デイサービスでも受けられる?訪問美容サービスについて

訪問理美容サービスというサービスをご存じですか?美容室に行くことの出来ない高齢者の方に向けたサービスで、2021年現在では散髪以外にもエステやネイルといったサービスの需要も増えています。今回の記事では、この訪問理美容サービスについての詳細と、デイサービスなどの介護施設において理美容サービスを受けられるのかといったことについてもご紹介します。是非最後までご覧ください。

訪問理美容サービスとは?

訪問理美容サービスの目的

高齢になるにしたがい人と会うことや出かけることも減り、身だしなみや美容に対しておろそかとなる方は少なくありません。

体に不自由を抱えているためなかなか美容室に行くことが出来ない方もいらっしゃいます。

また、介護施設において利用者の方から「髪が伸びたので切って欲しい。」とお願いされた体験のある介護職員もいますが、実はヘアカットを含め美容に関するサービスは美容師や理容師のみが提供できると定められており介護スタッフが行うことは禁止されています。そのため毎回断るのが心苦しい…といった声も多く聞かれます。

訪問理美容サービスには、このように様々な理由により美容室に行きたいけれど行けないという方に対して散髪等のサービスを行ったり、高齢者の方のQOL(生活の質)を上げることを目的として提供されています。

髪の毛を切ったり身なりを整えることは、それだけで気持ちが明るくなり、自信がつき、笑顔が増え、更には動作や姿勢がシャキッとなるというような効果も期待できます。

訪問理美容サービスによって精神的な自立や喜びを提供することも大きな目的の一つです。

主なサービス内容一覧

サービス提供者によって異なりますが、主なサービス内容は以下となります。

・ヘアカット

・カラーリング

・パーマ

・ブロー

・ひげそり、顔そり

・マッサージ、ヘッドマッサージ

・ネイル

・メイク

訪問理美容サービスの行政補助

自治体によって異なりますが、条件を満たし利用申請が認定されると、お住まいの市区町村より訪問理美容サービスを受ける際の利用料の補助を受けることが出来ます。

行政からの補助を受ける場合、対象となるサービスは基本的にはヘアカットや顔そりのみとなるところがほとんどです。

1回のサービスが無料になるところ、出張費のみ補助をするところ、自己負担額が決められているところなど補助の内容はさまざまなのでお住まいの地域にて情報をご確認下さい。

訪問理美容サービスの利用対象者

自治体により異なりますが、

・65歳以上の高齢者

・身体機能の低下や疾病、怪我などの理由により理容室、美容室へ行くことが困難な方

・要介護3以上に認定された方

といった条件が一般的に多いようですが、自治体によっては年齢制限がなかったり、座位を保てる方、寝たきりの方などさまざまです。

訪問理美容サービスの利用方法

訪問理美容サービスの利用を希望する場合、まずお住まいの市区町村の福祉課や高齢者支援課、保健センター等に問合せをし、必要な申請を行ってください。

自治体が協定している理美容室を紹介してもらえますが、お住まいのエリアの理髪店や美容室に直接問合せてみても教えてもらえる可能性が高いです。

デイサービスでの理美容サービス利用

利用条件

訪問理美容サービスは介護保険適用外のサービスになります。そのため、デイサービス(通所介護サービス)でのサービスとして受けることは出来ません。

しかし、利用者の自己負担によってデイサービスの施設に訪問してもらい、理美容サービスを受けることは問題ありません。

その際は、デイサービスでのリハビリや機能訓練といった本来の提供プログラムに影響しないよう配慮することが必要となります。また、デイサービスでの介護サービス提供時間に理美容サービスに要した時間は含まれません。

利用方法

まずは通所しているデイサービス施設で提携している訪問理美容師がいないか、施設に直接確認をします。

いないようであれば近くの訪問理美容師をインターネットで検索するとすぐに見つけることが出来るはずです。

要介護のレベルによっては、介護の知識のある福祉理容師や福祉美容師にお願いすると、寝たきりの状態での施術などにも精通しているので安心です。

訪問してもらう理美容師が決まったら、カットやヘアカラー、洗髪など行ってもらいたいメニューと料金を確認し、訪問してもらう日時を決めます。

もし理美容師に対する要望(性別や使用器具など)があれば、事前に伝えましょう。

デイサービスで受ける理美容サービスはメリットがいっぱい

デイサービス等の介護施設で訪問理美容サービスを受ける場合、施術中に体調が悪くなったりした場合でもすぐに介護スタッフが対応することが出来る為安心です。

また、美容室は緊張してしまうという方が多くいらっしゃいますが、通いなれた施設内での施術ですのでリラックスしてサービスを受けることが出来ます。

介護スタッフにとっても要介護者の洗髪はなかなか大変なもの。訪問理美容サービスで専門の美容師に洗髪をしてもらい髪の毛を整えてもらうことで、利用者自身も負担が少なく、清潔さを保ち、施設内の衛生面も管理しやすくなる等メリットがたくさんあります。

何より利用者の方が笑顔になれるサービスであることが一番嬉しいメリットですね。

デイサービスの見学や無料体験って何をするの?利用するには?

デイサービスに興味はあるけれどどんなところなのか不安。」という人は少なくありません。それぞれの福祉施設は、皆様が楽しくデイサービスを利用し、日々の生活が充実したものとなることを目指して日々介護サービスを提供し運営していますが、まずは安心して過ごせる場所なのかを事前に確認頂けるようなサービスを行っています。そこでこの記事では、デイサービスの無料体験や見学会について詳しくご紹介して参ります。

デイサービスの見学会、無料体験とは

デイサービス施設のサイト等で概要を確認し、希望に合いそうなデイサービスがいくつか見つかったら、すぐに入所を申し込むのではなく必ず利用開始前に見学や無料体験入所を申し込みましょう。サイト内に見学や無料体験の案内が書かれているページがあるはずなので、情報を確認してください。

デイサービスの見学、無料体験でチェックすること

ほとんどのデイサービスでは入所前の見学が可能です。(逆に見学を受付ていないような施設は避けた方が良いでしょう。)

また、介護サービスを1日無料で受けられる体験サービスを行っている施設もあります。

実際に契約を進める際にはケアマネジャーを介す必要がありますが、見学や無料体験の申し込みはご希望のデイサービス施設へ電話やFAXなど指定の方法で直接申し込みを行います。

<事前のチェックポイント>

■見学日

曜日によって利用者が異なるため、利用者や雰囲気を見るためには自分が通う予定の曜日に申し込むことをおすすめします。

■見学時間

見学時間に関してはできれば食事や入浴を行う時間帯にしましょう。どのように介助を行っているのかを見れた方が安心ですし、施設を選ぶ際の参考ポイントとなります。

そもそも事業所によって利用できる曜日や時間が異なる為、利用者本人とご家族の方でご相談いただき、通える曜日と時間帯に合った施設を選びましょう。

また、短時間の施設だと入浴サービスがないところもあるので注意しましょう。

■送迎

ほとんどのデイサービス施設には送迎サービスがありますが、念のため自宅との送迎が可能かどうか確認をしておきましょう。その際、出発時間と帰宅時間、乗車時間、車いすか普通の乗用車かといった点も確認しておくと安心です。

