何歳までできる?老人の一人暮らしの現状とリスク、対策とは

一人暮らしの老人が珍しくなくなった昨今。

超高齢化社会や核家族化が進む日本では、多世代で暮らすことが多かった頃と比べて一人暮らしをする老人が大幅に増加しています。

しかし、食事はしっかりできているのか、病気やケガをした時はどうするのか等、老人の一人暮らしは本人や家族、近所の方にとっても心配が尽きませんし、実際にさまざまなリスクが考えられます。

そこで今回の記事では、老人の一人暮らしにおける問題や利用できるサービス、具体的な相談先、そして一体何歳まで一人暮らしが可能なのか?等、高齢者とその家族が安心して暮らしていくための情報について解説してまいります。

最後までご覧いただき、皆様に役立ちますと幸いです。

老人の一人暮らしは何歳までが限界?日本の現状について

事情により家族と離れ一人暮らしをしている老人の方は、何歳までその生活を続けることが可能なのでしょうか。

総務省統計局の調査によると、日本は平均寿命が長く、令和元年の調査では男性が81.41歳、女性は87.45歳となっています。

しかし、この年齢まで自立して元気に暮らせているというわけではありません。

健康寿命で言いますと、男性は72.68歳、女性は75.38歳と、平均寿命までのおよそ10年前後は何らかの原因により日常生活を送ることに支障が出たり介護が必要な期間があるのです。

また厚生労働省の調査によると、65歳以上の高齢者の一人暮らしの割合は28.8%とかなり高い数値であることが分かります。

そしてこの状況は今後更に増加していくと見込まれ、2040年には男性で20.8%、女性で24.5%の高齢者が一人暮らしになると予測されています。

健康寿命を過ぎても一人暮らしを続けている老人は多く、その理由としては事情により施設の入居が難しかったり住み慣れた家、場所、地域から離れたくない、また約7割の高齢者が「自宅で最期を迎えたい」というアンケートもあることから、身体的につらくても自宅で暮らすことを選択しているという方も少なくないでしょう。

老人の一人暮らしの問題点

以上のように多くの老人が一人暮らしをしている現状ですが、老人が一人暮らしをすることで考えられる問題やリスクにはどのようなものがあるのでしょうか。以下に説明していきます。

病気やケガをした時の対応が遅れる

まず考えられるリスクや不安としてあげられるのが、病気やケガなどが起こった時に気付かれず対応が遅れてしまうという点です。

加齢とともに病気にかかりやすくなりますし、足腰が弱り転倒をしてケガをすることも増えます。

対応が遅れて症状が慢性化や悪化してしまったり、突然に起こった場合には自分で助けを求められず発見が遅れる可能性は十分に考えられます。

認知症の発症・進行

現在、65歳以上の日本人のうち認知症患者は約600万人いるといわれています。そしてこの数は増加傾向にあり、もはや他人事ではありません。

また、一人暮らしにより人と交流することが少なく1日自宅に引きこもりがちになると、ますます認知症の発症リスクが高まります。

家族と同居していれば、日常の様子の変化から認知症ではないかと気付いてもらえる機会がありますが、一人暮らしの場合は自覚がない限り認知機能が低下しても気付かず、そのまま進行しています恐れがあります。

認知症が進行することで、お金の管理や服薬の管理、栄養のとれた食事、入浴、排せつ等、日常生活に必要な動作が出来なくなっていき、健康状態の維持が難しく他の病気を発症したり、トラブルや事故に巻き込まれる可能性もあるため非常に心配です。

災害時の対応・避難が難しい

日本は地震や台風などの災害の多い国。毎年どこかしらで大きな自然災害が発生しています。

その際、一人暮らしの高齢者は避難のための情報を得ることや避難行動が遅れやすく、その後の安否確認や避難所への移動などが難しくなるケースが少なくありません。

賃貸住宅が借りられない可能性

一人暮らしを続けたくても、賃貸住宅に暮らしている高齢者の場合、経済状況から家賃の滞納の不安やや健康上の理由により賃貸の継続を断られてしまうという問題も発生しています。

そのため、もしもの時に備え、今から利用できるサービスや支援などを調べておくことが非常に大切です。

一人暮らしの老人をサポートするサービス

以上のように老人の一人暮らしにはさまざまなリスクや不安が伴うため、その対策として行政や民間企業が提供している支援やサービスを活用しながら少しでも安心して安全に暮らしていくことをおすすめします。

介護保険サービス

要介護認定を受け認定されることで、介護保険制度を利用してさまざまな介護サービスを受けることが出来るようになります。

例えばデイサービス(通所介護)や訪問介護、訪問リハビリ等。本人の身体の状態や目標によって、希望も考慮しながら必要な介護サービスを受け、一人暮らしをしていく上のQOLを上げていきましょう。

要介護認定を受けるには自治体の窓口やお住まいの近くの地域包括支援センターに相談しましょう。ケアマネジャーや社会福祉士、保健師など、福祉や介護に関する専門家が相談になり、さまざまなサポートを行ってくれますよ。

見守りサービス、安否確認サービス

自治体や民間企業による見守りサービスや安否確認サービスを利用することもおすすめです。

家に訪問して声かけをしてくれるものから、専用の機器による監視システムを用いて動きがしばらくない時に部屋の中での様子を確認してもらえたり、緊急時に自分でボタンを押して緊急通報ができるものもあります。

自治体や運営会社によりサービスの内容は異なりますので、こちらも地域包括センターで相談してみると良いでしょう。

食事の配達サービス

老人の一人暮らしで心配な事のひとつである日々の食事。

外への買い物や台所での調理が困難な場合、栄養不足に陥ってしまう不安があります。

そこで高齢者向けの食事を宅配してくれるサービスを利用すると、負担をかけずに栄養バランスの整った食事をとることが出来るので安心です。

高齢者向けなので食材の固さや塩分の調整などにも対応してもらうことも可能ですし、毎日または週に数回、定期的に配達員さんと顔を合わせることで、何かあった時に気付いてもらえやすいというメリットもあります。

その他の支援サービス

一人暮らしの老人に向け独自の支援サービスを行っている自治体も多くあります。

上記で紹介した安否確認サービス等の他にも、外出支援や買い物代行、金銭の管理、部屋の掃除など。

また、今はさまざまな民間の事業者が生活に必要なサポートを行うサービスを提供していますので、費用はかかりますが必要な時のために事前に知っておくと安心です。

デイサービスの料金はいくらかかる?主な介護施設の料金や施設の選び方も合わせて解説

デイサービスを始めとした介護サービスや介護施設の利用を考えた時、「料金はどれくらいかかるのか?」という疑問を持たれる方が多いかと思います。

多くの場合、長い期間を利用を続けることになりますから、ちゃんと支払うことができるのかどうかを事前に確認することが重要です。

そこで今回の記事では、デイサービスにかかる費用を中心に、他の介護サービスや介護施設の費用についてもあわせて解説いたします。

どうぞ最後までご覧いただき、皆様の参考になれば幸いです。

デイサービスとは?

デイサービスの料金について紹介する前に、まずはデイサービスとはどのような施設なのか簡単な概要を紹介したいと思います。

デイサービスは通所介護とも呼ばれ、原則、要介護認定を受けた65歳以上の高齢者の方を対象に、食事や入浴、排せつといった日常生活に必要な動作の介助、レクリエーションの実施や機能訓練により認知機能や身体の機能の改善、向上、維持を目指したサポート、栄養指導等の介護サービスを提供しています。

入居型ではなく自宅で生活しながら日帰りで施設に通って利用し、通所の方法は事業所の車で自宅と施設の間を送迎してもらえますから、車椅子の方でも安心してご利用いただけます。

また、利用者本人に対するメリットだけでなく普段介護を担っている家族の介護負担を軽減させる、ということもデイサービスの大きな目的のひとつとなっています。

デイサービスの利用方法

デイサービスの利用を希望する場合、住んでいる市区町村の窓口へ介護保険の申請を行い、介護認定を受ける必要があります。そして要介護1~5と認定された方はケアマネジャーと相談しながらデイサービスの利用を進めることが可能となります。

申請から認定が下りるまで1ヶ月前後の期間がかかりますので、利用を希望される場合は早めに申請を済ませておきましょう。

また、要介護認定で要支援1、2の判定を受けた方については、デイサービスではなく「介護予防通所介護」を利用することが出来ますので、地域包括支援センターで相談してみましょう。

デイサービスでかかる料金

デイサービスでかかる料金の目安は、1回の利用につき1,000~2,000円程となります。

デイサービスは介護保険を適用した介護保険施設となり、所得に応じて1~3割が自己負担額となりますが、食事やおやつ、施設のおむつや歯ブラシ等を使用した際にはその分の実費がかかり全額自己負担となります。

食事の料金は事業所によって異なりますが、1食500円~1,000円が一般的です。

また、介護度や利用時間、週に利用する回数、事業所の規模、サービスの内容、地域によっても金額は変わりますので、実際にかかる費用についいては市区町村やケアプラン(介護計画)を作成する担当のケアマネジャーに相談、確認をして下さい。

リハビリに特化したデイサービスの場合、午前か午後のみの短時間で昼食なしという施設もあります。その場合、時間も短く食事もないため必然的にかかる料金は安くおさまります。

デイサービス以外の介護サービス、介護施設の料金は?

