年金で費用を賄える介護施設はあるの?

自宅での介護が難しく親を老人ホームに入居させたいといった場合、やはり一番の不安は費用の負担ではないでしょうか。できれば年金で賄える介護施設を探したいですよね。

そこで今回の記事では、老人ホームを中心とした高齢者向けの介護施設にかかる費用の相場と年金で入居できる施設、更に費用を軽減させるための方法について解説します。

どうぞ最後までご覧いただき、皆様に役立ちますと幸いです。

介護施設にかかる費用の相場

介護施設には大きく分けて公的機関が運営している施設と民間の会社が運営している施設の2種類があります。

基本的に公的施設の方が費用が安く初期費用もかかりませんが、サービス内容や受け入れ対象の幅広さは民間施設の方が充実している傾向にあります。

月額費用には家賃、管理費、食費、サービス加算、上乗せ介護費、施設介護サービス自己負担額、介護保険外のサービス費、日常生活費、必要な方は医療費といったものが含まれます。

以下はそれぞれの主な施設の月々支払う額と対象者についてまとめたものですが、あくまで目安であり地域や施設ごとに異なりますので、詳細な条件については自治体の窓口やケアマネジャー、各施設にお問合せの上ご確認ください。

対象の基準となる要介護度の段階を知るためには、要介護認定を受けて認定される必要があります。

公的施設

・特別養護老人ホーム(特養)

月額:5万円~22万円

対象:要介護3~5

特徴:24時間体制の介護、生活介助(食事、排せつ、入浴など)、看取り利用が可能。人気が高くすぐに入れるとは限らない。数年入居待ちになるケースも多い。

・介護老人保健施設(老健)

月額:8万円〜20万円

対象:要介護1~5

特徴:退院後の在宅復帰を目指す施設で原則3ヶ月までの短期入所となります。

・介護医療院

月額:8万円~20万円

対象:要介護1~5

特徴:医師や看護師が常駐し、長期の医療ケア、生活介助、リハビリなどを受けられる新しい施設です。

・ケアハウス(軽費老人ホーム)

月額:8万円~15万円

対象:自立~要介護3程度(家族からの支援が難しい60歳以上の方)

特徴:自立型と介護型があり収入が低い人に向けた施設なので、それぞれの収入に応じて月額の費用が決まります。

民間施設

・介護付き有料老人ホーム

月額:15万円~30万円

対象:自立~要介護5

特徴:24時間体制で手厚いサポートが提供され、イベントやレクリエーションなど入居者が楽しみながら生活を送ることが可能な施設です。

・住宅型有料老人ホーム

月額:10万円〜30万円

対象:自立~要介護5

特徴:生活支援がメイン。介護サービスを受ける場合は外部のサービスと契約する必要がある。

・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

月額:10万円〜30万円

対象:自立~要介護5

特徴:生活相談や安否確認等のサービスがある賃貸住宅。

・グループホーム

月額:10万円~20万円

対象:要支援2~要介護5で認知症の診断を受けた方

特徴:暮らし慣れた地域で少人数で共同生活を送り、家事などできるだけ自分たちで行います。

介護施設を利用するために年金額を知る

介護施設の費用を年金で賄いたいと思ったら、まずは実際に給付される年金がいくらなのかを知ることが大切です。

皆さんご存知の通り、年金の給付額というのは納めた保険料、そして厚生年金保険なのか国民年金保険なのかによって変わります。

月額の平均は厚生年金で約145,000円、国民年金で約56,000円となっていますので、同じ年金とはいえ結構な違いがありますね。自営業や主婦の方は国民年金で支払われている方が多い傾向にあります。

また、給付は毎月ではなく2ヶ月に1度ですので振込口座から確認する時には注意しましょう。

これから年金をもらうという人は、日本年金機構のホームページで将来支給される見込み額を計算し参考にしてみましょう。

年金だけでは介護施設の費用が足りない場合の対処法

上記で説明したように国民年金の場合などは給付額が少ないため、公的施設であっても年金だけで賄うのは厳しいかも知れません。

そんな時にできるだけ負担する費用を抑えるための方法をいくつか紹介します。

生活保護を利用する

年金を受給していると生活保護は利用できないと思われている方が多いのですが、受給額が低く生活していくことが困難な状況にある際には生活保護を受けられる場合があります。

また、生活保護法に指定を受けている施設もありますので、生活保護で入居を希望する場合には市区町村の窓口や担当のケアマネジャー、ケースワーカーなどに相談することをおすすめします。

助成制度を利用する

介護保険サービスには、申請することで所得に応じた軽減制度を受けることができる他、独自の助成制度を実施している自治体もあります。

市区町村の窓口やサイトを検索して確認し、利用できる制度がないかどうか情報を探すと良いでしょう。

多床室に入居する

基本的に老人ホームは個室ですが、特別養護老人ホームには他の人と一緒に部屋で暮らす多床室(相部屋)があり、個室と比べて家賃が安くなっています。

プライベートな空間を必要としている方には難しいかもしれませんが、他の人との生活が気にならない場合は検討してみることをおすすめします。

利用者負担軽減措置を利用する

一部の介護施設では家賃や食費の利用費用の一部を軽減する制度が設けられています。

低所得かつ一定の条件を満たした方が対象です。

<条件一覧>

・年間収入が単身世帯で150万円、世帯員が1人増えるごとに50万円を加算した額以下であること。

・預貯金等の額が単身世帯で350万円、世帯員が1人増えるごとに100万円を加算した額以下であること。

・世帯がその居住の用に供する家屋その他日常生活のために必要な資産以外に利用し得る資産を所有していないこと。

・負担能力のある親族等に扶養されていないこと。

・介護保険料を滞納していないこと。

利用者負担軽減措置を実施している介護施設については、自治体の窓口に問合せて確認をしてみて下さい。

在宅介護を活用する

入居するタイプの介護施設はどうしても高い料金がかかります。

もし在宅しながら家族などのサポートを受けることが出来るようであれば、デイサービス(通所介護)や訪問介護、ショートステイ(短期入所)などの介護サービスを活用することで介護にかかる費用を抑えることが可能となります。

現在は小規模多機能型居宅介護と呼ばれる在宅介護を組み合わせて支援を受けられるサービスもありますので、選択肢の1つとして考えるのも良いかと思います。

まとめ:年金で費用を賄いたいなら公的な介護施設を選ぶ&制度を活用しよう

年金だけで介護施設に入居するポイントとしては、その中でも比較的費用の安い公的機関が運営会社となっている介護施設を選び、各自治体や国の事業として行っている助成や減免制度なを活用することが大切です。

しかしそれでも実際は預貯金を崩す必要が出てくる可能性は高いですので、介護施設に入る必要が出てくる前に、やはりある程度は年金とは別に老後に備えてお金を貯めておくと安心です。

民間施設の場合は充実したサービスが提供される分費用が高額となる点がデメリットですので、年金で賄いたい場合にはおすすめできません。

介護施設でかかる費用は医療費控除の対象になる?具体的な対象の範囲は?詳しく解説します

「病気や介護でかかった費用、年間で考えると結構な高額になる・・・。」

医療や介護を利用していると気になる医療費控除ですが、実は介護施設でかかる費用も医療費控除の対象となることをご存知ですか?

