。

自慢話の場合も同様です。

3.役割を持たせる

老人のかまってちゃんの中には、心配されたくてわざと「私なんてどうせ・・・」と言うような自虐的な発言を繰り返す方もいます。

最初は心配をしても、ずっと続くと聞いている側もうんざりしてしまいますよね。

かと言って否定せずにいるとどんどん落ち込んで暗くなり、うつのようになってしまう可能性もあります。そのため、出来るだけ本人の自己肯定感を下げないように対応したいところです。

ボランティアや町内会、地域行事などへ参加を促し、社会と関わった時間を持たせること、老人クラブやデイサービス等の介護サービスを利用して新たな環境や人間関係を築く機会を作ること、家族と暮らしている場合は生活の中で掃除やゴミ捨て等の役割を与えることなどが効果的。

他の参加者や利用者と一緒に食事をしたり、リハビリやレクリエーションを通して身体機能の改善や健康にもつながり気持ちが満たされることで、かまってちゃんの行動もおさまっていくでしょう。

4.問題の解決策を考える

本人が家族や介護スタッフに向け、話の中で自身が抱いている不満を訴えたり心配なことを打ち明けている場合、面倒だと避けたりせずそれをどうすれば解決できるのかを考える必要があります。

支離滅裂であったり話があっちこっちに飛んでいる場合は、気になるポイントだけでも書き出しておき、他の家族やスタッフとお互いの情報を共有して話し合いましょう。

まとめ

以上のように老人のかまってちゃんには性格的なものから病気まで様々な原因があって、家族、介護スタッフ、赤の他人とそれぞれの視点によって対応の方法は違うものになります。

かまってちゃんの程度によっては生活に支障が増え、相手をすることも簡単ではありません。家族だけでうまく対処できない場合は負担で押しつぶされてしまう前に自治体の窓口やケアマネジャー等に相談の上、介護施設や医療機関などを探すことも必要です。

本サイトには他にも介護や高齢者に関する情報を掲載しておりますので、ぜひ合わせてお読みください。

老人の恋愛はメリットがいっぱい!注意点も解説します

「老人になっても恋愛するの?」

そんな疑問を持たれたことはありますか?

人はたとえ高齢になっても、誰かを好きになったり恋愛感情を持つことはあります!

そこで今回の記事では、高齢者が恋愛をすることのメリット、そして気を付けたい注意点について解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください。

介護施設では高齢者の恋愛が起こりやすい

高齢者の恋愛と聞いてまず思い浮かべるのは「施設内恋愛」。デイサービスや老人ホーム等、高齢者が集まる介護施設はやはり出会いがある分、恋が生まれやすい環境であると言えます。

利用者同士の恋愛はもちろん、施設で働くかなり年齢がかなり下の職員やスタッフに恋をしたという声も少なくありません。

結婚歴がなかったり、夫や妻と死別している高齢者の場合、自分のお世話をし優しく接してくれる介護者を好きになってしまう気持ちはよく分かります。

中には両想いとなって恋愛関係に発展し、実際にお付き合いされたり結婚するカップルもいらっしゃいます。

高齢者の恋愛が良いと言われる理由

高齢者が恋愛をすることでさまざまなメリットがあります。主なものを以下に紹介していきましょう。

生きがいができる

高齢者の中には、家族と死別や別居をして孤独を感じていたり、仕事を退職して趣味もなく家に引きこもりがちになったりする方も多くいらっしゃいます。

そんな中、気になる人や好きな人が出来ると相手のことを思ってその人に会いたい、話したい、大切にしたいという気持ちが芽生え、その人の存在が大きな生きがいとなり強い生命力をもたらすでしょう。