<見学、無料体験当日のチェックポイント>

■環境

・施設内、トイレ、お風呂、食堂は清潔で掃除がしっかりとされているか

・利用者の人数はどれくらいか(規模によって施設内の雰囲気、他者との交流、レクリエーションの内容や設備等が異なる場合が多いです。)

・日当たりは良いか

■食事

・食事制限(アレルギーや塩分等)に対応してくれるか

・食事を食べやすくしてくれているか(介護度に応じているか)

・食事の介助は丁寧か、無理矢理食べさせようとしていないか

・宅配か手作りか(こだわりがある場合は食事内容をチェック)

■お風呂

・介助人数は足りているか

・介護度に合わせ丁寧に介助されているか

・嫌がっている利用者はいないか(認知症の方を除く)

■レクリエーション

・日中どのようなことをして過ごしているか

・イベントはどのようなことをしているのか

・強制参加ではないか

■雰囲気

・職員やスタッフは笑顔で挨拶をするか、言葉遣いや声が威圧的ではないか

・利用者の表情は楽しそうか、孤立して寂しそうな人はいないか

・年齢層や介護度は馴染めそうか

1日無料体験の主なスケジュール

施設によって方針や内容は異なりますが、一般的な1日の流れをご紹介します。無料体験でも送迎や食事、おやつが提供されるところがほとんどです。

不明な点、不安な点がある場合は必ず職員やスタッフに質問・相談をして下さいね。

08:30~ 自宅までお迎え

09:30~ 手洗い、うがい、バイタルチェック

10:00~ 機能訓練、入浴、趣味の活動等

11:45~ 食事前の口腔体操

12:00~ 昼食

14:00~ 機能訓練、レクリエーション

15:00~ おやつ

15:30~ 体操

16:30~ 自宅までお送りします

デイサービスの見学会や無料体験で留意すること

見学や無料体験を受ける際に留意したい点をお伝えします。

複数の施設を見学する

できれば一つの施設だけでなく、比較検討ができるように複数(2~3か所)の施設を見学、体験することをおすすめします。

利用予定のご本人がデイサービスに希望するサービス(日常生活で困っていることの介助や改善、過ごし方等)を受けられる施設を選ぶ為にも、いくつかの施設を見てから判断された方が良いと思います。

利用者本人も一緒に参加する

家族だけではなく、実際に利用されるご本人も一緒に見学、体験に行きましょう。

中には家庭の事情によりデイサービスの利用が本人ではなく家族の意向という場合もあります。そしてご本人はデイサービスの利用に否定的だったり強い不安を感じているといった場合もあります。

そのような場合には事前にデイサービスの職員、相談員にお伝えいただき、当日はより安心して利用してもらえるようなお話や支援をしてもらいましょう。

発達障害の児童を支援する放課後等デイサービスでも活躍!デイサービスでの言語聴覚士の役割とは?

高齢者向け自立支援施設であるデイサービスだけでなく、発達障害を抱える児童を支援する放課後等デイサービスや療育施設でも活動している言語聴覚士という仕事をご存じですか?言語や聴覚に特化した専門の知識と資格を持った言語聴覚士。この記事では、言語聴覚士の仕事やデイサービスにおける役割について詳しくご紹介していきます。支援を受ける方や、現在言語聴覚士の求人、転職について調べている方にとっても参考になれば嬉しいです。

言語聴覚士とは

言語聴覚士の求められる役割、活躍している場所はどこでしょうか。

言語聴覚士の役割

私たちは普段言葉でコミュニケーションをとる際、『言語、聴覚、発声(発音)、認知』いった機能が働きます。

しかし、脳卒中等の病気、事故、発達の遅れ、障害、加齢等、様々な理由によってこれらの機能が失われ、言葉でコミュニケーションをとることに困難が生じてしまう場合があります。

そのような方に対し、機能の維持や向上、改善を図るため専門の訓練や検査、助言、指導といったサービスを提供し、それぞれが自分らしい生活を送れるように支援するのが言語聴覚士の役割となります。

その他、摂食や嚥下に問題を抱えサポートが必要な方への専門的サポートや、当事者のご家族に対する対応やケアも行います。

言語聴覚士の活動は、単独ではなく医療専門職(医師、看護師、理学療法士、作業療法士、歯科医師等)、保健福祉専門職(介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉士、ケースワーカー等)、心理専門職、教師といった様々な専門職員、スタッフと一緒に連携していただき、チームの一員という形で活動することが主となります。

また、言語聴覚士はST(Speech Therapist)とも呼ばれ、言語聴覚士になるには言語聴覚士法に基づく国家資格を取得する必要があります。

簡単ではありませんが、人の役に立ちたいという気持ちが強く、福祉や医療関連の仕事に興味を持っている方たちから人気の職種です。

言語聴覚士が働く場所

言葉によるコミュニケーションの問題というのは先ほどあげたように様々な要因がある為、子どもから高齢者まで幅広い年齢の方に起こります。

その為言語聴覚士が活躍する環境は多岐に渡り、勤務するエリアに関しても全国に広がります。

特に最近は超高齢化社会で言語聴覚士の需要が高まり、言語聴覚士の求人募集の掲載や採用情報も増え歓迎されています。

主な勤務先は、

<医療機関>

・大学病院や総合病院

・リハビリテーション専門病院

・リハビリテーションセンター

・個人クリニック ほか

<福祉、保健機関>

・高齢者向けデイサービス(デイケア)

・特別養護老人ホーム

・認知症専門病院

・訪問リハビリテーション

・心身障がい者福祉センター

・聴覚言語障害厚生施設

・地域包括支援センター

・保健所、保健センター(主に相談業務) ほか

<子どもの福祉、療育領域>

・放課後等デイサービス

・小児療育センター

・発達がい児支援センター

・特別支援学校

・肢体不自由児施設

・重症心身障がい児施設

・知的障がい児施設

・児童相談所

・幼稚園、保育所、小学校、中学校 ほか

※教員として特別支援学級、特別支援学校等で子ども達を支援する場合は、言語聴覚士の他に教員免許や保育士の資格を取得する必要がある場合もあります。

※教員として言語聴覚士を育成する言語聴覚士養成所で働くという選択肢もあります。

デイサービスにおける言語聴覚士の仕事内容

デイサービスでお仕事をしている言語聴覚士は、どのような業務を行っているのでしょうか。各事業所や施設ごとの特色や、常勤、非常勤によっても役割は異なりますが、主なものを以下にご紹介します。

