デイケアとデイサービスの違いは人員配置?それぞれの特徴と施設選びのポイントとは

「デイケア」と「デイサービス」は介護保険法における介護サービスの種類が違うこと、そしてサービス内容や対象者も異なりますが、名前が似ているため混同されやすい介護事業です。

そこで今回の記事では、この二つのサービスの違いについて簡単に解説させていただきます。介護サービスを探す際や介護の業界で仕事を探している方の参考になれば嬉しいです。

デイケアとデイサービスの最も大きな違いは「医師の常駐」があるかないか

デイケアは「通所リハビリテーション」とも呼ばれており、要支援1、2、要介護認定1~5の認定を受けた方が施設に通い利用できる介護サービスです。

その名の通り、医師の指示に基づいたリハビリを行いながら身体機能の維持や回復、認知症の予防、改善を目指し、治療も伴うサービスを提供します。

そして最も大きな特徴として、デイケアの人員配置の基準で施設に専任の医師が一人以上常駐している必要がある点があげられます。そのため、病院や診療所、介護老人保険施設といった医師が常駐する施設内にデイケアが併設されていることが多いのです。

デイサービスの利用条件と特徴

一方、デイサービスは「通所介護」と呼ばれ、要介護度1~5の方を対象とした介護士や介護福祉士による介護サービスがサービスの中心となります。介護予防や自立した生活が送れるよう心身の機能の維持や向上の他、日常生活に必要な食事や入浴、排泄等のサポート、社会的孤立の解消、防止、そして家族の介護による負担を軽減させる目的があります。レクリエーションも実施され、他の利用者や職員、スタッフと交流しながら楽しく過ごすことも重要な役割を果たしています。医師の配置はなく、医療サービスはありませんので、利用に際して医師ではなくケアマネジャーにケアプランを作成してもらい、計画された活動やメニューを行います。

また、デイケアとの違いとして生活相談員が勤務している点です。生活相談員は社会福祉士などの資格を持ち、デイサービスの他にもショートステイや有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの入居するタイプの施設にも従事しており、高齢者やご家族の相談窓口として悩みや質問について相談業務を主に行います。その他、さまざまな手続きや施設の対応、運営などにも携わることが多くあります。(必ずしも常駐は条件ではありませんが、基本は配置されている可能性が高いです。)

デイケアとデイサービスの制度に共通するもの

デイケアとデイサービスには共通しているものもあります。いずれも日中に施設へ通所し、日帰りでサポートを受けられる介護施設であり、自宅と施設の間の送迎や、食事、入浴の介助が行われ機能訓練を受けることも出来ます。

ただし、デイサービスで実施する機能訓練はデイケアとは違い、リハビリの専門の知識や資格を取得した専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など)ではなく、介護職員や看護職員(看護師、准看護師など)が研修を受けた指導員として運動や体操の指導を行います。

最近はリハビリに特化したデイサービスの施設も増えていて人気ですが、この場合も医師の指示がなくても行えるような心身機能や認知機能の維持を目的とした内容になります。

通所型と訪問型の違いは?

デイケアやデイサービスと似たサービスとしては、訪問介護や訪問リハビリテーション、訪問看護があります。

通所型と訪問型のほとんどは、それぞれ別の事業所となっている場合が多く、利用者の方が個別で立てた目標の達成を目指すといった所は共通ですが、利用する条件や取り組みの内容は異なります。

訪問型は自宅にヘルパーや看護師などが訪問して行うサービスで、中でも訪問介護は在宅介護を支援する中心的なサービスです。訪問リハビリテーションはデイケアと同様、専門の職種のスタッフが自立支援に向けリハビリを行いますが、デイケアや病院へ通うことが困難な方が医師に必要を認められた場合に利用することが可能です。これらに加え、住宅の環境整備について助言をもらうこともできます。

通所と訪問はそれぞれにメリット、デメリットが異なるので利用者の状態に合わせ適切なサービスを選ぶことがおすすめですが、併用も可能です。

施設の選び方のポイント

デイケアやデイサービスの利用を考えた時、どちらのサービスをどの施設で受けようか迷われるかと思います。

まず、要介護認定を受けている方はどちらのサービスも併用が可能ですので、デイケアで専門的なリハビリを受けながらデイサービスで人との交流や趣味を楽しむという方法もおすすめです。もちろん、デイケアでのリハビリに効果が出て医療ケアが不要となり、デイサービスへ移行することも可能です。その理由として、デイサービスでも医師はいなくても機能訓練を受けることができること、そして料金がデイサービスの方が安いことがあげられます。

施設を選ぶ時は、やはり実際に目で見て確認しましょう。資料やサイトの情報だけでは理解しにくい希望のサービスが提供されるのか、施設内設備や体制、職員、利用者の雰囲気も感じられ直接説明を受けることで、実際に利用した時のイメージがしやすくなり安心です。そのためにも、見学の前に何を希望しているのか具体的に考え、チェックする項目を並べておくと見学や選ぶ際に判断する材料として役立ちます。

また、比較・検討して選択することができるように出来るだけ複数の施設を見学しましょう。

まとめ

いかがでしたか?紹介させていただきましたように、デイケアとデイサービスは似て非なる介護サービスですが、いずれも利用者の方が少しでも健康で過ごすことができるようサービスを提供しています。

また、運営する会社によって施設ごとに特徴や特色がありますので、気になる施設には見学に行きましょう。

この他にも、介護に関連した役立つコラムを多数掲載しておりますので、お時間がある時にぜひご覧いただければ幸いです。

高齢者に急増する「セルフネグレクト」を見逃さないために

「セルフネグレクト」を知っていますか?

育児において親が子どもの世話や養育を放棄する「ネグレクト」は、社会問題としてニュースなどの様々なメディアで取り上げられており有名ですが、逆に自らの心と体のケアを放棄する「セルフネグレクト」という言葉はまだあまり認知されていません。

このセルフネグレクト(自己放任)とは、簡単に言うと”基本的な通常の日常生活を維持するための意欲や能力を喪失し、自己の健康や安全を損なってしまう”状態のことを言い、多くの場合うつ病や統合失調症などの精神疾患や認知症などの疾患を伴います。また調査によると男性よりも女性の方が陥りやすく、集合住宅よりも戸建てに住んでいる方の方が陥る可能性が高いそうです。

「セルフネグレクト」の原因と症状

セルフネグレクトはなぜ起こるのでしょう?