そこで今回の記事では、医療費控除の概要と介護施設における医療費控除について具体的に解説いたします。

少しでもお金の負担を軽減するためにぜひ覚えておきたい知識ですので、最後までご覧いただき参考にしていただければと思います。

医療費控除とは

医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所定の手続きを経て所得控除(課税所得の中から一定の所得を差し引いて)を受けることが出来る仕組みのことを言います。

医療費は個人ではなく生計を共にする家族、親族全員の合計額でも構いません。

医療費控除を受けるためには確定申告を行うことが必要です。控除を受けることで税金が還付されたり納税額が低くなる場合があるので、対象となる方は忘れないように注意しましょう。また、確定申告では医療費控除の明細書を用意しなくてはなりませんので、国税庁のホームページから様式をダウンロードして作成しましょう。

控除額と還付金の計算方法は以下のようになっています。

【実際に支払った医療費の合計】ー【保険金などで補填された金額】ー【10万円】

※保険金とは、生命保険や出産育児一時金、入院費給付金など

※所得の合計が200万円未満の人は総所得額の5%を引きます。また、医療費が10万円以下であっても所得額によっては医療費控除の対象となるケースもあります。

医療費控除の対象となる費用の種類

医療費とひと言で言っても、その種類や用途にはさまざまなものがあります。

その中で具体的に医療費控除の対象となるものとならないものについてご紹介します。

<医療費控除の対象になるもの>

・医師、歯科医師による診療や治療の対価

・治療のためのあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師などによる施術の対価

・助産師による分娩介助の対価

・医師等による一定の特定保健指導の対価

・介護福祉士などによる喀痰吸引等の対価

・保健師や看護師、准看護師による療養上の世話の対価

・治療や療養に必要な医薬品の購入の対価

・病院、診療所又は助産所などへ収容されるための人的役務の提供対価

・医療機関への通院にかかる公共交通機関を利用した際の交通費

<医療費控除の対象にならないもの(例)>

・医療目的ではなく美容目的などによる整形手術の費用

・健康診断の費用

・タクシー代(公共交通機関が利用できない場合を除く)

・自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車料金

・治療に直接必要のない近視や遠視のための眼鏡、補聴器等の購入費用

・親族に支払う療養上の世話の対価

・疾病の予防又は健康増進のために提供されるものの購入費用(予防接種やサプリメント購入費用等)

・親族などから人的役務の提供を受けたことに対して支払う謝礼

など

医療費控除の対象、非対称になるものの区別について詳しく確認したい場合は、国税庁の医療費控除の対象となる医療費に関する案内ページをご参照ください。

介護施設で医療費控除の対象となるものは?

介護保険制度における施設でのサービスの対価にかかる医療費控除はどうなっているのでしょうか。

介護保険法において、介護保険サービスは医療との連携を十分に配慮して行わなければならないと定められており、日常介護や支援の他に医療的管理も含まれています。

入所をして介護保険サービスを受ける介護施設は、その種類によって医療費控除の対象となる施設、そして全額控除となるのか半分の控除となるかが違います。

これらの施設が発行する領収書には医療費控除の対象となる金額が記載されていますので、チェックすることをおすすめします。

「全額」医療費控除対象となる介護施設

ここからご紹介する施設は、いずれも介護費、食費、居住費を含めた月額利用料が医療費控除の対象となります。日常生活費やサービス費用は対象外となりますので注意しましょう。

介護老人保健施設

病院から退院後、在宅復帰を目指して主に機能訓練や機能の向上のためのリハビリを行う介護施設です。

医師や看護師が常勤し安心して過ごすことが出来ますが、原則3ヶ月までしか利用することが出来ません。

利用の対象者は要介護1以上に認定されている65歳の高齢者の方ですが、40歳から64歳の特定疾病で要介護認定を受けている方も利用可能です。

介護療養型医療施設

比較的介護度の重い要介護者を対象としており、リハビリテーションや医療ケアで手厚いサポートを受けることが出来ますが、機能の維持や回復を目的としているため看取りは対応していません。

こちらの施設は2024年度2024年3月末に廃止されることが決定しており、次に紹介する介護医療院がその役割を引き継ぐ形となっています。

介護医療院

2018年4月に設立された比較的新しい介護施設で、医療的ケアが手厚く看取りの対応も可能な施設です。また、食事や入浴、排せつなどの生活介助やリハビリ、健康管理など自立した生活を送るためのサポートや介護サービスを受けることも出来ます。

対象となるのは要介護認定で要介護1~5の認定を受けた高齢者の方です。

「1/2」医療費控除対象となる介護施設

介護費、食費、居住費を含めた月額利用料の1/2が控除の対象となる施設です。日常生活費や、サービス費用は対象外となりますので注意しましょう。

特別養護老人ホーム

24時間体制で介護を受けられるのが特徴で、看取りにも対応している老人ホームです。全国どこの地域にお住まいの方でも申し込むことができます。

あくまで生活の場であり、リハビリには注力していません。

対象者は要介護3以上の認定を受けた高齢者の方ですが、状況や状態によっては要介護1、2の方も入居可能な場合がありますので、入居を希望の場合は確認してみましょう。

地域密着型特別養護老人ホーム

上記の特別養護老人ホームとほぼ同じですが、施設と同じ市区町村に住民票がある方を対象としており定員も29名以下となっています。

住み慣れた地域でアットホームな雰囲気の中で生活をすることが出来ることがメリットです。

介護施設以外の医療費控除対象となる介護サービス

入居型の介護施設ではなく自宅で暮らしながら受けられる居宅サービスでも医療費控除の対象となるサービスは多くあり、以下がその一覧となります。

・訪問看護

・介護予防訪問看護

・訪問リハビリテーション

・介護予防訪問リハビリテーション

・居宅療養管理指導

・介護予防居宅療養管理指導

・通所リハビリテーション

・介護予防通所リハビリテーション

・短期入所療養介護(ショートステイ)

・介護予防短期入所療養介護

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用する場合に限ります。)

・看護・小規模多機能型居宅介護(上記の居宅サービスを含む組合せにより提供されるもの(生活援助中心型の訪問介護の部分を除く。)に限る。)

また、上記サービスと併用することで医療費控除の対象となるサービスは以下となります。

・訪問介護(生活援助中心型を除く)

・夜間対応型訪問介護

・訪問入浴介護

・介護予防訪問入浴介護

・通所介護(デイサービス)

・地域密着型通所介護

・認知症対応型通所介護

・小規模多機能型居宅介護

・介護予防認知症対応型通所介護

・介護予防小規模多機能型居宅介護

・介護予防短期入所生活介護

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用しない場合および連携型事業所に限る。)

・看護・小規模多機能型居宅介護(上記の居宅サービスを含まない組合せにより提供されるもの(生活援助中心型の訪問介護の部分を除く。)に限る。)

・地域支援事業の訪問型サービス(生活援助中心のサービスを除く)

・地域支援事業の通所型サービス(生活援助中心のサービスを除く)

生活援助中心の訪問介護や認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、有料老人ホーム等は対象外となるので注意しましょう。

介護施設やサービスには多くの種類があり、医療費控除の範囲についても内容が複雑なため、不安な方は自治体の窓口や税務署、ケアマネージャーなどに相談いただくことをおすすめします。

また、これらの介護老人保健施設や指定介護老人福祉施設などへ通う交通費についても、医療費控除の対象となります。

介護施設で医療費控除の対象となる範囲と注意点

介護施設でかかる費用の全てが医療費控除の対象となるわけではなく、「介護費」「居住費」「食費」でかかった自己負担額分が対象となります。

歯ブラシやシャンプー等の日用品に使う日常生活費や、理美容などの特別なサービス費についてかかった分は含まれませんので注意しましょう。

なお、おむつに関しては6ヶ月以上寝たきりで医師の治療を受けているという条件を満たした場合、医療控除の対象となりますので、医師に「おむつ使用証明書」を発行してもらい確定申告を申請する時に提出して下さい。

最後までご覧いただきありがとうございました。

高齢者向け介護施設の選び方

現在超高齢化社会である日本では、高齢者向け介護施設の需要が高まっています。

しかし介護施設とひと言で言っても実は多くの種類があり、それぞれの施設によって利用できる条件や費用、特徴などが大きく異なる場合があります。

一般的にその違いについて知っている人というのは少なく、いざ介護施設を探そうとする際、どう選べば良いのかわからないと困ってしまうケースが多いようです。

そこで今回の記事では、老人ホームを中心とした介護施設の種類やその特徴、選び方、選ぶ時の注意点について解説します。

ぜひ最後までご覧いただき、参考にしていただければと思います。

介護施設(高齢者向け福祉施設を含む)の種類

介護施設の選び方として、まずはどのような種類の介護施設があるのかを知っておく必要があります。

介護施設には公的な機関が運営する「公的施設」と民間企業が運営する「民間施設」の2つがあり、それぞれに該当する施設を以下、紹介します。

公的施設

地方自治体や社会法人、医療法人などが主体となり国の補助金を受けて設置している介護施設でデイサービスを含む介護保険施設もこちらに含まれます。

公的な介護施設は低所得者の保護や介護度の重い方の支援を重視し、民間よりも費用が安く抑えられるというメリットがあり非常に人気が高いことから、長い入居待ちとなっている施設が多いという点がデメリットです。