高齢者向けデイサービス

高齢者向けのデイサービス(通所介護)で働く場合、言語聴覚士としての専門の業務以外にも、利用者の自宅と施設間の車での送迎や食事の配膳、排泄や入浴等の生活介助、レクリエーションの運営、施設内の清掃、事務(記録や評価)といった幅広い業務を行うことが多いという特徴があります。

指導員としての専門的な訓練に加え、利用者1人ひとりが安心して楽しく生活を送ることが可能となるようサービスを提供することが求められます。

言語聴覚士としての専門的な業務にもっと専念したいという場合は言語訓練に特化したデイサービスというのもありますので、そのような施設を条件として指定し探すこともおすすめします。

子ども向けデイサービス

子どもを対象としたデイサービスには、未就学児の為の『児童発達支援』と、就学児の為の『放課後デイサービス』があります。

放課後等デイサービスとは、6歳から18歳の発達に障がいや遅れ、特性のある子ども達が充実した生活を送れるよう自立支援を行う福祉サービスのことを言います。

これらのサービスを提供する施設において、言語聴覚士は「話す」「聞く」「食べる」といったことに問題を抱えている子どもに対し検査をして原因を探り、1人ひとりに合わせた適切なリハビリや個別の訓練プログラムを考案、計画を作成し実施します。

また、聴力に障がいがある子どもに対し補聴器の使い方を教えることも、言語聴覚士の重要な仕事になります。

デイサービスにおける個別機能訓練(リハビリテーション)とは何か

デイサービスでは食事や入浴、排泄などの生活面の介助の他に、日常生活で必要な動作を行う身体機能の維持や向上を目的とした機能訓練と呼ばれる介護サービスも提供されます。医師の指導により行う医療行為とは違い、基本、機能訓練指導員によって行われます。この記事では個別機能訓練の目的や主な内容、個別機能訓練加算についてご紹介します。

デイサービスで行われる個別機能訓練の目的と主な内容

デイサービスで行われる個別機能訓練とは、どのような目的でどんなことが行われるのでしょうか?

1. 個別機能訓練の目的と特徴

目的は「生活機能の向上」

個別機能訓練の最終的な目的は、日常生活動作(ADL)や手段的日常生活動作(IADL)の改善・維持を通じて、利用者の生活の質(QOL)と自立支援を図ることです。

  • ADL(日常生活動作): 食事、排泄、入浴、着替え、移動などの基本的な動作。
  • IADL(手段的日常生活動作): 掃除、洗濯、買い物、調理、公共交通機関の利用などの応用的な動作。

個別訓練の3つの要素

個別機能訓練は、主に以下の3つの要素を複合的に組み合わせて行われます。

  1. 身体機能訓練: 筋力、柔軟性、バランス能力などの基本的な身体能力の維持・向上。
  2. 生活機能訓練: ADLやIADLに直結する具体的な動作の練習。
  3. 認知機能訓練: 認知症の予防や進行の穏やかなものにすることを目指した訓練。

2. 具体的な訓練内容の例

個別機能訓練の内容は多岐にわたりますが、利用者の**「何をできるようになりたいか」**という目標に応じて選択されます。

身体機能の維持・向上

訓練内容の例目的・効果
歩行訓練平行棒や杖を使った歩行練習、段差の上り下りなど。転倒予防に直結します。
筋力トレーニング椅子からの立ち座り(スクワット)、足首や膝の曲げ伸ばし(レッグエクステンション)など。移動や立ち上がりに必要な筋力を維持・強化します。
関節可動域訓練体の柔軟性や痛みの軽減を目的に、専門職が関節をゆっくり動かすストレッチやマッサージ。着替えや体を洗う動作を楽にします。
バランス訓練片足立ち、不安定な場所での立位訓練、体操。ふらつきを抑え、転倒リスクを減らします。

生活機能(ADL/IADL)の獲得・維持

訓練内容の例目的・効果
更衣訓練衣服の着脱に必要な腕や肩の動きを意識した練習、特定のボタンを留める練習など。
食事動作訓練箸やスプーンの細かい操作訓練、食卓での適切な姿勢の保持、**嚥下(飲み込み)**を意識した口腔体操。
入浴動作訓練浴槽のまたぎ動作、シャワーの操作など、自宅での安全な入浴を目指した練習。
応用動作訓練買い物に見立てた荷物の持ち運びや、洗濯物をたたむ、調理器具を扱うなど、生活に密着した動作の練習。

認知機能・口腔機能の維持

訓練内容の例目的・効果
脳のトレーニングクイズ、パズル、計算問題、簡単なゲームなど。認知症の予防・進行抑制を目的とします。
回想法昔の写真や音楽などを使って過去の体験を語り合うことで、記憶の活性化や精神の安定を図ります。(特に認知症対応型デイサービスで重視されます)
口腔機能向上訓練舌、唇、頬を動かす体操、発声練習、唾液腺のマッサージなど。誤嚥性肺炎の予防や、食事を安全に楽しむことを目指します。

3. 訓練実施のポイント

  • 個別での実施: 個別機能訓練は、原則として個別または5人程度の小集団で、機能訓練指導員が直接指導します。
  • 居宅訪問: 訓練計画を作成する前に、機能訓練指導員が利用者の自宅を訪問し、どのような生活課題があるか(例:「トイレまでの段差がきつい」「お風呂の出入りが不安」など)を把握することが義務付けられています。
  • 多職種連携: 訓練計画は、機能訓練指導員だけでなく、看護職員、介護職員、生活相談員などが共同で作成し、目標達成に向けてデイサービス全体のケアと連携します。

機能訓練指導員について

デイサービスで機能訓練の指導は誰でもできるわけではなく、指定された以下の資格のうちどれか一つ以上を持っていることが条件になります。

・理学療法士

・作業療法士

・言語聴覚士

・看護師、准看護師

・あん摩マッサージ指圧師

・柔道整復師

・鍼灸師(他の機能訓練指導員が在籍する施設で半年以上の実務経験が必須)

個別機能訓練加算について

機能訓練(リハビリテーション)を強化しているデイサービスというのは、個別機能訓練加算というものを取得しています。

これは、国の定める基準を満たした利用者の一人ひとりに合わせた個別機能訓練サービスを提供している場合に算定することができる介護サービスの追加料金(加算)のことを言います。

個別機能訓練加算には二種類あり、以下に説明します。

個別機能訓練加算Ⅰ

身体機能の維持、向上を目的とした個別機能訓練を主に行っている場合、個別機能訓練加算Ⅰを算定します。各条件は以下となります。

単位:1日45単位(460円の加算)

機能訓練指導員の配置:常勤、専従を1名以上配置

訓練対象者:人数制限なし

訓練実施者:制限なし(機能訓練指導員の管理下であれば、他の職員が実施しても可能)