デイサービスやデイケア(通所リハビリテーション)といった通所タイプや、寝たきりの方で自宅にヘルパーや看護師が訪問しサービス提供を行う訪問介護ではなく、入居タイプの介護施設にかかる料金はどれくらいなのでしょうか。

介護度が上がったり、介護者の負担の関係で家庭での介護が難しく、通うことが困難となるケースも少なくないため、以下に紹介してまいります。

民間施設と公営施設

介護施設には大きく分けて民間施設と公営施設に分けられます。

<民間施設の主な施設と月額料金の目安>

・介護付き有料老人ホーム 15~35万円

・住宅型有料老人ホーム 15~35万円

・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) 10~30万円

・グループホーム 15~30万円

<公営施設の主な施設と月額料金の目安>

・特別養護老人ホーム(特養) 15~35万円

・ケアハウス(軽費老人ホームC型) 15~30万円

一見、費用に大きな差は感じられませんが、公営の場合はおむつ等の料金も含まれている一方で民間では自己負担になったり、民間では入居一時金という所謂初期費用がかかる場合が多いといった違いが見られ、民間施設の方がトータルして高い費用がかかると言えるでしょう。

介護費を抑えたい、出来るだけ安い料金で利用したい場合には、公営施設から選ぶと良いかも知れません。

ただし料金の他に施設の設備やサービスの手厚さ、受け入れの条件、医療的ケアの有無、看取りの有無、認知症の対応の有無、職員の配置や体制・・・等、介護施設によって異なりますので、ケアマネジャーやケースワーカー、自治体の窓口など知識を持った専門家に相談し、よく比較・検討いただくことがおすすめです。

また、通所介護と入居介護の間のような一時的に宿泊できるショートステイ(短期入所生活介護、短期入所療養介護)もあり、こちらも介護保険が適用され自己負担が1割の場合は1日約500~1,000円が基本の金額となり、ここにデイサービスと同様、食費や日用品などの実費プラス諸々のサービスごとに決められた単位が加算されていく形となります。

自分に合ったデイサービスの探し方

デイサービスの料金がわかった所で、次にデイサービスを探す時のポイントを説明します。

良いデイサービスであるかどうかは、本人や家族の希望や状態に合っているかどうかで判断します。

そのため、資料やサイトの情報だけで契約を決めるのではなく、必ず直接施設へ見学や無料の一日体験に参加するようにしましょう。

事前に見ておくことで実際に通う際の不安や心配といった精神的な負担軽減にも繋がります。

見学の際にしっかりチェックするべき点を以下に一覧でまとめました。

<見学・体験のチェック項目>

・職員、スタッフの対応

・他の利用者の雰囲気

・施設や設備の清潔感

・事業所の送迎エリア

・食事内容(個別や介護食の対応)

これ等の中で違和感を感じたり、わからない点や合わないなと思う点があれば直接職員に質問し、可能な範囲で何か対策を考える姿勢が見られるかといったこともチェックしてみましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

デイサービスの料金の目安は1回1,000円~2,000円ですが、介護度が低い場合は700円~800円で利用できる可能性も高いです。

とはいえ、支払いが続けられる額でないと経済的に負担となってしまいますので、利用を開始する前に費用についても確認を行ってから決めるようにしましょう。また、ケアマネジャーと金額の限度を決め、その範囲内で利用できるようプランにしてもらうよう相談することもおすすめです。

自分に合ったデイサービスの選び方のポイントを解説します

デイサービス(通所介護)の利用をはじめて検討される場合、どのように探し、選んだらよいのか分からず不安な方もいらっしゃるかと思います。

そこで今回の記事ではそのような方に向け、デイサービスの選び方として「サービス内容」と「規模」を取り上げ、それぞれの特徴やメリット、デメリットを中心に分かりやすく解説して参ります。

ぜひ参考にしていただき、皆様の最適な施設選びに役立ちますと幸いです。

デイサービス基本的なサービス内容と利用条件

デイサービスの選び方をご紹介する前に、まずはデイサービスで提供される主なサービスの内容と利用するための条件について簡単に説明していきます。

実際にデイサービスを探す際に大切な要素となる「利用目的」を考える上で必要な知識となりますので、ぜひ今一度ご確認ください。

<デイサービスの基本的なサービス内容>

・食事、おやつの提供、介助

・入浴の介助

・健康チェック

・レクリエーションの開催

・その他、生活介護やケア

・機能訓練

<デイサービスの利用条件>

・要介護度1~5

・65歳以上の高齢者(※特定疾病に認定された40歳以上64歳以下の方も利用可)

・利用する事業所の送迎の範囲内に自宅がある

・医療行為が不要(※施設によっては可能な場合もあります)

デイサービスで提供される介護保険サービスを踏まえ、まず本人や家族が何を求めるのか、何を目標にするかを考えていただくことが大切です。分からない場合は担当のケアマネジャーが相談にのってくれますので気軽に聞いてみましょう。

なおデイサービスの施設によってサービス内容や条件に違いがある場合がありますので、詳細は各事業所にご確認ください。

デイサービスの選び方:サービス内容で選ぶ

それでは次に、具体的なデイサービスの選び方をご紹介していきます。

まずはじめに「サービス内容」から。

最近は他社とは違う独自のサービスや特化したサービス等を持ってサービス内容を充実させた施設が増えてきており、人気も高くなってきています。

以下は主な「特化型サービス」を持つデイサービスの種類です。

リハビリ特化型デイサービス

通常と比較して特にリハビリに力を入れているデイサービスです。

通常デイサービスは1日利用ですが、リハビリ特化型デイサービスは食事の提供がない午前または午後の半日コースを設けている所も多くありますので、必要なサービスだけ利用して長居はしたくない、という方にも向いています。

トレーニング用のマシンも設置されており、利用者の身体の状況や目的に合わせて利用できるため、筋肉や身体機能の向上、改善、維持、介護予防にも効果的です。

また事業所によって理学療法士や作業療法士等の専門の職員が配置されているため、専門的なリハビリを受けられるという点が大きなポイントです。

趣味特化型デイサービス

通常のデイサービスでもレクリエーションを通じて趣味を楽しめる機会はありますが、体操や脳トレと言った内容が多く見られます。

趣味特化型デイサービスではより幅広い趣味の活動に対応しており、まるでカルチャーセンターのような利用をすることが可能となります。

もちろん扱っている内容は事業所によって異なりますが、主に以下のような内容を実施しているところが多いようです。

・カラオケ

・囲碁、将棋、麻雀

・フラワーアレンジメント

・編み物

・ビーズ、刺繍

・水彩画

・絵手紙

・書道

これらはただ趣味を楽しむためだけでなく、手先を動かしたり、頭や体を使って趣味を通して身体機能、脳機能を高める目的があります。

また、他の利用者と交流しコミュニケーションをとることで孤立感の解消や生きがい、施設に行く楽しみを見つける等、精神的にも良い影響が期待できます。

長時間型デイサービス

一般的なデイサービスの利用時間は9時~17時の間となっている場合が多いですが、長時間型のデイサービスでは夕食の提供があり夜間まで利用することが可能となっています。

介護者の仕事や用事の関係で外出し帰宅時間が遅い場合や、リフレッシュや休養を取るといった理由でも是非ご利用いただきたいとても便利なサービスです。

また、宿泊ができる「お泊まりデイ」というショートステイサービスを行っているデイサービスもありますので、利用範囲内にこのよなデイサービスがあるかどうかを調べておくとイザという言う時に安心です。