「身体機能の低下、判断力の低下、経済的な貧困、社会的孤立、虐待」の5つが主な要因として挙げられます。

年齢は幅広く、若い人の場合は失恋や大切な人との別れといった理由で強いストレスを感じたり、仕事や人間関係の度重なるトラブルによって精神的なダメージを受けそれがきっかけで陥る事例が多く、次に低所得化によりお金がないということもあげられ、若年層に対しては行政も未対応で支援の制度もなく発見が遅れやすい傾向にあります。

一方で高齢者、特に配偶者との死別や家族と離れて一人暮らしをしている高齢者に急増していることも高齢化が進む日本では今、大きな問題となっています。

はっきりとした理由は覚えていない・分からない場合や、人と接する機会がなくなって引きこもりがちになったり、病気や入院に関連して症状が発生するケースもあります。また、福祉や介護の世界では度々問題となっていますが、高齢者虐待が行われ心身にダメージを受け、セルフネグレクトへとつながる場合もあります。

セルフネグレクトにより具体的にどのような症状が見られるかというと、食事や栄養をとらない、医療の拒否、不衛生な環境での生活、認知症なのに介護サービスを拒否、ケガをしているのに治療を拒否、汚れている下着や衣類の着用、失禁しても放置、入浴をしないで不潔な体で過ごす、家事や片付けの放棄etc…といったものがあり、中でもテレビでもよく取り上げられる「ゴミ屋敷」はセルフネグレクトによって表れる顕著な症状でしょう。

「ゴミ屋敷」は注目を集めるものの、周囲の人はなるべく関わらないようにしようとしがちですが、セルフネグレクトに陥ると家族や周囲から孤立して自宅に引きこもり、孤独死に至るという最悪な結果を迎えるケースも少なくなく危険な状況にあるのです。

「セルフネグレクト」に気付く、予防するために必要なこと

セルフネグレクトに陥った人は自身が困っているという自覚も薄れ、自分の意思でSOSを発信したり、誰かに助けを求めることがない為、周囲は気付きにくく事態が悪化しやすいという特徴があります。

セルフネグレクトに陥った高齢者に気付く、そして予防する為に何ができるのか。それには身近な家族や近所、近隣の地域、社会による見守り等の対策や支援が必要です。

例えば、以前より部屋が散らかっていたり、家の中や周辺にゴミを溜め込んでいないか、元気がなく外出や他人との交流を避けていなか等、前とは違う行動や行為、体調の変化を含め、注意してチェックをしましょう。

セルフネグレクトの場合、「放っておいて!」と言われることも多いですが、放置せずに地域包括支援センター等に連絡をして事情を報告し、専門家に助けを求めましょう。

認知症や精神の病気がある場合は判断する力が低下しセルフネグレクトに陥りやすいため、病院で医師に相談し診断の上、適切な治療を受けることも大切です。

介護認定を受けていれば訪問介護やデイサービスといった介護サービスを利用できますし、食事や掃除を1人で行うのは困難という場合は老人ホームのような入居型の介護施設を検討することがおすすめです。他にも家事代行サービスやボランティアの人の協力を得て生活環境を整えることも可能です。

以上のように方法はいくらでもありますので、まずは少しずつ本人の気持ちを確認しながら言葉を丁寧に聞き、今後の生活においてどんな支援が必要か情報を集めながら家族の中で考える時間を設けましょう。その後、適切な対応によりもし改善が見られても、そこで終わりにせず常に気にかけ続けることは大切なポイントです。

まとめ

上記で紹介したように、セルフネグレクトは時に命の危険にもつながる非常に深刻な問題ですが、残念なことに2022年も全国の若者から高齢者までいつどこで誰が発症してもおかしくないようなリスクを抱え続けています。

セルフネグレクトに陥りやすい、あるいは陥っている可能性がある人がいたら、決して見捨てず日頃から気にかけたり、状況によってはお住まいの役所や信頼できる人に説明し支援を求めることが大切です。

また、セルフネグレクトの予防として身体的、精神的、経済的な自立を健康なうちから意識を持って取り組み管理することも重要です。

この記事が参考なりましたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

要支援の人はデイサービスが利用できる?

今は介護と関係はない!と思われている方も、将来的に要支援や要介護といったことが関係してくる可能性は誰しも高いでしょう。

特に要介護認定の最初の段階である”要支援”のうちに、しっかりと介護予防をしておくことは非常に重要です。

そこで今回の記事では、要支援に関連する知識やポイント、手続きの方法などを簡単にまとめ、ご紹介してまいります。

要支援の方で利用できる介護サービスを探している方、知りたい方にもおすすめの内容となっています。

知っておいて損はない介護の話。皆様にとって役立ち、参考になれば幸いです。

デイサービスは基本的に「要介護」の人が利用できる

居宅介護支援などの介護保険サービスを利用する際に必要となる要介護認定。

低い方から要支援1、要支援2、要介護1~5の段階の程度に分けられています。

その中で通所介護(デイサービス)は基本的に65歳以上の高齢者で要介護度が要介護1~要介護5の認定を受けた人が対象者となります。つまり、要支援1、要支援2の人は利用できないということになります。

しかし、介護保険を使わずに全額自己負担であればサービスを受けられたり、状態によっては「介護予防サービス」を利用できることがあります。

利用を希望する際には、ケアマネジャーではなく地域包括支援センターに相談しましょう。

要支援とはどういう状態?要介護との違いは?

それでは要支援とはどのような状態を言うのでしょうか。デイサービスが利用できる要介護とは何が違うのか、以下に紹介してまいります。

<要支援1>

日常生活に必要な動作はほとんど自分で行うことが出来るが、一部、生活支援が必要な状態。

例:食事、入浴、トイレでの排せつは一人で自立して行うことが可能だが、浴槽の掃除等は支援が必要。

<要支援2>

要支援1と比較して自分一人でできることが少なくなる。支援とともに一部介護が必要な状態。介護予防サービスを利用することで、身体機能の状態を維持、向上、回復、改善することが期待できる。

例:食事や排せつは自分で行えるが、入浴の時に背中を洗ったり浴槽をまたぐことができない。

<要介護>

日常生活を自分で送ることが困難で、誰かの介護が必要な状態。

例:食事、入浴、排せつにおいて見守りや介助、介護が必要。

要支援の人が利用できるサービスは?

