介護施設の探し方を簡単に解説!

介護施設の探し方が分からないとお困りの方はとても多い

現在、介護施設の種類は非常に多く、それぞれの特徴や目的、条件はもちろん、一体どこで相談すれば良いのかとお困りの経験をされている方は多いかと思います。

そこで今回の記事では、簡単に介護施設の種類と特徴、そして探し方や選び方、その中で注意したい点などをご紹介してまいります。

介護施設の探し方を知りたいと思われている皆さんに、この情報が役立つと嬉しいです。

【介護施設別】目的と特徴

介護予防と機能維持、改善を目的とした介護サービス

デイサービス(通所介護)とデイケア(通所リハビリテーション)は、自宅で暮らしながら介護施設へ通い必要な介護サービスの提供を受けるものです。

デイサービスの主な内容は日常生活における介助(食事や入浴等)や身体の機能を維持、改善する為の機能訓練を受け、イベントやレクリエーションも実施され、認知症の対応に特化した施設もあります。施設による送迎もついています。

利用できる人は要介護度が1~5が対象となり、要支援だと利用が出来ません。

一方でデイケアの内容は、リハビリに特化したサービスで、病院や介護老人保健施設(老健)で行われます。要支援1~要介護5までで医師によりリハビリが必要と判断された方が利用できます。

また、この他に、在宅での介護を受けている高齢者が介護をする家族の負担軽減や事情により一時的に短期間施設に入所するショートステイや、介護を必要とする障がい者が支援施設等に通所することにより様々なサポートが受けられる生活介護もあります。

自宅で介護や看護を受けられる訪問サービス

自宅で暮らしながらヘルパーや看護師に訪問してもらい必要なサービスを受けられる訪問介護と訪問看護があります。

訪問介護は生活で必要な介助の他に、通院や外出、移動の介助、調理や洗濯、掃除、清拭、服薬の介助や管理、自立生活支援など、家事も含めた様々な介護や援助を行います。

訪問看護は医師の指示に基づき、在宅で医療処置が必要な場合に受けることができ、更に生活に必要な介助もあります。

状態や希望に合わせた入居型施設

施設に入居するタイプの老人ホームには地域の自治体や社会福祉法人が運営する公的施設と企業が運営する民間施設があり、実に多くの種類に分けられますので一番探し方、選び方が難しいかも知れません。

以下の11種類に分けられ、それぞれ入居できる条件や月額にかかる費用の相場も異なります。

<介護施設の一覧>

・特別養護老人ホーム(特養)

・介護老人保健施設

・介護療養型施設

・軽費老人ホーム

・ケアハウス

・介護付き有料老人ホーム

・住宅型有料老人ホーム

・グループホーム

・健康型有料老人ホーム

・サービス付き高齢者向け住宅

・シニア向け分譲マンション

それぞれの施設の詳細については別の記事に掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

合う施設やサービスの探し方・選び方のポイント

これだけの種類がある介護施設や介護サービスですから、どのように探し、選ぶと良いのか難しいですよね。

そこでおすすめしたい方法は、探す前に何を希望するのかを整理し、優先順位を決めることです。 

例えば・・・

<身体の状況>

・どんな介護サービスが必要か

・介護が必要な時間は24時間体制か日中だけか

・認知症の有無

・医療ケアや、看護師の常駐の必要性

<予算>

・収入(年金、生命保険など)はどの程度か

・利用できる補助金とその額

・入居にかかる初期費用の上限

・月額の上限

<場所>

・立地、エリア

・交通の利便性

・緑が多い環境か、買い物に便利な都会か

<居室・建物の設備>

・個室

・2人部屋

・大部屋

・浴室、食堂等の共用施設

ほか

出来るだけ細かく本人の意思を確認して、家族としっかり話し合ってまとめておくことが大切です。

これらはケアマネジャーへの相談や実際に利用する介護施設の担当者に伝えることができますし、施設を探す際や複数の施設を検討し比較する時にも判断材料となり役立ちます。

施設を探す流れ

優先順位が決まったら、実際に施設探しのスタートです。

大まかな流れとしては、以下のステップとなります。

1.情報収集(資料やパンフレットを請求、インターネット検索、ケアマネに相談等)

2.収集した情報の中から気になる施設をいくつか選ぶ

3.見学や体験の予約

4.仮申し込み

5.必要な書類の準備

6.面談

7.入所の審査

8.契約

資料は電話やメール、ホームページのフォームで連絡をして請求することが可能です。具体的な料金やサービスの内容、運営会社の概要など、基本的な情報を知ることができるのでよくチェックします。

そして必ず事前に見学や1日体験に参加し、その上で決定しましょう。理由は職員やスタッフ、他の利用者の雰囲気、提供されるサービス等を直接見て感じることが出来るので、施設ごとの違いが分かりやすく判断する際の参考となりますし、事前に施設に対する不安や疑問、悩みを解消でき、そのため安心して利用を開始しやすくなるからです。

まとめ

以上のように、老人ホーム等の介護施設や介護サービスにはたくさんの種類があり、それぞれに条件や特徴があります。

介護保険が適用されるサービスや医療保険が適用されるサービスなど、専門の高い知識がないと分からないことがたくさんありますので、ぜひ担当のケアマネジャーや地域包括支援センターを活用し、質問や相談を行ってみてくださいね。

生活保護を受給している方の介護施設、介護サービスの利用について

介護を受けたいけれど経済的に厳しいという場合、必要な介護サービスを断ってしまうというケースが少なくありません。また、病気やケガの際も医療費の負担がネックとなり病院で適切な治療を受けないといった方もいらっしゃいます。

できるだけ介護の必要なく、日常生活を自立して暮らしていけるよう、日々介護の予防に気を付けることが大切ですが、それでも年齢を重ねるとともに身体の不調は避けられなくなってきます。

そんな中で生活保護を受給している方もいらっしゃるでしょう。

単身者であれば毎月受給できる相場は10万円前後、夫婦2人であれば15万円前後、子どもがいる家族なら人数によっては合わせて30万円を超える金額を支給される世帯もあります。

しかし生活保護の受給を受けると様々な制約が付き、介護や医療機関から請求される金額は経済的に厳しいという点は同じようです。

そこで今回の記事では、生活保護受給者や経済的に不安を抱える高齢者の方におすすめの介護施設や介護サービスの選び方、注意点などについて解説して参ります。

是非最後までご覧くださいませ。

生活保護受給者は選択肢が限りがあるものの介護施設やサービスを利用することは可能

結論からお伝えしますと、生活保護を受給されていても介護施設への入所や介護サービスを利用することは可能です。

ただし、選択肢は限られますし利用の際に制限がある場合もあります。そしてもちろん、多少の支払いが発生する場合もあります。

充実したサポートとなると高額な費用がかかって流石に難しいですが、必要なケアを経済的な理由から受けられず状態が悪くなってしまってしまうのはもってのほか。

生活保護受給をしていても入れる施設を選び、少しでも負担する額が安くなるような選択をすることで介護サービスを利用できるのです。

生活保護受給者が入居できる介護施設

生活保護の方が介護施設へ入居を希望される場合、以下の二つをおすすめします。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、自治体や社会福祉法人が運営する公的施設になります。