ただし注意点として宿泊は介護保険が適用されないこと、ベッドの空きがない場合は利用できないということがありますので頭に入れておきましょう。

認知症対応型デイサービス

その名の通り、認知症の診断を受けている方を対象としたデイサービスです。

定員が12名以下の少人数で、認知症に関する専門知識を持つ職員が配置されているため、認知症を発症していても安心して利用することができる施設です。

認知症の方が共同生活を送るグループホームに併設されているケースもあり、慣れた環境の中でサービスを受けることが出来るという点も大きなメリットでしょう。

こちらは地域密着型サービスですので、事業所のある市区町村に住民票がある方が対象となっています。

デイサービスの選び方:規模で選ぶ

デイサービスの選び方として、「規模で選ぶ」というものもあります。

そこで大規模な施設、小規模な施設、それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介していきます。

大規模な施設

大規模なデイサービスは1日20名以上が利用します。

メリットとしては利用者もスタッフも多いため、気の合う友人を作りやすかったり、集団でレクリエーションが行われるためワイワイ過ごすことが好きな方にとってはとても魅了がありますし、それぞれが希望する過ごし方をとりやすいといったことがあげられます。

一方で、アットホームな雰囲気が好きな人には合わなかったり、他の利用者やスタッフの名前と顔を覚えることが大変といったデメリットがあります。

小規模な施設

小規模なデイサービスの1日の利用者は9名以下です。

少人数ならではのメリットとして、利用者一人ひとりに対しきめ細やかな対応が期待できること、大人数が苦手という方でも家庭のような雰囲気で落ち着いて過ごせること、利用者やスタッフ全員と顔なじみになれるのでより親密に関係を築けるといったことがあります。

しかし一方で、もし合わない人がいたり施設の雰囲気に馴染めないと、通いづらくなってしまうという可能性もあります。

契約する前に必ずチェックしたいポイント

以上のようにデイサービス選びの方法にはいくつかありますが、一般的なデイサービスであっても特化型であっても、条件や内容を調べいきなり決めてしまう前に共通して必ず事前に行っていただきたいのが「見学・一日体験」です。

ほとんどの施設で無料で実施しており、電話での申し込みが可能です。

お住まいの場所にもよりますが、一箇所だけでなくできれば複数の施設を候補に上げて直接施設に行き、どちらがよいか比較・検討の上で選択していただくことがおすすめです。

そしてその際に以下のポイントをチェックするようにして下さい。

設備、職員や他の利用者の雰囲気

デイサービスの選び方として最も重要なポイントとも言えるのがこちらの項目です。

施設の設備や清潔感、働くスタッフや他の利用者の雰囲気は実際に通う上で大切な情報となりますのでしっかりとチェックしましょう。

スタッフは明るく丁寧で親しみやすいかどうか、他の利用者との関係性はどうか、設備は綺麗にされているか等はホームページや資料だけでは知ることが出来ません。

直接目で見て肌で感じ、自分に合う・合わないを見極め判断することは重要です。

食事の内容

デイサービスの選び方として、提供される食事もとても大切な要素です。

こちらは特に施設によって違いが出やすいため、見学や一日体験で実際に食べてみて、温かさや味付け、柔らかさ、介護度に合わせ個別に対応してもらえるかどうかの他に、ひと月の献立表も見せてもらいどのようなメニューなのか、好みに合った内容か等を確認してみましょう。

ちなみにデイサービスで提供される食費は実費での負担となり、1食ごとに設定された料金は運営している施設によって異なるため、月にかかる費用はいくらになるのかも必ず確認し施設選びの際に検討材料にしましょう。

入浴

デイサービスの入浴設備には一般浴、個浴、機械浴がありますが、どのような設備があるかは施設によって違いますので、こちらも施設選びの上でチェックしておきましょう。

特に介護度の高い人の場合は、車椅子のまま入浴できるリフト浴があるか、寝たままで入浴できる機械浴があるかどうかは重要となってきますので、このような設備が整っている施設を選ぶことをおすすめします。

もちろん一日体験の中で実際に利用することが出来ますので、サポートの方法も快適かどうかチェックしてみましょう。

まとめ

いかがでしたか?

デイサービスとひと言で言っても、施設によってさまざまな特徴や種類があることがお分かりいただけたかと思います。

せっかく同じ介護施設に通所するならば、自分の状態や希望に合った施設に通った方が気持ちも楽しく、効果も得られやすくなるでしょう。

特化型のサービスを持つ施設も増えていますので、是非探してみてくださいね。

また、不明な点があれば施設や担当のケアマネジャーに質問し、納得した上で決めるようにしましょう。

デイサービスは医療費控除の対象?チェックすべきは「サービスの目的」

超高齢化社会である現在の日本では、デイサービス(通所介護)やデイケア(通所リハビリ)等の介護施設や介護サービスを利用する、または利用を希望している高齢者の方が増え続けています。

しかし介護保険が適用されるサービスであるとはいえ利用料の他に食事代やおむつ等の利用をすれば実費が発生しますし、利用の回数が多かったり時間が長いことで自己負担額が高額なってしまう点は気になりますよね。

長く通うなら出来るだけ負担を減らし、使える控除は利用したいもの。

そこで今回の記事では、お客様からよく寄せられる「デイサービスには医療費控除が使えるの?」という質問についての回答を中心に解説してまいります。

ぜひ最後までご覧いただき、介護サービスを利用する際の参考にしていただければと思います。

医療費控除の概要

デイサービスの利用にかかる料金は医療費控除の対象となるのでしょうか?

それを知るためにはまず医療費控除とは何か?という点を理解する必要があります。

国税庁のHPによると、医療費控除とは「その年の1月1日から12月31日までの間に自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。」と書かれています。

控除の対象となる税金は所得税であり、一定の額というのは対価の合計が10万円(または年間所得の5%の少ない方)を超える時、文中の「医療費」とは、治療や治療を目的とした検査、通院、入院についてを言い、美容目的で病院にかかった場合などは対象となりません。

ちなみに特例として、平成29年1月1日から令和8年12月31日までの間に、自己または自己と生計を一にする配偶者、その他の親族が特定一般用医薬品等を購入した際に、支払った費用の合計額のうち12,000円を超える部分の金額(上限88,000円)が控除される所謂「セルフメディケーション税制」もあります。

デイサービスが医療費控除の対象となるケースは?

上記で紹介したように医療費控除が適用されるのは”治療を目的とした医療に対するもの”であるため、医療費控除の対象となるか否かは「提供される介護サービスが何を目的としているものなのか?」という点が判断材料となります。

それでは次に、それぞれのサービスについて医療費控除の対象、併せて利用することで対象、対象外に分けた一覧を以下に紹介していきましょう。

医療費控除の対象

・訪問看護

・介護予防訪問看護

・訪問リハビリテーション

・介護予防訪問リハビリテーション

・居宅療養管理指導(医師等による管理、指導)

・介護予防居宅療養管理指導

・通所リハビリテーション(医療機関内デイサービス)

・介護予防通所リハビリテーション

・短期入所療養介護(ショートステイ)

・介護予防短期入所療養介護

・定期巡回、随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用する場合に限る。)

・看護、小規模多機能型居宅介護(上記の居宅サービスを含む組合せにより提供されるもの(生活援助中心型の訪問介護の部分を除く。)に限る。)

医療控除対象サービスと併せて利用する場合のみ控除対象

・訪問介護【ホームヘルプサービス】(生活援助(調理、洗濯、掃除等の家事の援助)中心型を除く。)

・夜間対応型訪問介護

・訪問入浴介護

・介護予防訪問入浴介護

・通所介護(デイサービス)

・地域密着型通所介護

・認知症対応型通所介護

・小規模多機能型居宅介護

・介護予防認知症対応型通所介護

・介護予防小規模多機能型居宅介護

・短期入所生活介護【ショートステイ】

・介護予防短期入所生活介護

・定期巡回、随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用しない場合および連携型事業所に限る。)

・看護、小規模多機能型居宅介護(上記①の居宅サービスを含まない組合せにより提供されるもの(生活援助中心型の訪問介護の部分を除く。)に限る。)

・地域支援事業の訪問型サービス(生活援助中心のサービスを除く。)

医療費控除の対象外

・訪問介護(生活援助中心型)

・認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)

・介護予防認知症対応型共同生活介護

・特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム等)

・地域密着型特定施設入居者生活介護

・介護予防地域密着型特定施設入居者生活介護

・福祉用具貸与

・介護予防福祉用具貸与

・看護・小規模多機能型居宅介護(旧複合型サービス)(生活援助中心型の訪問介護の部分)