要支援の人でも利用が可能なサービスや入居が可能な老人ホーム、夜間も安心な宿泊サービス等、介護施設の種類は結構あります。

特に介護予防訪問リハビリテーションは要支援の方が対象となっており、事業所の医師による診察および指示に基づき実施されています。

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった専門の職員が、必要な訓練やリハビリを行ってくれるので安心です。

また、介護予防訪問看護では、病院などの医療機関から看護師や保健師が家庭に訪問し、健康のチェックや療養上で必要なお世話、診療の補助を行ってもらえます。

<要支援1、2が利用できる施設、サービスの一覧>

・訪問介護

・訪問入浴

・訪問看護

・訪問リハビリテーション

・通所介護(デイサービス)の一部

・通所リハビリテーション(デイケア)

・地域密着型通所介護

・認知症対応型通所介護

・認知症対応型通所介護

・小規模多機能型居宅介護

・短期入所生活介護(ショートステイ)

・短期入所療養介護

・福祉用具貸与の一部

・住宅改修

・サービス付き高齢者向け住宅

・有料老人ホーム

グループホームは要支援2からとなっています。介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設などは利用することができません。

要支援の人が受けられるデイサービス『介護予防サービス』とは

デイサービスでも要支援の人が受けられる「介護予防サービス」がある、と先述しましたが、ここでは介護予防サービスの概要について解説します。

介護予防サービスは、生活機能の改善を目的としたサービスです。高齢者の心身の状態が悪化したり、要介護に進んでしまうことを予防するために支援、サポートを行います。

このサービスは地域ごとに制度の内容や費用の額が異なるため、お住まいの市区町村の窓口や包括支援センターに確認をしましょう。

介護予防サービスには、自宅で受けるサービスと日帰りで施設に通って受けられる通所系サービスがあります。

<自宅で在宅したまま受けられる介護予防サービス>

・介護予防訪問入浴介護

・介護予防訪問看護

・介護予防訪問介護

・介護予防訪問リハビリテーション

・介護予防居宅管理指導

<通所して受けられる介護予防サービス>

・介護予防通所介護(デイサービス)

・介護予防通所リハビリテーション(デイケア)

その他、総合事業として市区町村の支援により実施されているサービスもあります。

例:

・体力つくり教室

・介護予防をテーマとした講演会

・栄養改善、口腔機能向上、認知症予防などについて学ぶ介護予防教室

・高齢者が集えるサロンの開設

・生きがい作りを目的としたサークル活動

・介護予防ボランティア養成講座 ほか

また、要介護の度合いによって利用できるサービスの頻度も異なります。そのうち、デイサービスが該当する通所型サービスの利用の目安は、

要支援1:週1回

要支援2:週2回

となっており、度合いが上がる程に頻度は多くなります。

要介護認定の申請からサービスを利用するまでの流れ

実際にサービスを利用する際の流れを簡単にまとめます。

1.市区町村に申請

2.認定調査、主治医意見書

3.審査判定

4.認定

5.地域包括支援センターに相談し、介護予防サービスの計画書(ケアプラン)の作成してもらう

6.サービス利用の開始

結果が出て認定がおりた後は、サイトや資料、地域包括支援センターの担当や家族と相談しながら施設の情報を収集し、気になる所があれば見学や体験を予約しましょう。

本人が直接見ることで施設の設備や職員、スタッフ、利用者の雰囲気、提供されるサービスの内容、周りの環境などを知ることができ、不明な点は質問をして理解することで施設選びの参考になりますし、利用する際の不安が減ります。探す際は幾つかの施設を見て検討することをおすすめします。

要支援の支給限度額や負担の割合について

要支援の方が介護保険から給付され利用できる介護サービスの限度額は厚生労働省より定められており、月額で支給される限度額はそれぞれ以下のようになっています。

要支援1:50,320円

要支援2:105,310円

また、介護保険サービスを受ける際の自己負担については1割の方が多いのですが、仕事をしている等、高所得な方は3割の負担と判断されるケースもあります。

介護保険施設以外にも、介護付き有料老人ホームのような”特定施設”と呼ばれる全国の自治体から指定を受けた施設でも介護サービスを受けることが可能です。

その際の自己負担の料金は、要支援1で5,460円、要支援2で9,330円となっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

上記のように要支援であっても利用できる介護サービスや要支援の方に向けたサービスは比較的多くあります。

これらを利用したり、日頃から現在の身体の機能、理解力など認知の機能を低下させないようにすることが大切です。

そのため、車いすにならないよう外出の際はしっかりと歩行したり、難しい部分があれば介護サービスと組み合わせながら取り組みましょう。

他にも介護サービスやデイサービスについて知りたいことがわかる記事を多数掲載しております。ぜひ合わせてご覧くださいませ。

デイケアとデイサービスは併用できるか

デイケアとデイサービスはどちらも自宅から施設へ通いサポートを受ける通所タイプの介護保険サービスで、更に名前も似ていることから同じサービスであると混同される事が多いのですが、実際は対象者となる条件や目的など異なる種類のものとなります。

「デイケアとデイサービスは併用できるか」といった質問をもらう事も多いため、今回の記事ではその答えと、条件などのさまざまな情報を紹介し、解説いたします。

介護保険サービスを探す際、それぞれの違う特徴を踏まえ、自分に合ったよいサービスを選択するお手伝いができれば幸いです。どうぞ最後までご覧くださいませ。

デイケアとデイサービスの条件を満たせば併用できる

現在、デイサービス(別名:通所介護)を利用されている方の中には、病気やケガなどによってリハビリテーションや医療ケアが必要・・・という方がいらっしゃるかと思います。

逆にデイケア(通所リハビリテーション)を利用している中で、日常的な介護や介助をもっと受けたいという方もいるのではないでしょうか。

実はこの二つ、両方の利用条件を満たしていれば併用することが可能なのです。

そのため、要支援1~2の方はデイサービスの利用条件から外れますので基本的にデイケアのみとなりますが、介護予防サービスを利用したり、介護保険を利用せずに全額自己負担で利用ができるデイサービスもあります。

デイケアとデイサービスの移行も可能

例えばデイケアの利用によって効果があり、身体の機能が回復し、これ以上特別な医療ケアや専門的なリハビリが不要となったという場合、デイサービスへと移行することが可能です。

費用もデイサービスと比較してデイケアの方が高い料金がかかる為、経済的な負担を軽減する為にも状態が良くなれば移行はおすすめです。

逆にデイサービスを利用していたが、より手厚い医療ケアや専門的なリハビリが必要となった場合も、病院で医師の診断により認められればデイケアへ移行することができます。

併用ではなくこのような方法もありますので、状態や希望に合わせて検討してみて下さい。

デイケアとデイサービスの利用条件とは?

デイケアとデイサービス、両方の条件を満たすことで併用ができるとお伝えしましたが、それではそれぞれの条件とはどのようなものなのでしょうか。

以下にその違いについて簡単に紹介してまいります。

<デイサービス>

デイサービスでサービスの提供を受けるには、基本的に65歳以上の高齢者で要介護1~要介護度5の要介護認定を受けていることが必要です。

<デイケア>

デイケアの場合は、デイサービスの条件に加えて要支援1または要支援2の方でも利用が可能です。また、高齢者だけでなく精神疾患の患者も対象となります。

ただし、いずれも医師から「リハビリの必要がある」と診断された人という条件があります。

デイサービスもデイケアも、65歳以下で特定疾病が理由で要介護の認定が認められた場合には、介護保険サービスの利用が可能です。

デイケアとデイサービスのそれぞれの特徴と内容

デイケアは「医療ケア」、デイサービスは「介護」に特化した介護保険サービスで、どちらも自宅から施設へ通って日中の時間に日帰りで利用します。(送迎がつきます。)