所得に応じて負担軽減が受けられ、比較的少ない費用で入居することが可能。そのため、生活保護受給者や経済的な問題で費用がかけられない方に一番おすすめしたい施設です。

ただし、費用の負担が少ない分、入居を希望する方は非常に多く、どの施設も入居待ちで待機している人が多いという現状があります。

また、入居出来るのは原則として要介護度が3以上の方が対象となっているため、誰でも入居できる訳ではないという点がネックです。

民間の有料老人ホーム

企業が運営する民間施設である有料老人ホームは、利益が必要なため公的な施設の特養よりも費用は高くなります。

しかし立地や居室のタイプなどの選び方次第では費用を抑えることが可能です。

有料老人ホームの中でも

・住宅型有料老人ホーム

・サービス付き高齢者向け住宅

・グループホーム(認知症の方に向けた施設)

以上の3つは生活保護受給者を受け入れていたり、専用の料金体系を設定している施設がある割合が高いためおすすめですが、すべてのホームで生活保護の受給者を受け入れているわ

けではないので、入居の条件をよく確認の上申し込みを行いましょう。

介護保険サービスや介護施設での費用負担に関する限度額

施設へ通所するデイサービスや在宅したまま介護を受ける訪問介護など、介護保険サービスを受ける時に利用者は1~3割の自己負担が発生します。

しかし生活保護を受給している方は後に紹介する扶助制度により「介護扶助」が適用されるため、その費用は公費として事業所に直接支払われ、本人が支払う分は実質無料となります。

ただし本人の希望がすべて通るわけではなく、あくまで役所の生活保護課から必要だと認められたサービスに限定されます。

また、老人ホームで介護保険サービス以外にかかる家賃や生活費については、それぞれ扶助制度の「住宅扶助」「生活扶助」が支給されますので、要介護や要支援の認定を受けられた方はこのような制度を活用して介護サービスをうけたり施設へ入居するという方法があります。

生活保護受給者が介護保険サービスを受ける場合の注意

しかし、いくら公費負担であっても、かかる費用を抑える努力が必要となります。

いくつかポイントがあり、例えば、

・規模の大きい施設を選んだ方が利用する時間を短くすることができる可能性が高い

・ショートステイを利用する場合は個室ではなく大部屋を選ぶ

等です。

内容によっては自費の場合もあり、現在、その費用を割引したり免除することは認められていません。

デイサービスでの食費は実費が全額自己負担となりますが、施設によって料金の設定は異なるので食事の金額が安いところを選ぶと良いでしょう。

また、難病の場合は訪問看護が医療保険の適応となり自己負担が少なく済むことがあります。

いずれにせよ、担当のケアマネジャーにしっかりと相談をし、できるだけ負担を減らして必要なサービスが受けられるようケアプランを組んでもらうことが大切ですし、ケアマネジャーもそれを検討し考える役割を担っています。

生活保護の扶助制度

生活保護制度には、人が生活を送る上で最低限必要な費用を補助する扶助制度というものがあります。

<扶助の種類一覧>

・住宅扶助

→市区町村によって金額の上限は異なるが、単身者の場合は月額5万円程度。それを超えた分は自己負担。上限に収まるのであれば0円で済みます。

・生活扶助

・医療扶助

・介護扶助

・出産扶助

・教育扶助

・葬祭扶助

意外と種類が多いですね。それそれの扶助には基準が設けられており、生活保護を受給されている方の生活状況に応じて上限の範囲内で支給されます。

支給される額についてはお住まいの地域の生活保護課へお問い合わせください。

また、生活保護を受けている場合年金は受けられるのかといった質問がございますが、両方から支給を受けることは可能です。ただし、年金は収入として見なされるため生活保護が減額されます。

まとめ

金銭面の問題は人に言いたくない方が多く、相談できないまま必要なサービスを利用せずに身体機能や精神面の状態を悪くさせてしまう可能性があります。

また、高齢者の中には情報を探す事や説明を受ける事、手続きを行う事が億劫という方も少なくありません。

しかし実際に介護保険サービスを利用されている方の中には生活保護者を受けられている方もいらっしゃいますし、今回ご紹介した他にも様々な方法は考えられるため、知識が豊富なケアマネジャーやケースワーカーにしっかり相談して対策を一緒に探し考えていきましょう。

味付けは?料金は?介護施設での食事提供について

介護施設を選ぶ際、何を重視して選びますか?

高齢者の方にお聞きすると、どんな食事が提供されているのかを気にされる方が意外と多いようです。

一人ではなかなか栄養の管理や食事の準備が難しく、その分施設で栄養バランスの取れた美味しい食事が取れたら嬉しいですよね。

また、健康状態によっては安全に食事をすることも重要になってきます。

そこで今回は、介護施設での食事提供について簡単に解説させていただきます。

この記事が皆様の施設選びの際に役立ちますと嬉しいです。

介護施設での食事提供に満足していますか?

「健康は食事から」と言われる通り、食事は皆さんの健康作りのために非常に大切なものの一つです。

老人ホームなどの入居型施設では朝食、昼食、夕食の三食、デイサービスなどの通所介護施設では昼食の食事提供がありますが、皆さんがご利用されている施設の食事提供には満足されていますか?

病院の食事のように介護施設で提供される食事は「栄養バランスを重視していて味がイマイチ」といったイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。

食事の時間は利用者の方にとって毎日の大きな楽しみの一つで、どんな食事を提供されているかは施設選びの際の重要な選択肢の一つにもなっています。

介護施設の食事提供で重視されているポイントとは

高齢者の方が利用する介護施設での食事提供で重視されている主なポイントは、

・栄養バランス

・食べやすさ

・見た目

・味付け

があげられます。

健康のための栄養バランスはもちろん、食欲が低下している方でも食べたいと思えるような見た目も考えられています。

また、介護施設で提供される食事には一般的な食事である「常食」以外に、利用者の疾患に合わせて塩分を減らしたりやカロリーを制限するといった配慮を加えたメニューである介護食も提供されます。

また、機能の状態や力に合わせてやわらかさを調整したり、とろみを付けたり、細かく刻んだりミキサーにかける等、咀嚼や嚥下しやすく工夫された食事を用意することも可能です。

介護施設で提供される食事はどこで作られている?