・地域支援事業の訪問型サービス(生活援助中心のサービスに限る。)

・地域支援事業の通所型サービス(生活援助中心のサービスに限る。)

・地域支援事業の生活支援サービス

医療費控除の対象かどうかは領収書でも確認できる

介護保険サービスにはたくさんの種類があり、複数のサービスを利用されている方にとってはどれが医療系でどれが福祉系なのか、判断が難しいかと思います。 

そこで簡単にチェックできる方法として、事業所等から発行された領収書(または請求書)に必ず記載されている「医療費控除対象額」の項目を見ていただくこともおすすめです。

医療費控除については確定申告での申請が必要となりますので、デイサービスも含め領収書は必ず保管しておきましょう。

まだ介護サービスを利用される前であれば、控除の対象かどうか担当のケアマネジャーに確認してみましょう。

医療費控除は生計を一にしている人と合計しての申請可能

医療費控除は利用者一人の分だけでなく、「生計を一にしている人」と費用を合計して申請を行うことが可能です。

これは同居が条件ではありませんので、生計を一にしているのであれば離れて暮らしている子どもや家族であっても問題ありません。

また、医療費控除の対象でなくても利用できるかもしれない控除として、「老人扶養控除」という制度があります。

これは70歳以上の高齢者を扶養している納税者が対象となる控除で、細かな条件は以下となっています。

・老人扶養親族が70歳以上

・老人扶養親族の年間の所得が38万円以下

・老人扶養親族と納税者が生計を一にしている

・納税者が個人事業主ではない

以上に当てはまるようでしたら、ぜひ控除の申請をしてみて下さいね。

認知症の方との適切なコミュニケーションの取り方とは?注意したいポイントも解説

認知症の高齢者の方を相手にコミュニケーションを取る際、「どのように接すれば良いか分からない」と感じている方は多いかと思います。

しかし日々の介護を行う上で認知症の方の対応方法を知らないと、家族にとっても介護スタッフにとっても、そして患者本人にとっても、心身にかかる負担はより大きくなってしまうことでしょう。

そこで今回の記事では、認知症で現れる主な症状とコミュニケーションの方法、更に注意したいポイントについても解説してまいります。

どうぞ最後までご覧いただき、参考にしていただければと思います。

認知症の主な症状

認知症とひと言で言っても人によって症状はさまざまですが、大きく分けて脳の機能が低下することで起こる中核症状と、それに伴い行動や心理的に現れるBPSDという症状に分けられます。

以下にそれぞれの特徴を紹介していきます。

中核症状

認知症の主な症状として、ほぼすべての認知症患者にあらわれるものです。

病気などの原因によって脳機能が低下し新しい物事や過去の出来事や経験を忘れてしまう「記憶障害」、人や場所、時間を認識できない「見当識障害」、話の内容が理解できない、少しの変化に混乱してしまう「判断力の障害」、物事を計画したり道具を上手く使うことが出来ない「実行機能障害」があります。

BPSD

上記であげた中核症状が進行すると、日常生活に適応できず難しく感じる場面が増えていきます。そこで感じるストレス等により現れる症状をBPSDと呼んでいます。

これは本人の性格や環境、身体の状態が影響する部分も大きいため、すべての認知症の方にあらわれるわけではありませんし、周囲の対応によって症状が改善していく場合もあります。

主な症状としては行動面で暴力や暴言、徘徊、拒絶、不潔行為があり、心理的には不安や抑うつ、幻覚や妄想、睡眠障害といったものが見られます。

認知症の方とのコミュニケーションの取り方と注意点

認知症を理解していない人の中には、認知症になると会話もできず何も分からないし話すことも全部忘れてしまうだろうという先入観により、コミュニケーションを取ることを諦めたり、疎かにしてしまうケースは少なくありません。

しかし多くの場合、認知症になって最近の出来事は忘れても古い記憶は覚えていたり、様々な感情も持っています。

認知症であろうとなかろうと、人とのコミュニケーションというのは生きていく上で必要なもの。そして当たり前のことですが、認知症の方と接する上で本人の自尊心を傷つけないよう配慮することは非常に重要です。

突然の変化を与えず本人のペースを大切に

認知症の方は急な変化やペースを乱されることにより、強い不安を感じたりパニックを起こしてしまうことがあります。

そのため、急に後ろから話しかけたり触れたりせず、視界に入るよう正面からゆっくり近づき声をかけるようにしましょう。

また、急がせたり慌てさせるような言葉や態度は出さないよう気を付け、本人のペースに合わせるよう意識しましょう。

言葉は簡潔に分かりやすく

認知症の方は長く説明したり、一度に多くの情報を与えられると理解することが出来ません。

そこで伝えたいことや質問したいことは一つずつ、分かりやすい言葉で簡潔な表現で伝えるようにしましょう。ここでも焦らせることなくゆっくりと待ち、一つが終わったら「次は〇〇しましょう。」というように声をかけてみて下さい。

気持ちに寄り添う

暴言や徘徊等の症状が出る時、介護する側の心の余裕もなくなりがちです。

しかしこれ等の言動や行動にも実は本人にとっては理由がある場合が多く、むやみに抑え込もうとしたり、ただ止めるよう言葉で伝えてしまっては「自分の気持ちを理解してくれない」と感じ、症状が改善することは無いでしょう。

そこで「どうしてそのような行動を取るのか?」その理由を考え、気持ちに寄り添う姿勢や態度を見せることで、認知症の方が安心し症状が和らいでいくケースが多く見られています。

日頃から温かな態度で接するよう心がけ、優しく手や肩に触れたり、目線も同じ高さに合わせて対応すると良いでしょう。

人格を否定しない

認知症になって出来なくなってしまったこと、分からなくなってしまったことは多いでしょう。

しかしそこにばかり目を向けていては、ご本人もどんどんと自身を失ってしまいます。

特に認知症の方に対して命令をしたり責め立てるような言動、表情には十分注意しましょう。

被害妄想がある時のコミュニケーション

認知症の症状には、「お金を盗まれた」「食事を与えてもらえない」といった被害妄想が見られることもあります。

そんな時は本人の訴えを頭から否定せず、まずはよく聞いてあげましょう。

そして「こちらで調べてみますね」というように対応することで、安心してもらえます。

徘徊時のコミュニケーション

認知症の方に見られる「徘徊」行動には、先述したように理由や目的がある場合が多いです。

そのため理由も聞くことなく無理矢理止めてしまっては、更に出ていこうとしたり暴れてしまう等、症状が悪化してしまう可能性があります。

本人の話をよく聞き気持ちに共感してあげること。どうしても外に出てしまう場合はついていって後ろから危険がないように見守り、しばらく様子を見てから「そろそろ帰りましょうか?」と声をかけてあげましょう。

症状が強い場合には、GPSや徘徊感知器などを備えておいたり、あらかじめ近くの交番や近隣の方にも説明しておき、いざという時に協力してもらえるようにしておくこともおすすめです。

認知症の方とのコミュニケーション技法「バリデーション」を学ぶこともおすすめ

認知症の方だけでなく、多くの介護施設やその他の業界でも活用されているコミュニケーション技法「バリデーション」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?