実施回数:定めなし

個別機能訓練加算Ⅱ

生活機能の維持、向上を目的とした個別機能訓練を主に行っている場合、個別機能訓練加算Ⅱを算定します。各条件は以下となります。

単位:Ⅰ日56単位(560円の加算)

機能訓練指導員の配置:専従を1名配置(常勤でなくても可能)

訓練対象者:個別、または5人以下の集団

訓練実施者:機能訓練指導員が直接実施すること

実施回数:週1回以上実施すること

※ⅠとⅡの大きな違いは、機能訓練指導員の配置と訓練対象者の人数、そして実施回数の三つです。

まとめ

デイサービスでは身体機能、生活機能の維持、向上に向けた機能訓練を受けることが出来ます。

それには”機能訓練指導員”という専門の資格を持ったスタッフが対応する為、安心して受けることが可能です。

訓練内容によっては個別で受けたり複数の人と一緒に受けることが出来ます。

身体機能や生活機能が向上すると、生活がしやすく自分の力を感じられ、精神の健康にも繋がります。

心身共に健康に生活する為にも、ぜひ機能訓練を活用下さい。

詳しい情報については事業所やお住まいの地域の役所で資料や概要を確認をしていただいたり、質問や相談がある際は担当のケアマネジャーにぜひお伝え下さい。

介護施設、デイサービスのランチとは?内容やその目的、効果を解説

食事の時間は1日のうちの楽しみな時間の一つ。介護施設やデイサービスでも運営している会社によって様々なランチが提供されています。今回の記事では、デイサービスで提供されるランチの種類や目的、利用される方に期待できる効果などをご紹介します。

デイサービスのランチはどこで作られる?

デイサービスで提供されるランチには、どのようなところで作られるのでしょうか?主なものをご紹介します。

業者からお弁当を仕入れる

仕出し屋さん等のお弁当業者からお弁当を仕入れるケースですが、高齢者の方が食べやすいように工夫されていたり、高齢者の方が好む煮物や食材をメインに使い、栄養バランスにも配慮されたお弁当が提供されます。

デイサービス向けに作られるお弁当や、宿泊対応の介護施設向けに朝、昼、晩の3食分に対応し届けてくれる専門の仕出し業者があるのです。

人が作ってくれるお弁当は、蓋を開ける時にワクワク感があって楽しいですよね。

施設内で手作り

施設内に厨房が併設されたデイサービスの場合、栄養士が考えた毎日の献立で手作りの昼食が提供されます。

定食のスタイルであったり、中には様々な数多くのおかずを取り揃え、好きなものを自分で選ぶことが可能なバイキングスタイルで提供される施設もあるようです。

仕出し弁当の楽しさとはまた違った、作りたての温かさや喜びが感じられますよね。

施設によって趣向を凝らし、味付けやメニューの特色は様々です。デイサービスでは1日無料体験を実施しているところが多く食事も提供されますので、そのようなサービスを利用してどのような食事が出されるのかといった情報を入所前に事前にチェックするのもおすすめです。

おやつもあります

介護サービスの提供時間によってはおやつも用意されます。

おやつの場合も業者から届けられる施設と施設内で手作りされたものが出される施設、様々です。

羊羹やフルーツゼリー、ケーキ、プリン等、食べやすく美味しく見た目も楽しいおやつは何歳になっても嬉しいですよね。

会話もはずみ、ほっと一息。おやつ時間はいつも笑顔があふれ皆さん楽しんでいます。

10月のハロウィンにはかぼちゃを使ったおやつや、12月のクリスマスケーキ等、イベントに合わせたおやつも出ますので毎年の楽しみの一つとなっています。

デイサービスで食事をする効果

デイサービスでランチが提供されるのは、ただ食事をする為というだけではなく、実はちゃんとした役割や効果が期待されているのです。

食事の介助が得られる

デイサービスを利用する高齢者の方の中には、様々な理由で食事のサポートが必要な方や自宅で料理が出来ない方、食事量が減ってしまったという方もいらっしゃいます。

朝、昼、晩の食事のうち、せめて昼食だけでも栄養がしっかりとれて気持ちよく食べられるように、という想いから、デイサービスではランチ提供を行っています。

はじめのうちは介助に慣れない事もあるかも知れませんが、長く元気に生活を支援していく為に職員やスタッフはいるので、ぜひ気軽に頼って下さいね。

食事を楽しむ

食事をするということは人生を生きる上で大きな楽しみでもあります。

特に普段一人で食事をしているという高齢者の方も多く、そういう方にとってデイサービスの施設内で他のたくさんの利用者と一緒に会話を楽しみながら食事をするということは、体だけではなく心の健康にも繋がり、食欲を刺激するという効果も生まれます。

また、デイサービスでは季節に合わせたメニューも提供されます。旬の野菜や果物などの食材を使って、「楽しいな、綺麗だな、食べたいな」と五感を刺激するよう味や見た目に工夫をすることで、身体の機能向上を促す効果も期待できるのです。

栄養改善サービス

高齢になると、加齢に伴う身体機能の衰えや病気等によって、硬いものが食べづらい、食事中にむせてしまう等といった”摂食嚥下障害”など食事の際の支障が出やすくなります。

その為、ご家庭やお店での食事では「もっと食べやすいものを出して欲しい!食材を変更して欲しい!」等の苦情を訴えたりする方もいらっしゃいます。

このような支障を抱えると、次第に食べることそのものへの意欲が低下し、食べる量が減り、結果的に低栄養状態に陥ってしまうのです。

現在このような状態の方やその可能性がある方に対して、デイサービスでは「営業改善サービス」と言って栄養状態の維持、改善を目的としたサービスを提供しています。

管理栄養士が利用者本人や家族が見落としている食事面での問題点を見つけ、一人ひとりに合った食事のスタイルや内容を提案、管理し改善に取り組むサービスです。

食事に対する不安から家での食事の時間やデイサービスのランチタイムが憂鬱だ、と感じている方にはぜひ受けていただきたいサービスです。

介護のお仕事「デイサービス」で働くメリットとデメリットとは?

通所介護施設(通称デイサービス)は、介護の仕事の中でも働きやすく人気の職場と言われています。とはいえサービスや仕事の内容は施設によって様々。そこで今回の記事では、デイサービスで働く主なメリットとデメリットについてそれぞれ解説します。

デイサービスで働くメリット

まずはデイサービスで働くメリットからご紹介します。

夜勤がない、残業が少ない

デイサービスのサービス提供時間は事業所によって異なりますが、基本的に朝9時から午後5時の間の日中の時間帯で設定しているところがほとんどです。

利用者の方は訪問介護とは異なり自宅から日帰りで通うため、施設への車での送迎がその前後に含まれますが、介護職でよく耳にする「夜勤」というものがデイサービスにはありません。

また、職員のミーティングやレクリエーションなどのイベント準備、片付け等で少し勤務時間が延びることはあるかも知れませんが、基本的には残業も少ないのが一般的です。

その為日常生活のスケジュールが立てやすく、仕事と自分のプライベートを両立させて生活を充実させたい方や、家族との時間を大切にしたい子育て中のお母さんにとって、とても働きやすい職場と言えます。

資格・経験不問

「介護の仕事に興味があるけれど資格や経験がないから不安。」という声をよく耳にします。

そのような心配のある方はデイサービスの求人に応募することがオススメ!