公的施設には以下のような介護施設があります。

・特別養護老人ホーム(特養)

要介護3以上。居宅での介護が困難な状況で常時介護が必要な高齢者が対象です。

・介護老人保健施設(老健)

要介護1以上。病院を退院した後、在宅での復帰を目指して医療ケア(リハビリや介護、看護など)や生活サービスを受けるための施設で、入所できる期間は原則3ヶ月までとなっています。

・養護老人ホーム

経済的な理由や身寄りがない等の環境的な理由で自宅での生活が難しい65歳以上の高齢者が対象ですが、”介護施設ではない”ので要介護となってしまうと利用が出来なくなります。

・介護医療院

要介護1以上。療養型(Ⅰ型)と医療型(Ⅱ型)があり、看取りにも対応しています。医師や看護師が常駐しているので安心して利用することが可能です。

・軽費老人ホーム(ケアハウス)

要支援1以上。介護施設ではなく”福祉施設”で、自宅で生活することが困難な高齢者が低額で食事や生活相談といったサービスを受けることが出来る施設です。

民間施設

営利目的で民間の企業が運営している介護施設で、公的施設よりもサービスが充実しており、利用者の状態やニーズに合わせたきめ細やかな対応がされ快適に生活できる分、費用が高くなるという特徴があります。

民間施設には以下のような介護施設があります。

・介護付き有料老人ホーム

要支援1以上。24時間体制で介護保険サービスを受けることが可能です。介護状態が重度の方や看取りの受け入れが可能な施設もあります。

・住宅型有料老人ホーム

60歳以上の元気な方が対象となり、介護サービスを受ける際は外部の事業者と契約することになります。趣味を楽しみながら生きがいを見つけたりできる機会が豊富で、外出レクリエーションも行っているところが多いです。

自立型と健康型があり、健康型は要介護となると退去しなければなりません。

・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

60歳以上の方に向けた賃貸住宅で、バリアフリー、見守り、生活相談の他に食事や生活支援のサービスを提供している施設もあります。

・グループホーム

要支援2以上。認知症の高齢者の方が対象で、少人数で共同生活を送る施設です。入居者はできる範囲で家事を分担し、介助を受けることも可能です。

・シニア向け分譲マンション

その名の通り高齢者を対象として分譲マンションですが、温泉やレストラン、ジムなどの設備が充実しており家事の援助を受けることも可能です。介護サービスを受ける際は外部の事業者と契約することになります。要介護度が重度にならなければ充実した環境の中で最期まで暮らすことが出来ます。

介護施設の選び方の手順

1.利用する目的を明確にする

2.入居時期や入居タイミングはいつにするか

3.希望条件を優先付けする

4.費用や予算の確認(現在の資産だけではなく将来の収入も考慮)

5.施設の入居条件と入居期間の確認

6.資料・パンフレットの請求、問合せ

7.見学、一日体験の申し込み

8.比較検討し施設を決め契約

9.入居

介護施設の選び方の相談先

介護施設の選び方に迷ったり情報収集をしたい方は介護施設に関して詳しい知識を持った専門家やプロに相談することがおすすめです。

主な相談窓口としてはケアマネジャー、地域包括支援センター、民間の紹介窓口があります。

既に要介護認定を受けて介護保険のサービスを利用している場合は担当のケアマネジャーに、認定を受けていなければ地域包括支援センターに相談すると無料で情報の提供やアドバイスを受けることが出来ますが、最近は民間でも介護施設の紹介や相談、サポートをしてくれるところも増え、より多くの情報を得たい方は活用してみるのもおすすめです。

介護施設の見学・体験時のチェックポイント

介護施設の選び方として、契約を決める前に必ずしていただきたいのが見学や一日体験です。

施設のサイトや資料だけではわからないことも多く、直接行って感じることもあるためとても大切です。

ほとんどの施設において無料で実施されていますので、気になる施設があれば事前にすべて申し込むことをおすすめします。

実際に介護サービスや食事の試食も出来る場合が多く、不明なことがあればその場で質問ができるので安心です。

またその際、チェックしていただきたいポイントをお伝えします。

・施設の雰囲気はどうか

・職員やスタッフの対応はどうか

・施設や部屋の設備

・医療や介護、リハビリ体制

・生活支援サービスの有無や内容

・食事の提供有無とメニューや味付け等の内容

・レクリエーションやイベントの内容

・費用(入居一時金、月額利用料など)

・持ち込み可能な私物

・ペットとの入居可否

介護施設を選ぶ際の注意点

介護施設へ長く入居する場合、利用者の要介護度が上がったり施設側の事情で利用料や賃料といった料金の値上がりが発生することも少なくありません。

また、今後ますます少子高齢化が進むことが予想されている日本では、介護保険や医療保険での自己負担額の値上がりも考えられます。

そのため、ある程度予算に余裕を持って先々でも無理なく支払いが可能な施設を選ぶようにしましょう。

また、本来は必要のないサービスの提供も含まれているとその分の利用料も高く設定されますので、よく内容を確認することも必要です。

不安な場合は本人と家族だけでなく、暮らしているエリアの自治体やケアマネジャーにも相談すると良いでしょう。

要介護の人がデイサービスを利用するメリット・デメリットは?デイの概要や特徴についても解説します

デイサービスは要介護の認定を受けた方が利用することのできる通所介護事業所です。

今回の記事では、デイサービスで受けられるサービスや要介護認定を受けるための方法、要介護の方がデイサービスを利用するメリット、デメリット、負担する費用の目安について紹介します。

ぜひ最後までご覧いただき、皆様に役立ちますと幸いです。

デイサービス(通所介護)とは

デイサービスは要介護認定を受け要介護1~5の認定を受けた65歳以上の高齢者の方を対象とした介護保険サービスであり、要支援1~2の方は通常のデイサービスでに通うことは出来ません。(※介護予防デイサービスの利用は可能です。)

普段は自宅で家族等から在宅介護を受けている方が利用されているケースが多く、事業所の車で自宅と施設の送迎をしてもらい、日中の時間帯に日帰りでサービスを受けます。

主な提供されるサービス内容は健康状態のチェック、食事(昼食、おやつ)や入浴、排せつといった日常生活で必要な動作の介助、身体機能の維持や向上、改善を目的とした機能訓練、他の利用者と一緒に参加して脳トレやゲームを楽しみながら認知機能や身体機能の向上を目指すレクリエーションがあります。

老人ホームのような入居するタイプの介護施設ではありません。

また、料理内容や趣味を楽しめるレク、最新の設備などを売りにした施設や、リハビリテーション、認知症に特化した施設など、施設ごとにさまざまな特徴を持った事業所も増えています。

デイサービスの利用条件である「要介護」とは?

デイサービスは利用者本人の生活をサポート、孤立の解消、ケアしながらQOLを上げ、少しでも自立した生活を送れることを目指し支援するためのものですが、同時に自宅で介護を行う家族の身体的、精神的な負担を軽減させるという大きな役割も担っています。

そのため誰でもデイサービスを利用できるわけではないのです。

デイサービスの利用条件となる「要介護認定」とは、その人に必要な介護の度合を分かりやすく数値化したもので、要支援1~2、要介護1~5の7段階に区分されています。

要介護認定を受けるには、お住まいの市区町村の窓口へ必要な書類を持って申請し、訪問調査や医師の意見書などの一次審査、二次審査を経て、その後認定結果の通知が郵送で自宅へ届くという流れになっています。

申請してから通知が届くまで、約1ヶ月かかります。

要介護認定を受けたら、担当のケアマネジャーと相談しながらケアプランを作成してもらい、通所が可能なエリアにある事業所に見学や無料の一日体験を申し込んで比較、検討して施設を選び契約を結んでようやくデイサービスの利用が開始となります。