施設内の厨房で全て調理し提供しているところもあれば、一部の食材を施設外で調理して最終の仕上げだけを施設内で行うところ、そしてお弁当などを扱う外部の事業所に委託をして調理、配達をしてもらうところがあります。

このように介護施設での食事は主に施設が直接運営を行う「直営給食」と、給食だけ外部の会社に委託する「委託給食」に分けられ、どちらが良いということはありませんが最近は委託を利用している施設が増えている傾向にあります。

ちなみに有料老人ホームでの食事提供は、栄養士(管理栄養士)が献立を作成し、栄養士または調理師の配置の体制が人員規定で定められています。

人気の行事・イベント食

介護施設では季節を感じるイベントや行事を意識した料理が提供されることもあります。

その理由としては日々における各行事を祝い、日本の美しい四季を感じ季節の変化や時の移ろいを楽しむことは精神的な面にもとても良い影響があると言われており、このような季節に合わせたメニューを他の利用者の皆さんと一緒に食べることでもその役割を担っていると言えます。

以下、主な季節のメニューの例を一覧でご紹介致します。

1月:おせち料理、お雑煮、鯛や鮭

2月:恵方巻、バレンタインデーのチョコのおやつ

3月:ちらし寿司、ホワイトデーのクッキーのおやつ

4月:お花見の弁当

5月:柏餅

6月:水菓子

7月:そうめん、うなぎ

8月:精進料理

9月:栗ご飯、おはぎ

10月:月見の団子、かぼちゃ料理

11月:紅葉を意識した彩りメニュー

12月:クリスマスのチキンやケーキ、年越しそば

見ているだけでもワクワクしてきますね。この他にも、地域によってその季節に合った食材を使った料理もあります。

介護施設選びのポイント

先述した通り、介護施設を選ぶ際の条件として食事提供の内容を重視されている方が多くいらっしゃいます。

しかしサイトで案内されている情報だけでは実際の味付け等を知ることは出来ません。

各施設ごとの食事の特徴がありますので、後になって後悔しないよう、契約をされる前に必ず見学や体験を行い、試食をした上で判断していただいた方が安心かと思います。

また、介護施設での食事やおやつの費用は介護保険が適用されず、事業者が自由に値段をつけています。

相場としてはだいたい500円から1,000円くらいかかりますが、施設ごとに違うため必ず確認し、経済的に高いと感じるところですと通い続ける事が難しくなりますので注意しましょう。

介護施設における食事提供で大切なこと

味付けの好みや食事がしやすい形態というのは人それぞれ違います。

最近の介護施設では個別の要望にできる限り寄り添う施設が増えているものの、多くの人数に向けて調理している以上、完全に個別で対応をすることは難しい状況です。

とはいえより美味しく楽しい食事を提供する為に、施設の職員やスタッフは実際に食事をされている利用者の声を受け、要望があれば取り入れて改善を図る努力が必要かと思います。

そのためには日頃から利用者の方とのコミュニケーションが取り、お互いに声をかけやすい環境を作ることが大切。その中で食事に関する満足度を確認したり、食事に対する要望や質問、相談、本音を気軽に聞ける機会を作ることが出来ます。

定期的にアンケートを実施するのも良い方法でしょう。

老老介護を解決する策はあるのか

「老老介護」という言葉をご存知でしょうか?

年々高齢化が進むここ日本では、子の数が減って老老介護の世帯が増加し、今や深刻な問題となっています。

しかしあまり認知されていないこの問題。

今回の記事では老老介護の概要や問題点、老老介護が起こる理由、そして解決策について解説します。皆様の参考になれば嬉しいです。

老老介護の問題を解決する為には人の力を借りる事をためらわないで

老老介護は現在、在宅介護の約6割を占めていると厚生労働省より発表されています。

高齢の夫婦間で介護を行っているケースが多く、家庭の中の問題として外には知らせないまま事態が悪化してしまうといった事をよく耳にします。

また、年齢が高くなるにつれて情報が掲載されているサイトを見ることも難しいですし、介護についての役立つ情報を探したり聞きに行くのが面倒という方も少なくありません。

しかし共倒れを防ぐためにはもっと積極的に人を頼り、双方の負担を減らしより快適な生活を送る為のケアを受けることが必要です。

老老介護とは?

老老介護とは読んで字のごとく、高齢者が高齢者の介護を行うことを指します。

2019年の国民生活基礎調査によると、主な介護者は同居している配偶者や親、子、兄弟等で、それぞれが65歳以上の高齢者です。

似たような問題で認認介護というものもあり、老老介護との違いは高齢の認知症患者の介護を同じく認知症の高齢者が行うことを意味します。

認認介護では自身で介護や看護の必要性がわからなかったり、介護をする中で転倒などの事故につながりやすく大きなリスクが伴う為、注意が必要です。

老老介護の問題

老老介護で問題となるのはやはり「共倒れ」でしょう。

介護には体力が必要です。それを高齢者が行うとなると身体にも精神にも負担が大きすぎます。

介護が大変で周りの人との交流する余裕がなく、外出する機会も減り、家に引きこもりがちになって介護をする側が毎日続く介護の中で一人で悩みを抱え込んだり、意欲が低下しうつや認知症を発症してしまう事もあります。

特に介護が必要な高齢者は認知症を発症しているケースも多く、暴言や暴力、夜の徘徊等と言った症状が出ることがある為、更に負担が増えてしまいその結果、虐待をしてしまったり、体調が悪化して限界となり二人とも共倒れとなる可能性が高くなります。

また、介護者が夫、介護される側が妻の場合、それまで家事は女性に任せきりという男性が多い世代ですので、介護以外に日常の食事の準備や洗濯、掃除といった家事、お金や薬の管理といった事も難しいという問題が起こり得ます。

老老介護を引き起こす原因

老老介護の一番の原因は平均寿命が延びていることでしょう。そしてその分、介護が必要になる期間も長くなるのです。

厚生労働省の調査によると日本人の平均寿命は男性が約82歳、女性が約87歳。日常生活を自立して送れる健康寿命は男性約73歳、女性75歳となっています。

つまり男性で約9年、女性で約12年という長い期間、介護が必要となる可能性が高いのです。

今後も平均寿命は延び続け、2025年には男性83.85歳、女性89.44歳と予測されています。

また、その中で子供とは別で夫婦だけで暮らす家庭が増え、全体と比較して核家族世帯が37.9%、単独世帯が29.0%という割合になっています。そのため老老介護をせざるを得ない状況となっているのです。

老老介護を解決する方法

この老老介護を解決するにはどのような方法があるのでしょうか。その対策として考えられる主なものを以下にご紹介します。

まずは相談することが大切

他人に相談をせず、助けを求めずに一人で抱え込まれる高齢者の方がとても多いのですが、とにかくまずは家族や親族や友人、地域の人等、誰かに相談をして下さい。

自分が今どんな事に困っているのか、どういう状況なのか、という事を人に知らせることは何も恥ずかしいことではありません。

誰に相談したら良いのか分からない場合、地域包括支援センターへ相談することもおすすめです。地域包括支援センターは高齢者の暮らしをサポートする介護の相談窓口で、アドバイスを受けたり、さまざまなサービスに繋げてもらうことが出来ます。専門家と話しをし適切なアドバイスを受けることで希望が生まれ、不安やストレスを減らす効果も期待できます。