デイサービスの利用者は他の介護施設と比べて要介護度が低い方が多く、デイサービス会社の求人情報や採用情報を検索して条件を探すと”無資格・未経験者OK”という事業所が多いことが大きなポイントです。

もちろんデイサービスで働きながら資格取得を目指して勉強や経験を積むこともできますので、初めて介護職へチャレンジするという方にとって、デイサービスの求人を受けることはメリットの一つと言えるでしょう。

コミュニケーション能力を活かせる、磨ける

デイサービスで働く上で必要なのは、資格や経験、知識ももちろん大切ですが、それ以上にコミュニケーション能力や協調性、観察力、気配りといったスキルになります。

というのも、デイサービスは”自立支援””介護予防””健康維持””機能向上”が主な目的であるため、利用者やその家族の立場、気持ち、生活に寄り添ったサポート、支援、心身が安心できるサービスの提供が求められるからです。

普段から「人と接することが好き」「困っている人によく気づく」「みんなで何かを成し遂げることに生きがいを感じる」「人と楽しむことが好き」「社会に役立ちたい」といった希望や特性がある方にとっては、利用者や職員との交流を通してその力を存分に発揮して活用し、活躍できる適した仕事だと思います。

幅広い仕事を経験できる

デイサービスでは、浴室での入浴や食事、排泄の介助といった生活介護やリハビリ等の機能訓練のほかにも、利用者の方のお話相手となったり、様々なレクリエーションやイベントの企画・実施、それに加えて送迎業務の対応とバリエーションに富んだ幅広い業務を行います。

その為、単調なルーティン作業が苦手という方や新しい経験をしたいという方、介護の仕事を一通り経験してみたいという方にとって、デイサービスでの仕事は非常にやりがいのある仕事となるでしょう。

体力の負担が少ない

介護職といえば「体力がきつい。腰が悪くなる。」とよく言われていますが、先ほどもお伝えしたようにデイサービスの利用者は要介護度が低くある程度自立した高齢者の方が多いという特徴があります。

そのため、デイサービスでは介護者の身体の負担は軽減され、他の介護施設で働く方と比べて少ないというメリットがあります。

体力に自信がなくて介護職を始めるのに不安がある、という方も非常に多いと思いますが、そのような方に向けてもデイサービスでの仕事はチャレンジしやすい職場だと言えます。

デイサービスで働くデメリット

それではデイサービスで働くデメリットはあるのでしょうか?働く前に気を付けておきたい点や頭に置いておくと良い点もしっかりお伝えしておきます。

人間関係のストレスが溜まりやすい

コミュニケーション能力が発揮できる仕事ということは、つまり人間関係が非常に大切な仕事であるということです。

利用者やその家族だけではなく、レクリエーションの回数やイベントが発生する頻度が高いので職員やスタッフと一緒に企画したり実行する機会も多く、利用者の方にとってより良い時間と効果を提供する為にみんなで協力して取り組めるチームワークが重要となります。

その為、意見を出し合ったり、連絡をマメにとり確認しながら一緒に作業を進める中でどうしても人間関係に疑問が生じたりストレスを感じやすい、トラブルが起こりがちという点が注意すべき事となるでしょう。

しかりながらみんなで成し遂げた時の達成感や喜びはとても大きいものですし、苦手な人とどう接するか、克服するかということを考え実行してみる事はコミュニケーションスキルを更に磨くチャンスとも言えます。

ただし、人には合う、合わないがありますし、どこの職場にも接するのが難しい人というのはいるものです。心の健康のケアもとても大切なものですので何か悩みがある際には必ず他の仲間や上の方に相談し、改善方法を考えたり、トラブルを予防するようにして下さいね。

給与が低い

デイサービスは夜勤や残業が少ないというメリットをあげましたが、その分の手当がない為、他の夜勤や24時間体制の入居型の施設(有料老人ホーム等)と違い給与額が低い傾向にあります。

これは働く方が勤務時間と収入のどちらを重要視するかによって分かれます。

先ほどもお伝えした通り、給料は低いけれど仕事と家庭の時間を両立することが可能であったり、体力の負担が少なかったりというメリットの面がありますので、どちらを希望しているかを事前に条件や採用情報の概要、施設見学で雰囲気を見ることも含めて比較し検討してみることをおすすめします。

運営会社によって介護福祉士やケアマネジャー等の資格取得や経験によって給料がアップするケースも多いので、より高い収入を目指すことも可能です。

介護サービスにおけるペットの力とは?愛犬と通えるデイサービスはあるの?

「愛犬と一緒にデイサービスに通いたい…。」そんな声を耳にすることがあります。また、事情によって飼えないけれど、犬や猫など動物が好きで触れ合いたいという高齢者の方も少なくありません。

そんな声に応えて、愛犬や動物と一緒に過ごせる「わおん」のようなデイサービスも存在していました。

この記事では、ペットがもたらす健康効果やデイサービスでの動物の取り扱いについて等をご紹介していきます。

ペットが高齢者にもたらす様々な健康効果とは?

それでは実際に高齢者の方に対してペットや動物たちはどのような効果をもたらすのでしょうか?

癒し効果

幸せホルモン「オキシトシン」という名前を聞いたことがありますか?

人は脳内でこのオキシトシンが分泌されると、幸せや癒しを感じるのですが、実は犬や猫などのペットを撫でたり抱いたり触れ合うことで「オキシトシン」が分泌されることが科学的にも証明されています。

確かにペットや動物に触ったり、彼らの表情を見ているとなんだか心がポカポカするのを感じますよね。

何かを「愛しい」と思う感情は、人を幸せにするのだと思います。

運動効果

特に犬の飼い主さんの場合ですが、ペットを飼っていると散歩をしたり一緒に遊んだりと運動量が増えます。

そのため、運動不足が問題となりがちな高齢の方にとっては、毎日の運動のきっかけとなり、それが身体の機能を維持したり向上させたりする効果につながります。

決して無理は禁物ですが、適度な運動は人にもペットにも必要です。一緒に健康で長生きするんだ!という気持ちで散歩を楽しみましょう。

認知症予防効果

ペット(特に犬)には認知症の予防や改善にも効果があると言われています。

人と話すことが少なくなってしまいがちな認知症の方にとって、毎日ペットに話しかけることで発語する機会が増えます。ペットの話題をすることで、他の人との会話も生まれますよね。

また、普段は介護やお世話をされる側だと感じている方は、自分がペットをお世話することで「役に立っている」「必要とされている」という自信につながります。

他にも、ペットと過ごすことで孤独感が解消されたり、うつ症状が改善されたりといった効果が確認されています。

高齢者施設でのペットの取り扱いは?