ちなみに要介護認定を受けた高齢者以外にも、40歳以上65歳未満で特定疾病を抱えている方も要介護認定およびデイサービスの利用を申請することが可能です。

デイサービスの利用料は要介護の度合いによって異なる

先述した通り、デイサービスを介護保険を利用したサービスとなっており、要介護の認定を受けることでデイサービスの利用料に介護保険が適用されるようになります。

所得によって違いはありますが一般的に自己負担額は1割。要介護の度合と利用する時間によって料金が設定されています。地域によっても多少違うのですが、目安は下記のようになっています。

<デイサービス利用者の自己負担・1割の場合>

・要介護1

3~4時間:364円、4~5時間:382円、5~6時間:561円、6~7時間:575円、7~8時間:648円、8~9時間:659円

・要介護2

3~4時間:417円、4~5時間:438円、5~6時間:663円、6~7時間:679円、7~8時間:765円、8~9時間:779円

・要介護3

3~4時間:472円、4~5時間:495円、5~6時間:765円、6~7時間:784円、7~8時間:887円、8~9時間:902円

・要介護4

3~4時間:525円、4~5時間:551円、5~6時間:867円、6~7時間:888円、7~8時間:1,008円、8~9時間:1,026円

・要介護5

3~4時間:579円、4~5時間:608円、5~6時間:969円、6~7時間:993円、7~8時間:1,130円、8~9時間:1,150円

 出典:厚生労働省「令和元年度介護報酬改定について」

以上のように、要介護度が低いほど1回あたりの料金は安くなります。また、施設の規模が小規模よりも大きいほど利用料金が安くなる傾向にあるようです。

この他に口腔機能向上、栄養改善、入浴介助といった追加で必要なサービスを受けると加算される仕組みがあります。

食費や施設で使用した日用品に関しては全額自己負担となり、これも施設によって異なりますが食費はだいたい500円前後が相場です。日用品はなるべく家から持参することで負担軽減につながります。

6時間から8時間利用する人が多いことを考えると、1日あたり1,500円程度が自己負担となるかと思います。

ちなみにデイサービスの利用料金は「単位」で計算され、1単位はおよそ10円で換算されます。

要介護者がデイサービスに通うメリット・デメリット

要介護となった方がデイサービスを利用するメリットはたくさんあります。

中でも日常動作を介護してもらえること、低下した筋力や体力を改善するために体操や軽い運動をする機会が持てること、他の職員やスタッフ、利用者と交流することで新たな人間関係が生まれ生活に楽しみが出来ること、栄養バランスの取れた食事を取れること、家に閉じこもりがちだった方にとっては外に出るきっかけにもなり、心身に対するさまざまな良い効果が期待できます。

一方でデメリットとして考えられることを説明しますと、人や施設と合わない所を選んでしまうと通うことでストレスを感じてしまったり、費用の負担があること、重度の介護度の方にとっては利用料金も高く、続けることが経済的に大変である点です。

そのような理由ににより通い続けることが難しい場合には施設の窓口やケアマネジャーに相談して別の事業所を探す、条件を満たしていれば訪問介護やデイケア等、別の介護サービスへの変更を検討してみることをおすすめします。

また、行ってみて合わなかったという状況を防ぐためにも、契約する前に必ず見学や一日体験に参加して環境や雰囲気、職員の対応、サービス提供の内容、食事のメニュー等を確認し、自分の希望に合うかどうか、また質問があれば直接何でも聞いておくことが大切です。

サイトの情報だけではやはりこれらのことは分からないからです。

また、実際に見ておくことでいざ通う際の不安が軽減する効果もあります。

デイサービスで働く職員

要介護の方が安心、安全に利用できるよう、デイサービスには様々な専門職の職員が配置されています。

事業所の管理を行う管理者、介護士、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格、看護師、機能訓練指導員(作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、看護師、柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師)生活相談員など、施設の定員などによってそれぞれ配置する人数が決められています。

デイサービスの対象者は?基本情報や利用手順も合わせて解説

デイサービスに通いたいけど、対象者ってどんな人なの?」といった疑問の声が聞かれます。

今回の記事では、デイサービスの基本情報と種類、それぞれの対象者、利用するための手順について、わかりやすくまとめました。

最後までご覧いただき、デイサービスを利用を検討している方に向け役立ちますと幸いです。

デイサービス(通所介護)とは

デイサービスとは、事業所の車で自宅から施設までの送迎を利用しながら日帰りで介護施設へ通い、介護や機能訓練といった介護サービスを受ける場所です。

食事、入浴、排泄の介助、栄養管理された昼食やおやつの提供、機能訓練、レクリエーションへの参加といった日常生活における支援が受けられます。

デイサービスは、高齢者の孤立感の解消や心身機能の維持、向上だけでなく、ご家族の負担を軽減することも目的としています。

高齢者が在宅で長く生活を送れるための環境を整え、自立支援を行うこともデイサービスの大きな役割の1つとなっています。

デイサービスの種類と対象者

デイサービスは目的や対象者によって大きく分けて4つの種類に分けられます。

<通常のデイサービス>

一般的なデイサービスは、1日あたり利用できる定員の人数が25名以上の大規模デイサービスと1日あたり19名以上の中規模(通常規模)デイサービス、そして1日あたり18名以下の小規模デイサービス(地域密着型通所介護)に分けられ、日中の7時間~8時間の間、日々の健康状態のチェックや、食事・入浴・排せつといった日常生活に必要な動作の介助、機能訓練、レクリエーション(運動、体操、脳トレ、趣味、ゲーム等による他の利用者の交流)等が提供され、利用者本人の心身機能の維持や回復、改善の他に、家族の肉体的、精神的負担軽減という目的もあります。

<認知症対応型デイサービス>

その名の通り認知症の方に特化したデイサービスで、対象者は要介護認定に加えて認知症の診断を受けた方に限り、利用できるデイサービスです。

サービス内容は一般的なデイサービスと同じですが、認知症に関する専門的な知識を持った職員、スタッフによるケアが行われるため、認知症でも安心して通うことが出来る点が特徴です。

<リハビリ特化型デイサービス>

デイサービスの中でも機能訓練やリハビリを重点的に行い、生活動作への支援は行われない場合が多いです。

そのため利用時間は午前中または午後のみの半日単位で短い時間となり、少ない費用で利用することが可能です。身体的な介護はまだ不要であったり、基礎体力の低下の予防や介護予防を目指している方に人気のデイサービスとなっています。

<療養型デイサービス>

看護スタッフによる観察を必要とする難病をお持ちの方や、脳血管疾患後遺症といった要介護者の中でも重度な方、末期がん患者など、医療ケアを必要とする方を対象としたデイサービスです。

日常生活に必要なサポートの他に、生活機能訓練も受けることが可能です。

デイサービスを利用できる対象者

デイサービスの対象者は、基本的に要介護認定を受けて要介護1~5の認定を受けた高齢者の方となっていますが、40歳以上64歳以下の特定疾病の診断を受けた方もデイサービスを利用することが可能です。特定疾病とは下記のものを指します。

<厚生労働省に指定された特定疾病一覧>

・がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)※

・関節リウマチ※

・筋萎縮性側索硬化症

・後縦靱帯骨化症

・骨折を伴う骨粗鬆症

・初老期における認知症

・進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病※

【パーキンソン病関連疾患】

・脊髄小脳変性症

・脊柱管狭窄症

・早老症

・多系統萎縮症

・糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症

・脳血管疾患

・閉塞性動脈硬化症

・慢性閉塞性肺疾患

・両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

また、要支援1~2の認定を受けた方に対しては介護保険サービスではなく介護予防を目的とした地域支援事業として利用することが可能です。

デイケアの対象者との違いは?