介護サービス、介護施設を利用する

受けられるサービスについての知識や情報を知らない高齢者の方も多くいらっしゃいます。

日本では地域包括ケアシステムという体制を整えており、要介護となっても介護保険制度だけでなく医療保険制度も含め高齢者を地域で支え支援していく、という方針でさまざまサービスを提供し対応しています。

自宅にホームヘルパーが訪問してくれる在宅サービス(訪問看護や訪問介護)、施設と自宅までの送迎付きで通い介護サービスを受けることが出来る通所介護(デイサービスやデイケア)等があり、他にも短期間の宿泊が可能なショートステイを組み合わせることも出来ます。

これらの介護サービスを日中の時間だけでも利用することが出来れば介護をする方の負担軽減になりますし、介護をされる側も食事や入浴、排泄といった日常生活で必要な介助を受けることが出来る他に、レクリエーションへの参加や運動、リハビリなど体の機能や健康を維持、向上介護の予防を目的とした訓練を受けたり、他の利用者、施設のスタッフ等と交流する機会が得られるというメリットもあります。また、介護のプロに任せることで安心感もありますよね。

介護サービスを利用するには要介護認定を受け、ケアプランを作成してもらう必要がありますので、暮らしている地域の自治体のケアマネジャーに相談をし、申請を行いましょう。

認定の流れや審査の内容、手続きについて分からないこともしっかり説明とサポートしてくれますので、安心して気軽に相談をしてみて下さいね。

施設へ入居する

施設へ入所させるのは可哀想だし高いお金がかかる、と思われる方も多いと思います。しかしお互いが安全な暮らしをするための前向きな選択の一つとして検討することも必要です。

かかる費用などの経済面や病状などの状態に合わせた適切な施設を選ぶために、まずは入居相談から始めると良いでしょう。

施設といってもさまざまな種類があり、有料老人ホーム、老人ホーム、グループホーム、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、サービス付き高齢者向け住宅etc…

こちらも入所する条件など複雑で分かりにくい部分がありますから、探す際には先にあげた地域包括支援センターを活用したり施設を運営する事業者に相談をしましょう。

また、契約をする前に必ず資料請求と見学の予約をして直接自分の目で施設を見てもらい、過ごす環境や使う設備、職員や利用者の雰囲気などをチェックして、不明な点は質問をして納得してから選ばれると、いざ通う際に不安が少なくなります。

まとめ

老老介護は現在の日本の社会問題でもあり、これから更に増え続けていく問題でもあります。

現状、まだまだ考えるべき課題は残っており、これらを解決するためには介護をする本人だけでなく、周りの人の気付きや理解も重要です。

最近顔を見ない、以前と比べて元気がない、聞いても話してくれない等、少しでも変化を感じた時は早めに役所などの人に状況を知らせて必要な機関に実態を把握してもらうことも老老介護を抱える高齢者を救うきっかけになるかも知れません。

親族や近隣に高齢者同士で住んでいる家があったらこのように目をかけ、困り事はないか声を掛けることが介護者の安心につながる可能性も大きいのです。

また、介護サービスを受けることや施設へ入居することに抵抗を感じる人も多いかと思いますが、近年は入居するお客様が快適に過ごせるような特徴を持つサービス付の施設も人気となり、精神面にも良い影響が見られます。

行政や地域の相談センターに相談しながら、適切なサービスを受け共倒れにならない介護生活を送りましょう。

介護施設が受給できる助成金について

介護施設や介護サービス事業者に対する助成金は昔と比べると少なくなったものの、他の業界と比べるとやはり現在も利用できる種類は多い状況と言えます。

とはいえ種類が多い分、探し方や申請の方法など分からないことも多いでしょう。

そこで今回の記事では、介護施設や介護事業で使える主な助成金について簡単にご紹介して参ります。

是非最後までご覧くださいませ。

助成金って何?補助金との違いは?

そもそも「助成金」とはどのようなものかというと、対象となる一定の資格や要件を満たしていれば事業主が申請することで国や地方公共団体(あるいは民間の団体)から支給されるお金のことを言います。

よく似た使い方がされる「補助金」も国や地方公共団体から支給されますが、助成金と違って公募期間があり、採択できる件数や金額の上限などがあらかじめ決まっていて、申請すれば必ず交付されるとは限らない場合が多いといった特徴があります。

ただしこの二つは明確に区別されている訳ではなく、助成金といっても補助金のような扱いのものもあるので注意が必要です。利用を希望する際にはそれぞれの制度ごとの内容についてよく理解した上で申請し、活用するようにしましょう。

介護施設や介護サービス事業者が利用できる助成金・補助金の種類は何がある?

介護事業の助成金の探し方

介護施設や介護事業に向けた助成金・補助金は国や都道府県、民間団体など様々な所が実施しています。

その為、厚生労働省などの各省庁や自治体、福祉や介護に関連する団体のホームページ等を確認すると概要の案内や詳細な内容が掲載されている事がありますので、こまめにチェックしてみましょう。

また、中小企業基盤整備機構が運営する「J-Net21」は、助成金や補助金の情報をサイトで提供しており、メニューの中から必要な条件で検索し探すことが出来るのでおすすめです。

J-Net21のリンク

助成金・補助金を受ける方法

先述した通り、助成金も補助金も、それぞれ要綱で設けられた一定の要件を満たすことが必要です。その他に、助成金の場合には以下の要件を満たす必要があります。

・雇用保険適用事業所の事業主である

・支給のための審査に協力する

・申請の期間内に申請する

雇用保険の保険料も財源の一部としている助成金では、一人でも雇用している場合には雇用保険に加入していることが必須条件になります。これは法人であるか否かに限りません。

また、審査に必要な書類の提出を求められた際には応じなくてはなりませんので、前もって書類等の管理や確認を行っておくと良いかと思います。

介護事業の主な助成金の種類

介護施設や介護サービス事業が利用できる助成金や補助金の種類は多く、その中でも最近は新型コロナウイルスの感染を防止する対策やサービスに取り組む医療、看護、介護事業の支援を促進する為の補助金が注目されていますね。

各自治体により緊急で新たに給付金の体制を整え推進するも見られました。

また、認知症の方や要支援、要介護認定を受けた方が受けられる訪問介護や訪問看護、デイサービス等のサービスに対する介護保険による支援も助成金と言えます。

ここでは介護施設や介護サービス事業者が利用できる主な助成金の種類を一覧でご紹介します。

<人材を確保するための助成金>

・人材確保等支援助成金

※労働環境の向上、改善が目的

・中途採用など支援助成金

※中途採用率が上がるor45歳以上の労働者を初めて採用した際に支給

・特定求職者雇用開発助成金

※特定求職者とは高齢者や母子家庭の母親、障がい者といった就職が困難な人を指します。

・両立支援等助成金

<人材育成をするための助成金>

・キャリアアップ助成金

※非正規雇用社員の処遇の改善や正社員化への取組

・人材開発支援助成金

※さまざまな研修に取り組む事業者の支援する目的

<設備導入のための

・人材確保等支援助成金 介護福祉機器助成コース

・ICT導入補助金

・ICT補助金

・介護ロボット導入支援補助金

<その他>

・介護施設等の整備・改修等に係る補助金

・介護保険サービス利用者負担助成

※有料老人ホーム等に入所せず生活保護を受けず世帯全員が市民税非課税である場合

・介護サービス事業所・施設等における感染症対策支援事業等及び職員に対する慰労金

新型コロナウイルス感染症に関係する補助金(支援の継続)