家庭だけではなく、医療の現場でもペットは活躍しています。しかし、デイサービスや介護、福祉の施設ではどうなのでしょうか?

基本的にデイサービスにペットは連れて行けない

介護保険法では、特にペットの同伴禁止といった定めはありません。

しかしデイサービスは様々な高齢者の方が利用する通所サービス施設ですので、事業所ごとにペット等の動物の持ち込みを禁止しているところがほとんどです。

中には愛犬と一緒じゃなければ外出したくない、といった方もいらっしゃるかと思います。

どのような対応になるかは当該施設でないと分かりませんが、そういった場合には可能かどうか、良い方法はないかデイサービスや市区町村の窓口に相談してみましょう。

もし可能な場合は全員が安全に施設を利用できるよう、施設側でしっかり利用規約を作ることも重要です。

かつては愛犬を連れて通えるデイサービスも

愛犬と一緒に通える高齢者デイサービス「わおん」をご存じでしょうか?

動物看護師によるペットシッター、動物介護サービスを全国で展開している言わば動物のプロである株式会社ケアペッツが運営していたデイサービスです。

「デイサービスに通う間ペットを自宅に一人で置いていきたくない。」

「犬が好きで飼いたいけれど、お世話や環境による事情で飼えない。」

といった高齢者の方の希望を叶えたサービスで、わおんには看護師2名と理学療法士1名が常駐しており、介護度の高い方であっても安心して利用することができました。

機能維持、向上を目的としてスタッフと一緒に愛犬とお散歩に行くことはもちろん、飼い主である利用者が入浴している時にスタッフが愛犬のケアや入浴をしてくれるサービスも提供しており、愛犬のいる高齢者には非常に嬉しい施設でしたが、残念ながら現在は閉業しているようです。

今後またこのようなデイサービスが開設するといいですよね。

ペットと同居できる介護施設もある

動物が苦手な人や、衛生面や設備の問題、万一の事故などの懸念から、ペット同伴や同居ができる介護施設はデイサービスを含めてなかなか数は多くありません。

しかしまったく無い訳ではなく、ペット可の介護付き有料老人ホームや動物とのふれあいイベントを実施している介護施設も全国に存在しています。

また、先ほどご紹介した株式会社ケアペッツでは、自身が高齢でペットの散歩や食事などのお世話が難しくなった場合に動物看護師の資格を持ったスタッフがペットを訪問介護してくれるペットシッターサービスを現在も引き続き行っています。

高齢になったから、介護が必要になったからと言ってペットと一緒に過ごすことをすぐに諦める必要はないと思います。

利用可能なエリアにこのようなサービスを行っている施設がないか等、情報を検索してもらえばすぐに分かりますので、そういったサービスを利用しながらペットと一緒に楽しく生活をして健康の維持に役立てましょう。

デイサービスや介護の現場で高齢者に人気のレク!脳を活性化させる脳トレゲームを紹介

デイサービスや老人ホームで行われるレクリエーションの中でも、クイズやゲームなど脳を活性化させる脳トレは高齢者の方にとても人気があります。そこで今回の記事では、レクにおすすめの人気脳トレや、実施する際の注意点等をご紹介していきます。

デイサービスで人気のおすすめ脳トレ系レクリエーション

それでは早速デイサービスや老人ホームで人気の脳トレできる高齢者向けのレクリエーションを幾つかご紹介してまいります。

特別な道具は必要なく、施設にあるものを使って楽しむことができる内容となっていますので、参考になれば嬉しいです。

参加者の人数やゲームの内容によって、個人にするかチームに分けるかといった対応を行ってみて下さい。

オノマトペクイズ

擬音語、擬態語である「オノマトペ」は、実は介護の現場でも非常に効果的な表現方法で、ただ単に説明するよりもオノマトペを入れた方が想像しやすいため、身体が反応しやすくなると言われています。認知症の患者さんにも効果的です。

そんなオノマトペを使ったクイズは、参加者の脳を刺激してより楽しんで行えると思います。

<問題例>

1.「雨」と言えば、どんなオノマトペがありますか?

※正解はないので皆さんにいくつか応えてもらう。

例:ザーザー、シトシト、バシャバシャ等

2.「鳥」と言えば、どんなオノマトペがありますか?

例:ピヨピヨ、チュンチュン、ピーピー等

このように、幾つかお題を出していきます。

ホワイトボードの左側にお題、右側に参加者の皆さんが出したオノマトペを書いていきましょう。

そして今度は、お題の文字だけすべて消してしまいます。

残されたオノマトペだけを見て、何のお題だったかを回答してもらいます。

お題の単語から想像してオノマトペを考えたり、他の参加者の回答やお題を思い出すことで脳が刺激され活性化につながります。

連想ゲーム

スタッフ、または参加者の一人がお題を決め、連想するキーワードをホワイトボードに書いてそれが何かを当てるゲームです。

<問題例>

次のキーワードは何を表しているでしょうか?

・うさぎ

・三

・丸

・夜

・ロケット

答え:月

最初は少ないヒントから始めたり、参加者のレベルに合わせ、お題は”都道府県”や”食べ物”など、カテゴリを絞っても良いでしょう。

回文作り

上から読んでも下から読んでも同じ言葉になる”回文”を自分で作成するのはとても脳を使います。

完成した回文を発表し、ホワイトボードに書いてみんなで声に出して読むことで、更に脳への刺激が期待できます。

文章もできるだけ意味のある内容となるようにするなど工夫も必要です。

最初は文字数の少ない言葉から、段々と長くしていくチャレンジも楽しいですね。

長めの回文ができたら、途中から穴埋めにして参加者の皆さんに応えてもらうのも良いでしょう。

例:イカ食べ〇〇〇?