幸せを感じられる

人は恋愛をしたり大切な人、動物とスキンシップすると「オキシトシン」という物質が分泌されます。

オキシトシンとは通称「幸せホルモン」と呼ばれ、ストレスを緩和して穏やかな気持ちにする効果のある物質です。

これにより人と積極的に関わろうとする気持ちが生まれ社交的になる等、精神的に良い変化

が見られるでしょう。

また、オキシトシンは心臓などの身体機能をあげたり、免疫を高めるといった健康への効果も期待できます。

そのため、高齢者の方にも恋愛は大きなメリットがあると言えます。

アンチエイジング

恋愛では上記のオキシトシンの他に「ドーパミン」という物質も分泌されます。

好きな人ができると、学生時代などは隣の席になっただけでドキドキした経験があるかと思います。この時、ドーパミンが分泌されています。

ドーパミンというと興奮状態のようなイメージをされるかと思いますが、心の快楽の他に実は外見にも影響がもたらします。

具体的には肌が綺麗に、髪や爪にツヤが出るといった若々しい見た目になるということです。

女性でも男性でも見た目が若々しくなることで気持ちも前向きに明るくなり、結果として外見に気を使ったり人と会うことが楽しみになるといった効果にもつながります。

また、女性ホルモンである「エストロゲン」も分泌されるため男性は穏やかに、女性は更に綺麗になり、自律神経を整える効果も得られます。

「老人の恋愛」の注意点と対策

以上のように身体的にも精神的にもメリットの多い恋愛ですが、若い頃とは違い高齢者の恋愛を語る上で避けられない注意したい点もいくつかあります。

周囲からの反対

高齢者の恋愛でまず一番心配になるのが、子どもや親族、友人、近所の人なども含め周りから理解されず反対されたり、「良い歳をして恥ずかしい」「父(母)のことを忘れたのか」「私たちのことは考えないのか」等、嫌な反応をされる可能性があることです。

特に配偶者はいなくても子どもがいる場合、親が恋愛をするという状況に抵抗がある人もいます。

しかし、残りの人生をまた好きな人と過ごしたいという気持ちはまったく悪いことではありません。

周りの人も大切ですが、一番大切なのは本人の気持ち。残りの人生をどのように過ごすかは自分で決めても良いのではないでしょうか。

以前と比べて笑顔で元気で過ごす様子や生き生きと生活する姿を見たら、きっと周囲の人も応援する気持ちになると思います。

人間関係、男女関係のトラブル

高齢者に限ったお話ではありませんが、恋愛にめり込み過ぎてしまったり相手の気持ち

を誤解しストーカー化してしまうという例もあります。

同じ施設に入居している場合、相手の部屋に勝手に入ってしまったり、相手にはその気がないのに恋人のように振舞ってしまう等が心配されます。

また、好きな人が人気のある方の場合、その人をめぐって他の人と対立したり、三角関係になってしまったりすることも実は意外とよくある問題なのです。

「恋愛は人を狂わせる」という言葉もあるように、高齢者とはいえ穏やかな恋愛ばかりではなく、このようなトラブルもあることを頭に入れ、周囲はサポートしていく必要があります。

お金のトラブル

恋愛中、相手にプレゼントをしたりデートでお金を使う機会が増えるでしょう。

また、再婚となった場合は相続の問題も出てきます。

これまで相続されるはずだった人が、再婚によって相続できなくなったり金額が減るといったことが起こった時、トラブルを防ぐためにも前もって話し合いをしておくことも重要です。

また、配偶者がいて離婚となった場合の慰謝料や財産分与について考えなくてはなりませんし、施設で一緒に暮らしている場合には退所したいというケースも出てきます。

いずれも簡単に決められない問題ですので、当人同士で決めず信頼できる人や施設の職員、ソーシャルワーカー等に相談し、間に入ってもらうことをおすすめします。

まとめ

日本でも今は多様性のある考え方が広まり、昔とは違いさまざまな恋愛のスタイルが受け入れられる時代になってきています。

男女の性別はもちろん、中高年や高齢者といった年齢の垣根も超え、誰を好きになるかというよりも恋愛するというその気持ちや行為自体に目が向けられ始めています。

恋愛は人に多くのメリットをもたらしますが、それは高齢者も同じ。

もし家族や周囲に恋愛を楽しむ高齢者の方がいたら、トラブルにならないようサポートしながら見守っていきたいですね。

この他にも当ブログには高齢者や介護に関連した様々な情報を発信しています。是非合わせてご覧ください。

老人の食欲不振の原因と対策

「高齢の親が最近食事をあまり食べない」「歳とともに食欲が減り、空腹を感じなくなった」「体重が減少した」

このように感じることはありませんか?