デイサービスとよく混同されやすいデイケアですが、デイケア(通所リハビリテーション)を利用する条件は医師からリハビリが必要だと判断され、要介護認定において要支援1~2、要介護1~5の認定を受けている全ての人が対象者となっています。64歳以下で特定疾病を抱えている方も対象です。

要支援の方の場合はやはり介護予防を目的とした介護予防通所リハビリテーションを利用することになります。

デイケアで受けられる機能訓練やリハビリは、デイサービスとは異なり必ずリハビリの専門職(作業療法士、言語聴覚士、理学療法士など)の資格を持った職員が指導員として個別で一人ひとりに合わせたプログラムを組み、指導やサポートを行うという特色があります。

デイサービスを利用する流れ

デイサービスの対象者に当てはまるのかどうかを確認するための流れをご紹介します。

1.要介護認定の申請

まずは住民登録をしている市区町村の窓口に要介護認定を受けるための申請を行います。その後、担当者が自宅に訪問して聞き取りや調査をし、主治医意見書をもとに1次判定が行われます。

その結果が出たら次に「介護認定審査会」で2次判定が行われ、要介護度の判定がなされます。

申請から認定まで目安として30日かかるため注意しましょう。

2.介護保険被保険証の交付

要介護認定にて要介護認定を受けたら、介護保険サービスを受けるための保険証の交付を受けます。

65歳以上の高齢者の場合は「第一号被保険者」、40歳以上65歳未満の特定疾病による認定の場合は「第二号被保険者」として受給することになります。

デイサービスを利用する料金は、利用する時間や回数によって異なるのですが、介護保険を適用することで1割(所得によっては~3割)の自己負担で利用することが可能です。(食費や事業所で使用した日用品は実費となります。)

3.ケアプランを作成

本人や家族の状況、希望を確認しながら、担当のケアマネジャーがケアプラン(介護サービス計画)を作成します。

この時、日常の困りごとや解決したい悩みがあれば相談しながら介護サービスの内容や週に何回、何時間利用するかといった頻度を決めていきますので是非お話ください。

要支援の方は地域包括支援センターで介護予防ケアマネジメントを行ってもらいます。

4.見学、一日無料体験に申し込む

契約する事業所を探す際はいくつか候補の事業所を選び、見学や無料の一日体験に申し込みましょう。

資料やホームページの情報だけでは分からないことが多く、実際に施設を見て肌で感じることはとても重要です。

職員や他の利用者の雰囲気、食事のメニュー、設備などをしっかりチェックして、疑問があったら前もって質問をし解消しておくといざ通う際に不安が軽減されるためおすすめです。

そして比較・検討して一番合っていると感じる事業所が決まったら、ケアマネジャーを通して契約の手続きを進めます。

認知症でもデイサービスは利用できる?認知症に特化した「認知症デイサービス」について解説します

デイサービスで提供される介護サービスは、その目的の中に認知機能の向上といった認知症の予防に対する取り組みも含まれています。

既に認知症を発症されている高齢者の方でも利用できるデイサービスもありますが、病状が進行していたり、BPSDと呼ばれる行動や心理症状が見られる場合には外出や人と会うことを嫌がったり、デイサービスへの通所が難しくなるケースもよく見られます。

しかし在宅で認知症の介護を行う家族にとっても身体や精神的な負担は大きく、出来れば日中の時間だけでもデイサービス等の介護施設へ通ってくれたら安心でしょう。

そこで今回の記事では、そんな認知症の方におすすめの認知症対応型通所介護である「認知症デイサービス」について解説します。

どうぞ最後までご覧ください。

認知症対応型通所介護「認知症デイサービス」とは?

認知症デイサービスとは、その名の通り認知症の患者さんを対象としたデイサービスのことで、認知症の症状がある要介護状態の高齢者の方に対し、日常生活のサポートや機能訓練を行います。

このような取り組みは、デイサービスの他に施設に入居して共同生活をするグループホームでも行われています。

一般的なデイサービスとの違いとしては、認知症の専門的なケアが受けられるという点でしょう。デイサービスの中には認知症に対応できない施設もあるため、このような認知症専門の施設があることはご家族にとっても心強いですよね。

認知症デイサービスの内容

サービスの内容は一般的なデイサービスとほぼ同じで、自宅と施設を事業所の車で送迎し、食事や入浴といった生活に必要な動作の介助、身体機能の維持、向上、改善を目指す機能訓練、職員やスタッフ、他の利用者と交流を通して心身へのさまざまな効果が期待できるレクリエーション等の活動が実施されます。

それに加えて認知症の方に特化した作業療法や体操、運動などを取り入れ、様々な介護サポートを提供します。

また、2006年に地域密着型サービスの中に位置付けられたことにより、地域と連携したサービスが提供されることも特徴となっています。

認知症の場合は特に新しい環境を拒絶する傾向が高いため、慣れ親しんだ地域で介護サービスを受けられることは大きなメリットと言えます。

認知症デイサービスの利用条件

認知症デイサービスの対象となる条件は、要介護認定において要介護1以上に認定され、認知症と診断されている方、更に通所する事業所が所在する市区町村に住んでいることです。

ただし自治体によっては、他の地区に住んでいる方も対象としている場合がありますので、希望の施設がある場合には確認をしてみて下さい。

要介護認定で要支援の認定となった場合には、「介護予防サービス」を利用することが可能で、その場合は「介護予防認知症対応通所介護」を実施しているデイサービスをご利用下さい。

認知症デイサービスの施設は3種類に分けられる

認知症デイサービスでは介護保険法により定員が”12名以下”と定められており、少人数制のためスタッフの目がよく行き届きコミュニケーションが取りやすい体制になっています。

また、施設には併設型、単独型、共用型という3種類に分けられ、それぞれの特徴は以下となります。人数や設備、雰囲気も異なりますので、利用者に合った施設を探す際の参考にされてみて下さい。

<併設型>

病院や特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などに併設されている施設

<単独型>

認知症デイサービス専用の施設

<共用型>

グループホーム内など共用スペースで介護が提供される

認知症デイサービスの職員

認知症デイサービスは認知症について精通したスタッフが揃っており、高度な知識を持った専門性の高いケアを受けることが出来ます。

特に管理者に関しては、都道府県が実施している「認知症対応型サービス事業管理者研修」を修了した者であることが義務付けられています。

通常のデイサービスではトラブルが発生してしまうような状況においても、認知症への理解が深く、利用者1人ひとりの状態や感情に合わせた適切な対応をしてもらえるため、本人はもちろん家族にとっても安心です。

認知症デイサービスの利用料金

皆様からの質問が多い認知症デイサービスの料金について紹介します。

認知症デイサービスは介護保険を利用した介護サービスになりますので、一般のデイサービスと同様に自己負担額は1割(所得によっては~3割)となっています。

また、こちらも同様に食費やおむつなど事業所の日用品を使用した場合、その費用は全額自己負担となります。

食費についてはだいたい一食あたり500円前後のところが多いですが、運営する事業所により異なりますので確認しましょう。

また、先にお伝えした認知症デイサービスの種類によっても料金は異なり、共用型ー併設型ー単独型の順番で料金が高くなる傾向にあります。

認知症デイサービスを選ぶポイント

認知症デイサービスを利用したいと思った時に、資料やホームページの案内だけで決めてしまうと、後から思っていたのと違ったと後悔する可能性もあります。

本人とご家族が納得して通うことが出来る施設を見つけるために、認知症デイサービスの選び方の流れを順に紹介していきす。

1.情報収集

インターネットや担当のケアマネジャーに相談し、通えるエリアにある認知症デイサービスの情報を集めましょう。

2.見学・一日体験に参加する

ほとんどのデイサービスでは見学や無料の一日体験を実施していますので、必ず参加しましょう。

実際に施設に行って、直接目で見て感じないと分からないことはたくさんあります。スタッフや他の利用者の雰囲気、対応、言葉遣い、衛生面、設備、食事のメニューなど、直接チェックすることが大切です。

3.比較して決める

出来れば複数の施設を見学または一日体験し、比較検討して決めることをおすすめします。

そこで決めた事業所とケアマネジャーを通して契約し、利用を開始することとなります。

不安なことや不明な点がある時は、遠慮なく事業者の窓口やケアマネジャーに相談するようにして下さいね。

この情報が皆様の介護サービス利用に役立ちますと幸いです。

デイサービスは何歳から利用可能?