・介護リフォーム費用(居宅介護(介護保養)住宅改修費)

※介護保険の制度で受けられる補助金

まとめ

いかがでしたでしょうか。

介護施設が受けられる助成金、補助金の種類は多くそれぞれの要件も異なるため、すべてを把握することは難しいですよね。

不明な点は自治体の指定の窓口へ質問や相談したり、各団体の事務局にお問い合わせいただき、必要な補助を受けて上手に活用しながら介護施設の運営を支えていきましょう。

要支援2とは?デイサービスに通えるの?要支援2が利用できるサービスを徹底解説!

要支援2とはどんな状態?

介護サービスや制度は複雑で分かりにくいという問題があり、自分や家族がどの様なサービスを受けることが出来るのか分からないという方が多くいらっしゃいます。

特に介護の必要のない要支援2の場合、デイサービスや訪問介護を受けることは出来るのか?利用できるサービスに制限はあるのか?等、具体的に知りたいとの声もよく聞かれます。

そこで今回の記事では、そのような方に向けて知っておいて損はない、要支援2の状態や利用できるサービスの情報につい紹介して参ります。

是非最後までご覧いただき、サービスを探している方の参考になれば幸いです。

介護は必要ではないが支援が必要

要介護認定は厚生労働省より要支援1~2、要介護1~5という全部で7段階の区分に分けられています。

要支援2というのは要支援1の次に症状が軽いもので、日常生活を送る中で介護は必要ではないものの支援が必要であるという状態の方です。

目安としては高齢により身体機能の低下はありますが食事や排泄等は自分の力で行うことが可能で、立ち上がりや両足で立つ、歩行、掃除や洗濯等の身の回りの家事を行う際に一部手助けが必要となります。

認定基準

介護認定において「要介護認定基準時間」という介護に必要な時間を定めたものが介護度を判断する基準の一つとして活用されていますが、実は要支援2と要介護1は同じ”32分以上50分未満”とされています。

その為、時間以外にも入浴など基本的な生活に必要な動作が困難か、介護や介助が必要な度合、そして最も大きな違いの特徴として理解力が低下しているか(認知症があるか)といった事を含めて判定を行っています。

ちなみに要支援1と異なる主な点は、家事の際にサポートや見守りが必要な場面が多いか少ないかといった事が挙げられます。

認定基準

介護認定において「要介護認定基準時間」という介護に必要な時間を定めたものが介護度を判断する基準の一つとして活用されていますが、実は要支援2と要介護1は同じ”32分以上50分未満”とされています。

その為、時間以外にも入浴など基本的な生活に必要な動作が困難か、介護や介助が必要な度合、そして最も大きな違いの特徴として理解力が低下しているか(認知症があるか)といった事を含めて判定を行っています。

ちなみに要支援1と異なる主な点は、家事の際にサポートや見守りが必要な場面が多いか少ないかといった事が挙げられます。

要介護認定を受ける手続きと流れ

要介護認定を受けるには、お住まいの市区町村にある介護保険の窓口において審査の申請を行いましょう。本人の他に家族、地域包括支援センターが代理で申請することも出来ます。

かかりつけの主治医や指定の病院で診断を受け意見書の作成をしてもらう事も必要です。

その後、本人の症状を確認する為に訪問調査が行われ1次と2次審査を経て判定され、結果が送付されるまで一ヶ月程かかるようです。

要支援2はデイサービスを利用できる?

要介護認定を受けた人は介護給付を受けて介護保険サービスを利用できるようになりますが、介護度ごとに受けられるサービスは異なります。

要支援2の場合、どのようなサービスを受ける対象となっているのでしょうか?

支給限度額について

要介護度の区分ごとに「区分支給限度額」というものがあり、地域によって多少異なりますが要支援2の場合は月額で10万5,310円程度です。限度額までは利用者の収入によって決められた1割~3割を負担し、限度額を超えた分は全額が自己負担として請求されます。

要支援2の人が利用できる介護サービス

要支援2の高齢者の方は以下のような介護を予防する為のサービスを受けることが出来ます。介護予防サービスには大きくわけて在宅と施設に入居する2つのタイプがあります。それぞれ一覧でご紹介します。

■在宅介護予防サービス

・介護予防訪問入浴介護・介護予防訪問リハビリ・介護予防訪問看護・介護予防居宅療養管理指導・介護予防通所リハビリ(デイケア)・通所介護(デイサービス)・介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)・介護予防短期入所療養介護(医療型ショートステイ)

■施設介護サービス

・有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)・グループホーム(認知症がある場合)

※要支援2で利用できる介護施設の種類は多くありませんが、これらの施設に入居する場合は日常生活の支援や機能訓練といった「介護予防特定施設入居者生活介護」を受けられるというメリットがあります。

その他サービス

要支援2でも介護予防を目的として住宅のリフォームにかかる費用に補助金(介護予防住宅改修費)が利用できます。

また、状況に合った福祉用具をレンタルすることも可能です。要支援2は福祉用具や介護予防サービスを利用することで自宅で一人暮らしが出来たり機能の維持や改善できる可能性が高いので、今後も自立して生活できるよう介護予防をしていきましょう。

まとめ

要支援2は介護予防の為の様々なサービスの提供を受けられますが、デイサービスやヘルパーを週に何回利用できるかといった回数や費用、実施されるサービスの内容はそれぞれの利用者により異なりますので、居宅介護支援を通して知識が豊富な専門家である担当のケアマネジャーとよく相談をし、適切なケアプランを立ててもらいましょう。

施設に入居する場合、条件が厳しい介護老人保健施設や特別養護老人ホームには入れませんが、サ高住なら介護度が高くなっても対応できるのでおすすめです。

デイサービスや施設の利用を探す時には、必ず契約する前に見学に行くことも重要です。資料やサイトだけでは分からない環境や設備、職員や利用者の雰囲気、ケアの方法などが自分に合うか分かりますし、直接質問や説明を受けられて安心にもなります。できればいくつか比較して選ぶ事が良い選び方のポイントです。

夜まで介護サービスが受けられるデイサービスの需要が高まっています

夜まで居られるデイサービスとは?

デイサービスというのは要介護の認定を受けた高齢者が通常、朝から夕方まで日中の時間帯に介護保険サービスを提供する通所介護の施設です。

しかしここ数年、夜まで延長したり夕方の17時頃から夜までの時間帯にサービスを実施する施設が増えているのをご存知ですか?