食欲の低下が続くと必要な栄養が摂取できず、その結果身体や精神、認知機能などにおいてさまざまな問題につながり、健康に対するリスクを高めてしまう可能性が高いため、早めに対策をとる必要があります。

今回の記事では、高齢者が食欲不振となる原因や予防、回復のための対策について解説します。

どうぞ最後までご覧いただき、皆様に役立ちますと幸いです。

老人が食欲不振になる原因

高齢者が食欲不振となる原因にはさまざまなものが考えられます。以下、主な原因を紹介します。

<口腔機能の低下>

高齢者は加齢により食べ物を噛む咀嚼、飲み込む嚥下などの口腔機能が衰え、食べるという行為そのものが難しくなってきます。

そのため、食べることが苦痛に感じたり、誤嚥してしまう不安を感じて食欲不振につながる場合があります。

<胃腸が弱くなる>

加齢により胃腸が弱くなり、消化不良や下痢を起こしやすくなったり、逆に便秘になったりしやすくなります。

食べると調子が悪くなると感じるため、食べたくても躊躇してしまったりそもそも食欲が沸かなくなってしまう要因になります。

<感覚の変化>

高齢になると味覚・嗅覚・視覚といった感覚器官の働きが弱くなり、味を感じにくくなったり風味や匂いが分からなくなったり、白内障などにより料理が美味しく見えないといった状態になることがあります。

これらの変化も食欲不振を引き起こす要因の1つと考えられています。

<活動量が減る>

筋力が低下したり疲れやすかったり、足や腰、関節などの痛み、病気、気力の低下等により家に引きこもりがちになると、活動量は低下してしまいます。

そのためエネルギーを必要とせずお腹が空かず、食欲も低下してしまいます。

<ストレス>

日常生活の中で、あるいは病気やケガ、配偶者や友人との死別等で強いストレスがかかると食欲不振を招きます。

特に一人暮らしの場合は食事がおろそかになったり、孤独や孤立感から食欲不振を引き起こしやすくなります。

<薬の副作用>

病気の治療などで薬を服用している場合、その影響で食欲不振になってしまうケースも少なくありません。

その場合、主治医に相談し薬を変えてもらう等の対応をお願いしましょう。

<認知症>

認知症の症状の一つに”気力の低下”があり、それにより食事に対する興味や意欲が失われてしまうということもあります。

他にも箸や食器を上手く使えなくなったり、食べ物自体を認識できなくなり食事量が減少している可能性もあります。

老人が食欲不振を回復させる方法と対策

以上のようにさまざまな理由により食欲不振に陥ってしまった高齢者の方の、食欲を回復させる方法や対策について紹介していきます。

<食材や調理を変えて食べやすくする>

本人の能力に合わせたメニューを提供するようにしましょう。

咀嚼がしにくいという場合は軟らかい食材を選んだり、細かく刻み、繊維があるものは断ち、煮込む時間を長くする等して食べやすくなるよう工夫します。

汁物は片栗粉やとろみ剤を使用して飲み込みやすいようにしましょう。脱水しないよう水分をとる際も同様にとろみをつけることが大切です。

また、脂質が多いと胃腸に負担がかかり消化も悪くなりますので気を付けましょう。

家族が調理に負担を感じる時は、高齢者に配慮した市販のものや介護食を宅配してくれる業者を利用することもおすすめです。

<食べる楽しみを作る>

食事への意欲が低下している場合は、本人が好きなものや食べたいものを聞いて用意したり、料理の盛り付けや食器などの見た目や食事をする環境を変えて、少しでも食事を楽しく感じてもらう工夫をするのも効果的です。