デイサービスというと”介護が必要な高齢者の方が利用できる施設”というイメージが強いかと思いますが、具体的に何歳から利用が可能なのでしょうか。

そこで今回の記事では、デイサービスの利用にあたり設けられている様々な条件と、デイサービスを利用するために必要なこと、流れについて解説します。

最後までご覧いただき、利用を検討されている皆様に役立ちますと幸いです。

デイサービスの利用条件の基本は65歳以上の要介護者

「デイサービスは何歳から利用できるのか?」

その答えは、基本的に”65歳以上の高齢者”となってします。

65歳以上なら誰でも利用できるわけではなく、要介護認定を受けて要介護1~5の判定となった方がサービスの対象となっています。

また要支援1~2の認定を受けた方も、介護予防を目的としたサービスを受けることが出来るデイサービスの施設もあります。

要件を満たせば64歳以下でもデイサービスの利用は可能

以上のように、基本的にはデイサービスは65歳から利用することが可能ですが、特定疾病をお持ちの場合、40歳~64歳であっても利用することが出来ます。

特定疾病とは

特定疾病とは、心身の病的加齢現象との医学的関係があると考えられる疾病であって次のいずれの要件をも満たすものについて総合的に勘案し、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因し要介護状態の原因である心身の障害を生じさせると認められる疾病である。

1.65歳以上の高齢者に多く発生しているが、40歳以上65歳未満の年齢層においても発生が認められる等、罹患率や有病率(類似の指標を含む。)等について加齢との関係が認められる疾病であって、その医学的概念を明確に定義できるもの。

2. 3~6ヶ月以上継続して要介護状態又は要支援状態となる割合が高いと考えられる疾病。

<特定疾病の範囲>

特定疾病については、その範囲を明確にするとともに、介護保険制度における要介護認定の際の運用を容易にする観点から、個別疾病名を列記している。(介護保険法施行令第二条)

・がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)※

・関節リウマチ※

・筋萎縮性側索硬化症

・後縦靱帯骨化症

・骨折を伴う骨粗鬆症

・初老期における認知症

・進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病※

【パーキンソン病関連疾患】

・脊髄小脳変性症

・脊柱管狭窄症

・早老症

・多系統萎縮症※

・糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症

・脳血管疾患

・閉塞性動脈硬化症

・慢性閉塞性肺疾患

・両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

(※印は平成18年4月に追加、見直しがなされたもの)

厚生労働省ホームページより引用)

デイサービスを利用する方法

デイサービスとは介護保険サービスの1つになります。

そのため、介護保険サービスを利用するための方法と主な流れについて紹介していきます。

1.要介護認定の申請

デイサービスを含め介護保険サービスを利用するためには、まず要介護認定を受けなければなりません。

以下の書類を揃えて、お住まいの市役所や区役所にある介護保険課や地域包括支援センターに介護認定を受ける申請を行います。

この申請は本人の家族が代理で届け出することも可能です。

<必要な書類>

・65歳以上の第1号被保険者:介護保険被保険者証、医師の意見書

・40歳以上~65歳未満の第2号被保険者:医療保険被保険者証、医師の意見書

※医師の意見書は申請をする自治体が担当医に作成を依頼するため、本人が行う必要はありません。主治医がいない場合は市区町村の指定医による診察が必要となります。

2.認定調査

介護保険サービスを利用するにあたり、市区町村などの調査員が自宅(または老人ホームなど居住している所)へ訪問し、本人の心身の状態を確認します。

3.判定

審査の判定には一次判定と二次判定とがあり、一次判定では全国一律の方法で認定調査の結果や意見書を元にコンピューターで判定を行います。

その後、二次判定では一次判定の結果と特記事項、医師の意見書を基に介護認定審査会においてどれくらいの介護が必要なのかを審査し、最終的な判定が行われます。

4.認定

介護認定審査会による判定を参考に、市区町村で要介護認定を行います。

要介護認定は、非該当、要支援1~2、要介護1~5と、それぞれの段階で細かく分かれています。

結果は郵送で受け取りますが、申請から認定の通知が出るまでおおよそ30日かかります。

また、この認定の有効期間は原則として6ヶ月、更新の申請は原則12ヶ月となっています。

5. ケアプランの作成

要介護認定を受けてデイサービスの利用を希望する場合は、担当のケアマネジャーにケアプランの作成をお願いします。

心身の状態を考慮し本人や家族の話を聞きながら作成していきますので、介護サービスに望むことや目標など、希望や苦手なことがある場合にはしっかりと伝えましょう。

なお、要支援1~2の方の場合はケアプランではなく、地域包括支援センターにて介護予防サービス計画書を作成してもらいます。

6.デイサービスの利用開始

上記で作成したプランに基づき、利用したい事業所を選定します。

事業所を選ぶ時の大きなポイントとして、事業所と契約をする前に必ず見学や1日体験を申し込み、候補となっている施設に直接行って食事の内容、職員やスタッフ、他の利用者の雰囲気、対応、設備、周辺の環境などをチェックし、本人がどう感じるか確認してから決めることをおすすめします。

心配な点や疑問があったら質問し、事前に解消しておくことが大切です。

幾つかを比較し費用などの確認も行い、ケアマネジャーにも相談をしながら1つを選び、利用を開始する契約を取り交わして実際に利用をスタートさせると安心です。

デイサービスで提供される主な介護サービスの内容

それではデイサービスの基本情報として概要の説明と、どのようなサービスが提供されているのかを紹介します。

デイサービスは通所介護、デイとも呼ばれる介護施設で基本的に日中の時間を過ごす場所です。

暮らしている家から事業所へ通い日常生活に必要な動作の支援を受けたり、個々の身体の状況に合わせ理学療法士や作業療法士による機能訓練を受けたり、レクリエーションへの参加を通して、利用者の孤立感の解消や心のケア、認知症の予防、認知・心身機能の維持、改善、そして介護を行っている家族の負担を軽減させサポートするといった目的で提供される介護支援事業です。

利用にかかる料金は介護保険が適用され、自分で負担するのは利用額の1割(収入の多い人は2~3割)となっています。食費や日用品を使った場合は実費が請求されますのでその点は注意しましょう。

<デイサービスで提供される主なサービス>

・事業所の車による送迎

・入浴、食事、トイレ等の生活に必要な動作の介助、介護

・機能訓練、リハビリ

・口腔機能向上サービス

・レクリエーション(脳トレ、ゲーム、体操、簡単な運動、季節のイベントなど)

デイサービス以外の介護保険サービス

介護保険サービスにはデイサービスの他にも種類があり、在宅したまま受けられるもの、通うもの、入居するもの等さまざまです。これらについても利用条件となる年齢はデイサービスと同様です。

認知症の方向けのグループホームや介護付きの有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、居宅介護支援など、サービスによって提供される内容や対象となる介護度、運営している事業所によって特徴も異なります。

人気のある施設は常に定員の数がいっぱいで、利用や入居まで長く待たなければならないケースもありますので、希望する場合はケアマネジャー等に情報を聞きながら探すとよいかと思います。

要介護5の人はデイサービスに週何回利用できるのか

「家族が要介護5と認定されたけど、要介護5とは具体的にどんな状態なの?」

「要介護5の人はデイサービスに週何回通えるの?」

要介護認定の中で最も介護度の高い要介護5とは一体どのような状態なのか、また、どのような介護サービスを利用することができるのかといった質問を耳にします。

そこで今回の記事では、要介護5とは?デイサービスや介護サービスを利用した場合の内容は?といった疑問について解説します。

ぜひ最後までご覧いただき、皆様に役立ちますと幸いです。

要介護5の認定基準と状態

要介護5とは、介護認定において最も重度な(介護が必要な)状態にあることを示します。

具体的には、食事やお風呂、トイレなどの日常生活の他に、掃除などの家事についても介助が必要で、寝返り、立ち上がること、歩行も1人で行うことは困難です。中には寝たきりの状況にいる方もいます。

要介護5は脳卒中や認知症が原因となっているケースが多く見られ、意思の疎通が難しくなったり理解力の低下や徘徊のリスクも懸念され注意が必要です。

要介護5が受けられる介護サービス

介護サービスには自宅に専門のスタッフが訪問してくれるもの、施設に通うもの、入居するもの等さまざまなタイプのサービスがあり、それぞれ利用できる条件が異なる場合があります。

それでは要介護5の認定を受けた方が受けることができる介護サービスは、どのような種類のものなのでしょうか。以下に一覧でご紹介します。

<要介護5で受けることが可能な介護サービス>

・訪問介護

・訪問看護

・訪問リハビリ

・訪問入浴

・定期巡回、随時対応型訪問介護看護

・夜間対応型訪問介護

・通所介護(デイサービス)

・通所リハビリ(デイケア)

・療養通所介護

・認知症対応型通所介護

・地域密着型通所介護

・短期入所生活介護(ショートステイ)

・短期入所療養介護

・特別養護老人ホーム(特養)

・特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホーム等)

・介護老人保健施設(老健)

・介護療養型医療施設

・介護医療院

・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

・地域密着型特定施設入居者生活介護

・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

・小規模多機能型居宅介護

・看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)

・福祉用具貸与

・特定福祉用具販売

以上のように、要介護5の方を対象とした介護サービスは非常に多くあります。

要介護5はデイサービスに週何回通えるの?