デイサービスでは食事、入浴、排泄といった日常生活における動作の介助や介護を行ったり、運動で体力をつけたり、レクリエーションに参加して他の利用者や職員、スタッフ、地域の方と交流をしたり、口腔ケアや栄養ケア、身体機能や認知機能の向上、維持、回復、改善のための機能訓練を受け、利用者である高齢者が自宅や居宅などで少しでも長く健康で自立した生活を送れるようさまざまな介護の予防となる支援を行うことが主な目的です。

対してデイケアは個別で行われるリハビリを中心に実施され、専門的な医療ケアを提供する点が大きな特徴です。

ちなみにデイサービスの機能訓練は専門家や資格を持っていない人でも指導が行えます。

どちらにも看護師が常駐しますが、デイサービスは介護士が中心となり、他にも機能訓練指導員や生活指導員が配置されています。

デイケアの場合は医師やリハビリの専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など)がいます。

施設の数はデイサービスの方が多く、デイケアは少ない傾向にありますが、最近では機能訓練に特化した機能訓練型デイサービスや、認知症に向け対応したデイサービス等を運営する施設も増えています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

デイケアとデイサービスは両方の条件を満たすことで併用できることが分かりました。

サービスの概要や利用に関して分からないことや、申請について等は、担当のケアマネジャーや居住する市区町村の窓口に相談しましょう。

その他、入居タイプの介護施設や介護に関連したサービスは、有料老人ホームやグループホーム、サービス付き高齢者向け住宅介護老人保健施設、訪問介護、訪問看護etc…と種類が多く、何が違うのか選び方が分かりにくいという問題があります。別で詳しく特徴や違い、メリット、デメリットについて説明している記事もありますので是非ご覧ください。

生活介護って何?デイサービスの違いを紹介

生活介護は障害者を対象とした福祉サービス

要介護認定を受けた高齢者の自立支援、生活支援を目的とした介護保険サービスであるデイサービスと違い、生活介護は障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの中の自立支援給付(介護給付)によるサービスの一つであるという点が大きく異なります。

デイサービスと違い、「障害支援区分認定」を受ける必要があり、市区町村に申請を行います。

「障害支援区分認定」とは、必要な支援の程度を段階的に示した指標であり、低い方から区分1~区分6の6段階に分けられます。(非該当もあります。)

これはその人の障害の特性や心身の状態に関する調査をし、その結果に応じて認定されます。申請から決定まで約2か月かかることもありますので、それを踏まえ余裕を持って申請しましょう。

介護給付の支給の流れは、区分の認定がおり、本人または指定特定相談支援事業者が「サービス等利用計画案」を作成し、居住する市町村に提出することで個別に決定されます。

デイサービスの場合は本人による計画の作成は困難な場合が多く、知識が豊富なケアマネジャーがケアプランを作成することがほとんどなので、この点でも違いがありますね。

生活介護の目的は?

生活介護は、常時介護を必要とする状態の障害者が障害者支援施設等に自宅や入所している施設から通所しサービスを受けることができ、デイサービスと同様に送迎もあります。

しかし介護予防、自立支援などを目的としたデイサービスとは異なり、生活介護の場合は障害者の社会参加や自立の促進、生活の改善、身体機能の回復、維持や向上等を目的としています。

生活介護の対象者は?

生活介護は身体障害、知的障害、精神障害、難病患者等で、地域や施設において安定した生活を営むために介護等のサポートが常時必要な方で、通常、以下に該当する方が対象となります。

・50歳未満 障害支援区分3以上(施設入所支援を併用する場合は区分4以上)

・50歳以上 障害支援区分2以上(施設入所支援を併用する場合は区分3以上)

ただし、市区町村から必要性を認められた場合は上記の区分に満たしていなくても利用が可能となるケースも有ります。

また、状況にもよりますが病院に入院していたり施設に入所していても利用できます。

生活介護で提供されるサービスの内容は?

生活介護は障害者支援施設や生活介護事業所等で日中の時間に以下のようなサービスが提供されます。

<生活介護の主な内容一覧>

・入浴、排泄および食事等の身体介助

・調理、洗濯および掃除等の家事援助

・生活等に関する相談及び助言、指導

・その他の必要な日常生活上の支援

・創作的活動または生産活動の機会の提供

・その他の身体機能または生活能力の向上のために必要な援助

日中以外の夜間や休日は「施設入所支援」にあたりますので、生活介護と組み合わせて利用されます。

デイサービスでも生活に必要な介助や相談、レクリエーションに参加して創作活動や利用者同士の交流、身体機能訓練といった共通する内容がありますが、家事援助などより幅広いサポートが生活介護では受けられる事がポイントです。

生活介護施設で就労する人

生活介護を行う施設に配置され主な職員は、生活支援員、サービス管理責任者、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの職種の方が活躍しています。

中でも中心となるのが生活支援員です。

生活支援員は利用する障がい者の方の日常生活や機能訓練だけではなく、創作活動や生産活動の支援や相談といった全般的なサポートを担い対応します。

その他、関連する関係各所と連絡をとったり、利用者やその家族の話を聞き、必要としていることや課題の分析なども行って、より良いサービス提供に向けマネジメントを行うことも大切な仕事です。

デイサービスで中心となるのは「介護士」ですので、この点にも違いがありますね。

生活支援員になるには必要な資格はなく経験がなくてもなれますが、採用情報を見ますと実績や経験を求められる場合が多く為、福祉系の大学を卒業後、社会福祉主事任用資格等を取得したり、一般の大学で教育免許や心理学、教育学、社会学の学位を取得したり、福祉人材センターで採用試験に合格したりした方が就職しやすいでしょう。

介護福祉士や社会福祉士としてデイサービスで働いた方が、その経験を生かして生活支援員に転職するということもあります。

障害者向けのサービスや施設を探す

介護施設には様々な種類がありますが、障害者支援施設や生活介護事業所の他にも障害者の方を対象とした在宅したまま受けられる居宅サービスや入所施設もあります。

障害者の認知症の方向けのグループホーム、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、介護老人保健施設、短期入所(ショートステイ)、小規模多機能型居宅介護事業、訪問介護、訪問看護etc…

それぞれ施設によって方針や特徴、メリット、デメリット、利用の条件は異なりますので、希望に合う気になる施設が見つかったら、資料やサイトの案内だけではなく見学や体験を実施している施設がほとんどなので予約をして、幾つかの施設を比べて選択をすることをおすすめします。

実際に見ることで不明な事を直接質問することができ、入所する前に施設の雰囲気や設備、立地エリア等について確認できる事で持っていた強い不安を解消してもらう事もできます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事では、生活介護とデイサービスの違いについて簡単に解説させていただきました。