一人暮らしやいつも1人で食事をしている方であれば、デイサービス等の介護施設を利用したり、地域で実施されているみんなで食事をとるサービスを使って会話を楽しみながら食事が出来る機会を作りましょう。

<規則正しい生活を送る>

生活のリズムを整え、なるべく運動する時間を作り、食事の時間も決めることで食欲が回復してきます。

栄養が不足しないよう、可能な限り3食規則正しく食べる習慣を付けましょう。

<栄養補助食品を活用する>

それでも食べられない場合は栄養補助食品を活用するという手もあります。

最近は飲料、ゼリー、サプリメント等種類も多く、本人がとりやすいものを選ぶと良いかと思います。

高齢者が不足しがちな栄養素を入れた高齢者向けの商品も販売されていますので、お店で探したりネットで検索して取り入れてみてはいかがでしょうか。

筋肉や脳の機能の改善によいとされるたんぱく質が十分に入ったものがおすすめです。

老人の食欲不振時に注意したいこと

食欲低下の状態は心配ですが、だからといって無理に食べさせようとするのは逆効果です。

本人のストレスとなり、余計に食事に対してプレッシャーや嫌悪感を持たれかねません。

デイサービスは食事に関するサポートや指導も行っていますので、担当のケアマネジャーに相談し利用を検討することもおすすめです。

まとめ

以上のように、高齢者はさまざまな原因により食欲不振に陥りやすく、身体的にも精神的にも影響が出て病気を引き起こしたり、寝たきりになってしまうこともあります。

減退した食事への意欲を高めるために早めのケアが重要で、食事の内容や生活リズム等の食生活の改善や、食事を楽しむことが出来るように工夫すると良いでしょう。

これ以外にも、当サイトでは高齢者に関連する様々な情報を発信しております。ぜひ合わせてご覧下さいませ。

老人の筋力低下は病気?その原因と対策について

「最近、歩く時によくつまずく」「蓋が開けられなくなってきた」「疲れやすくなった」

誰しも年齢を重ねるにつれて筋力の低下を感じてきます。

しかしその原因が加齢に伴うものなのか、それとも何かの病気かも知れないと不安や心配になることも多いでしょう。

そこで今回の記事では、老人の筋力低下の原因やその対策について解説します。

是非最後までご覧いただき、健康の維持のために参考にしていただければと思います。

老人の筋力低下「サルコペニア」の原因

人の筋力は一般的に40歳を過ぎた頃から少しずつ減少しはじめます。あまり知られていませんが、老化により筋力が低下する、全身の筋肉量が減少することを「サルコペニア」と呼び、現在は”病気”として位置付けられています。

サルコペニアを発症すると歩行や立ち上がるという日常生活で起こる基本的な動作が難しくなり、転倒やケガの恐れがあったり、状態によっては介護が必要となってきます。

日本の65歳以上の高齢者の中で、このサルコペニアに該当する割合は2019年の時点で約15%と言われており、性別では女性より男性の方が多いという特徴があります。

考えられる主な要因としては、加齢の他に運動不足や栄養不足、病気やその後遺症があり、放置すると症状が進行し、自立した生活が送れなくなり要介護の状態になってしまうため注意が必要であり、早めに対策や予防を行うことが重要です。

なお、糖尿病によりサルコペニアが起こるケースもあるため、心配な場合は診療を受け適切な治療を受けるようにして下さい。

サルコペニアの主な症状

高齢者の筋力低下により、具体的に以下のような症状が表れてきます。

・手をついたり支えがないと立ち上がれない

・手すりがないと階段の昇り降りができない

・足がしっかり上がらずつまずきやすい、転倒する

・疲れやすい

・蓋が開けられない

・体重の減少

ほか

これらの状態が進んでいくと、筋肉だけでなく関節や骨、神経などにも影響が広がり移動機能も低下する「ロコモティブシンドローム(通称:ロコモ)」という状態となり、骨折や病気、そして将来的に寝たきりになってしまうリスクが高くなります。