1963年にアメリカのソーシャルワーカーによって創設された技法で、認知症の方の世界を否定せず、寄り添い、共感することを原則としたコミュニケーション方法です。

バリデーションでは、上記でも説明してきた通り、認知症の方の言葉や行動には理由があるということを前提に考え、会話の中でその理由を探るという目的があります。

ここでは概要のみで詳細はまた別の記事にてご紹介させていただきますが、基本は丁寧なコミュニケーションを取ることで、認知症の方の周囲には伝わりにくい本当の思いに歩み寄り、共感することで認知症のさまざまな症状を和らげたり、ストレスを解消させたり、自尊心を取り戻せるようにしていく技法です。

介護福祉士の方の中には既に学ばれた方もいらっしゃるかと思いますが、バリデーションの研修や勉強会はオンラインも含め各地で開催されているようですので、興味がある方はバリデーション協会のサイトの中の「バリデーション研修・勉強会予定」のページをチェックしてみて下さい。

介護が必要になったらまずやることは?必要な手順をわかりやすく解説します

親や家族の介護が必要になったら、何が必要で何から始めたら良いのでしょうか。

突然はじまる介護に慌ててしまう方も多いかと思いますが、基本の知識だけでも持っておくことで、いざという時に必要以上に慌てることなく、落ち着いて進めることが出来るのではないかと思います。

そこで今回の記事では、「介護が必要になったらまずやるべきこと」についてを解説します。

これから介護がはじまる方はもちろん、将来のために知っておきたいという方にとってもおすすめの内容ですので、どうぞ最後までご覧いただき参考にしていただければ幸いです。

介護が必要になったらやること1.介護の方法を決める

介護が必要になったらまずは自宅で介護をするのか、それとも施設に入居して介護を行ってもらうのかを考える必要があります。

どちらにするかによって、準備するものや流れが大きく変わるからです。

それでは選ぶポイントとしてそれぞれの特徴、メリットとデメリットを以下に紹介していきます。

在宅介護

在宅介護は同居する家族やヘルパーが訪問し、自宅で介護を行うことを言います。

環境が変わることがないため介護を受ける側にとっては精神的に負担がかからず、費用も抑えられるというメリットがあります。

ただその分、家庭の中で介護を行う家族にとっては身体的にも精神的にも負担が大きいこと、要介護者の状態に合わせて自宅をバリアフリーに改修する必要があるという点がデメリットとして大きいと言えます。

施設介護

施設介護は介護施設に入居して介護を受けることになります。

24時間365日、専門の職員、スタッフに介護や見守りの対応をしてもらえることが一番のメリットでしょう。家族も安心して預けられますし、介護の負担も解消されます。

一方でやはり在宅介護と比べて費用が高いこと、環境の変化により要介護者にとっては心身に大きなストレスがかかったり拒否反応を示す可能性がありますので注意しましょう。

介護が必要になったらやること2.各所への相談

次に介護が必要になったら必要となる手続きの流れについて説明していきます。

自治体や地域包括支援センター

介護が必要になったらお住まいの自治体にある担当窓口または地域包括支援センターに相談に行くこともおすすめです。

本当に介護が必要な状態なのか、在宅介護と施設介護どちらが良いのか、介護で利用できるサービスや支援にはどのようなものがあるのか等、不明な点や不安な点があれば何でも相談しましょう。

地域包括支援センターというのはあまり馴染みがないかも知れませんが、地域ごとに設置されており、65歳以上の高齢者を対象に介護や福祉、保健などの専門家が情報を提供したり相談を受けてくれる施設になっていますので、ぜひ活用してみて下さい。

医療機関

介護が必要になったら要介護認定を受け、認められると介護保険を利用することが可能となります。

介護保険サービスにはデイサービスなどさまざまな介護サービスがあり、費用の負担を軽減させることが出来ますので必ず申請しておきましょう。

その際、医師による意見書が必要になりますので、かかりつけの病院の主治医に事前に相談しておくと申請の際にスムーズに応じてもらえるでしょう。

主治医がいない場合には市区町村が指定する医師の診察を受けることになります。

介護が必要になったらやること3.要介護認定を受ける

上記で紹介した通り、介護が必要になったら介護保険を利用するために要介護認定を受けましょう。

申請は居住している自治体の役所または地域包括支援センターになります。

申請をすると市区町村から調査員が自宅に訪問し本人の状態を調査します。そして医師に意見書を作成してもらい、介護レベルがどの段階であるか専門家による判定が審査会で行われます。

要介護認定は「要支援」と「要介護」の区分に分けられ、軽い方から要支援1~2、要介護1~5と分かれており、介護度がどの段階にあるかによって利用できるサービスや利用料に対しかかる負担額の限度などが変わってきます。

申請してから結果が通知されるまでおよそ1ヶ月程度を要するため、早めに申請を行うことをおすすめします。

介護が必要になったらやること4.利用する介護サービスや施設を選定する

介護認定の認定を受けたら、担当のケアマネジャーに相談をしながらケアプランを作成してもらいます。

ケアプランとは介護サービスの計画書のことで、本人や家族の希望を聞き、目標を決めて具体的な介護サービスの内容を設定するものです。

利用または入居したい施設があれば、いきなり契約をするのではなく必ず見学や体験を申し込んで事前に直接施設を見るようにしましょう。

もちろん、どんな施設があるのかわからない場合はケアマネジャーに情報の案内してもらうことも出来ます。地域の事業所について理解が深いため、施設の概要や特徴、利用の条件など探す際に相談することをおすすめします。

そしていくつか実際に見てみてからどこに決めるかは比較検討の上、希望に合った施設を選び、ケアプランの内容に沿って事業者と契約を交わし、いざ介護が開始されます。

介護が必要になったら準備するもの

在宅介護にする場合、必要なものを先に把握しておくことでいざという時に慌てずスムーズに準備を進められます。

環境や状態によって必要なものは変わってきますが、ここでは基本的なものを紹介していきましょう。

まず自宅での生活をサポートするための福祉用具として、介護ベッド、車椅子、歩行器などです。

これらは購入だけでなくレンタルも可能で、介護保険が適用される場合もあります。

また、住宅に手すりを取り付けたり段差をなくすために工事を行う場合にも介護保険を適用できるケースが多くありますので必ず確認して下さい。

一方で施設に入居する場合、施設によって必要なものが異なりますので事前に確認をして必要なものだけ揃えていくようにしましょう。

多くの場合、排せつ関連のもの(紙おむつ、お尻拭き、尿取りパッドなど)食器(スプーン、おはし、お皿など)は自分たちで準備する場合が多いようです。

主な介護サービス、介護施設

介護が必要になったら利用したい主な介護サービスや介護保険施設について最後に紹介していきます。

介護サービスには「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」があり、「居宅サービス」には利用者の自宅で行う訪問サービス(訪問介護、訪問看護、訪問リハビリテーション等)、利用者が施設に通う通所サービス(デイサービス、デイケア)、一時的に短い期間だけ施設へ入所する短期入所サービス(ショートステイ、医療型ショートステイ等)があります。

「施設サービス」には特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設。

「地域密着型サービス」にはたくさんの種類があり、認知症に特化したサービスや施設などもあります。

いずれも食事や入浴、排せつなど、日常生活に必要な動作の介助を行ったり、介護予防や健康で自立した生活向け機能訓練などの支援を行ったり、病気や障害に対する医療的ケアを行ったりとその人の状況に合わせて適切なサービスを選択していくことが出来ます。

認知症の方が施設の入居を嫌がるのはなぜ?原因や対処法を解説

認知症の症状が進むにつれて、家族やヘルパーの介護を嫌がる「介護拒否」という症状があらわれることがあります。

この症状は日頃お世話や介護を行う人に対し精神的にも身体的にも非常に大きな負担を強いることとなり、やがて自宅での介護に限界を感じ施設へ入れることも選択肢の一つとして考え始めるかと思います。

しかし認知症の方は施設への入所を嫌がる人がとても多く、説得するのも大変です。

そこで今回の記事では、認知症の方が施設の入居を嫌がる理由や対処法、施設の選び方について解説していきます。

どうぞ最後までご覧いただき、皆様の参考になればと幸いです。

認知症の方が施設の入所を嫌がるのはなぜ?

認知症の症状の進行や悪化により、介護者からの食事や入浴など生活に必要な動作の介助やサポートを嫌がる「介護拒否」や暴言、暴力が始まり、介護する側にとっても何をしたらよいのかわからず精神的、身体的な負担が大きく自宅での介護が困難となってしまうケースは少なくありません。

そこで施設への入居を検討するも、認知症の方の中にはそれを強く嫌がる人がとても多くいらっしゃいます。

それは何故なのでしょうか。その原因をいくつか以下に紹介します。

環境の変化への恐れ

認知症の方は知らない場所に行くことや知らない人と会う等、環境の変化に抵抗を感じる傾向にあります。

認知症の親が施設を嫌がる理由について内閣府が行った調査では、「住み慣れた自宅で生活を続けたいから」が85.6%、「施設で他人の世話になるのは嫌だから」が21.8%、「他人との共同生活をしたくない」からが21.7%という結果が出ており、やはり環境の変化を嫌い最期まで住み慣れた家で暮らしたいと考える人が最も多いことが分かります。

認知症でなくてもほとんどの人にとって環境の変化というのはストレスを与えますから、認知症の方は特に敏感に感じるのでしょう。

「見捨てられた」ということへの怒り

次に認知症の方が施設へ入所を嫌る理由として、”施設へ入居=家族から見捨てられた”と感じることへの抵抗が挙げられます。

地域などにもよりますが「子どもが親の介護をするのは当たり前」と考えている高齢者は多く、「施設に入れるなんて恩を仇で返すのか!」「自分は家族(子ども)から見捨てられるんだ」等と感じ、施設へ行くことを拒むケースも多く見られます。