サポートが必要な障害をお持ちの方は、障害支援区分認定を受けることで少ない負担で必要な支援を受けることができます。

ご紹介した内容が役立ちますと幸いです。

障害福祉サービスについての概要や詳しい情報は、下記の厚生労働省のホームページに掲載されていますので合わせてご覧ください。

障害福祉サービスについて

デイサービスを利用する際の介護保険の適用について

介護施設や介護サービスを探す際、必ずといって出てくるのが「介護保険」ですよね。

今回の記事では、デイサービスの利用における介護保険についての基礎を、簡単に解説したいと思います。

これらの内容は施設や地域、サービスによっても異なる場合がありますので、詳細については担当のケアマネ、役所、地域包括支援センターの職員にお問い合わせください。

ご紹介した内容が役立ち、介護サービスの選び方の参考になれば嬉しいです。

デイサービスは介護保険の居宅サービスの1つ

デイサービスは介護保険事業の介護保険サービスの中で12個ある「居宅サービス」に分類されるサービスです。

居宅サービスとは、自宅で生活を送っている人を対象とした介護保険の介護サービスを指し、その費用は要支援または要介護度、利用するサービス、利用する時間(通常は7時間以上8時間未満)、居住する市区町村によって変わります。

ちなみにデイサービスは、日常生活に必要な機能の向上や維持、改善の為の指導や介助が受けられる自宅で生活をしながらサービスが提供される介護施設へ通うサービスで、移動は事業所の車で送るので交通手段のない方や車いすの方でも安心です。

<介護保険サービス:居宅サービスの一覧>

・訪問介護

・訪問入浴介護

・訪問看護

・訪問リハビリテーション

・居宅療養管理指導

・通所介護(デイサービス)

・通所リハビリテーション(デイケア)

・短期入所生活介護

・短期入所療養介護

・特定施設入居者生活介護

・福祉用具貸与

・特定福祉用具販売

デイサービスは医療費控除できるの?

介護保険で受けることができる介護サービスには、デイサービスを含む福祉系のサービスと、介護老人保健施設や短期入所療養介護などが含まれる医療系のサービスの2種類があります。

医療系サービスについては治療を目的としたサービスなので、医療費控除の対象となりますが、デイサービスの場合は治療を目的としていない為、医療費控除を受けることは出来ません。

基本的にデイサービスは医療費控除の対象外ではありますが、医療系のサービスと併用している場合には状況によって対象となるケースもあります。

デイサービスの利用には介護保険における要介護認定が必要

デイサービスを利用する条件として、介護保険における「要介護認定」を受ける必要があるというのがデメリットでしょうか。

しかし要介護認定を受け、認定されることで介護保険被保険証が居住する市区町村から交付され、デイサービスの利用料の自己負担額が1割となるので、大きな負担軽減となります。(高所得者の場合は2割または3割の負担となる。)

要介護認定は申請が少し手間ではありますが、介護保険は必要な介護を安い料金で受けられる他、他の人の交流できる環境、介護士や看護師による健康管理や作業療法士や理学療法士といった専門職による訓練が受けるられる等、メリットの方が多いでしょう。

要介護認定には二種類あり、65歳以上の第一号被保険者と、40歳以上65歳未満で特定疾病が原因により認定を受けた第二号被保険者に分けられます。

デイサービスを利用したい時の流れ

デイサービスの利用を希望するにあたり、居宅介護支援の事業所に所属するケアマネジャーが担当し、対応します。

介護サービスは理解するのが難しい内容が多いですが、親切に教えてもらえます。

ケアマネージャーは本人とその家族に対し、困っていることやサービスに希望すること等を聞いてまとめ、要介護と同じようにケアプランと呼ばれる居宅サービス計画を作成して利用する介護サービスの詳細を決めていきます。

介護保険で利用できるデイサービスと一言でいっても、施設ごと、様々な特徴を持っています。

特に最近は運営する会社によって色々な趣向を凝らしており、リハビリに特化したデイサービス(機能訓練型デイサービス)や認知症の方に向けたデイサービス、宿泊ではありませんが日中だけでなく夜間までの1日(長時間)滞在ができる施設、入浴の有無、規模の大きさ、レクリエーションの内容にも違いがあります。

資料を取り寄せたりサイト等から情報を得て、身体の状態に合わせ、気になる所があれば見学や体験の予約を入れましょう。

ケアマネジャーは地域のデイサービスに関連する専門の知識が豊富ですので、相談の上、見学の予約を入れてもらうことも可能です。

実際に見学や体験をすることで、職員やスタッフ、他の利用者の雰囲気を知ったり、食事の内容や介助、設備についても直接見て感じることが出来ますので重要です。

幾つかの施設を見て検討し、決めた後は、次にデイサービスより具体的に提供されるサービスの内容や送迎についての説明を受け契約を交わし、いざ利用開始という流れになります。

要介護認定を受けていなくてもデイサービスを利用することが出来る?

要介護認定を受けていない人でもデイサービスを利用することが出来る場合があります。

その際は、まずは地域包括支援センターや、お住まいの地域の役所にある介護保険の窓口に問い合わせをしてみて下さい。

厚生労働省が示す「基本チェックリスト」という項目に沿って、センターの職員が高齢者に対して質問し、確認を行います。

これを行うことで、要介護の認定が出そうにない場合でも、この基本チェックリストに該当することで要支援1~2、日常生活総合事業対象者のいずれかとして認定され、デイサービスの中の「介護予防サービス」を利用できる場合があります。

これはその名の通り介護予防や生活支援、自立支援を目的として実施されているサービスで、地域包括支援センターにて介護予防ケアプラン(介護予防ケアマネジメント)の作成を行ってもらい、利用することが出来ます。

その他の介護施設における介護保険の適用について

通所とは異なり、入居型の介護施設では介護保険は適用されるのでしょうか?

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、小規模多機能型居宅介護、グループホーム等といった入居型の介護施設でも介護保険が適用されるサービスが提供されますが、対象となるサービスや適用に必要な手続きの方法については確認が必要です。

また、介護付きの老人ホーム等は施設の中で介護サービスを受ける為、デイサービスのような外の介護サービスを受けることは出来ませんので注意しましょう。

デイサービスとデイケアの違いをカテゴリ別で解説します

デイサービスとデイケアの違い

介護事業所のデイサービス(通所介護)とデイケア(通所リハビリテーション)はいずれも同様に在宅しながら日中に介護施設に通い(送迎あり)介護サービスを受けるもので、それに加え名前も似ている為、何が違うのか理解や判断がしにくく選びにくいという声も実際に聞かれます。

そこで今回の記事では、それぞれの基本の違いやメリットやデメリット、取り組みや利用する理由、利用者の状態の違いなどを各カテゴリ別に以下で紹介してまいります。

現在、施設の選び方に迷われている際やこれから探す方にとって役立ちますと幸いです。

デイサービスとデイケア『目的の違い』

デイサービスの目的は”介護予防”であり、利用する高齢者が自宅で少しでも健康で自立した生活を送ることができるように支援を行い、日常生活におけるさまざまな動作や活動で必要な介護を行うことが中心となります。要介護認定を受けた方が対象です。