提供されるサービスの内容は日中とほぼ変わりはありません。

そこで今回の記事では、「延長サービス」「ナイトデイサービス」「トワイライトデイサービス」等といった名称で呼ばれているこれらのサービスについて、夜間に対応する目的や実際に利用した高齢者の方、その家族の方の声をご紹介してまいります。

このサービスを普及させるために必要な課題についても記載していますので、是非最後までご覧くださいませ。

デイサービスを夜まで行う目的は?

家族の負担を軽減させるため

普段自宅で高齢者の介護を行っている家族にも様々な事情があります。

中には小さなお子さんを育てながら介護を行っているママや、会社で忙しく働きながら帰宅後や休日に介護を行っている方もいらっしゃいます。

すると当然、子どもが夜、発熱や体調不良を起こして病院に行かなくてはならなくなったり、仕事でトラブルが発生して急遽残業が必要になったりすることも出てきます。夜に用事が出来て外出しなければならない時もあるでしょう。

そんな時、自宅に高齢者の家族を一人で残したり、日中のデイサービスから帰宅する際に家で迎えられないといった状況に対して不安に思われる事かと思います。特に認知症の方の場合は夜間の徘徊もあり一人で残していく場合かなり注意が必要です。

それだけではなく、仕事と家庭と介護を両立していることで体力が限界に来ているというご家族も少なくありません。

夜までデイサービスを利用することが可能になると、そんな介護側の負担を少しでも軽減させる事ができるでしょう。

利用者の孤独感を軽減させるため

介護をしている家族だけではなく、実はデイサービスを利用されているご本人、特に一人暮らしをされている高齢者の方の声にも切実なものがあります。

普段暮らしている自宅以外の環境で日中の長い時間を過ごすと、いくら送迎はあるとは言え、居宅に帰宅後は疲れてしまい夜の食事を用意したり余暇を楽しむ気力や体力が出ないという声や、デイサービスの施設で他の職員や利用者と過ごした後に一人の自宅に戻ると孤独を強く感じるという声が少なくないのです。

夜というのは高齢者に限らず若い人でも孤独を感じやすい時間帯ですから、その不安や寂しさはよく理解できます。

そこで夜までのデイサービスを利用することで、みんなで夕食を食べたり、夜間に入浴の介助を受けたりして楽しく温かな環境の中で安心して夜を過ごすことができ、生活のしやすさや身体の快適さはもちろん、それ以上に心のケアとなる事でしょう。

デイサービスを夜まで利用した人の感想

離れて暮らしているご家族に勧められて夜までのデイサービスを利用されている高齢者の方は、これまで日中のデイサービスを利用していた頃は夕食を一人で外食でとるしかなかったとのこと。

夜までのデイサービスを利用するようになってからは”他の人たちと楽しく食事をし、お風呂やトイレ、歯磨きも済ませて家に帰ったら寝るだけ”と、とても快適に安心して過ごせる上に家族の心配や負担を減らすことも出来て大変満足されているそうです。

また、ご家族にとっても安心して残業が出来る、自分に何かあっても施設で遅くまで支援してもらえる、栄養バランスの良い夕食をしっかり食べてきてくれる等といった喜びの声が多数聞かれます。

まとめ:デイサービスの夜間サービスの普及に必要なこと

共働きの夫婦が増えている中、1日仕事をしながら自宅で介護も行うのは本当に大変なことです。

日中のデイサービスでは帰宅する時間に間に合わなかったり、急な用事や他の家族が病気になることもありますので、家族と介護を受ける高齢者、双方にとって負担は募ります。

そのため、今回ご紹介したような夜間のデイサービスの需要は非常に高まっているのですが、夜間は看護師が不在になったり利用者の体調に変化が起こるケースも多く、実際に夜までのサービスを実施する事業者の数はまだまだ足りていないのが現状です。

短期間施設に入所することができるショートステイと併用することも一つの手ではありますが、夜間のデイサービスを普及させるには、日中のデイサービスを利用している高齢者が在宅で生活している時の様子や、ご家族の仕事と介護を両立させた生活の中で、どのような苦労や負担があり何に困っているのかということを、社会や介護事業者に広めより一層理解していただくことが必要かと思います。

そのために当事者や周囲が声をあげることも非常に大切です。介護に関する質問や相談、サービスの希望があれば気軽にお住まいの市区町村の福祉課やケアマネジャー等にご連絡いただき、夜間のデイサービスの必要性を認知させていくことが出来ればと思います。

楽しい頭の体操!デイサービスで行いたいボードレク

なぜボードレクは人気なの?

デイサービスや介護施設では様々なレクリエーションが行われていますが、その中でも人気のレクといえばホワイトボードレク、通称「ボードレク」ですよね。

高齢者の方にとっては普段の生活の中ではなかなか体験することのないゲームやクイズ等の遊びをする機会ということで、いつもとは違ったドキドキやワクワクを感じることが出来ます。

実施をする側である職員にとっても、ボードレクは準備が簡単、予算もかからず無料で施設のどこでも実施ができ、利用者の皆さんに安全に楽しんでもらえるレクである点が人気の理由ではないでしょうか。

レク中は参加している高齢者、スタッフ双方のたくさんの笑顔が溢れ「できた!」という喜びの声が聞こえたりといつもとても盛り上がります。

今回の記事ではそんな介護の現場に向けた人気のボードレクについて紹介して参ります。

デイサービスにおけるボードレクの主な効果

ボードレクとはホワイトボードを使っていわゆる”脳トレ”と呼ばれる種類のゲームや遊びを楽しみながら、脳に良い刺激を与えて機能を活性化させるという効果が大きく期待できます。

同時に、レクを通して他の参加者同士で相談や確認をしあったりする機会があるので、よいコミュニケーションの場となり、新しい出会いや交流が生まれることでその経験がデイサービスに通うことが楽しみになったり、生きがいを見つけたりといった身体だけでなく精神的な効果もあり、総じて認知症の予防にも繋がっています。

デイサービスで盛り上がるボードレク【ジャンル別5選】

季節を感じるボードレク

日本は四季がはっきりとしており、季節ごとの景色や空気を日々感じ生活をすることが出来ます。また、季節の移り変わりには喜びや時の流れを感じる人も多いでしょう。

しかし高齢になるにつれて外出する機会が減ってくると、季節を感じることや時間の感覚が鈍り、気付かないままに時が流れてしまっている、という方も多くいます。

そこで季節感を取り入れたボードレクを行うのはいかがでしょうか?