認知症であることを認めない

本人が自分は認知症ではないと思っていたり、認知症であることを受け入れたくないという理由で施設への入所を嫌がる場合もあります。

特に昔は認知症という言葉が一般的ではなく「痴呆」や「ボケる」という言葉が広く使われており、病気というよりは障害のようなイメージが強くありました。

そのため、特にプライドが高い男性の高齢者にとっては、自分がボケたということを認めたくないという思いから施設への入居を拒否する方が少なくないようです。

認知症の方が施設の入居を嫌がる時の対処法

認知症とはいえ大切な家族ですから、嫌がっているのに強制的に入所させるような方法は極力避けたいものです。

そこで、施設に入れるための効果的な対処法を紹介していきます。

精神的なケアと声かけ

上記で紹介したように、認知症の方が施設を嫌がる理由には見捨てられたと感じたり、プライドを傷つけられる等といった精神的な問題が潜んでいます。

そこで、家族や子どもからしっかりと愛情や感謝、労わりの気持ちや大切な存在であることを伝えることが重要です。

見捨てるのではなく健康で元気でいてほしいという願いから入所を勧めている、ということを伝えましょう。

また、施設に入ったらもう会えなくなるのではないか、と感じている場合もありますので、

今後も面会に行くことも伝え、孤独感や寂しさを軽減させることも忘れずに。

ショートステイの利用

認知症の方が嫌がる施設へいきなり入所させるのではなく、ショートステイを利用して徐々に慣れてもらうという方法もおすすめです。

先述したように認知症の方は環境の変化を嫌いますので、いきなりすべてを変えてしまっては大きな不安を感じるのも無理はありません。

ショートステイは最長で30日間利用できる制度です。

施設の生活に慣れるために少しずつ短い時間や期間から試し、無理なく入居へ移行させましょう。

専門家に説明してもらう

自分が認知症だと受け入れられない方の場合、医師やケアマネジャー、施設の職員などから認知症の現在の症状や状態について説明してもらうということも一つの手です。

家族からの話だと信じてもらえない場合でも、このような専門家である第三者から説明されることですんなりと納得するケースも実際にあります。

本人のプライドを傷つけずに施設へ入居させるにはおすすめの方法です。

認知症で施設を嫌がる場合の強制入所について

認知症で施設へ入るのを嫌がる場合の対処法を試してみても、理解してもらえず難しい場合は「強制入所」がありますが、強制入所をさせた場合、信頼関係が崩れるほか、入所後に施設のスタッフや他の入所者とトラブルを起こす可能性が高くなるというデメリットがあります。

特別養護老人ホームでは「養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設置者は、第十一条の規定による入所の委託を受けたときは、正当な理由がない限り、これを拒んではならない。」という老人福祉法がありますが、暴力は正当な理由とされ退所させられる要因となります。

それでも在宅での介護が難しい場合は最後の手段として強制入所を選ぶ必要性が出てきます。

うまく対応してもらえるよう施設の職員によく相談し進めていきましょう。

認知症の人が入居できる施設について

最後に、認知症の人が入居できる介護施設について紹介したいと思います。

特別養護老人ホーム(特養)

認知症を受け入れている施設で、月額の費用も低めのため人気です。

特養の入居条件は要介護度が3以上となっていますが、認知症の診断を受けている場合には要介護度2でも可能な場合があります。

従来型とユニット型があり、ユニット型は個室と共有リビングのある部屋で10人程のグループで生活するという特徴があります。

大人数で生活することは嫌という場合には、ユニット型の体制を選ぶと良いでしょう。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

高齢者向けのバリアフリー住宅で、費用はやや高いものの、一人暮らしや夫婦世帯でも安心して安全に利用できるという点がメリットです。

介護サービスについては外部のサービスを依頼する必要がありますが、介護型を選べば施設に介護スタッフが常駐しているため内部でサービスを受けることが出来ます。

似たようなものにシニア向けの分譲マンションがありますが、こちらは賃貸ではなく購入するもので設備基準や行政への届出の義務がありません。

グループホーム

グループホームは認知症の方を対象とした施設で、できるだけ自立した生活を送ることができるよう役割を分担したり、機能訓練を受けられるよう配慮されています。

施設によってケアの内容や範囲は異なりますので、入居を決める前に確認しておきましょう。

また、グループホームは地域密着型サービスですので、施設と同じ市区町村に住民票があることも利用の条件になります。

有料老人ホーム

基本的に住宅型や介護付きという種類の有料老人ホームが認知症の受け入れに対応しています。

住居型よりも介護付きの方が費用が高い分、症状が進んでも暮らし続けることが可能で、病院に入院が必要となった場合にもケアを受けることが出来ます。

一方で住居型は進行などの状況によって退去しなければならなくなる可能性もあるので注意が必要です。

認知症デイサービス

入居ではなく通所するタイプの介護保険サービスで、認知症向けのデイサービスです。

提供されるサービス内容は一般的なデイサービスとほとんど同じで、事業所の車で自宅と施設の間を送迎し、健康のチェックや食事、入浴、排せつの介助、機能訓練、レクリエーション等イベントの実施など、幅広いサポートを受けることが出来る魅力があります。

一般的なデイサービスとの違いとしては、認知症に関する高い知識と経験を持ったスタッフが働いているため、認知症の症状を把握したうえで適切かつ手厚いケアを受けられます。

家族にとっても心配せずに送り出せ、その間にリフレッシュや休息をとって日々の介護負担を軽減させることが出来ますので、在宅介護で一緒に暮らすことを選ぶ場合はぜひ活用いただきたいサービスです。

まとめ

認知症はその人ごとにさまざまな症状がありますが、施設の利用や入居を嫌がるケースは多い傾向にあります。

しかし強制入所は最終手段とし、まずは不安な感情や辛い気持ちに寄り添いできる限り本人が納得した上で入居できるよう、少しずつステップを踏みながら進めていきましょう。

また、施設を探す際は担当のケアマネジャーに悩みや希望を伝えて相談や質問をしたり、資料やパンフレットを請求し、サイト等も合わせt情報を収集しながら必ず見学や一日体験を申し込んで直接施設の雰囲気や設備、スタッフ等を見て比較・検討して選び、契約することがポイントです。

その際、本人もできるだけ一緒に同行しましょう。

認知症にはデイサービスとグループホームどちらが良いの?それぞれの特徴と違いを解説

認知症の家族が介護サービスを利用する際、どんなサービスや施設を選べば良いのか分からない。そんな声がよく聞かれます。

認知症の中には外出することや人に会うことを嫌がる方が少なくなく、介護のサービスを受けさせたくても難しいと感じるケースも多いでしょう。

とはいえ家庭の中だけで介護を続けるには、家族への肉体的、精神的な負担は相当なものです。

そこで今回の記事では、認知症の方におすすめの介護サービスである「認知症デイサービス」と「グループホーム」、それぞれの特徴や違いについて紹介します。

どうぞ最後までご覧いただき、皆様に役立ちますと幸いです。

認知症デイサービス(認知症対応型通所介護)とは

認知症デイサービスとは、一般のデイサービス(通所介護)と同様、普段は自宅で生活をしながら事業所の車の送迎を利用し主に日中の時間、日帰りで通うことの出来る介護施設です。

食事や入浴、排せつ等、日常生活に必要な動作の介助を受けたり、レクリエーションに参加して職員や他の利用者と交流したりすることで引きこもりや孤独感の解消に繋げたり、機能訓練を実施し身体機能の維持や向上、回復を行うといった内容のサービス提供が行われます。

認知症デイサービスはこの他に認知症の専門的なケアを受けられる、という特徴があります。

本人だけでなく家族にとっても、認知症の症状に対する専門の知識を持った職員が手厚いケアをしてくれる認知症デイサービスなら安心ですし、施設に行っている間は介護から離れられ、リフレッシュや休養して介護の負担を軽減させることが可能となります。

また、デイサービスの事業のみを行う単独型の他に、特別養護老人ホームなどに併設された併設型やグループホームのリビングなどの共用で使用される場所で介護を提供する共用型があります。