答え:たかい

漢字ゲーム

漢字を使った脳トレは多くの高齢者の方に人気の高いレクです。

例えば、

・魚の種類の名前(難読漢字)

・花の種類の名前(難読漢字)

・四字熟語(読み・書き)

等、正解が分かった時にみんなが「あー!なるほど!」と唸ってしまうような少し難しい漢字にするのがポイントで、一層盛り上がります。

俳句や百人一首等が好きな利用者の方がいれば、一部を穴埋め問題にして出題しても楽しいでしょう。

お題となった漢字は実際に自分でも書くことでまた脳が刺激されますし、新しい知識にもなります。

計算ゲーム

高齢者の方にはそろばんを経験している方も多いので、「計算が得意!」という方もいらっしゃると思います。

参加者の方のレベルに合わせて、簡単な足し算や引き算から難題まで用意しましょう。

数字の計算は非常に集中力を使って取り組みますし、脳トレにはもってこいです。

ホワイトボードに書いてグループで考えても良いですが、紙のプリントを用意して一人一人が集中して計算するのもおすすめです。

単純な計算だけでなく、

40 □ 2=80

45 □ 3=15

のように、穴埋めにして記号を答える問題も楽しめます。

手指の体操

手や指を使った体操は認知症の予防や脳の活性化に効果があることは有名です。

全身の運動とは違い、椅子に座ったままできますし、指先を動かすことでリハビリにもなるのでレクに取り入れることはとてもおすすめです。

<指の体操>

1.片方の親指から順番に1本ずつ指を曲げていきます。

※指を曲げる時には声を出して1から数を数えましょう。

※他の指はできるだけ曲がらないように注意しましょう。

2.小指まで終わったらもう片方の手も行います。

3.可能であれば小指からスタートします。(カウントは5→1)

<後だしじゃんけん>

1.参加者がペアになって、後だしじゃんけんをします。

2.普通の後だしじゃんけではなく、「負ける」ように出します。

※他にも「あいこ」や「勝ち」等、条件を変えていきましょう。

カラオケ

音楽や歌のレクリエーションも非常に人気が高いですよね。

歌う時には肺や腹筋をたくさん使うので機能の向上や維持にもつながりますし、声を出すことでストレスの発散となり気持ちがリフレッシュしたり、若い頃に好きだった歌を歌うことで気持ちが若返ったりと、精神的にも良い効果があります。

歌には昔の記憶を思い出させる力があり、その歌の思い出を他の人に話すことで実は脳が活性化すると言われています。(「回想法」と呼ばれます。)

・ホワイトボードやプリントに書かれた歌詞を見ながら、カラオケ音源のCD等に合わせて歌う。

・一小節ずつ順番に歌っていく

・一度歌った歌の歌詞の一部を空欄にして思い出しながら歌う

等、頭を使うような様々なアレンジをしながら挑戦してみると、更に盛り上がると思います。

童謡から歌謡曲まで、参加者の方の趣味に合わせても良いでしょう。

ご紹介した物の他にも、介護福祉士の資格を持った方が監修したレクに役立つ脳トレゲームは沢山紹介されていますので、インターネットで情報を検索したり、探してみてください。

脳トレ系レクリエーションで気を付けること

準備や配慮を怠ると、利用者の方にとって楽しいはずのレクが辛い時間になってしまうことがあります。脳トレを目的としたレクリエーションを行う際に留意したいことを紹介します。

自尊心を傷つけないように

デイサービスの利用者の皆さんが楽しみながら行えるようにと実施されるレクリエーションですが、内容や状況、性格によってはそのレクを通してプライドが傷ついてしまったり、自信を失くしてしまう場合があります。

また、勝敗を決めるゲームでは参加者同士のトラブルにつながる可能性もあります。

そのようなことにならない為に、参加者一人ひとりについて職員が内容やレベルをしっかりと判断、配慮することが大切です。

参加は任意で

利用者の皆さんが楽しめるように企画するレクですが、体や心の状態は高齢者の方によってさまざまです。

それにより「参加したくない。」という方もいらっしゃるでしょう。

参加を無理強いすると嫌な気持ちで過ごさせてしまったり、デイサービスに通うのをやめてしまう方もいらっしゃいます。

施設側は無理矢理参加させるようなレクリエーションではなく、”参加したくなる”レクリエーション作り、雰囲気作りに努めたいものです。

また、決して無理強いはせず、断りにくいと感じている高齢者の方も気軽に参加の可否ができるような形で告知したり、日頃から相談しやすいようにコミュニケーションを取るようにしましょう。

デイサービスは老人福祉法に基づく届出が必要?老人居宅生活支援事業の開始等必要な届出について紹介します

デイサービスは介護保険法に定められた介護保険サービスであることはよく知られていますが、実は老人福祉法に基づいた届出も行わなくてはなりません。

本文では、老人福祉法とは何か?届出に必要な内容は?といった疑問に簡単にお答えしてまいります。

老人福祉法とは?

そもそも老人福祉法とはどのような法なのでしょうか?まずは施行の背景と目的についてご紹介していきましょう。

老人福祉法の背景

老人福祉法の施行年月は1963年7月です。2000年に施行された介護保険法と比べると、かなり古くからある法律です。

老人福祉法の施行以前は、高齢者に関しては生活保護法等によって対応がなされてきました。

しかし戦後、日本が高度経済成長期を迎えると、人口が都市部に流れ「核家族化」が一気に進みます。これまでは家族内で扶養し対応していた高齢者が取り残され、その様々な問題に対応するために老人福祉法は施行されることとなりました。

老人福祉法の目的

介護保険法と違い、老人福祉法は介護を目的としていません。

老人福祉法第一条には、

「老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もつて老人の福祉を図ることを目的とする。」

と定められています。

高齢者の健康保持やくらし、生活の安定に必要な措置として、デイサービス等、老人福祉施設や事業、社会福祉に関してのルールも整備し定める必要があるという訳です。

老人福祉法に基づく届出とは?

デイサービスが老人福祉法に係るサービスであることは分かりました。それでは老人福祉法に基づく届出とは一体どのようなものなのでしょうか?届出の提出が必要な事業と合わせてご紹介します。

届出が必要な事業

老人福祉法では、以下の老人居宅の生活支援を行う事業者について老人福祉法に基づく届出が必要であると定められています。

・老人居宅介護等事業(ヘルパーステーション、訪問介護ステーション)

・老人デイサービスセンター(デイサービス、認知症デイサービス、通所介護)

・老人短期入所施設(ショートステイ事業)

・小規模多機能型居宅介護

・認知症対応型老人共同生活援助事業

・複合型サービス福祉事業(看護小規模多機能型居宅介護、カンタキ)

また、デイサービスや短期入所施設以外の下記の老人福祉施設においても、事業所の所在地となる都道府県、市町村の高齢福祉課等が窓口となり届出が必要となります。

・養護老人ホーム

・特別養護老人ホーム

・軽費老人ホーム

・有料老人ホーム

・都市型軽費老人ホーム

・老人介護支援センター(在宅介護支援センター)

・老人福祉センター

他にも、認知症の高齢者や中~重度の要介護である高齢者等が、可能な限り住み慣れた地域で生活を送れるよう市区町村が指定する事業者が地域の住民に向けて提供するサービスを提供する”地域密着型サービス”に関しても届出が必要となります。

それぞれ介護予防、生活介護を目的とした場合も同様です。

・定期巡回

・随時対応型訪問介護看護

・認知症対応型通所介護

・地域密着型通所介護

・夜間対応型訪問介護

・認知症対応型共同生活介護

・第1号訪問事業

・第1号通所事業

届出の内容

上記であげた事業を開始したり変更したりする場合、届出の提出が必要となります。

その内容は主に以下となります。

1.事業の種類、内容

2.経営者の氏名、住所(事業所名、所在地)