また、ロコモによる身体的な影響と認知症やうつ病といった精神的な影響、孤立や引きこもりといった社会的な影響で構成される「フレイル」という状態にもつながっていく可能性があります。

そのため、筋力や体力の低下をただの老化だと片付けず、しっかりと予防のために対応していくことが大切なのです。

老人の筋力低下を防ぐ方法

高齢による筋力低下を予防するためには、「運動・栄養・交流」の3つを意識して行うことがとても重要です。

<運動>

先述したように筋力低下の原因の1つに運動不足がありますので、日頃から運動をする習慣を身に付けましょう。

「老人だから筋肉なんてつかない」と思われる方もいるかも知れませんが、実は若者と高齢者で筋力トレーニングでの筋力の増加率はほとんど変わらないという研究の結果が出ています。いくつになっても筋肉を鍛えることが出来るのです。

ただケガ等を防ぐためにも無理な運動をするのではなく、毎日続けられるような負荷の低い有酸素運動や筋力トレーニングが始めることがおすすめです。

すぐに行えるものとしてゆっくりの速度で近所を歩く、軽いランニングをする、自転車でサイクリングやラジオ体操も良い運動になります。

なお、心臓の疾患などがある方はどの程度の運動をすれば良いか医療機関に相談してから行ってください。

<栄養>

栄養バランスのとれた食事、特にたんぱく質を意識的に摂るようにしましょう。

たんぱく質が不足することでフレイルに陥りやすくなるためです。

1日3食の食事や間食の中で肉や魚、卵、豆、乳製品などの食材をバランス良く食べるようにしましょう。

<交流>

運動と食事以外に、多くの人と関わり交流する、社会に参加することもとても大きな筋力低下の予防策となります。

こちらも先述したように、孤独や孤立感などの精神面もサルコペニアの原因となるからです。

趣味のサークルや地域の活動に参加したり、孫やペットの世話をすることもおすすめです。

楽しいと感じられる時間を生活の中で作ることは生きがいにもなり、脳の活性化を促して認知機能を改善し認知症の予防にもつながります。

要介護認定を受けている場合はデイサービスを利用し機能訓練を受けることもおすすめです。

まとめ

以上のように、加齢による筋力低下は疾患の1つであり、早めに予防のための対策を行わないと身体機能に障害を起こし関節の痛みや感覚器官、精神面にも影響を及ぼすロコモやフレイルへ進行する危険があります。

いくつになっても日頃から食事の内容を見直し、軽い運動を習慣にして出来るだけ多くの人と接する機会を作ることで体と心は力強く変化します。

継続することが大切ですから、いずれもストレスにならない程度に無理せず実践してみて下さいね。

当サイトでは高齢者のお悩みや介護に関連する情報を発信していますので、ぜひ合わせてご覧下さい。

老人の一人暮らしの生活費はいくらかかる?年金で足りるの?

高齢化社会の進む日本では、現在、一人暮らしをする老人が増えています。

結婚せず独身のままであった人、配偶者と死別した人、子どもや家族はいるが離れて暮らしている等状況はさまざまですが、厚生労働省の令和2年に実施された調査によれば、高齢者のうち1人暮らしをしている人の割合は19%を占めるとの高い統計が出ています。