1.「〇月といえば?」連想ゲーム

用意するもの:ホワイトボード

方法:ホワイトボードに『6月といえば?』とお題を書き、参加者に聞いていきます。

→雨、梅雨、あじさい、夏、父の日、夏至、かえる・・・

等、その月に連想する食べ物、花、行事、動物などの文章ではない単語を何でも構わないので自由に挙げてもらい、進行するスタッフは回答をボードに書いていきます。

※回答が少なくなかなか答えが出ない時には関連したヒントとなる情報を出したり、こんな答えもあるという例を1つずつ出すことでリードしていってもOKです。

2.記念日クイズ

用意するもの:ホワイトボード

方法:「〇月△日は何の記念日でしょう?」「今日は何の日でしょう?」と質問します。

問題にする日は誰もが知っている祝日でも良いのですが、実は365日何かしらの記念日となっており、インターネットのサイトで簡単に調べることが出来ます。

例えば、「3月4日はミシンの日」「5月29日はこんにゃくの日」「12月2日は美人証明の日」等、語呂合わせや面白い記念日もたくさんあり、答えを聞いた高齢者からは思わず笑いや「どうして?」という声が上がります。

その意味や由来を紹介し理解すると更に盛り上がり、その後、毎日「今日は何の日だろう?」と調べる高齢者の方もいるようです。

漢字や計算ゲーム

より頭を使ったボードレクを紹介します。

1.漢字バラバラクイズ

用意するもの:ホワイトボード

方法:漢字をバラバラに分けて書き、何の漢字かを当てるゲームです。

例えば、「合 竹」→「答」、「日 一 一 l」→「車」など・・・

最初は簡単な漢字から始めるのがポイントです。

皆さんそれぞれ真剣に考えるので、正解が分かった時にはかなり盛り上がります。

最初は簡単なものから始めて、参加者の方の知識やレベルに合わせ少しずつ難しいものにして進めていきましょう。

2.穴埋め計算クイズ

用意するもの:ホワイトボード

方法:「3+〇=9」「5〇2=10」等、〇に入る数字や計算記号を当てるクイズです。

ただしこのような”正解のある”問題は、大勢の前で注目された状態で間違えたり答えられないと「恥ずかしい」「嫌だ」とマイナスな感情を抱く方もいらっしゃいますので、参加者の気持ちに配慮する必要があります。

状況によってはホワイトボードではなく個別で紙を使う等、一人で挑戦する形式でも良いと思います。これもまた”書く”という行為によって手や指先を使って脳の活性化を促すことが出来ますね。

しりとり

みんなが知っている「しりとり」もボードレクとして楽しめるゲームになります。ルールも簡単で説明をしなくても気軽に参加しやすいのでおすすめです。

1.しりとり

通常通り順番に一つずつ単語をいってしりとりをしていきますが、ホワイトボードに書かないと何を言ったか忘れてしまったり同じ単語が出ても気付けませんので、進行役の職員が見やすいように書きましょう。

慣れたら「果物だけ」「3文字だけ」「真ん中に「ん」がつく言葉」「最後が「う」で終わる言葉」等とテーマを決めることで難易度を変えて楽しむことも可能です。

ボードレクはデイサービスで人気のレク!

いかがでしたか?

頭の体操に効果絶大のボードレクは、以上の他にもボードに有名な歌の歌詞を穴埋めで書いて当てたり、食材を書いて何の料理か当てたり、文字ではなく絵を描いてしりとりをしたりetc…ボードレクのネタは無限大です。

盛り上げるコツは簡単なお題から始めること。自分の力で「出来た」「分かった」という体験を重ねることで自信になり、もっと難しいものに挑戦しよう!という意欲の向上に繋がります。

逆にいきなり難しいものでは意欲も自信も低下しかねません。参加する高齢者の方の自尊心を傷つけないことが一番大切です。

デイサービスで行うイベントやレクのネタを探している方、お題を作るる際の参考になれば嬉しいです。

デイサービスで1日過ごすのが苦痛!『風呂だけ利用』はできる?

デイサービスで「風呂だけ」利用は可能か

入浴を嫌がる高齢者が意外と多い

一般的な通所介護、通称デイサービスでは、朝9時から夕方5時まで、1日を通してサービスが提供されます。

サービスの内容としては食事や入浴、機能訓練やレクリエーション等がありますが、施設で過ごす1日の中には空いている時間もある為、その時間は職員やスタッフ、他の利用者とお話をしたりしてゆっくりと過ごします。

一見、のんびりと過ごしながら人との交流もあり、日常生活に必要な介助も受けて楽しく過ごせるだろうな、と感じるかと思いますが、実際に利用されている高齢者の方の中には

「1日デイサービスの施設で過ごすのは疲れてしまう。」

「必要なサービスを受けたら自宅に帰りたい。」

と感じて、結局デイサービスの利用をやめてしまうという方も少なくありません。

確かに高齢者に限らず、集団での生活が苦手な人にとってはレクや空き時間は苦痛に感じてしまいますよね。

また、認知症の方は慣れない場所への外出や人と接することを嫌がったり強く不安を感じる傾向が高く、デイサービスへの入所に拒否反応を示す方が多くいらっしゃいます。

しかし自宅で過ごす場合、入浴を嫌がる高齢者や認知症の方というのが意外と多くおり、せめてデイサービスで風呂だけ利用してもらえないか、という家族からの切実な声もよく耳にします。

果たしてデイサービスはそのような目的での利用の仕方ができるのでしょうか?

今回の記事では、そんな疑問についてお答えします。ぜひ最後までご覧ください。

短時間サービスの事業所を選ぶことがおすすめ

以上のように、日帰りとはいえ1日という長い時間を過ごすことや風呂だけ利用したいという場合には、短時間型のデイサービスの利用をおすすめします。

このような施設は『半日デイサービス』とも呼ばれ、午前と午後に分けられているのでどちらか希望の方を選んで利用できるという特徴があります。午前も午後もそれぞれ2~3時間程度と短時間になります。

半日デイサービスでは基本的に昼食は出ず、合わせて入浴のサービスも提供していない事業所も結構あります。その為、利用者は食事や入浴に介助の必要がない人が多いのですが、施設ごとにサービス提供内容が違いますので先述のように「風呂だけ利用」を希望されている場合には必ず入浴のサービスがあるかどうかを確認して下さい。

半日デイサービスを選ぶメリット

それでは半日デイサービスを選ぶ主なメリットを3つ、以下にご紹介します。

必要なサービスだけを受けられる

半日デイサービスは2~3時間。「風呂だけ」「リハビリだけ」等の必要なサービスを受ければあっという間に送迎の時間がやってきます。

もちろん毎回バイタルチェックも行われますので、日々の健康をチェックすることが出来て安心ですね。

利用者の負担が少ない

長時間デイサービスで過ごすのは疲れてしまうという方にとって、半日デイサービスであれば1日の半分は自由に過ごすことが出来ます。

午前にデイならサービスを受けた後はお昼寝やお出かけを、午後にデイなら朝はゆっくり過ごす等、生活にメリハリが出来て充実させることが可能です。

デイサービスを嫌がる方でも通いやすい

この様な理由から、外出やデイサービスへの通所を嫌がる方、”介護施設”に抵抗がある方でも、滞在時間が少ないことで必要以上に人とコミュニケーションをとることはなく、心身にかかる負担も少ないため通いやすいというメリットがあります。