デイケアの目的は”リハビリ”が中心で、医療的ケアに力を入れています。身体機能の回復や維持、認知機能の改善といったことを目指しています。デイサービスと異なり、要支援の方でも利用する事ができます。

どちらも機能訓練を受けられますが、より力を入れている所の違いというのが大きなポイントです。

デイサービスとデイケア『サービスの違い』

サービス内容の違いとしては、デイサービスでは食事や入浴、排泄の介助、レクリエーション、機能訓練が主に提供され、デイケアでは栄養改善や専門家による運動機能、口腔機能の向上、器具を用いたリハビリテーションや体力測定が個別で行われます。デイケアの方が医療ケアに近く、利用者とのコミュニケーションは多くなく、レクで他の人と交流し楽しく過ごす時間も多いデイサービスとは異なる点です。

デイサービスとデイケア『人員体制の違い』

それぞれの施設に配置されている人員は、デイサービスは介護士、看護師・准看護師、機能訓練指導員、生活指導員となっており、デイケアでは介護士、看護師の他に医師やリハビリ専門職の職員(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が従事しています。

デイサービスは生活相談員がいることから、介護や生活における悩みや質問を聞いてもらえ、デイケアでは医師が常駐しているので医療ケアが手厚くもしもの時に安心といった特徴があります。

また、スタッフに作業療法士がいる施設であれば認知症の方に向けて認知機能を確認しながら適した助言や効果のある訓練の方法をもらうことができ、認知症の対応に特化したデイサービスを運営している会社もあります。

デイサービスとデイケア『機能訓練の違い(機能訓練とリハビリの違い)』

デイサービスでもデイケアでも、どちらも”機能訓練”を受けることが出来ますが、機能訓練はリハビリに関する資格を持っていない人でも行う事ができる運動です。

対してリハビリというのは病院で医師の診察を受け、医師の指示の上でリハビリの専門職による専門的な計画と指導の元、心身の機能の回復や日常生活における自立支援の為の運動療法が実施されます。

主に理学療法、作業療法、言語聴覚法などがあります。

最近はデイサービスでも機能訓練型と呼ばれる施設が人気で、専門家によるサポートを受けることが出来るデイサービスも増えていますが、訓練の時間はデイケアよりも短い傾向にあります。

デイサービスとデイケア『料金の違い』

二つを比較してみるとデイケアの方が負担はやや高いです。それは専門的な医療介護を受けることが出来る為でしょう。

先述した通りデイサービスでも機能訓練を受けることは出来る為、介護認定の度数が低く、特別な医療ケアが必要でないという方は費用の負担を軽減するためにデイサービスを利用することがおすすめです。

デイサービスとデイケアは併用が可能

実はデイサービスとデイケアの二つのサービスを併用することは可能です。

ただし、デイサービスは要支援1、要支援2は利用対象の条件から外れます。そのため、要介護1~5の認定を受けた人に限ります。

デイサービスの中には一部「介護予防サービス」という名の施設があり、こちらは要支援の人でも介護保険を使わずに利用することが可能です。

併用を希望する場合は情報や知識が豊富な地域のケアマネジャーに相談し、それぞれの施設に家族と本人が直接見学をして設備や雰囲気をチェックし、施設ごとに検討してから選ぶようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?

以上のように一見、似ているもののデイサービスとデイケアには様々な違いがあります。

詳細については各施設により異なる場合がありますので、資料やサイトで概要を確認し、問い合わせや施設へ訪問をしてみて下さいね。

この他にも訪問介護と訪問看護の違いや、老人ホームや有料老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅といった入居タイプの施設の基準や違い等、介護や福祉のサービスに関連したこれらの分かりにくい介護事業の種類について役立つ説明をしている記事やコラム、申し込みの流れについて紹介している記事もありますので、合わせブログのメニューからご覧いただき参考にしていただければ嬉しいです。

介護施設の探し方を簡単に解説!

介護施設の探し方が分からないとお困りの方はとても多い

現在、介護施設の種類は非常に多く、それぞれの特徴や目的、条件はもちろん、一体どこで相談すれば良いのかとお困りの経験をされている方は多いかと思います。

そこで今回の記事では、簡単に介護施設の種類と特徴、そして探し方や選び方、その中で注意したい点などをご紹介してまいります。

介護施設の探し方を知りたいと思われている皆さんに、この情報が役立つと嬉しいです。

【介護施設別】目的と特徴

介護予防と機能維持、改善を目的とした介護サービス

デイサービス(通所介護)とデイケア(通所リハビリテーション)は、自宅で暮らしながら介護施設へ通い必要な介護サービスの提供を受けるものです。

デイサービスの主な内容は日常生活における介助(食事や入浴等)や身体の機能を維持、改善する為の機能訓練を受け、イベントやレクリエーションも実施され、認知症の対応に特化した施設もあります。施設による送迎もついています。

利用できる人は要介護度が1~5が対象となり、要支援だと利用が出来ません。

一方でデイケアの内容は、リハビリに特化したサービスで、病院や介護老人保健施設(老健)で行われます。要支援1~要介護5までで医師によりリハビリが必要と判断された方が利用できます。

また、この他に、在宅での介護を受けている高齢者が介護をする家族の負担軽減や事情により一時的に短期間施設に入所するショートステイや、介護を必要とする障がい者が支援施設等に通所することにより様々なサポートが受けられる生活介護もあります。

自宅で介護や看護を受けられる訪問サービス

自宅で暮らしながらヘルパーや看護師に訪問してもらい必要なサービスを受けられる訪問介護と訪問看護があります。

訪問介護は生活で必要な介助の他に、通院や外出、移動の介助、調理や洗濯、掃除、清拭、服薬の介助や管理、自立生活支援など、家事も含めた様々な介護や援助を行います。

訪問看護は医師の指示に基づき、在宅で医療処置が必要な場合に受けることができ、更に生活に必要な介助もあります。

状態や希望に合わせた入居型施設

施設に入居するタイプの老人ホームには地域の自治体や社会福祉法人が運営する公的施設と企業が運営する民間施設があり、実に多くの種類に分けられますので一番探し方、選び方が難しいかも知れません。

以下の11種類に分けられ、それぞれ入居できる条件や月額にかかる費用の相場も異なります。

<介護施設の一覧>

・特別養護老人ホーム(特養)