要介護認定を受けられた方を対象に人気の「デイサービス」は、在宅しながら事業所の送迎で日中の時間に介護施設に通い、食事や入浴などの介助の他に、レクリエーションへの参加や機能訓練などのサービス提供を受けることが出来る介護保険サービスです。

デイサービスは高齢者が可能な限り自立した生活が送れるよう、本人の身体だけでなく認知機能の向上、精神面のケア、介護している家族の休養も目的に含まれています。

(要支援1、2の方の場合は「介護予防・日常生活支援操業事業」という制度により、定められた利用限度額の範囲内でデイサービスを利用することが可能となっています。)

「週何回利用することが可能なのか?」という点ですが、これは判定された要介護度によっても異なり、要介護5の方の場合はほぼ毎日利用することが可能です。

ただし、デイサービスの利用にかかる費用は1回あたりの利用料で計算されますので、利用する回数が多ければ多い程、その分の費用がかかることになります。

要介護に認定されると利用料の自己負担分は支給限度額の1割となりますが、月額の料金の目安を確認し、毎月の支払いが可能かどうか家族や担当のケアマネジャーとよく相談をした上で利用回数を決めることをおすすめします。

要介護5の区分支給限度額

上記で説明したように、介護度に応じて介護保険で受けることができる上限金額が決まっており、それを「区分支給限度額」と呼んでいます。

要介護5の支給限度額は約36万2千円。この金額は5段階ある要介護の中で最も高い額となっています。

そしてこの限度額のうちの1割(所得が高い方の場合は2~3割)を利用者が自己負担することになります。つまり、要介護5の方の場合は約3万6千円程度の自己負担になるということですね。この上限額を超えた分は全額自己負担で請求されますので、高額にならないよう注意しましょう。

また、限度額は地域によっても多少違いますので、こちらの詳細な情報もお住まいの自治体の窓口、または担当のケアマネージャーに確認して下さい。

介護認定を受けるには?

それではデイサービス等の介護サービスを利用する際に必要となる介護認定を受ける基本的な流れについても簡単にご紹介します。

1.お住まいの市区町村の窓口、または地域包括支援センターに要介護認定の申請を行う

2.調査員による訪問調査を受ける

3.主治医による意見書の作成を依頼する

4.介護認定審査会による判定、結果の通知

5.結果を受け取り、地域包括支援センターまたは居宅介護支援事業所へ連絡

6.ケアプランの作成

7.利用する事業所と契約し利用開始

大まかな流れは以上のような形になりますが、申請方法や必要な提出物など詳細については居住する各自治体でご確認下さい。

また、デイサービス等の事業者を探す際には、契約する前に必ず見学や1日体験を利用して実際に施設をチェックすることが大切です。可能であれば複数の施設を見て検討していただくと安心です。

生活保護でもデイサービスを利用できる?利用する場合の自己負担額についても解説します

デイサービスを利用したいけれど、生活保護を受給していても通えるの?」

生活保護を受けていても介護保険サービスを利用することができるのか、利用する場合は負担額はいくら請求されるのか、と心配や不安を抱えている高齢者の方もいらっしゃると思います。

超高齢化社会である現在の日本では様々な状況の高齢者が暮らしており、介護サービスを必要としている生活保護受給者の方ももちろんいらっしゃるでしょう。

そこで今回の記事では、生活保護の受給者でもデイサービスや介護サービスを利用することは可能か、介護保険料はどれくらいなのか等、生活保護に関連する情報について解説いたします。

ぜひ最後までご覧いただき、参考にしていただければ幸いです。

生活保護制度について

まずは生活保護の制度と目的について簡単に説明します。

生活保護とは、さまざまな理由により経済的に生活することが難しい、お金に困窮している方に対し、最低限の健康で文化的な生活が送れるよう支援を行っている国の制度です。

支給される生活費は程度によって変わり、生活保護法に定められています。

生活保護で扶助されるものは、主に「生活扶助・住宅扶助・教育扶助・医療扶助・介護扶助・生業扶助・出産扶助・葬祭扶助」の8種類となっており、この他に災害等をによって生じた修繕費などに対しても扶助を受けることが可能です。

ちなみに生活扶助には「食料費・被服費・燃料費・水道料・家具什器費」などの一般生活費が含まれます。

日本の高齢者の生活保護事情

日本の生活保護の現状として厚生労働省が記載しているデータを見てみると、2022年時点で生活保護を受けている高齢者は全体の世帯の内55.8%を占めており、半分を超える割合となっています。

その理由として、年金が支給される年齢の引き上げや、給付の基準が低下していることは大きいでしょう。かつての日本とは異なり、年金だけで生活をすることが難しい現実を表しています。

そのため再就職をしようと探してみても、高齢であることで就労の機会は減り、収入を得たくても働くことができないというやむを得ない事情を抱えてしまいます。

生活保護受給者はデイサービスを利用できるのか?

それでは本題である「生活保護を受けていてもデイサービスなどの介護サービスを利用することは可能なのか?」ですが、答えは「利用可能」です。

一般的に40歳以上の方は介護保険料を納める義務があり、それにより介護サービスを受けることが出来るため生活保護の受給は問題になりません。

その介護保険料については生活保護の中の「生活扶助」から賄われており、介護保険サービスを受けた際にかかる自己負担額については「介護扶助」から賄われます。

※利用する介護サービスの内容によっては、自己負担額の一部を利用者ご自身で支払う必要があるケースもあります。

生活保護受給者の自己負担額について

介護サービスを利用した時の自己負担額は基本的に1割(所得が高い場合は1~3割)ですが、生活保護受給者で支払いが困難な場合には「介護扶助」によって賄われます。

しかしその場合、利用できるサービスは市区町村の生活保護課によって設けられた要件を元に必要と認められた介護保険サービスに限定されるので、その点は注意しましょう。

希望するサービスをすべて自己負担なしに利用できる訳ではなく、デイサービスの利用を希望した際にケアマネージャーにより作成されたケアプランの内容の分の自己負担額が免除される仕組みです。

生活保護受給者の年齢別自己負担額の違い

介護サービス費や介護保険料は、年齢と生活保護の受給有無、地域に応じ異なります。

生活保護を受けている65歳以上であれば、介護保険は「生活扶助」から納付され、「介護扶助」で自己負担分の1割が賄われます。

また、生活保護を受けている40~64歳の方は「みなし2号」となり、「介護扶助」にて全額が賄われます。40歳~64歳で生活保護を受給すると国民健康保険から抜けることになり、被保険者ではなくなります。そして実際に病気やケガなどで治療が発生した時には医療保険ではなく「医療扶助」から全額賄ってもらえるのです。

このように、生活保護を受けている方は自分で介護保険料を支払わなくても介護サービスを受けることが出来るのです。

生活保護受給者がデイサービスを利用する方法

デイサービス(通所介護)は、要支援、要介護認定を受けた65歳以上の高齢者が、在宅しながら施設の送迎を利用して日中日帰りで施設に通い、施設の職員から食事や入浴などの日常生活に必要なサポートや、レクリエーションの実施、機能訓練やリハビリなどを通して認知症の予防として認知機能の維持、向上や、自立した生活を送れるよう介護予防を受けられるサービスです。