今後もさらに増加することが予想されていますので、自分の親や自分自身もそうなる可能性があり他人事ではありません。

そこで気になるは、老人の一人暮らしに生活費はいくら必要なのかということ。

今回の記事ではそんな不安にお応えするため、一般的な生活費の目安や今から準備しておきたいことについて解説します。

どうぞ最後までご覧いただき、老後の備えの参考にしていただければと思います。

老人の一人暮らしでかかる生活費の平均

一般的な高齢者の一人暮らしでかかる生活費は、月額で約15万円と言われています。

もちろん、ここにはそれぞれの健康の状態や仕事や収入の有無、持ち家か賃貸か等によって必要な生活費は異なります。住まいが賃貸である場合は暮らしている地域にもよりますが、更におよそ3万円~5万円プラスされると考えましょう。

また、ここには突然の病気やケガによる病院での医療費や介護費、交際費などの費用は含まれていません。

最低でも15万円、余裕をもって20万円程度見積もる必要がありそうです。

<高齢単身無職世帯の生活費の内訳(総務省家計調査報告 2019年の平均結果)>

食費:35,883円 

住居費:12,916円

水道・光熱:13,055円

家具・家事用品:5,681円

被服及び履物:3,659円

保健・医療:8,445円

交通・通信:13,117円

教育:47円

教養・娯楽:16,547円 

諸雑費などその他:30,389円 

税金・社会保険料:12,061円

合計 151,800円

老人の一人暮らしで年金はいくらもらえる?

日本の公的な年金には国民年金と厚生年金がありますが、国民保険に加入している場合の平均支給額は55,615円、厚生年金の場合は147,051円(男性:165,668円、女性:103,026円)となっています。

となると、年金だけでは老後の生活費を賄おうとするのは厳しく、安心して過ごすためには年金以外に貯蓄をしておく必要があることが分かります。

老後の一人暮らしで必要な生活費の計算方法

以上で紹介してきた額はあくまで平均的なものですが、自分の場合はどうなるのかより具体的に知るためには以下の項目の内容を考えます。

1.家賃(ローン)

2.自分の生活で想定される生活費

3.自分が加入している年金で受け取れる金額

4.平均余命

平均余命は一般的に定年退職する65歳から残りどれだけ生きることが出来るのかを考えます。

2023年に発表された2022年分の平均寿命は男性で81.05歳、女性で87.09歳となっていることから、老後は男性なら約20年間、女性は約25年間分の生活費が必要となってきます。

平均で見ると女性の方が老後の資金が多く必要になるというわけです。

老後の生活費は早めに準備を始めましょう

65歳を過ぎて生活費が不足してしまうことがないよう、老後の一人暮らしの生活費のための貯蓄は早めに準備を進めることがおすすめです。

そのための対策をいくつか紹介します。

<公的年金の任意加入>

国民年金の場合、60歳までの保険料の納付済期間が480ヶ月に満たないと満額もらうことが出来ません。

そのため、60歳を超えても480ヶ月を上限に加入し払い続けることで満額になるよう調整が可能です。

厚生年金の場合も任意で加入することができます。

また、現在年金の受給は65歳からとなっていますが、60歳まで1ヶ月単位で受給年齢を繰り下げることが可能です。ただし1ヶ月につき受給額が0.5%減額となりますので注意しましょう。

<個人年金保険に加入>

公的年金とは別に私的の個人年金保険に加入することで老後の生活にゆとりが生まれます。

個人年金保険の場合、支払った金額が生命保険料控除の対象にもなりますし、自由にお金をおろせず確実に貯蓄することが出来ます。

ただし、途中解約してしまうと支払った額よりも少ない額しか返金されない場合が多いので気を付けましょう。

<FPに相談する>

お金の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することで、将来受け取れる年金や必要な生活費などのシミュレーションを行ってもらえ、どうすれば良いのか具体的にアドバイスをもらうことが出来ます。

また、資産や毎月の収支を洗い出して現状の家計を把握し、考えられるリスクや家計の支出、加入している保険のプランの見直し等も行えます。

無料の相談会や最近話題のNISAやIDECO等の勉強会等、サービスやイベントが全国で開催されていますので活用し、興味がある方は早いうちに一度相談をしてみてはいかがでしょうか。