・介護老人保健施設

・介護療養型施設

・軽費老人ホーム

・ケアハウス

・介護付き有料老人ホーム

・住宅型有料老人ホーム

・グループホーム

・健康型有料老人ホーム

・サービス付き高齢者向け住宅

・シニア向け分譲マンション

それぞれの施設の詳細については別の記事に掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

合う施設やサービスの探し方・選び方のポイント

これだけの種類がある介護施設や介護サービスですから、どのように探し、選ぶと良いのか難しいですよね。

そこでおすすめしたい方法は、探す前に何を希望するのかを整理し、優先順位を決めることです。 

例えば・・・

<身体の状況>

・どんな介護サービスが必要か

・介護が必要な時間は24時間体制か日中だけか

・認知症の有無

・医療ケアや、看護師の常駐の必要性

<予算>

・収入(年金、生命保険など)はどの程度か

・利用できる補助金とその額

・入居にかかる初期費用の上限

・月額の上限

<場所>

・立地、エリア

・交通の利便性

・緑が多い環境か、買い物に便利な都会か

<居室・建物の設備>

・個室

・2人部屋

・大部屋

・浴室、食堂等の共用施設

ほか

出来るだけ細かく本人の意思を確認して、家族としっかり話し合ってまとめておくことが大切です。

これらはケアマネジャーへの相談や実際に利用する介護施設の担当者に伝えることができますし、施設を探す際や複数の施設を検討し比較する時にも判断材料となり役立ちます。

施設を探す流れ

優先順位が決まったら、実際に施設探しのスタートです。

大まかな流れとしては、以下のステップとなります。

1.情報収集(資料やパンフレットを請求、インターネット検索、ケアマネに相談等)

2.収集した情報の中から気になる施設をいくつか選ぶ

3.見学や体験の予約

4.仮申し込み

5.必要な書類の準備

6.面談

7.入所の審査

8.契約

資料は電話やメール、ホームページのフォームで連絡をして請求することが可能です。具体的な料金やサービスの内容、運営会社の概要など、基本的な情報を知ることができるのでよくチェックします。

そして必ず事前に見学や1日体験に参加し、その上で決定しましょう。理由は職員やスタッフ、他の利用者の雰囲気、提供されるサービス等を直接見て感じることが出来るので、施設ごとの違いが分かりやすく判断する際の参考となりますし、事前に施設に対する不安や疑問、悩みを解消でき、そのため安心して利用を開始しやすくなるからです。

まとめ

以上のように、老人ホーム等の介護施設や介護サービスにはたくさんの種類があり、それぞれに条件や特徴があります。

介護保険が適用されるサービスや医療保険が適用されるサービスなど、専門の高い知識がないと分からないことがたくさんありますので、ぜひ担当のケアマネジャーや地域包括支援センターを活用し、質問や相談を行ってみてくださいね。

生活保護を受給している方の介護施設、介護サービスの利用について

介護を受けたいけれど経済的に厳しいという場合、必要な介護サービスを断ってしまうというケースが少なくありません。また、病気やケガの際も医療費の負担がネックとなり病院で適切な治療を受けないといった方もいらっしゃいます。

できるだけ介護の必要なく、日常生活を自立して暮らしていけるよう、日々介護の予防に気を付けることが大切ですが、それでも年齢を重ねるとともに身体の不調は避けられなくなってきます。

そんな中で生活保護を受給している方もいらっしゃるでしょう。

単身者であれば毎月受給できる相場は10万円前後、夫婦2人であれば15万円前後、子どもがいる家族なら人数によっては合わせて30万円を超える金額を支給される世帯もあります。

しかし生活保護の受給を受けると様々な制約が付き、介護や医療機関から請求される金額は経済的に厳しいという点は同じようです。

そこで今回の記事では、生活保護受給者や経済的に不安を抱える高齢者の方におすすめの介護施設や介護サービスの選び方、注意点などについて解説して参ります。

是非最後までご覧くださいませ。

生活保護受給者は選択肢が限りがあるものの介護施設やサービスを利用することは可能

結論からお伝えしますと、生活保護を受給されていても介護施設への入所や介護サービスを利用することは可能です。

ただし、選択肢は限られますし利用の際に制限がある場合もあります。そしてもちろん、多少の支払いが発生する場合もあります。

充実したサポートとなると高額な費用がかかって流石に難しいですが、必要なケアを経済的な理由から受けられず状態が悪くなってしまってしまうのはもってのほか。

生活保護受給をしていても入れる施設を選び、少しでも負担する額が安くなるような選択をすることで介護サービスを利用できるのです。

生活保護受給者が入居できる介護施設

生活保護の方が介護施設へ入居を希望される場合、以下の二つをおすすめします。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、自治体や社会福祉法人が運営する公的施設になります。

所得に応じて負担軽減が受けられ、比較的少ない費用で入居することが可能。そのため、生活保護受給者や経済的な問題で費用がかけられない方に一番おすすめしたい施設です。

ただし、費用の負担が少ない分、入居を希望する方は非常に多く、どの施設も入居待ちで待機している人が多いという現状があります。

また、入居出来るのは原則として要介護度が3以上の方が対象となっているため、誰でも入居できる訳ではないという点がネックです。

民間の有料老人ホーム

企業が運営する民間施設である有料老人ホームは、利益が必要なため公的な施設の特養よりも費用は高くなります。

しかし立地や居室のタイプなどの選び方次第では費用を抑えることが可能です。

有料老人ホームの中でも

・住宅型有料老人ホーム

・サービス付き高齢者向け住宅

・グループホーム(認知症の方に向けた施設)

以上の3つは生活保護受給者を受け入れていたり、専用の料金体系を設定している施設がある割合が高いためおすすめですが、すべてのホームで生活保護の受給者を受け入れているわ

けではないので、入居の条件をよく確認の上申し込みを行いましょう。

介護保険サービスや介護施設での費用負担に関する限度額

施設へ通所するデイサービスや在宅したまま介護を受ける訪問介護など、介護保険サービスを受ける時に利用者は1~3割の自己負担が発生します。

しかし生活保護を受給している方は後に紹介する扶助制度により「介護扶助」が適用されるため、その費用は公費として事業所に直接支払われ、本人が支払う分は実質無料となります。

ただし本人の希望がすべて通るわけではなく、あくまで役所の生活保護課から必要だと認められたサービスに限定されます。

また、老人ホームで介護保険サービス以外にかかる家賃や生活費については、それぞれ扶助制度の「住宅扶助」「生活扶助」が支給されますので、要介護や要支援の認定を受けられた方はこのような制度を活用して介護サービスをうけたり施設へ入居するという方法があります。

生活保護受給者が介護保険サービスを受ける場合の注意

しかし、いくら公費負担であっても、かかる費用を抑える努力が必要となります。

いくつかポイントがあり、例えば、

・規模の大きい施設を選んだ方が利用する時間を短くすることができる可能性が高い

・ショートステイを利用する場合は個室ではなく大部屋を選ぶ

等です。

内容によっては自費の場合もあり、現在、その費用を割引したり免除することは認められていません。

デイサービスでの食費は実費が全額自己負担となりますが、施設によって料金の設定は異なるので食事の金額が安いところを選ぶと良いでしょう。

また、難病の場合は訪問看護が医療保険の適応となり自己負担が少なく済むことがあります。

いずれにせよ、担当のケアマネジャーにしっかりと相談をし、できるだけ負担を減らして必要なサービスが受けられるようケアプランを組んでもらうことが大切ですし、ケアマネジャーもそれを検討し考える役割を担っています。