3.条例、定款等の基本約款

4.職員の定数、職務内容

5.主な職員の氏名、経歴

6.事業を行おうとする区域

7.自治体からの委託を受けて事業を行う場合、その地域の名称

8.事業開始(変更)の予定年月日

事業廃止(休止)の場合

1.廃止、休止の予定年月日

2.廃止、休止の理由

3.便宜を受けている者に対しての措置

4.休止の場合はその予定期間

老人福祉法に基づく届出に係る注意点

それでは最後に老人福祉法に基づく様々な届出を提出する際に留意すべき点をご紹介します。

自治体によって窓口や提出方法が異なる

届出を提出する窓口や届出の流れは、施設を設置する地域によって異なります。

届出が必要となった際はスムーズに進むよう、あらかじめ所在する区域の役所のホームページや総合窓口、代表の電話番号に電話をして該当の課を確認し、各種必要な書類や指定された様式、届出の流れ等の情報を得ましょう。

不明な点があれば、担当の職員に相談しながら進めていきましょう。

介護保険法に基づく届出と同時に提出すると便利

介護保険法に基づく申請や届出は済ませて老人福祉法に基づく届出は忘れてしまった、ということを防止したり、別々に申請することでまた別途同じ必要な書類を揃える手間を省くためにも、介護保険法、老人福祉法の届出は同時に提出することをおすすめします。

自治体によって確認が必要ですが、基本的に同時に提出することによってそれぞれに必要な書類を省略することが可能になります。

複数の法や制度と改正に留意

高齢者をめぐる社会、環境など状況の変化に合わせ、老人福祉法も施行からこれまで数々の改正を行ってきました。

そこには新たな形の福祉施設の新設以外にも、老人保健法や介護保険法も関連してきます。

現在では、老人福祉法で規定されている福祉施設やサービスを利用する場合、原則として介護保険制度が適用されます。

しかし、緊急で特別な事情が発生した際は(家庭で虐待を受けていることが分かり、緊急で入所が必要となった場合等)老人福祉法に基づく市区町村の権限が行使され、必要な対応が行われます。

老人福祉施設を開設したり新たなサービスを行う際には、都度老人福祉法に係る最新の情報を確認しましょう。

デイサービスの利用中に病院を受診することは介護サービスとなるのか?

デイサービスを利用中に病院に診てもらいたい、といった時、それは可能なのか?介護保険の算定はどうすれば良いのか?と悩まれたり相談される利用者やケアマネジャーの方も多いのではないでしょうか?医療機関への受診に限らず、デイサービス利用中に行っても良い行為というのは介護保険法により定められています。

この記事では、デイ利用中の医療機関への受診を中心に様々な行為についてどのように取り決められているのかをご紹介していきます。

デイサービス利用中に医療機関の受診は可能か

それでは早速、デイサービス利用中の医療機関の受診について詳しくご紹介します。

緊急時以外は基本的にNG

デイサービスでサービス提供の時間帯に病院を受診することは認められていません。これは施設に併設されている医療機関であっても同様です。

これは【1人1保険】という原則があるからです。デイサービスは”介護保険”を使ったサービスであり、これを利用中に”医療保険”を利用する病院を受診することはできないという理由です。

ただし、緊急などのやむを得ない場合にはもちろん受診することが可能です。

緊急時やむを得ない場合の対応

デイサービスでの介護報酬は、通所介護計画に位置づけられた”1回ごと”のサービス提供に対して算定されます。

その為、サービス提供中にその他の行為を行う場合はサービスの中断となり、そこでその日のサービス提供は終了したものとなります。

しかし、先にあげた緊急時のやむを得ない場合(厚生労働省のQ&Aを参照)については、一旦サービスを中断して病院を受診し、その後サービスを再開した時に係る介護報酬が算定可能となる場合があります。

これを『中抜き算定』と呼んだりします。

尚、中断中の時間は算定の対象となりません。

デイサービスの利用前後の受診について

デイサービスのサービスを開始する時間前、終了後の受診については可能ではありますが、定期的にデイサービスに行く日に予約を組み入れることは適切ではありません。

基本的には通院日以外の日にデイサービスを利用するのが望ましいです。

もちろん、その日の体調などによって急遽受診をする場合は問題ありませんが、体調が悪い場合は受診前後にデイサービスに行くことについて念のため医師に相談をして下さい。

ただし、デイサービスは通所での介護サービスであるため、自宅と施設の間を送迎するのは可能ですが、病院へ送迎することはできませんので注意して下さい。

医療機関の受診以外に認められる可能性のあるケース

病院の受診以外にも、デイサービスのサービス提供中に中断、再開が可能な(または中断とされない)ケースもあります。

中抜き算定が可能なケース

医療機関の受診同様、サービスの中断をせざる得ないようなやむを得ない理由がある場合において、中抜き算定が可能となります。

詳しい基準については各事業所の担当者、自治体や厚生労働省の窓口に問合せて下さい。

■理美容サービス

料金は利用者の自己負担で受けることが前提です。また、当初からデイサービスで予定されているプログラムに影響しないようにすることも考慮しましょう。

■併設の有料老人ホーム等の自室に戻る

昼寝等の必要な休養としてやむを得ない場合は、中抜き算定の対象となります。ただし利用者が勝手に戻って過ごして良い訳ではなく、その際は職員が自室まで同行して、自室に滞在する間も見守り等行うことが必要です。

■介護支援専門員(ケアマネジャー)によるモニタリング

デイサービスでは利用者の心身の変化に伴い、ケアマネジャーによる利用者本人や家族にヒアリングを定期的に行うことが必要です。

そこで聞き取った情報を元に、ケアマネがケアプランの検討や見直しを確認する作業になります。

■巡回健診

健康診断や予防接種、採血等の必要な巡回健診です。

■同行支援

利用者本人の希望により行う場合。内容によってはこの時間も介護保険の対象となる場合があります。

選挙の投票や官公署へ届け出が必要な場合(郵送できない場合)等、様々なケースがありますので、同行をお願いされてサービス提供や介護保険算定に迷われた場合は都度確認を行いましょう。

■デイ施設内での物販や移動販売サービス

デイサービスを利用している高齢者の方の中には、買い物が不便であったり不自由な状況にある方もいらっしゃいます。

そこでデイサービスの施設内で物販を行ったり、移動販売のサービスを行うことがあります。

■買い物等代行サービス

同様に買い物等が難しい利用者の代行サービスを行う場合です。

中断とされないケース(継続して算定可能なケース)

利用者が日常生活を送るために必要な身体機能の維持、向上を目的とし、それが通所介護サービスの一部として認められたサービスについては、その行為中もサービスは中断とならず継続して介護報酬の算定が可能となるケースもあります。

■マッサージ

外部から来るあん摩マッサージ指圧師等によるマッサージサービスを受ける場合

■健康指導や健康相談

外部から来る講師等による健康に関する指導、相談を受ける場合