グループホームとは

グループホームとは認知症の高齢者の方を対象にした地域密着型サービスです。

施設と同じ市区町村に住民票があることが入居する条件の中にありますので、住み慣れた環境で生活を続けることが出来ます。

また、1つのユニットの定員は9人以下という少人数で構成されますのでアットホームな雰囲気の中で料理や洗濯などを分担して出来るだけ自立しながら共同生活を送りますが、デイサービスと同じようにスタッフによるサポートや支援も受けられますし、機能訓練などのサービスもあります。

ただし、看護師などの配置が義務付けられているわけではない為、医療ケアが必要な場合は入居が難しいケースもあります。

その場合は看護師を配置していたり、訪問看護と連携している施設を探すようにしましょう。

認知症デイサービスとグループホームの違い

利用目的の違い

デイサービスは介護が必要となった高齢者の支援とQOLの向上を目指し、在宅介護の中で生じる介護者の心身の負担を軽減することも目的の1つです。

一方でグループホームの場合は、家庭的な環境の中で日常生活のサポートと機能訓練を行いながら、1人1人の症状の状態や能力に合った可能な限り自立した生活を送ることが出来るよう支援することを目的に運営されています。

デイサービスもグループホームも、本人が持つ自分の力を活かしながら認知症の進行を抑制していこうという目的も持っています。

利用条件の違い

認知症デイサービスの利用条件は、

・医師により認知症と診断されていること

・65歳以上の高齢者で要介護認定で要介護1以上と認定されていること

・事業所の送迎エリアの範囲内に自宅があること

となっています。要支援の方の場合は通常の介護サービスではなく「介護予防サービス」となります。

グループホームの入居条件は、

・医師により認知症と診断されていること

・65歳以上の高齢者で要支援2または要介護1以上と認定されていること

・施設と同じ市区町村に住民票があること

・集団生活に支障がないこと

等があります。

費用の違い

認知症デイサービスもグループホームも、介護保険が適用されるものとされないものがあります。

デイサービスでは利用料やサービス加算に介護保険が適用されますが、食費やおむつ等の日用品を使用した場合にはその分の実費がかかります。

その上で全体にかかる料金の目安としては、1回あたり1,000円~2,000円程度です。

一方でグループホームの場合は入居費用となり、初期費用は0円~数百万円と施設によって大きく異なり、月額の利用料の相場は15~30万円となっています。

月額には介護保険の自己負担額と管理費や水道光熱費、食費などが含まれます。

施設や地域、介護度によっても変動しますので、お住まいの自治体に確認してみましょう。

まとめ

いかがでしたか?

認知症デイサービスもグループホームも、認知症に特化した介護サービスを受けることが出来ますが、自宅で生活しながら通うのか入居をするのか、が大きなポイントとなります。

どちらが合っているのかは本人や家族の状態や何を希望しているのかを踏まえてよく考え、実際に決める前に担当のケアマネジャーや医師など専門の人とよく相談し、情報を収集して施設の見学をした上で決めるようにしましょう。

良いデイサービスの選び方のポイントとは?

デイサービスとは、要介護認定を受けて要介護1~5に認定された65歳以上の高齢者の方を対象に、食事や入浴、排せつといった日常生活に必要な動作の介助やサポートを受けたり、身体機能の維持、向上、回復を目的とした機能訓練、他の利用者と交流しながら行う体操やレクリエーションといったサービスを介護保険を利用して提供してもらえる介護施設です。

そして家族に対してもデイサービスに行っている間、休息や自分の用事を済ませられ日々の介護の負担を軽減してもらうという大きな役割も担っています。

しかしそれぞれの施設が持つ雰囲気や設備、特徴などは異なりますので、「どのデイサービスを利用しても同じ」というわけではありません。

そこで今回の記事では、利用者本人、そして家族にとって良いデイサービスを選ぶために何を意識したら良いのか、選ぶポイントや気を付けたい点について解説してまいります。

どうぞ最後までご覧いただき、デイサービス探しをされている方に向け役立ちますと幸いです。

良いデイサービスを選ぶには目的を明確にすることが大切

「デイサービス」と一言で言っても、施設や運営する事業者によって実施しているサービスの内容や食事、設備、介護スタッフや利用者、規模や人数、費用などは違います。

半日程度の短い時間、食事は無しで専門の職員を配置し機械も揃えてリハビリに力を入れているデイケアのような施設もあれば、認知症に特化した種類の施設、夜まで居ることが出来る施設、俳句や将棋など趣味や娯楽を充実させている施設等・・・

自宅から事業所までの送迎の範囲内にあるデイサービスには限られるものの、施設が複数ある場合、その中から本人に合ったデイサービスを選ぶにはどうしたら良いのか迷われるかと思います。

そこでまず考えることは、デイサービスを利用する目的は何なのかを具体的にはっきりさせておくこと。そうすることで何を優先するべきかが分かり、施設を選びやすくなります。

デイサービスは訪問介護や入居型の老人ホーム等とは違い、日帰りの通所介護であり、基本は自宅で自立して暮らしていくため、そして在宅介護を支えるために必要な支援を行う役割を担っています。

そのため、例えば「これからも自分で自宅のお風呂に入れるようにしたい。」「介護をする中で食事の面だけ心配がある。食事の介助や栄養の改善をお願いしたい。」「外出や人とコミュニケーションをとる機会が減り引きこもりがちになっているので、もう一度生きる楽しみや意欲を取り戻して欲しい。」等、自宅で生活していく上で本人または家族が持っているさまざまな希望があるかと思います。

良いデイサービスを選ぶためには、これらの不安や心配、希望を補ってくれるサービスを提供してくれる施設を選ぶことが一番の優先事項となります。

良いデイサービスは様々な問題や課題に向き合ってくれる施設

実際に利用を開始してから「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを防ぐためには、パンフレットやサイトに書かれている条件や説明だけで決めるのではなく、入所する前にいくつかの施設の見学や無料の一日体験に参加し直接チェックして比較、検討してから選ぶことが非常に重要です。

ほかの人は良いと思っても自分には合わない、ということもよくありますし、食事のメニューや味付け、現場で仕事をする職員の対応の感じや介護のやり方なども実際に受けてみないと本人との相性は分かりませんよね。

ご本人にとっても初めての場所より一度行った場所、一日の流れを経験したサービスということで不安が軽減し安心できるメリットもあります。

とはいえ1日だけですべてが分かるわけではありませんが、良いデイサービスを見極めるコツとして、見学や一日体験の当日にスタッフにぜひ質問や相談をしてみて下さい。

その時、親身に答えてくれるのか、応じてくれるのか、その様子を確認していただきたいと思います。

もし対応が難しいことや答えが分からない場合に「うちでは無理です。」「分かりません。」と冷たく突っぱねるような反応をされたら、いくら目的にかなっていても別のデイサービスを探すことをおすすめします。

良いデイサービスであれば、可能な限り利用者の方の要望や課題に向き合い応じようとする姿勢を見せたり、無理であっても丁寧な印象を与える対応や配慮、別の提案を行ってくれるはずです。

特に抱えている問題や課題が大きい状況の場合は、このように個別の状態に合わせ親身に寄り添ってケアをしてくれる施設を選ぶようにしましょう。

良いデイサービスを選ぶ権利があるということを忘れずに

デイサービスに通われている中で何か不満や問題があっても、普段面倒を見てもらっているからとか、預かってもらっているからという理由で我慢してしまうケースが多いです。

しかし、利用者やそのご家族にはデイサービスを選ぶ権利があるということを忘れないでいただきたいと思います。

何か不満や改善してもらいことがあった際には、我慢せずに施設に伝える、言いにくい場合には担当のケアマネジャーに相談し伝えてもらいましょう。

施設側で問題を把握することも、良いデイサービスを作っていくために必要なことです。

それでも改善が見られなかったり納得できない場合には、他のデイサービスに変えるという方法も1つの手です。

実際に契約した後デイサービス選びを失敗した!という場合も、妥協したまま通い続けるのではなく他のデイサービスの情報を調べたり、ケアマネジャーに相談しながら利用者により合う最適な施設を探すことも何ら悪いことではありません。

「本来の目的を実現させるためにデイサービスを活用するんだ」という意識を忘れず、利用者の方にとって良いデイサービスを見つけていただきたいと思います。

まとめ

紹介しましたように、デイサービスは一般的に行われる主な介護サービスの他にも施設によって異なる特徴があり、実際に行ってみないと分からない部分は多くあります。

受けるサービス内容については介護に関連した高い知識を持ったケアマネジャーが作成したケアプランをもとに行いますが、実際の介助のやり方や雰囲気といったもののミスマッチを防ぐ対策として事前にほとんどの施設で行われている見学や一日体験に行き、必ず直接確認するよう注意しましょう。