また、契約を決める前に本人と一緒に事前に施設を訪問して見学や体験を受けることで、通う前に抱いていた不安が軽減されることもありますので、是非直接施設へ足を運んでください。

半日デイサービスを利用する流れ

半日デイサービスも一般的なデイサービスと同様に介護保険サービスになりますので、利用の条件は要介護の認定を受けることが必要です。

お住まいの地域の市区町村にて申請をし審査が行われ、承認されることで介護度の判定がされます。

次にケアプランの作成を行います。自分でプランを立てることも出来ますが、専門的な知識が必要なのでケアマネジャーに作成を依頼します。

その際は利用者本人や家族から普段どのようなことで困っているか、施設での過ごし方に対する希望などをよく聞き取りし、相談しながらどのようなケアや支援、対応が必要かを考えてプランが立てられます。

その後サービスを受ける事業所をいくつか紹介してもらってその中から選定し、契約して利用開始となります。

それでもデイサービスを嫌がる場合

例えば入浴を嫌がる場合。本人の体が動かしにくい状態だったり車椅子を利用している方は自宅の一般的な風呂場では転倒の心配や構造上入浴が難しいため、尚更入浴を嫌がる傾向にあります。

デイサービスであれば設備も整っており介助もしてもらえますが、それでも通うことを嫌がり通所が困難な場合には、自宅で在宅したまま介護を受けていただける訪問介護(訪問入浴介護)を利用するという方法もあります。

訪問介護では、入浴が難しい状況の方でも安心して入ることが出来る専用の浴槽や訪問入浴者を用意して看護師と介護スタッフが訪問してくれる為、外出することなく”風呂だけ利用”することが可能です。

家族としては週に1~2日でもデイサービスに行ってくれた方がで介護で疲れた体を休めたりリフレッシュする時間に使えて負担が軽くなるかと思いますが、どうしても通えない場合には訪問介護を利用してせめて入浴だけでもこのような福祉のサポートを受けて、少しでも負担軽減を行いましょう。

デイサービスとグループホームの違いや特徴を解説します

デイサービスとグループホームの違い

「サービス」か「住まい」か

デイサービス(通所介護)とグループホームの最も大きな違いは、”その施設が住まいとなるのか、サービスを受ける場所になるのか”という点です。

デイサービスは自宅で日常の生活を送りながら”日帰り”でデイサービスの施設へ通い、食事や入浴といった日常生活に必要なケアや支援をしたり、他の利用者と交流したり、自立した生活を送る為の身体の機能の維持、向上を目的とした機能訓練やリハビリを行います。

施設と自宅の移動は施設の職員やスタッフが専用の車で送迎するので、家族の負担も軽減されます。

一方でグループホームの場合は、在宅での介護が難しくなってきた方が暮らしを送る「住まい」が施設になります。数人の入居者同士で協力して共同生活を送りながら、常駐する介護士や看護師から入居している施設内で介護や看護、生活支援等のサービスの提供をケアマネージャーによって作成されたケアプランを元に24時間体制で受けることが出来るので夜間も安心です。

デイサービスとグループホームの『利用者の条件』の違い

デイサービスとグループホームには利用者の条件の違いもあります。

デイサービスを利用する条件は施設ごとの特色により異なる場合がありますが、原則としては以下の条件を満たす必要があります。

・要介護度が1~5の要介護認定を受けている

・医療行為が不要

・施設の送迎の範囲内のエリアに自宅がある

グループホームへへの入居は、大きく分けて以下の条件を満たしている方が対象となります。

・年齢が65歳以上の高齢者

・要介護1~5、または要支援2以上の認定を受けている

・医師から認知症の診断を受けている

・グループホームの施設と同じ市区町村に住民票がある

グループホームは比較的生活に必要な動作を自分で行える認知症の方に向けた介護施設である点がポイントです。

デイサービスとグループホームの『費用』の違い

デイサービスとグループホームはどちらも介護保険サービスですが、かかる費用の違いもあります。

デイサービスは利用日数や利用時間、要介護度によって1時間ごとの料金が定められますが、一般的に1回につき約1,000円~2,000円程。要支援の方の場合は「介護予防通所介護」という制度を利用して月額制で利用することが可能です。

グループホームは入居一時金と呼ばれる初期費用と毎月払う月額費があります。入居一時金は敷金のようなもので、施設により異なりますが平均して8万円前後。月額費には生活費のほかに介護サービスやサービス加算といった料金も含まれ、すべて含めて平均して15万円前後という方が多いようです。

グループホームに入所するとデイサービスに通えない

グループホームは介護保険のサービスの中で「地域密着型サービス」に分類されます。

これは介護が必要になっても住み慣れた地域で生活が送れるよう地域で支援を行う、という特徴があり、運営を行う事業所は各市区町村が指定をし、その地域に住民票のある人のみが原則として利用が可能なサービスです。

グループホームは先述した通り施設の中で食事や入浴の介助や機能訓練を受けることが出来る為、外部のサービスであるデイサービスに通うことは不可とされています。

ほかにも同様の理由から、特別養護老人ホームや介護老人保健施設に入所している場合もデイサービスの利用は認められていません。

デイサービスが利用できる老人ホームの種類

それではデイサービスが利用できる老人ホームについてもご紹介します。

・サービス付き高齢者住宅(サ高住)

一般型のサ高住に入居しているという条件はつきでデイサービスを利用することが可能です。介護型の場合は柔道の要介護者の方も入居可能で、施設内で介護サービスを受けることが出来る為、外部のデイサービスは利用できません。

・有料老人ホーム

こちらも「住宅型」の場合はデイサービスの利用は可能ですが、「介護付き」に入居されている場合は不可となります。 

まとめ

今回の記事ではデイサービスとグループホームの主な違いを紹介させていただきました。

利用を検討している方はそれぞれの施設の選び方の参考にしていただければ嬉しいです。

最近介護施設では利用者の趣味に合わせた豊富なサービスの提供に取り組み、魅力のある施設が増えています。

高齢になると外出や人との交流が少ない状況になるケースが高くなります。これらに関連して認知症を悪化させたり健康に影響が出ることがあるので注意が必要です。

そのため、デイサービスやグループホームを利用することで適切な生活介護を受け心身の充実をはかり、機能の悪化を予防する効果を得られます。

施設を探す際は出来るだけ本人も一緒に施設へ訪問し、見学をすることをおすすめします。見学や1日体験は多くの施設で実施されており、電話で気軽に予約を取ることが出来ます。

資料やサイトの情報だけでは分からない実際の雰囲気や設備、職員の対応、行われるサポートの内容やレクリエーションを体験し1日の流れを知ってもらうことで新しい環境への不安なイメージを取り除くことが出来ますし、受け入れ側にとっても事前に状態を知っておくことが出来る為、どちらにとってもメリットにもなります。また、不明な点を質問し直接説明を受けて確認できる場にもなりますよね。

契約する時は担当のケアマネジャーや家族と相談しながら、いくつか複数の施設を比較した上で希望にあった施設を選ばれると良いと思います。