利用時間や方針、提供されるサービスの内容は事業所ごとに異なるので、利用の申請をする前に確認や見学を行うようにしましょう。

生活保護受給者のデイサービス利用料金

デイサービスの利用料は、要介護度と利用時間によって適用が区分されており、相場として1割の自己負担の場合は1日あたり1,500円前後の金額となっています。

生活保護受給者の場合はこの費用が生活扶助から賄われるわけです。

生活保護で入居できる介護施設

生活保護を受給していてもデイサービスの利用は可能であるとお伝えしましたが、それでは老人ホームのように入居するタイプの介護施設はどうなのでしょうか。

答えとしては、「条件によって入居することは可能」です。

生活保護でも入居できる老人ホームは、主に「特別養護老人ホーム(特養)」と「有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」と呼ばれる施設です。

それぞれの特徴を紹介します。

特別養護老人ホーム(特養)

特養は各自治体や社会福祉法人が運営している公的施設となっており、介護度が高い方や生活困窮者を対象としています。

費用が安く非常に人気が高いので、多くの場合入居を希望しても待機となるケースがほとんどでしょう。そのため、希望する場合は早めに申し込みの手続きをすることがおすすめです。

有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

有料老人ホームやサ高住は民間企業が運営する施設で、特養と比較して費用が高くなります。しかしその分、サービス内容や設備が充実していることが特徴です。

費用が高いとなると生活保護では入居できないのではと思われがちですが、家賃や食費、医療費、雑費などについてはそれぞれ生活保護費の中から賄える場合が多いのです。

ただし生活保護者の受け入れ数に限りがある施設が多いので、空きがあるのか確認する必要があります。

いずれにせよ入居を希望するなら費用や本人の健康面の状態の確認、各種手続き等がありますので、担当のケアマネジャーやケースワーカーに相談をしてから入所を決定するようにして下さい。

まとめ

上記のように、生活保護を受けていてもデイサービスの利用や介護施設への入居は可能ですが、利用内容や受入数には限度がありますのでこれらのサービスの利用を希望する際にはケアマネジャーやケースワーカーに相談し検討するようにして下さい。

また、利用可能な施設を探す際や申し込みの流れなどについても同じく担当の窓口で確認し、サポートを受けましょう。

おそらくご自身や家族の老後の心配をされている方は多いかと思います。今は大丈夫でも、この先どうなるか誰も分かりません。

もし、将来自分も生活保護を受給しなければならない状況になった時には、生活保護費で介護サービスを利用できることを知っておくと心強いのではないでしょうか。

生活保護を受けていることでそのようなサービスを受けることに躊躇しやすく、相談しずらいという声もありますが、必要な制度として行われているわけですから是非活用して少しでも健康に生活を送れるようにしましょう。

デイサービスの苦情はどこに相談すれば良い?注意することは?

デイサービス等の介護施設を利用している中で、不満を感じることは多かれ少なかれあるかと思います。普段お世話になっていることで言い出しにくく、どこに相談したら良いかも分からず我慢されている方もいるのではないでしょうか。

しかし1人で抱えているとそのまま不満が大きくなり、やがて通所をやめてしまう場合も考えられます。健康のために受ける介護サービスでそのような状況になってしまっては元も子もありません。

そこで今回の記事では、デイサービスで感じる不満や苦情の相談先を探す際の選び方をサポートするために、相談先の種類やそれぞれの特徴について解説します。

どうぞ最後までご覧いただき、皆様が気持ち良く介護サービスを利用するための参考になれば幸いです。

デイサービスの苦情はどこに相談すれば良いか

デイサービス等の介護施設に対する苦情の主な相談先を紹介します。それぞれの特徴を説明しますので、状況に合わせてご自身が相談しやすいと感じる場所にぜひご相談されてみて下さい。

利用しているデイサービス等の事業所またはケアマネジャー

苦情の内容にもよりますが、話せるようであればまずは利用されている事業所の生活相談員や職員・スタッフ、施設長、経営者に相談してみましょう。とはいえ、知っている人だからこそ直接言いにくいと感じたり、今後も利用を続けることを考えると躊躇してしまうかも知れませんね。担当のケアマネジャーに相談いただくことがおすすめです。

ケアマネジャーは利用者と事業者の間で中立な立場での支援を行っています。介護保険サービスや制度、施設の情報についても詳しいですので、施設やサービスに関連する苦情や要望などの相談先として適しています。

第三者機関

利用しているデイサービスの事業所やケアマネジャーに苦情を伝えても改善されない、話し合うことが難しいという場合、第三者機関を利用しましょう。

第三者機関とは、介護サービス事業所が健全に運営を行うために利用者からの苦情や意見を聞いたり、話し合いをする中で利用者が抱えている不満を見つけ解決する役割を担っています。

個人情報保護として相談内容の秘密は守られますから、安心して相談することが可能です。

デイサービスや介護サービスを契約する時に交わした契約書と重要事項説明書の中に苦情担当窓口が記載されているはずです。その窓口が第三者機関となりますので連絡をしてみて下さい。

国民健康保険団体連合会(国保連)

第三者機関に相談したにも関わらず解決に至らなかった場合、国民健康保険団体連合会(国保連)に相談するという方法もあります。

国民健康保険団体連合会は介護サービスの質を向上させるために、事業所に対して文書や現地での調査、助言、指導を行い、内容を依頼者と市区町村に報告する役割があります。

苦情の内容が深刻で取扱いが難しいケースや、事業所と利用者の居住地の自治体が異なる場合でも相談を受け付けてくれますので、そのような場合には是非一度電話をしてみましょう。

地域包括支援センター

地域包括支援センターは高齢者や介護サービスを受ける方にとって身近な相談窓口かと思いますが、ここでも介護サービスに関する苦情の相談をすることが可能です。

相談者からの話を聞いた上で事業者にも確認を行い適切な対応や案内をしてくれる他、状況に応じて希望があれば国保連などの機関に苦情を申し立てるサポートもしてもらえます。

運営適正委員会

デイサービスなどの介護サービス事業所に対する苦情は、基本的に各自治体や国保連で対応を行いますが、”訪問介護、通所介護、短期入所生活介護、認知症対応型共同生活介護、指定介護老人福祉施設のサービス”であれば、各都道府県ごとの社会福祉協議会に設置されている「運営適正委員会」にも苦情を相談することが出来ます。

法律や医療に関する専門知識を持った委員が担当し、解決するための対策を考え対応してくれるため、心強いかと思います。

デイサービスや介護サービスに不満を感じた時にすべきこと

デイサービスなどの介護サービスに不満を感じた時、どこに相談すべきかを紹介してきましたが、実際に苦情を伝える際にすべきことや注意点についても以下に具体的に紹介いたします。

どうしたいのか本人の気持ちを確認しましょう

どこかに苦情を申し立てる前に、デイサービスの利用者本人が抱いている不満がどの程度のものなのか、どうしたいのか、気持ちをしっかりと聞いてあげて確認することが大切です。

もしかしたら家族や誰かに愚痴を聞いてもらえれすればすっきりする程度かも知れませんし、逆に他人からすれば些細なことであっても、本人にとっては重大で深刻に感じているものかも知れません。

また感情的になっている場合は、気持ちを落ち着かせて少し冷静になってからもう一度話を聞き、一緒に対応を考えていくようにしましょう。

苦情は早めに伝えましょう

苦情の内容はもしかしたら本人だけでなく、実は他の利用者も感じている事かも知れません。

苦情を言うことに抵抗を感じる方は多いですが、誰も何も言わなければ状況が変わることは難しいですし、事業所にとっても利用者にとっても良いことではありません。

事業所がより良いサービス提供をするためにも、利用者が苦情を伝えることは悪いことではなくむしろ必要なことだと言えます。

環境や体制を改善し安心してサービスを受けるためにも、なるべく事態を放置せず早めに伝えることが大切です。

利用する施設を変えることも検討しましょう

苦情を伝え相談をしても改善されない、解決されないといった場合には、ケアマネジャーに相談をし、思い切って事業所を変更することも視野に入れましょう。

老人ホームなどに入居している場合には簡単に変更することは難しいでしょうから、上記で紹介した第三者機関や国保連に相談をしてみて下さい。

問題が大きくなり関係がこじれ、解決するためにかける労力や時間がもったいない場合には転居することも1つの方法です。