利用者に合った良いデイサービスを選ぶことで、心身の健康に大きく役立つはずです。

認知症の方が食べ物に執着する原因は?効果的な対処法も紹介します

「認知症の母の過食がひどい」「冷蔵庫に入れていた料理の作り置きを全部食べられてしまった」

認知症にはアルツハイマー型、レビー小体型、血管性型、前頭側頭型と4つの種類がありますが、そのさまざまな症状の中に「食べ物への異常な執着」があることことをご存知でしょうか。

認知症の方が登場するドラマ等でも、ご飯を食べたばかりなのに「夕ご飯はまだか?」と家族に尋ねる声を聞いたことがあるかと思います。

一般的に「単純にご飯を食べたことを忘れてしまったのかな?」と思われるかも知れませんが、冷静に考えると高齢者の方が普通にご飯を食べてお腹がいっぱいなはずなのにまだ食欲があるというのは不思議ですよね。

そこで今回の記事では、認知症の食べ物への執着はなぜ起こるのか、その原因や具体的な症状、対応の方法や注意点について解説します。

最後までご覧いただき、参考にしていただければと思います。

認知症が食べ物へ執着する原因

認知症の人が食べ物へ執着し「過食」症状を起こす原因としては、もちろん食べた行為自体を忘れてしまうということがありますが、そもそもは記憶障害により「食べられない」ということに対して強い不安があることが考えられます。

「食べることは生きること」ですよね。つまり、食べ物へ執着するということは生への執着と言い換えることができると思います。

また、認知症になってしまうと満腹中枢の機能が低下するため、食事をしても満腹感が得られず空腹を感じて、余計に「食事をしていない」と思い込みやすい傾向にあります。

認知症の人すべてが過食の症状を持っているわけではありませんが、介護を行っている施設の職員や自宅で同居している家族の方は対応が難しいと困ってしまう場面が多いでしょう。

認知症の食べ物への執着、主な症状と特徴

それでは次に認知症の方の「食べ物への執着」に関連する具体的な症状や特徴について紹介していきましょう。

食事をしたことを忘れる

認知症の代表的な症状である記憶力の低下は、一部を忘れる”物忘れ”とは違い、体験したことを丸ごと忘れてしまうという特徴があります。

そのため、認知症の方は「食事をした」という体験を忘れてしまい、しっかり食べた後であっても食べ物を要求します。

食欲が異常にある

認知症を発症すると高齢者とは思えないほど食欲が旺盛になる場合があります。

認知機能の低下により満腹中枢への刺激が弱まり、食事をしても満足できずに過食へとつながってしまうのです。

夜中に起きて冷蔵庫や家にある食べ物を漁り、好き嫌い関係なく全部食べつくしてしまうという行動を起こすケースも少なくありません。

一時的な症状である

認知症による食べ物への執着(過食)の症状は、薬を使ったり特別な治療などをしなくても多くの場合一過性の症状であると言われています。

上記のような旺盛な食欲も一時は見られますが、段々と落ち着いてきて最終的には元に戻ります。

とはいえ症状の程度や期間は人によって異なるため、そのうち元に戻るからと放置せず症状が治まるまではしっかりと見守ることが必要です。

認知症が見せる食べ物への執着への対処法

認知症による過食が一過性だとしても、ある程度の期間続くと糖尿病や肥満などを引き起こすもとになる可能性が高くなります。

そのため、適切な対処を行い疾患の予防や防止に取り組む必要があります。

すぐに食器を片付けない

食べたあとすぐに食器を片付けてしまうと、食事をした形跡がなくなり食事の記憶も消えてしまいやすくなり、この状態で食事を要求され「もう食べたでしょ」と言っても、「騙されている!」「食事を与えてもらっていない」と思い込み、結果として更に食べ物への執着が悪化してしまうようになります。

そこで食べ終わったお皿やコップなどの食器をしばらく食卓に残してもらうことで「ご飯を食べた」という意識が残り過食を防止する効果へとつながります。

「お腹空いた」「食事はまだか」と言われても、目の前の食器を見せることで食事をしたことを納得させやすくなりますし、家族もすぐに席を立って片付けを始めるよりも、少しみんなで食後の団らんとして会話をする時間を持つことでより食事をした体験の記憶が残りやすくなるためおすすめです。

目に見える、手の届く場所に食べ物を置かないよう管理する

食べ物へ執着している状態の認知症の方は、食べ物が目に入ると食べることが我慢できなくなってしまい、備蓄用の缶詰などでも見つかると食べつくしてしまうといった問題を起こしてしまいます。

そのため家族が仕事や外出をする際は特に認知症の方の目につく場所、手に届く場所に食べ物を置かないよう気を付けましょう。

中が見えないような容器に入れたり、食べ物を保管している戸棚に鍵をかける方法もあります。

注意したいのは、隠していることを本人に気付かれると怒りにつながってしまったり、食べ物を我慢させ過ぎるとストレスが強くになり部屋の中のどこかに食品がないか探して荒らしてしまう可能性があります。

そのため、どうしても欲しがる際やおやつなどの時間にはおにぎりや果物、健康に良さそうなお菓子などを用意し、目につく場所に置いてあげると安心につながるでしょう。

また、飲み物は温かい物を用意してあげると空腹が落ち着きます。

あまりきっちりと決めるのではなく、本人の状況を見ながら対応していきましょう。

食事の量を減らし回数を増やす

認知症の過食による肥満や病気を防ぐために、1食の量を減らして食事の回数を5回や6回に増やすこともおすすめです。

1日3食にしてプラスおやつや間食をするよりも、1日の食事量を小分けにすることで総カロリーを抑えることが出来ますし、認知症の過食は空腹というよりも食べたいという気持ちを満たすことが重要なので、回数を増やすことで満足感を得られやすくなります。

本人の気晴らしを促す

何もしていないゆっくりとした時間があると、食べ物のことを考えてしまいやすくなります。

そのため、食後は簡単な家事のお手伝いをお願いしたりゲーム等をして食べ物から気をそらす時間を作ると良いでしょう。

専門家に相談する

食べ物の執着に限らず、親や家族、周囲の人などの認知症に関する心配やわからないことがある時は、地域包括支援センターや医療機関など専門の知識を持ったプロへ相談することも大切です。

認知症の介護は非常に負担が大きく、1人で抱え込むのは危険です。

認知症に関する電話相談もありますから、このようなサービスを利用して理解してくれる人に話をすることで心が楽になったり、有益な情報を得ることが出来ます。

まとめ

認知症の方の「食べ物の執着」は脳の認知機能がうまく機能しなかったり記憶力の低下によるものであり、多くの場合一過性の症状ですが、過食を続けることで別の疾患が起こり健康に悪い影響を及ぼす可能性がありますので、適切な対処やケアを行うことも大切です。

とはいえ自宅で介護をされている場合、家族に大きな負担がかかり生活に支障が出てしまうこともあります。

そんな時はデイサービスを活用いただくのもおすすめです。

デイサービスは要介護認定を受けて要介護と認定された高齢者の方に向け、入浴や食事、トイレ等の日常生活に必要な介護やサポートや機能訓練、簡単な運動やゲームを取り入れたレクリエーションといった介護サービスが提供される介護施設で、入居ではなく事業者の車で自宅と施設を送迎し日中の時間に利用します。

そして同じデイサービスでも通常とは違う認知症に特化した認知用対応型通所介護(認知症デイサービス)という、認知症の症状に対する高い知識と経験を持った専門のスタッフが介護やサポートを行う施設があります。

家族も安心して送り出すことができ負担軽減や健康管理などメリットが多く人気です。

認知症の場合知らない環境に行くことを拒否するケースも多いのですが、事前に見学や一日体験受けてもらえれば、実際のサービスの内容や進行の流れ、職員やスタッフ、他の入居者の雰囲気、食事のメニューなどを知っておくことができ入ってからの不安を軽減することができたり、施設側も受け入れや対応の準備をしておくことが出来ます。

不安な点や分かりにくいことがあれば確認し、納得した上でサービスを使うことがおすすめです。

施設を探す際は担当のケアマネジャーや地域包括支援センターなどでご相談いただければ希望の条件に合った周辺の施設を紹介してもらえますので、ぜひ相談に行ってみて下さいね。