生活保護の扶助制度

生活保護制度には、人が生活を送る上で最低限必要な費用を補助する扶助制度というものがあります。

<扶助の種類一覧>

・住宅扶助

→市区町村によって金額の上限は異なるが、単身者の場合は月額5万円程度。それを超えた分は自己負担。上限に収まるのであれば0円で済みます。

・生活扶助

・医療扶助

・介護扶助

・出産扶助

・教育扶助

・葬祭扶助

意外と種類が多いですね。それそれの扶助には基準が設けられており、生活保護を受給されている方の生活状況に応じて上限の範囲内で支給されます。

支給される額についてはお住まいの地域の生活保護課へお問い合わせください。

また、生活保護を受けている場合年金は受けられるのかといった質問がございますが、両方から支給を受けることは可能です。ただし、年金は収入として見なされるため生活保護が減額されます。

まとめ

金銭面の問題は人に言いたくない方が多く、相談できないまま必要なサービスを利用せずに身体機能や精神面の状態を悪くさせてしまう可能性があります。

また、高齢者の中には情報を探す事や説明を受ける事、手続きを行う事が億劫という方も少なくありません。

しかし実際に介護保険サービスを利用されている方の中には生活保護者を受けられている方もいらっしゃいますし、今回ご紹介した他にも様々な方法は考えられるため、知識が豊富なケアマネジャーやケースワーカーにしっかり相談して対策を一緒に探し考えていきましょう。

味付けは?料金は?介護施設での食事提供について

介護施設を選ぶ際、何を重視して選びますか?

高齢者の方にお聞きすると、どんな食事が提供されているのかを気にされる方が意外と多いようです。

一人ではなかなか栄養の管理や食事の準備が難しく、その分施設で栄養バランスの取れた美味しい食事が取れたら嬉しいですよね。

また、健康状態によっては安全に食事をすることも重要になってきます。

そこで今回は、介護施設での食事提供について簡単に解説させていただきます。

この記事が皆様の施設選びの際に役立ちますと嬉しいです。

介護施設での食事提供に満足していますか?

「健康は食事から」と言われる通り、食事は皆さんの健康作りのために非常に大切なものの一つです。

老人ホームなどの入居型施設では朝食、昼食、夕食の三食、デイサービスなどの通所介護施設では昼食の食事提供がありますが、皆さんがご利用されている施設の食事提供には満足されていますか?

病院の食事のように介護施設で提供される食事は「栄養バランスを重視していて味がイマイチ」といったイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。

食事の時間は利用者の方にとって毎日の大きな楽しみの一つで、どんな食事を提供されているかは施設選びの際の重要な選択肢の一つにもなっています。

介護施設の食事提供で重視されているポイントとは

高齢者の方が利用する介護施設での食事提供で重視されている主なポイントは、

・栄養バランス

・食べやすさ

・見た目

・味付け

があげられます。

健康のための栄養バランスはもちろん、食欲が低下している方でも食べたいと思えるような見た目も考えられています。

また、介護施設で提供される食事には一般的な食事である「常食」以外に、利用者の疾患に合わせて塩分を減らしたりやカロリーを制限するといった配慮を加えたメニューである介護食も提供されます。

また、機能の状態や力に合わせてやわらかさを調整したり、とろみを付けたり、細かく刻んだりミキサーにかける等、咀嚼や嚥下しやすく工夫された食事を用意することも可能です。

介護施設で提供される食事はどこで作られている?

施設内の厨房で全て調理し提供しているところもあれば、一部の食材を施設外で調理して最終の仕上げだけを施設内で行うところ、そしてお弁当などを扱う外部の事業所に委託をして調理、配達をしてもらうところがあります。

このように介護施設での食事は主に施設が直接運営を行う「直営給食」と、給食だけ外部の会社に委託する「委託給食」に分けられ、どちらが良いということはありませんが最近は委託を利用している施設が増えている傾向にあります。

ちなみに有料老人ホームでの食事提供は、栄養士(管理栄養士)が献立を作成し、栄養士または調理師の配置の体制が人員規定で定められています。

人気の行事・イベント食

介護施設では季節を感じるイベントや行事を意識した料理が提供されることもあります。

その理由としては日々における各行事を祝い、日本の美しい四季を感じ季節の変化や時の移ろいを楽しむことは精神的な面にもとても良い影響があると言われており、このような季節に合わせたメニューを他の利用者の皆さんと一緒に食べることでもその役割を担っていると言えます。

以下、主な季節のメニューの例を一覧でご紹介致します。

1月:おせち料理、お雑煮、鯛や鮭

2月:恵方巻、バレンタインデーのチョコのおやつ

3月:ちらし寿司、ホワイトデーのクッキーのおやつ

4月:お花見の弁当

5月:柏餅

6月:水菓子

7月:そうめん、うなぎ

8月:精進料理

9月:栗ご飯、おはぎ

10月:月見の団子、かぼちゃ料理

11月:紅葉を意識した彩りメニュー

12月:クリスマスのチキンやケーキ、年越しそば

見ているだけでもワクワクしてきますね。この他にも、地域によってその季節に合った食材を使った料理もあります。

介護施設選びのポイント

先述した通り、介護施設を選ぶ際の条件として食事提供の内容を重視されている方が多くいらっしゃいます。

しかしサイトで案内されている情報だけでは実際の味付け等を知ることは出来ません。

各施設ごとの食事の特徴がありますので、後になって後悔しないよう、契約をされる前に必ず見学や体験を行い、試食をした上で判断していただいた方が安心かと思います。

また、介護施設での食事やおやつの費用は介護保険が適用されず、事業者が自由に値段をつけています。

相場としてはだいたい500円から1,000円くらいかかりますが、施設ごとに違うため必ず確認し、経済的に高いと感じるところですと通い続ける事が難しくなりますので注意しましょう。

介護施設における食事提供で大切なこと

味付けの好みや食事がしやすい形態というのは人それぞれ違います。

最近の介護施設では個別の要望にできる限り寄り添う施設が増えているものの、多くの人数に向けて調理している以上、完全に個別で対応をすることは難しい状況です。

とはいえより美味しく楽しい食事を提供する為に、施設の職員やスタッフは実際に食事をされている利用者の声を受け、要望があれば取り入れて改善を図る努力が必要かと思います。

そのためには日頃から利用者の方とのコミュニケーションが取り、お互いに声をかけやすい環境を作ることが大切。その中で食事に関する満足度を確認したり、食事に対する要望や質問、相談、本音を気軽に聞ける機会を作ることが出来ます。

定期的にアンケートを実施するのも良い方法でしょう。